【議事録】農林水産委員会質問(特定農林水産物等の名称保護に関して)

平成26年06月17日 農林水産委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。
山田太郎議員に代わりまして今日質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。
せっかく農水委員会で質問の時間をいただきましたので、法案の審議、質疑の前に、関東甲信越地方におきまして二月に起きた大雪の被害について伺いたいというふうに思っております。
二月の十四日の夜に、関東甲信越地方におきまして記録的な大雪に見舞われました。私が住んでおります埼玉もその地域の一つでありました。交通網や、また電気などのインフラというのの復旧も、これは予想よりも時間が掛かってしまったわけでありますけれども、何よりもこの地域におきましていまだになかなか復旧が思うように進んでいないのが農業でございます。特にビニールハウスでございます。
埼玉県におきましては、被災農家が一万四千八百八十四戸、埼玉県内の全体の農家の三分の一を占めています、被災しています。また、被害額は、これ県の試算ですけれども、二百二十九億円と言われていますし、被害に遭ったハウス面積というのが県内ハウスの全体の三割を占めています。特に、二月の大雪に見舞われた埼玉県内の地域というのは、県北また秩父といった農業が基幹産業の一つ、重要な産業の一つである地域でありました。
今、県におきましても一生懸命まずはハウスの撤去ということをやらせていただいています。おかげさまで、六月二日現在では、撤去の方は六八・六%まで進んでいる状況であります。また、今回もハウスの撤去につきましては農水省さんにおきましても様々な御支援をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。
ただ、再建の方がまだ、同じ六月二日現在で八・二%と、進んでいません。なぜ進まないか、この理由の大きな一つが、ハウス再建に必要な資材の確保や、また施工業者の確保が非常に困難であるといったことが挙げられています。
そこで、まず局長に伺いたいと思うんですけれども、ハウス再建のための資材や人員確保への取組についてお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(佐藤一雄君) 行田先生の御質問にお答えします。
今回の雪害によりましてハウスの再建要望の面積でございますが、現時点で把握しておりますところ約千八百ヘクタールと相なっておりまして、この再建のために必要なパイプの量というのは約五万四千トンというふうに相なるところでございまして、これは、通常年の年間需要量、大体五万トンから六万トンでございますので、これと合算しまして約二倍のパイプ需要が見込まれている状況でございます。
このため、私どもといたしましては、農業用パイプメーカーに対しまして円滑供給について協力要請をしておりまして、パイプメーカーにおきましては、三月から五月にかけましては通常年月五千トンの生産でございますが、その六割増の月八千トンの増産に取り組んでいただいているところでございます。
また、ハウスの解体、施工に必要な人材の面でございますが、確かに先生おっしゃいましたように非常に人手不足といったようなことに相なっているわけでございますが、ハウスメーカーにおきましては、他の地域の支店から再建に必要な技術者を、これを派遣していただくということ、それと、農業団体におきましては、できるだけ農家の方が自主施工を進めるというふうなことで、この建て方をインターネットで公表するとともに、各地においての講習会を今開催しているところでございます。さらに、私どもの方では、農業関係団体や関連業界、普及員のOB等に対しまして人的協力を依頼するようなことをしておりまして、現場におけるボランティア募集の希望をホームページで情報提供等の取組を進めているところでございまして、一部、山梨県でございますが、何人かのボランティアの皆さんがこの復旧の作業に携わっておるといったような実例も出ているところでございますが、いずれにいたしましても、この被害状況の詳細な把握に努めるほか、パイプメーカーや建設業関係者等の皆さんと情報共有することによりまして雪害からの復旧について万全を期していきたいと、このように考えているところでございます。

○行田邦子君 埼玉というと都市部のイメージが強いかもしれませんけれども、確かに県南は埼玉都民などと言われていますけれども、そういった方がいます。けれども、今回被害に遭った県北、また秩父というのは首都圏の台所を支えているとも言えるような農産地でありますし、また、地域にとっても農業というのは産業として欠かせない、そのような地域でありますので、是非これからも様々な働きかけ、また連携、お取組、お願いしたいというふうに思います。
大臣に伺いたいと思います。
何とか意欲のある営農者が早く再建をしたいというふうに思って頑張ってはいるんですけれども、今このような資材不足や、また人員の確保が困難ということもありまして、今年度中の再建が難しいのではないかという声も出てきております。是非、経営体育成支援事業の特別措置を今行っていただいていると思うんですけれども、これを来年度以降にも継続していただけないかなというふうに思っております。その御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(林芳正君) 行田委員が今おっしゃっていただいたように、埼玉の県北と県南の違い、実は育樹祭にお邪魔したときに知事からそういうお話を聞いて、育樹祭があったのは県北の方でございましたので、なるほど、大宮とかあの辺とは大分違うなと思わせていただきましたが。
まさに埼玉県を始めとする今度の被災地域の農業は、ハウスの被害ということから見ても分かるように、ハウスに投資をされて先端的に、専業的にやっていらっしゃる方が多いと。こういうことで、大変に食料の安定供給にも重要な役割を果たしていただいているということでございまして、この地域の基幹産業である農業が壊滅的な被害を受けているということで早急に産地の復旧を図ると、こういう観点で、また、今お話があったように、豪雪の被害の直後はもうやめようかと、こういう声が、私は山梨に視察行きましたけれども、やはりあって、早くこの施策を打ち出すことによって、ハウスは折れたんですが、心は折れないようにしなければならないと、こう思いまして、特例的な措置を集中的に講じていこうと、こういうふうにしたところでございます。
農業用ハウス等の被災施設の再建を支援する被災農業者向け経営体育成支援事業、平成二十五年度、それから平成二十六年度予算を活用して復旧が速やかに行われるように支援していく必要があると思っております。したがって、予算のルールとして平成二十六年度末までに行うのは基本でありますが、今お話がありました、また、この間も現地の方からいろいろお話を聞きましたが、最大限努力をしていただいても、現下の資材、人員の事情等によって年度中に対応できないということも考えられるというふうに思っておりまして、こういう場合においては、地域の事情をよく伺った上で、災害対策の性格を踏まえて適切な対応を検討したいと思っております。

○行田邦子君 この度の大雪では、長瀞町で九十歳を超えるおばあさんが、こんな大雪生まれて初めてだといったような、そのような状況でありました。特にこの度の大雪で壊滅的な被害を受けたビニールハウス等ですけれども、これを機に逆にもっと更に事業を拡充していきたいといった現役世代の声も出てきておりますので、是非これからもしっかりとしたお取組をお願いしたいと思います。
それでは、法案の質問に入りたいと思います。
地理的表示保護制度を創設するこの法案ですけれども、それと似たような制度として、平成十八年に導入された地域団体商標制度というのが商標法を根拠にあります。
まず大臣に伺いたいんですけれども、地域団体商標制度と、それからこれからつくろうとしている地理的表示保護制度のその相違点、違いは何なんでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) この今度つくる制度は、商標制度と比較しまして、まず、地域の特性と結び付いた一定の品質基準、これを満たした産品だけが表示を使用できること、それから、商標制度の場合はその商標を持っている人だけが表示の使用をできるということですが、このGIの方は表示の使用が特定の団体やその構成員に限定されないこと、それから不正表示への対応、これを国が行うと、こういったところが大きく商標制度と異なっていると、こういうふうに思っております。
したがって、ブランド産品の名称を地域の共有財産だと、こういうふうに位置付けていこうと、こういう場合には地理的表示がなじむわけですが、一つの生産者団体のみがもうこの名称を独占すると、こういうふうにやっていこうと、こういうこともないわけではないと思いますので、こういうことがなじむ場合には地域団体商標制度をお選びいただくと、こういうことになるんじゃないかと考えております。
地域の実態や産品の特性を踏まえてブランド戦略をつくっていただいて、これに応じて利用する制度を選択すると、こういった対応を取っていくことが重要だと考えております。

○行田邦子君 地域で地域ブランドとして広く共有していこうというようなことの場合には地理的表示保護制度がふさわしいのではないかと、一方で、ブランドをしっかりとその商標として独立的、排他的な権利を持って保護していきたいという場合にはやはり商標法の地域団体商標制度がふさわしいのではないかと、それぞれその目的は違うということでありました。
そこで、局長に伺いたいんですけれども、この地域団体商標制度と地理的表示保護制度の両方を登録することは可能というふうになっていますけれども、両方を登録することは可能とした理由をお聞かせいただけますでしょうか。また、その場合の商標権の内外における効力についてお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
地理的表示保護制度は、商標制度と別個の体系でございまして、産品の品質等の特性を公的に保証し、その名称を保護する制度でございます。その法的効果も両者で異なるわけでございますので、必要に応じて双方の制度を利点を活用していただくということで、二つがブランドを保護するための制度として並列することになると考えております。
両制度の登録が併存するときの扱いでございますけれども、商標が先に登録されており、その後、商標権者の承諾を得るなどによりまして地理的表示登録がなされた場合には、その生産地内で正当な地理的表示を使用する者に対してはこの商標権の効力が及ばなくなることとしているところでございます。一方、明細書に定められた生産地と異なる地域で生産された産品への使用のように、地理的表示を不正に使用する者に対しては、従来どおり、商標法に基づく差止め請求等、商標権の行使が可能になるというふうにしておるところでございます。

○行田邦子君 続けて、他の法制度との関係を何点か伺いたいと思うんですけれども、同じ名称で他に通常の商標権者がいる場合、普通商標権ですね、通常の商標権者が既にいる場合、又は商標登録の出願中の者がいる場合、またさらには地域団体商標制度の登録者がもう既にいる場合、こういった場合は地理的表示保護の申請は可能なのでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
地理的表示保護制度と商標の優先関係についてのお尋ねでございますけれども、この優先関係は原則として登録の先後関係で決することとしておりまして、地理的表示の登録の前に商標登録がなされていた場合、その登録商標と同一又は類似の地理的表示は登録できないことになります。ただし、既に商標が登録されていても、その産品の商標権者自らが申請する場合又はその商標権者から承諾を受けた場合に限り、この地理的表示の登録を受けることができるということにしております。
なお、商標登録の出願中に地理的表示の登録の申請がなされた場合は、商標の方が先に登録されると、これは原則どおり商標権者の承諾を受けなければ地理的表示の登録ができないと、こういう関係に相なっているところでございます。

○行田邦子君 既にあるこの商標の制度と現場で混乱しないように、是非分かりやすく、これから登録をしようとしている方たちに対して説明をしていただきたいというふうに思っております。
次の質問ですけれども、農林水産物や食品を含む商品の品質や産地の表示について規定された法律というのはほかにもあります、不正競争防止法、景表法、またJAS法ですけれども、こうした法律との罰則の関係を伺いたいと思うんですけれども、不正表示があった場合なんですが、この今審議をしています特定農林水産物等の名称の保護に関する法律案の罰則と、それからさらに、その他の今申し上げたような法律の罰則と両方が掛かることになるんでしょうか。どのような整理になっていますでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
本法案においては、登録された地理的表示の不正使用に対しまして、まずは措置命令を発出することとしておりまして、その命令に違反した場合に、この法案では罰則を科すことにしております。
先生、今言及されました不正表示に関する他の法律、このうち不正競争防止法、それからJAS法なんですけれども、この両法においては、この原料原産地表示の違反行為に対する直罰規定が定められている一方、この景品表示法においては、違反行為があった場合にはその措置命令が発出され、この命令に違反した場合は罰則が科される仕組みになっております。
本法案の罰則規定とその不正表示に関する他法の罰則規定のいずれかが適用されるかについては、不正使用行為の対応がそれぞれの法律の規定に該当するかどうかで判断されるものでございますが、同一の不正使用に対して複数の罰則が併科される場合もあるということでございます。

○行田邦子君 今、他法の罰則との関係で答弁いただきましたけれども、この法案上の罰則規定なんですけれども、先ほどの御答弁にもありましたが、行政上の措置、それから刑罰もあります。けれども、民事上の救済手段といったものが規定されていませんけれども、なぜその民事上の救済手段といったものを規定しなかったのか、お聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) 今般の地理的表示保護制度は、地域ブランド産品が地域共有の財産であることから、特定のものに権利を付与して保護する権利制度としてではなくて、登録されていない産品に地理的表示を付する行為を取り締まる、いわゆる行政規制による保護とする制度としているところでございます。また、民法の不法行為に基づく損害賠償請求や不正競争防止法に基づく差止め請求により民事請求を行うことも引き続き可能となっているところでございます。
したがいまして、我が国におけるこの地理的表示の不正使用に対しましては、まずは地理的表示保護法案に基づく行政規制と従来から用いられている民法や不正競争防止法の規定に基づく民事請求の併用により排除を行っていくこととしたいと考えております。
なお、我が国においては、本法案に基づきます行政規制とそれから民事請求、これを両方を新法の設立当初から措置した事例というのは希薄でございまして、国内で不正使用が横行し生産者に著しい損害が生ずる等の特段の事情がない限り、これらを同時に一つの法律の中で措置することには法制的にはなかなか無理があるのかなというふうに思っているところでございます。

○行田邦子君 まずは、その新しい制度導入に当たって、行政措置とそれから刑事罰ということからスタートするというふうに理解をいたしました。
何点か他の法制度との関係について質問いたしましたけれども、既に商標登録制度があります。それから、他の法律でも幾つかの法律で原産地やまた品質の表示のこういった規律も設けられているところであります。是非、この制度を多くの皆さんが期待しているというふうに私は思っていますので、これから登録しようと思っている皆さんに対して分かりやすく説明をしていただきたいということを重ねてお願いを申し上げます。
それでは次に、内外における販売、売上増への効果について伺いたいと思います。
まず、大臣に伺いたいと思います。
特許庁が平成二十四年に地域団体商標制度に関する調査というものを実施していまして、この結果を公表しているんですけれども、その中では、PR効果は非常にあったという評価がなされています。商品、役務のPRができたという回答が四八・三%というふうになっています。ところが、一方で、売上げが増加したとか販売単価が高まったといった評価というのは、それぞれ四・二%、二・八%と、非常に低い回答となっています。
この調査結果を見ると少し不安になってしまうんですが、これから導入しようとしている地理的表示保護制度なんですが、この登録によってどれだけ売上げや販売増が期待をできるんでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) この地理的表示制度は、特定農林水産物等の名称、これを生産の方法や品質等の基準と併せて登録をしまして公的に保護をするということで、まずは消費者の選択に資するということですが、やはりブランド価値を守って、本来その品質に見合ったものとして生産者が得るべき利益を確保すると、これを目指したいと思っております。
海外の例なんでございますが、フランスの中東部のブレス地方の代表的な鶏肉ですが、ブレス鶏というのは通常の鶏肉の価格の四倍の高値で取引をされておりまして、やはりブランドの確立が生産者に利益をもたらして、よってもって地域の活性化に資すると、こういうふうに認識をしております。
したがって、本法案が成立した暁には、本制度の最大の特徴であります品質等の特性が公的に保証される、いわゆるお墨付きが付くと、この点を最大限にPRをするということによって消費者の理解と支持を得て、生産者の利益が確保されるように努めてまいりたいと思います。

○行田邦子君 今大臣の御答弁にありましたように、ブランドを確立して、またその価値を高めていくためには、単にその商標を保護すればいいと、それだけでは足りないというふうに思っております。やはり一番大切なのは、そのブランドの品質をしっかりと維持をして、また守っていって、また保証するということが、これが要だというふうに思っています。その点におきまして、地理的表示保護制度というのは、しっかりと生産者団体において品質の管理をし、また維持をし、またそれを国が保証するという制度でありますので、この点が非常に期待がされているところかなというふうに思っております。
次に、局長に伺いたいんですけれども、海外での売上げ、販売増についてなんですけれども、この地理的表示保護制度は農林水産物や食品の輸出促進に効果をもたらすというふうに期待をされているわけでありますけれども、これはあくまでも国内法にすぎません。国内において登録をされた農林水産物・食品が保護されるということであります。これを諸外国で保護するためには、やはりその国の制度に登録したり、また商標権を得たりする必要があるというふうに私は思っているんですけれども、この地理的表示保護制度が農林水産物・食品の輸出振興に直接与える影響はどのようなものなのか、お聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
先生御指摘のように、この制度は、国内法の制度を整備するものでございますので、直ちにこれが他国で保護されるというわけではございません。このため、諸外国で我が国の地理的表示産品を保護するためには、それぞれの国の地理的表示制度でありますとか、それから商標制度でありますとか、そういった諸外国の制度を活用して登録なりをしていただくということが必要だと思っております。
ただ、今回の地理的表示保護の制度で登録を受けた産品につきましては、地理的表示が、これが国で登録しているものだという、そういう標章、いわゆるGIマークと呼んでもいいと思いますけれども、そういったマークを添付すべきということにしておりますので、このマークを主要な輸出先国で商標登録することによりまして、輸出先国において我が国の真正な特産品であるという、そういうことが明示されまして、それによりまして差別化が図られるということで、輸出先国においてもそういう意味で輸出促進の一助となるのかなというふうに考えております。

○行田邦子君 先ほどからの質疑でもありましたけれども、市場にはありとあらゆるマークというものが氾濫していまして、このマークは何を意味するのかよく分からないといったものもたくさんあるのが現実であります。それを海外で日本のGIマークというものを浸透させるというのはこれは大変なことだというふうに私は思っておりますけれども、せっかくこの制度が導入されるわけですので、これを機に農林水産物、また日本の食品の輸出振興というのも、この制度だけではなく様々な手段を講じて振興を図っていただきたいというふうに思っております。
そこで、大臣に伺いたいんですけれども、諸外国におきまして食品の模倣品の被害というのが増えています。今年、平成二十六年三月に特許庁が発表した模倣被害調査報告書のこの報告書を見てみますと、模倣被害率は二一%と全体で微減していますけれども、食品が増加傾向にあるということであります。特に中国、韓国、台湾で被害率が依然として高い水準にあるというような結果になっていますけれども。
事業者によっての模倣品の被害対策というのは様々行われていると思いますけれども、特に農林水産物や食品というのは中小の業者が多いというふうに思います。なかなか事業者単独では被害対策というのは十分に行えないという状況でもあると思いますけれども、政府としての取組についてお聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 我が国の農林水産物・食品の高い評価、これに便乗するために、神戸ビーフとか青森とか、こういう海外において日本の地名を冠した産品を流通させたり、商標出願、登録しようとする事例が相次いでおるということでございます。裏を返せば、それだけ消費者にとって日本の地名とかそういうものが魅力になってきていると、こういうことの裏返しでもあるので、しっかりと取り締まりながら展開をしていかなきゃいけないと思っております。
例えば、青森というのは、平成十四年に中国企業が中国で商標登録を申請して、パブコメみたいなのを翌年やって、青森県等が異議を申し立てて、二十年三月に異議は認められて登録できなかったと。それで一件落着かと思ったら、今度は青森の森のところを、木が三つで森と書きますが、木を水に変えて、水を三つやって、ぱっと見るとほとんど見分けは付きません。そういう漢字が中国にあるそうで、チンミャオと読むそうですが、それがまた十七年七月に商標登録申請で一月に公告、で、青森県とリンゴ関係団体で異議申立てで異議が認められたと、こういうことでございます。
したがって、このパブコメをやって公告しているときによく見ておかないと、誰も文句言わなきゃ通っちゃっている、こういうことが起こると。こういうことでありますので、今まさにおっしゃっていただいたように、中小企業や生産者お一人お一人がそれはなかなかやれないと思いまして、平成二十一年度から地方公共団体、農林水産業関係団体、弁理士、弁護士等によるコンソーシアムを組織をいたしまして、特に中国、台湾等における商標出願の共同監視、偽装品に対する海外現地調査等の取組、こういう取組を行って、先ほどのような例を、実績を上げているということでございます。
韓国において長崎チャンポンというのが出てきたりとか、中国では、青森に続いて、千葉も葉の字を少し向こうの簡単な字に変えたり、こういうことも出てきておりますので、こういうものも国内の関係者に情報提供をしてきておるところでございまして、引き続きこういう我が国のブランド産品の名称に関する不正使用の動きをしっかりと監視してまいりたいと思っております。

○行田邦子君 一義的には事業者が自ら努力をして様々な対策を打つべきであろうかと思いますけれども、なかなか今大臣の御答弁の中にあったような、非常にその模倣や不正表示も巧妙になってきているわけでありますので、ここは、事業者だけではなく、やはり政府としても引き続き共同監視など、お取組を強化していただきたいというふうに思っております。
それでは、残る時間でこの地理的表示保護制度の、ちょっと細かい、詳細について確認をしたいと思っております。
まず、二条の二項で定義されていますけれども、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであることというふうになっていますが、この特定の地域の限定の仕方について伺いたいと思います。
この特定の地域というのは、その名称があるその行政区分にかっちりはまっていなければいけないのかといった趣旨の質問なんですけれども、例えばなんですけれども、私が住んでおります埼玉県には狭山茶というお茶の有名なブランドがあります。色は静岡、香りは宇治、味は狭山でとどめを刺すというような有名なブランドなんですけれども。ところが、この実際の狭山茶の産地は、七割が入間市です。残りが、二割が狭山市、それから一割が所沢市というような構成になっていまして、ブランドを形成しています。
例えば、このような狭山茶の場合は、特定の地域の限定というのを、どのように登録上、申請上すればよいのでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
生産地の範囲でございますけれども、これにつきましては、その農林水産物・食品との結び付きに応じて、最も従来からの適切な範囲がおのずから決定されるべきものであると考えております。具体的には、生産の実態に応じまして、都道府県単位又は市町村単位又はそれ以下の単位を選定することになると見込んでおりますが、その結果、生産地の一部がその名称に付いている地名の行政区画と一致しない場合も、当然これは生産の実態に応じましてあり得ると考えているところでございます。

○行田邦子君 狭山茶だけじゃなくて、恐らく関アジ、関サバとか、稲庭うどんなんかもこのようなケースではないかなというふうに思っております。
そこで、もう一つ質問したいんですけれども、この狭山茶だけではないと思うんですけれども、お茶でよくあることなんですが、ブレンドをする場合があります。主な割合としてはその産地の茶葉ですけれども、そこに別の産地の茶葉をブレンドするということがあります。こうした場合についてなんですけど、二条二項では、特定の場所、地域又は国を生産地とするものであることというふうになっていますけれども、このようなブレンドをするような場合というのは、産地の含有率が一定以上高ければこれは認められるんでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
この地理的表示として登録されるためには、登録される産品の特性と加工地との結び付きを判断しまして、その産品の生産過程において、特性が生まれるのがその加工地に由来するものであるかということで判断することになります。
原料の調達度合いについてでございますけれども、このブレンドも本制度上は加工に該当することから、ある地域に結び付いた伝統的な特色のある加工方法に由来して独特の品質等が生まれるのであれば、原料が一〇〇%その地域で生産されていなくても地理的表示として登録される可能性がございます。いずれにしましても、明細書にどのような形で記載されるのかということによると思います。
以上です。

○行田邦子君 この二条二項の生産地というところの意味するところは、原産地ということだけではなく、またその加工地ということも含まれるのであろうというふうに理解をいたしました。
続けて、またちょっと細かい質問をさせていただきたいんですけれども、例えばなんですけれども、埼玉の例ばかりで恐縮なんですけれども、深谷ネギというのがありまして、これも有名なブランドなんですが、深谷ネギ煎餅というものとか深谷ネギみそというのも実際にあるんですけれども、こういったものの登録は可能なんでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
加工品につきましても、ある地域に結び付いた伝統的な特色ある加工方法に由来してその加工品に独特の品質等が生まれるのであれば、地理的表示として登録される可能性がございます。
なお、名称がこの地理的表示として登録された産品、例えば先ほどの深谷ネギとかでございますが、これについて、その加工品、例えば深谷ネギ煎餅とか、こういったものに地理的表示を付することは可能でございまして、その場合でもその加工品の名称そのものが地理的表示として認められるわけではございません。
いずれにしましても、最初、冒頭申し上げましたように、加工品であっても、それは地理的表示として登録されることは可能でございます。

○行田邦子君 加工品であっても、品質や社会的評価がその土地に由来するものであれば可能であるということであるかと思います。
こうした例を挙げると切りがないので、もうこの辺にしておきたいと思いますけど、最後の質問にさせていただきます。
この制度上、生産者団体が登録申請をすることになっていますけれども、その生産者団体に加入をしていない生産者の扱いをどうするのかについて伺いたいと思うんです。
例えば、済みません、また埼玉で恐縮なんですけど、東北部の方では有名な梨の産地があるんですけれども、そこで個人で非常に良い梨を作っているんですが、団体に加入していないといった方があります。ただ、その農家というのは非常にその地域の梨のブランド性を上げていたりもするといったケースもあるんですけれども、生産者団体に加入していない生産者が地理的表示を使ってよいのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(山下正行君) お答え申し上げます。
本制度では、生産業者は加入する生産者団体の生産行程管理を受けることを前提に地理的表示とマークを使用することができる仕組みとしているところでございます。したがいまして、登録時に生産者団体に加入していない生産者であっても、事後的にこの生産者団体に加入するか、生産行程管理を行う能力を有する生産者団体を新たに立ち上げ追加的に登録を受けることによりまして、その基準に従って生産された産品については地理的表示をすることができる、こういうふうな仕組みにしているところでございます。

○行田邦子君 是非、その産地ブランド、地域ブランドの価値を高めるような生産者に対しては、できるだけこの地理的表示を使えるように、そのような制度運用をしていただきたいと思っております。
この制度が地域ブランドの確立に貢献することを期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。

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