【議事録】倫選特別委員会(都道府県議会議員の選挙区割法案)

平成25年11月27日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。

この法案の審議の前に、まず、私からも副大臣に質問させていただきます。

昨年十二月の衆議院議員選挙の一票の較差につきまして、十一月二十日に最高裁で判決が出ました。違憲状態ということですが、これをどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

○副大臣(関口昌一君) 先ほど足立委員からも同じような質問をいただいたので、重なるかと思いますが、二十日に判示されました昨年の十二月の衆議院の総選挙に係る一票の較差の訴訟の最高裁判決は、違憲状態、合理的期間未経過とするもので、厳粛に受け止めております。

今般の〇増五減による区割り改定については、二十三年の最高裁判決で違憲状態とされた選挙区間の較差を早期に是正するために、司法からの要請、さらには立法府からの要請に沿って行ったものでありますが、今回の判決においては、較差是正に向けた国会の取組に一定の評価がされたものと理解されております。

一方、一人別枠方式については、その構造的な問題は最終的に解決されているとは言えないとし、国会における取組の必要性を指摘をいただいております。

今回の判決を受けての対応については、まず各党会派で必要な御議論をしていただき、政府としてはその結果を受けて適切に対応してまいりたいと思います。

同じような答弁で、申し訳ないです。

○行田邦子君 今、副大臣からも御答弁の中にありました〇増五減でありますけれども、さきの通常国会で成立したわけでありますが、ただ、この〇増五減ですけれども、結局は実質的に一人別枠方式を温存してしまっているようなものになっております。

そして、今現在、厳密に言いますと、少なくともというか、三月末時点での人口推計におきましては、この〇増五減というものを実施したとしても、なお一票の較差が二倍を超える選挙区が九選挙区あると推定をされる状態であります。ということは、つまり、〇増五減というものを実施をして次の衆議院選挙を行っても、またもや違憲状態、あるいはそれ以上の厳しい判決が下される可能性が高いと思われますけれども、その点について御所見を伺いたいと思います。

○副大臣(関口昌一君) 二倍を超える選挙区があるということで、これは多分、住民基本台帳人口によっての較差であるかと思います。今般の〇増五減による区割り改定は、各党会派の議論を経て、御党にも御賛成をいただいて成立して、二十二年の国勢調査人口に基づいてこの較差を二倍未満とするものであり、今回の最高裁の判決には一定の評価はされているものと理解しております。このことから、今回の判決において違憲状態とされた一票の較差は、現時点では基本的には解消されていると認識しております。

なお、住民基本台帳人口による較差は、今回の判決には直接関係するものではないと考えております。

○行田邦子君 ただ、次の衆議院選挙が行われるときにはその人口というのは住民基本台帳で測られるわけでありますので、〇増五減だけを行っても、やはり次の衆議院議員選挙でどういう住民基本台帳の人口になっていったかによって、一票の較差が二倍を超えるか超えないか、そしてまたそれが違憲状態であるか違憲なのかといったことが司法によって裁かれることになる可能性があるわけであります。

私どもみんなの党は、確かに昨年の十一月の衆議院のあの解散の直前の法改正におきましてやむなく賛成をさせていただきましたけれども、その後、全国各地の十六の裁判所での判決を受けまして、これはやはり緊急的に、〇増五減ではなくて緊急的に一票の較差を是正しなければいけないということで、十八増二十三減という法案を出させていただきました。残念ながら、さきの通常国会では審議はなされませんでしたけれども、〇増五減ではやはりこの一票の較差の問題というのは抜本的には解消されないということを改めて申し上げたいと思います。

そしてまた、今、選挙制度協議会が各党集まって行われているところでありますけれども、やはりこの一票の較差の問題、憲法でも投票価値の平等というものは要請されているものであります。これを担保していくためには、抜本的な選挙制度改革として私どもは一人一票完全比例代表制というものを主張しておりますけれども、引き続きまた選挙制度協議会におきましても訴えていきたいと考えています。

それでは、公職選挙法の改正案の質疑に入りたいと思います。

この改正案ですけれども、なぜこのような改正案が出されたのか。その事の発端は、全国都道府県議会議長会からの緊急要請でありました。平成二十一年十月二十七日に出されたものでありますけれども、そこではこのように書かれてあります。「地域代表と人口比例を調和させながら地域の実情に応じて自主的に選挙区を設定できることとすることにより、住民意思を正しく議会に反映させ、地域の振興を図る制度とすることが喫緊の課題となっている。」となっていますけれども、発議者に伺いたいと思います。各都道府県において具体的にどのような弊害が生じていると認識されていますでしょうか。

○衆議院議員(北側一雄君) 提案者の北側一雄でございます。

都道府県会議員につきましては、地域的なまとまりを構成する住民の意思を都道府県政に反映させていくと、そういうことが重要、それで地域代表という性格もあるというふうに認識をしております。

この一定の地域的なまとまりを画する客観的な基準として、これまでは法律の規定によりまして原則として郡市の区域によると、郡市の縛りをつくって、それで選挙区を設定していくと、このような考え方に立っておりました。ところが、御承知のとおりでございまして、郡というのは、明治十一年に郡市という行政単位が選挙区としてなされまして、それで郡市の地域代表という性格が県会議員にはあったわけでございますけれども、大正十年に郡制そのものが廃止をされます。郡には行政単位の実質がなくなりまして、また、その後、今日に至るまで合併の進行によって地域代表の単位としての郡の存在意義が大きく変化をしているというふうに認識をしております。

少し例えて申し上げますと、市町村合併等で、昔は大きな一つのまとまりのあった郡が市町村合併によって中で市ができてくる、そうすると飛び地のところが一つの郡になっている、それが一つの選挙区になっている、このようなことになっているわけでございます。そこをやはり一つの地域的なまとまりということで選挙区割りをしていく必要性があるではないかということで、従来のその郡市の縛りというのを外していこうというのが、そしてそれぞれの地方の自主性に任せていこうというのが今回の法改正の趣旨でございます。

○行田邦子君 今、主にその郡市の縛りによっての様々な弊害といったことを御説明いただきましたけれども、それでは郡市の縛りということを中心にお聞きしたいと思うんですけれども、この郡市の縛りが今の現行の法ではありますが、本改正案によって、これが成立することによって各都道府県で生じている具体的な弊害というのは解消されるんでしょうか。発議者に伺います。

○衆議院議員(北側一雄君) 今回の法改正によりまして郡の縛りがなくなります。そうしますと、今郡にあるのは町村でございますが、町村については隣接する市町村と合区ができると、これをそれぞれの都道府県議会で決めることができるということになるわけでございます。

○行田邦子君 郡市の縛りをなくすことによって、あくまでも都道府県の条例という自主性によってですけれども、選挙区を飛び地などを解消することができるということでもありました。

それでは、指定都市の区に係る選挙区について伺いたいと思います。

指定都市の区に係る選挙区については、現行制度ではその行政区の区域をもって選挙区としているところでありますけれども、この改正案では二以上の区域に分けた区域を選挙区の単位としようとするものであります。どのような経緯でこのような規定が盛り込まれたのでしょうか、発議者に伺います。

○衆議院議員(北側一雄君) 現行法では、政令指定都市、今二十の政令指定都市があるわけでございますが、現在どうなっているかといいますと、公職選挙法上は、政令市の区は行政区でございますが、これを市とみなすという規定があるがために、各区単位で府県会議員選挙をやるということに現行はなっているわけでございます。ところが、指定都市の区というのは行政区でございまして、議会もございません。また、そこで代表される議員というのは、あくまで都道府県会議員であるわけでございまして、地方公共団体である市とは性格は大きく異なっているというふうに考えられます。したがって、指定都市の区を市と同様に扱わねばならないという必要性はないだろうと。ですから、その縛りを外しまして二以上というふうに決めさせていただきました。

なぜ二以上なのかということなんですけれども、これは政令指定都市も大きなところから小さなところまであります。最大のところは横浜市、御地元でいらっしゃいます……(発言する者あり)あっ、違いますか、埼玉でしたね、失礼しました。横浜市は三百六十九万の人口があるんですね。それに対して最小の人口は岡山市、七十一万なんです。

そういう中で、いろいろ検討した結果、できるだけ自由度を認めていこう、ただし、今も政令指定都市になる以上は二つ以上の区をつくってくださいねという規定が地方自治法にありまして、それを考えると二以上でつくっていただきましょうと。特に人口最小の岡山のことを考えますと、まあ二以上でいいんじゃないのかと。逆に最大の横浜を考えると、まさかこれを一つの大きな選挙区にするわけにはいかないねというふうなところから二以上というふうに決めさせていただいたところでございます。

○行田邦子君 済みません、次の質問にもまとめてお答えいただいたようなんですけれども、それではその次の五番目の質問に移らさせていただきます。

確かに、今の御説明で二以上にしたということは理解をいたしました。その経緯というのは分かりました。しかしながら、今回のこの改正案というのは、都道府県が条例で自主的に選挙区を規定できるようにするといった目的もあるわけであります。そうした地方分権、地域主権改革の観点からしますと大きく前進している改正案だというふうに理解をしていますけれども。しかしながら、より柔軟な選挙区設定を図るという趣旨に鑑みれば、指定都市についても、法律で市の区域を二つ以上にするということを規定するのではなくて、あくまでもこのことについても各都道府県の条例に委ねる、市全域を一選挙区とする選挙区の選択肢というのも与えた上で都道府県の条例に委ねるといった、よりその地域の自主性、地方自治体の自主性を重んじるような形になぜしなかったのでしょうか、発議者に伺います。

○衆議院議員(北側一雄君) そういう考え方もあるかとは思います。それにつきましては、今後の検討の課題ということで認識をさせていただいております。

○行田邦子君 本改正案が成立をしますと、これまでの郡市の区域によると法律で規定していた都道府県議会議員の選挙区が、今後は、全国的に守られるべき一定のルールに基づいてではありますけれども、都道府県の条例で定めることができるようになります。それぞれの議会、また自治体の自主性というものは非常に強くなるわけであります。

この方向性というのは非常に良いと思いますけれども、ただ一方、これによって地域の実情に応じた柔軟な選挙区設定が可能になる一方で、議会の多数派による恣意的な区割りが行われるという可能性も出てくる懸念があります。こうした事態を防ぐことが必要だと私は考えますけれども、どのような方策が考えられるか、発議者の御認識を伺いたいと思います。

○衆議院議員(北側一雄君) 今回の法改正は、都道府県会議員の選挙区の区割りについて、それぞれの議会の条例によって自由度、裁量性、裁量を広めていこうと、ここが趣旨です。しかしながら、今おっしゃったような危惧もあるわけですね。多数派が自分の都合のいい選挙区割りをしてしまう、そういうおそれもあります。懸念もあります。私は、三つぐらい、選挙区割りを都道府県会で検討していただく際に三つぐらいの配慮していただくべき要素があるのかなと思っております。

それは、一つは、既に公選法で規定ございますけれども、公選法の十五条八項で、選挙区割りを考えるときは人口に比例してというふうにしています。これはもう大前提ですね。それから二番目に、同条の七項で、行政区画とか、衆議院選出の選挙区だとか、地勢だとか、それから交通等の事情等を総合的に勘案して、そういう要素も大事です。そして三点目に、先ほど来少し議論ありました。これは国会、衆議院、参議院の選挙制度でもそうだと思うんですけれども、民意の集約とそれから民意の反映、このバランスをどう取っていくのかということが常にやはり課題で、都道府県会議員選挙においても同様であると思います。

そういう意味で、余りにも定数一の都道府県会議員の選挙区が多くなり過ぎるというのも良くないしと私は考えておりまして、そうした過度に民意の集約というものがなされるような、そうした選挙区割りであってはならないというふうにも考えております。

○行田邦子君 私のおります埼玉県におきましても、県議会で、非公式ではありますけれども、選挙制度の協議会というものが既に設けられています。これはあくまでも、県議会の自主性ということでありますけれども、是非、多数派によってこの法の趣旨がゆがめられたり、また余りにも恣意的な区割りが行われるということがないように願っております。

そしてまた、二元代表制ということを考えても、また地域の代表制ということを考えても、より多くの地域の皆さんの声を議会に反映するということを考えても、余りにも一人区が多過ぎるということは私は問題があるのではないかなと考えておりますので、そういったことも踏まえて、是非それぞれの地方議会で自主性を発揮して、この法の趣旨と照らし合わせて適切な処置をしていただきたいことを期待をいたします。

最後の質問になります。

本改正案で附則の第四条を見ますと、新たに加わっているものがあります。「都道府県の議会の議員の選挙区の在り方については、この法律の施行後の状況を勘案し、地域の実情や都道府県の自主性に配慮する観点から必要な検討が加えられるものとする。」ことと。これは第百八十国会に提出された法案にはなかったものなんですが、なぜ付け加えられたんでしょうか。

○衆議院議員(北側一雄君) これは、前国会、通常国会で与野党協議を、この法案改正について事前の協議をさせていただきました。

その中で、各政党からも様々な御意見が出ました。更に自由度を高めるべきじゃないか。例えば、今回、郡市の縛り、郡の縛りを外しているのに市の縛りは外していないんですね。例えば、大きな政令指定都市にはなっていないけれども、人口が五十万ぐらいの一般市は幾つかあるわけですね。そういうところでは余りにもその選挙区が広過ぎるのではないか、市全体で選挙をやっていますから。そういうところの自由度も増すべきではないかという議論もありましたし、まあ様々な御意見がありました。

そういう中で、今回のこの附則四条、都道府県の議会の議員の選挙区の在り方については、この法律の施行後の状況を勘案して、地域の実情や都道府県の自主性に配慮する観点から、更に必要な検討をやっていこうということで、このような附則を入れさせていただいた次第でございます。

○行田邦子君 時代の変化や状況の変化に応じて不断の見直しをしていく必要があるとは思います。また、今回のこの改正法案によって、より地域主権改革、また地方分権といったものが進んでいくことを期待を申し上げまして、私の質問を終わります。

ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました