【議事録】法務委員会質問(少年法について)

平成26年04月10日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  まず初めに、国選付添人制度と検察官関与制度について伺いたいと思います。  今回の少年法改正案では、家庭裁判所の裁量による国選付添人制度と検察官関与制度の対象事件の範囲を死刑、無期、長期三年を超える懲役、禁錮に当たる罪までに拡大するということとされています。  そこで、まず初めに政府参考人に伺いたいと思います。国選付添人制度と検察官関与制度の対象事件の範囲を一致させた理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(林眞琴君) 検察官関与制度は、審判が裁判官と少年側の者のみが関与する手続で行われることについて、裁判所と少年とが対峙する状況があり得ることや、被害者の側から、少年側の言い分だけが聞かれているのではないかとの不信の念が見られたことなどを踏まえまして、被害者を始めとする国民の信頼を確保するなどの観点から、事実認定手続の一層の適正化を図るために、検察官及び弁護士付添人の双方が審判に参加する制度として平成十二年改正で導入されたものでございます。  仮に、検察官関与制度の対象でない事件に国費による弁護士付添人の選任を認めることとすると、少年によりその非行事実の存在が争われても検察官関与が不可能ということになり、そのような事態は、ただいま申し上げました平成十二年改正の趣旨に沿わないものと言わざるを得ず、被害者を始めとする国民の理解、納得を得られるかが疑問でございます。  したがいまして、家庭裁判所の裁量による国選付添人制度の対象事件の範囲と検察官関与制度の対象事件の範囲とは同じとするのが適切であると考えたものでございます。

○行田邦子君 一方で、少年に対する援助は、要保護性が大きいということから必要性が高いという考えの下に、日弁連では、平成二十一年の十二月ですけれども、全面的国選付添人制度に関する当面の立法提言というものを発表しています。そこでは、少年鑑別所に送致されて身柄拘束を受ける少年の事件全件を国選付添人制度の対象事件とすべきであるというふうに意見がされています。  今後、これからも国選付添人制度の対象事件の範囲を拡大した方がよいといった意見は続くのではないかと思いますが、そこで法務大臣に伺いたいと思います。今後、国選付添人制度の対象事件の範囲を拡大しようとした場合、検察官関与制度の対象事件の範囲も拡大されるという、そのような関係にあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 国選付添人制度について、今後更なる改正と申しますか、そういうものが行われるのかどうか、またどういう内容を含むのかというのは、現時点では私お答えする材料はございませんが、今回の流れの中で、今回の前の法制審議会の御議論の中では、この検察官関与制度と国選付添人制度は、両者は無関係だから突き合わせる必要はないんだという御意見もあることはございました。  それで、ただ、それぞれは別の制度であって、これを関連付ける必要性、論理的な必要性は必ずしもないものの、両制度は独立した制度で確かにあるんですが、被害者等国民の理解と合意を得るためには、政策的にその範囲を一致させた方が相当であるという意見が大多数を占めて、今回のような仕組みで法案をお願いすることになったわけでございます。  先ほどおっしゃったように、この後、じゃ、確かに国選付添人の範囲は広げていけという御意見が強くあるのは私も承知しておりますので、今後改正されるときには、その辺りはまた十分御議論をいただいていかなければいけない点ではないかとは思っておりますが、現時点ではまだいつ改正するとは申し上げるわけにはまいりません。

○行田邦子君 私は、国選付添人制度と検察官関与制度というのは、これはセットではないというか、別の趣旨での独立した制度であるというふうに考えられるのではないかなというふうに思っております。  そしてまた、成年と比べて少年というのは未熟な状態にあって、身柄を少年が拘束をされた場合というのはやはり保護性が大きいというふうに考えておりますので、今後、国選付添人制度の範囲の拡大ということも検討に値するのではないかなというふうに思っております。  そして、むしろ検討しなければいけない、問題となるのは、そのときに国選付添人がどういった方がなるのかと。その国選付添人が少年法の趣旨をしっかりと理解をして、また刑事裁判とは異なる特質のものであるということを理解した上で付添人になるということが重要ではないかというふうに思っております。  そこで、また更に大臣に伺いたいんですけれども、今回、国選付添人の範囲の拡大、対象事件の範囲も拡大されるわけですけれども、そうしますと、今まで以上に付添人となる弁護士も増えるわけであります。そこで一つ懸念されますのが、国選付添人制度の対象事件の拡大によって付添人の質の確保がしっかりできるのかどうかという点でございます。この点、いかがでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 当然、行田委員のおっしゃるように、弁護士である付添人はこの少年審判の意義といいますか意味合いを十分理解して付添人にならなければいけない、それだけの識見、素養のある方になっていただく必要があるわけで、資質をしっかり確保するということは極めて大事であると思います。そのため、日弁連やあるいは各地方の弁護士会において付添人の活動についてのいろんな研修やあるいは検討会などを実施していただいておりまして、こういう取組を通じて、付添人の適性を有する者の確保及び適切な付添人活動の確保に努めておられると思います。  端的に申しますと、行田先生のこの質問があったものですから、うちの事務方に、こういう不安あんたたち感じてるのかと聞きましたら、いや、日弁連はしっかり対応できると言っていますと、こういう返事を今のところいただいております。

○行田邦子君 しっかりと対応していただきたいと思いますし、また、国選付添人制度という制度が拡充されることによって、少年法の趣旨である少年が自らが犯した罪を理解をしてまた更生するといった、そして、さらにはまた再犯防止にもつながるというふうに期待をしております。  次に、検察官関与制度について伺いたいと思うんですけれども、今回の法改正案では、検察官関与制度の対象事件の範囲拡大ということになっていますけれども、このことについて、少年審判の刑事裁判化が進むのではないかという、少年法の理念を変容させるのではないかといった懸念の声も聞こえてきています。  今回の法改正によって検察官関与制度の対象事件が拡大された場合、検察官関与がどの程度増加すると見込まれるのか、まず最高裁判所に伺いたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) お答えいたします。  検察官関与事件が実数としてどの程度拡大するかにつきましては、正確な予測は難しいところではございます。ただ、少年が非行事実を争い証人尋問が必要となる事案におきましては検察官関与決定がされることも多いと考えられますところ、平成二十五年に終局した一般保護事件のうち、今回拡大される範囲の対象事件において証人尋問が実施されたものは約百三十件でございまして、検察官関与事件となるような事案の数がこれを大きく超えることはないのではないかというふうに考えております。

○行田邦子君 検察官関与の必要性を判断するのは家庭裁判所でありますので、対象事件が大幅に増加してもそれが検察官関与決定の大幅な増加に直結するものではないというふうに考えていますけれども、少年審判に検察官が関与することに対して懸念する意見があるというのは、これは事実だというふうに思っています。  そこで質問なんですけれども、政府参考人に伺いたいと思いますが、検察官関与制度の趣旨が少年の非行の事実認定の適正化にあるということ、そしてまた、あくまでも検察官はその事実認定の関与への協力者という立場であるという点で刑事訴訟における検察官の役割と異なるということをしっかりと踏まえた上で、法の趣旨にのっとった適正な運用を行うために、問題が生じていないかどうか絶えずフォローアップをする必要があるというふうに私は考えております。  そこで質問ですけれども、この検察官関与制度を導入して以降、具体的にどのような取組を行ってきたのか、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(林眞琴君) まさしく委員御指摘のとおり、この検察官関与制度というのは通常の刑事裁判と全く構造が異なっており、職権主義構造の中で審判への協力者として検察官関与しますし、あるいは検察官が関与する範囲も事実認定の手続のみでございまして、一方で、要保護性の判断あるいはどのような処分をすべきか、そういったことに対しての意見を述べるなどのことは認められていないわけでございます。  したがいまして、この点につきましては、検察官関与制度が導入された平成十二年以降、新しい制度だったものでございますので、通常の刑事裁判における検察官の役割とは異なるということについては、これまでもその検察官関与制度の趣旨、そしてまた、そもそものこの少年法の趣旨あるいは保護手続であるところの少年審判の在り方、こういったことについては、これまでも適切に、その少年事件を扱う検事を対象とする研修におきましては、少年事件に関する講義の中でるる研修が行われてきたものでございます。また、当然、その具体的な個別の事件の決裁におきましても、この少年事件を取り扱う検察官に対してその上司から適切にその旨の指導がなされてきておるところでございます。  今後とも、引き続き、こういった各種研修でありますとかあるいは会議、会同を通じまして、検察官が検察官関与制度の趣旨と、また少年審判の特質に沿った形で少年審判において活動できるよう適切な取組を行うものと考えております。

○行田邦子君 引き続き、是非そのようにお願いしたいと思います。  それでは次に、少年に対する刑事処分の規定の見直しについて伺いたいと思います。  今回の少年に対する刑事処分に関する規定の見直しについては、不定期刑の長期の上限を十年から十五年に、そして短期の上限を五年から十年に引き上げることが出発点となっています。裁判所が言い渡すことができる刑の上限を引き上げるということに対しては、これは不定期刑の趣旨と矛盾が生じるのではないかといった意見や、また、これまでの統計上なんですけれども、統計上、少年による凶悪犯罪というのはむしろ減少しているわけなので、一般予防的な見地から重罰化する必要性というのは存在しないのではないかといった、このような意見もあります。そしてまた、少年に対する刑の言渡し全体が一律に厳罰化されるのではないかといった懸念の声も聞こえてくるわけでありますし、私自身もそういった懸念を持っていないわけではありません。  これまでも、今日のこの委員会の審議の中で法務大臣からは、今回の法改正の趣旨というのは、一律の厳罰化ということではなくて、むしろ、少年に対する科刑を一律に引き上げるということではなくて、より適切な科刑を可能とするということが目的であるといった答弁がなされていますけれども、このような法改正の趣旨をどのように周知徹底させていくのか、法務大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の少年に対する刑事処分の規定の見直しは、今もいろいろおっしゃった中にございましたけれども、少年に対して科すことができる刑の枠を広げるということでありまして、そのことによって少年に対する適切な科刑を可能とするというのを目的としたわけでございます。一律に引き上げて、いわゆる厳罰化をもくろんでいるというようなものではございません。  そこで、それならそれをどう周知徹底していくのかということでございますが、まず何よりも大事なのは国会における議論、衆参における議論で、今も行田委員からそのような御意見をぶつけていただきました。それに対して私も曖昧に答えずに明確に答えると、そういうことが、最高裁判所からも来ておられるかもしれませんが、やはり、どういう審議で、どういう議論でこの法律ができ上がってきたのか、恐らく将来にわたっても裁判所がこの法律を適用されるときの一つの、何というんでしょうか、目安ということにこの委員会の議論がなっていくのではないかと私は思っております。ですから、そういうつもりで、私どももできるだけこの委員会の御議論は丁寧に御説明をし、また御答弁をするということを心掛けてまいりたいと思っております。  そしてまた、これ成立しました場合は、法務省においてホームページに掲載する等々、法律の内容を具体的に周知していく、それから公刊物を通じて法改正の趣旨を説明する等々のことは当然のことながら努力していかなきゃならない、御指摘を踏まえて有効な方策を取っていきたいと思っております。

○行田邦子君 今大臣から御丁寧な答弁いただきましたけれども、やはり法制審の答申がなされてからメディアでは厳罰化といった報道もなされ続けているわけでありますので、決してそのような趣旨での法改正ではないということを是非これからも周知徹底図っていただきたいというふうに思っております。  次の質問に移ります。  少年のいわゆる可塑性に着目をして設けられている不定期刑なんですけれども、この不定期刑について伺いたいと思っております。  今回の改正法案では、現行の「長期三年以上の有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきとき」となっているところを、今回の改正法案では、「有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきとき」に改めるというふうにされています。不定期刑を言い渡すことができる範囲が広がるというふうに理解をしているんですけれども、このように改めようとする理由は何なのでしょうか。

○政府参考人(林眞琴君) 委員御指摘のとおり、少年法におきましては、少年の可塑性に鑑みまして処遇の弾力性を持たせるという趣旨から不定期刑の制度が導入されております。  現行法では、これが、処断刑の長期が三年を下回る場合には不定期刑は科さないと、このように限定が付されているわけでございますが、不定期刑の制度の根拠となります、少年に対してはその科刑は教育が重視されるべきと、こういったことの考え方については、処断刑が一定以上のものに限られるということにはならないと考えられます。  そこで、今回の改正において、不定期刑の対象事件の範囲については、処断刑が一定程度以上のものとするのではなくて、全ての有期の懲役又は禁錮とすることが相当であると考えまして、不定期刑の対象事件の範囲をそのように改めることとしたものでございます。

○行田邦子君 いわゆる可塑性と言われるものだと思いますけれども、少年が教育によってその更生が成人と比べてより期待できるといったことに着目して、処断刑が一定程度以上のものにそれは限られるということではないというような考えからこのような改正法案に至ったというふうに理解をいたしました。  一方で、被害者団体の方からはちょっと別のような意見がなされています。今回の少年法改正について、法制審議会に諮問され、平成二十五年二月に答申がなされたわけですけれども、その諮問の前に、改正少年法等に関する意見交換会というのが平成二十四年になされています。この意見交換会というのは、刑事法研究者、弁護士等だけではなく、犯罪被害者団体関係者も構成員となっています。この意見交換会におきまして、少年犯罪被害当事者の会代表の武るり子さんはこのように述べられていました。不定期刑は少年の可塑性に配慮した規定であるが、服役中に少年に改善が認められる場合、仮釈放制度により社会復帰させることができるので、不定期刑は不要であると、このような発言をされていました。  そしてまた、一昨日のこの法務委員会での参考人質疑の中で、被害者遺族の大久保巌さんからも同様の、不定期刑に対して否定的な発言もなされていたところであります。  そこで、法務大臣に伺いたいんですけれども、このような不定期刑というものについて被害者遺族からは否定的な意見が出されていることについての御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 不定期刑に対しましては批判的な意見もあることは事実でございます。  それで、一つは、刑の執行が余り早期に終了しちゃうんじゃないかと、終了する可能性があることに疑義があるという、これはどちらかというと被害者の側からの御意見ですね。参考人としてお出になった方の御議論も引用なさいましたが、やはり、何というのか、この頃は悪い少年も多くて、改善したことを装うのが上手だというような批判もないわけではございません。早く出過ぎるということだろうと思います。  それからもう一つは、不定期刑の運用がそれにふさわしいものに必ずしもなっていないのじゃないかという実務のお立場からの批判等々、そういうものがあることは事実でございます。しかしながら、これはもう何度も御答弁申し上げ、先生方も御議論いただいているところですけれども、少年法が不定期刑を採用した趣旨は、やはり、まだ少年は、悪いことにも染まりやすいけれども、またそこから抜け出していくことも大人より容易にできるということがございまして、教育による改善更生の効果がより期待できる。そういう処遇の弾力性という点では、やはり不定期刑というものは捨て難いところがあるのではないかということではないかと思います。  こういう趣旨については、現在においてもいろんな議論はございますけれども、変わるところはなくて、そういう意味で、私も不定期刑というのはまだまだそのレーゾンデートルがあるのではないか、その存在をいろいろ試してみる必要があるのではないかと、このように思っております。

○行田邦子君 今大臣が御答弁されたように、少年というのは未熟な状態で、まだ人格形成の途上にあるわけでありますので、教育によって成人と比べてより更生しやすい、その可能性が高いわけであります。そうでありますので、やはり科刑については柔軟であるべきという、これが少年法のいわゆる保護主義という趣旨にのっとったものだというふうに理解をしております。  今、被害者の方の御意見ということでお話をさせていただきましたけれども、更に幾つか、被害者の権利保護、被害者の支援といった視点で質問を続けさせていただきたいと思います。  平成二十年に改正された、先ほど申し上げました改正少年法等に関する意見交換会なんですけれども、これは六回にわたって行われています。ここでは、今回の改正案には盛り込まれなかった事項も含めて、様々幅広い議論がなされていました。  そもそもこの意見交換会というのは、平成二十年の少年法の一部を改正する法律附則第三項において、法の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするという附則がなされていたことから立ち上げられたわけでありますけれども、例えばここでの意見交換の中での議論として、審判傍聴制度の対象事件の拡大、それからモニターによる少年審判の傍聴といったことに関する要望が被害者側から出されています。  そこで、法務大臣に伺いたいんですけれども、このような意見が出されていて、議論がなされていたわけでありますけれども、今回の法改正の中では審判傍聴制度に関する事項が盛り込まれていないわけです、見送られたわけですけれども、その理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 審判傍聴制度は、平成二十年度改正少年法で導入されたわけですが、この制度については、法務省において、平成二十年改正少年法等に関する意見交換会、こういうのを法務省で行いまして、その中で、犯罪被害者の方から、審判傍聴対象事件の範囲を拡大すべきであると、それからモニターにより審判を傍聴できる制度を導入すべきであるというような御意見が寄せられました。他方、これらの見直しを行うことについては消極、慎重な意見もございました。  そこで、こういう状況を踏まえていろんな検討をしたわけですが、審判傍聴の範囲の拡大につきましては、今、少年審判、非公開が原則でございます。それで、現時点で審判傍聴対象事件の範囲を拡大しなければならないような制度上の問題があるとまでは認められないと。それから、審判傍聴が許可された事件において、実際に少年に影響を与えた事件があったということで、審判傍聴の範囲を拡大することについては慎重な検討が必要であるということ。それから、審判傍聴制度はまだ施行後余り間もございませんので、現在、制度の定着に向けて関係者が鋭意努力している状況であるから、対象事件の範囲の拡大をするか否かについては、もう少し全体の運営が軌道に乗るのを待ってから議論してもいいのではないかというようなことでございました。  また、モニターによる視聴制度、これについては、モニター視聴制度は少年審判だけではなくて裁判の傍聴の在り方全般に関わる問題であって、少年審判だけで議論するのは必ずしも適当ではないということから今回の法案には盛り込まなかったということでございます。

○行田邦子君 審判傍聴制度について議論がなされ、また検討をされた上で、今回は改正法案の中に見直しの規定を盛り込まなかったというふうに今の大臣の答弁で理解をさせていただきました。  そこで、最高裁判所に伺いたいんですけれども、この審判傍聴制度ですが、平成二十年の十二月から始まって既に三年間でもう二百十九件実施されている実績があります。施行後、この制度が始まってから五年間経過しているわけですけれども、この間、法改正を要せずとも、いろいろとその制度を運用していく中で改善した点があろうかと思うんですが、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) お答えいたします。  審判傍聴制度は平成二十年十二月から施行されておりますけれども、被害者に対する配慮の制度ということで、家庭裁判所におきましては運用上の工夫や改善を重ねてきているところでございます。例えば、傍聴の申出が遅れるなどして傍聴する機会を失うことのないように、例えばその傍聴対象事件の被害者等の方には被害者配慮制度の案内あるいは傍聴制度に関するリーフレットを早い段階でお送りしたり、あるいは家庭裁判所調査官による被害者等の調査を早期に実施するといった運用上の工夫をしております。  また、実際に被害者の方が傍聴される審判の運営の際にも、時々御要望で聞かれることとして、その少年の声が聞き取りにくいとか、そういったこともございましたので、そういった場合には裁判官が少年の発言を復唱するなどして、事案に応じた工夫もされているというふうに聞いております。

○行田邦子君 今回は改正法案に見直しということは盛り込まれなかったわけでありますけれども、運用面で改善すべきところは是非、都度改正をするべきであろうと思いますので、よろしくお願いいたします。  被害者等の意見陳述についても伺いたいと思います。  少年法の第九条の二には、家庭裁判所は、少年に係る事件の被害者等から、被害に関する心情その他の事件に関する意見の陳述の申出があるときは、自らこれを聴取し、又は家庭裁判所調査官に命じてこれを聴取させるものとするというふうにされています。  被害者等の意見陳述についてなんですけれども、家庭裁判所ではどのタイミングで制度の説明を行い、また被害者等からの意見聴取を行っているのか、最高裁判所に伺いたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(岡健太郎君) お答えいたします。  先ほど傍聴制度について御説明申し上げましたが、意見陳述の制度につきましても、被害者への配慮ということで、例えば被害者のいらっしゃる一定の事件については、事件が家裁に送致された後に速やかに、先ほど申し上げました被害者の配慮制度の案内を記載した文書でありますとか意見聴取制度を含む制度全体を分かりやすく説明したリーフレットを送付する、あるいは家庭裁判所調査官が被害者との調査を行う際に必要に応じてその意見聴取制度について説明を行っているものと承知しております。  このように、家庭裁判所では、被害者の方が意見聴取制度の利用の機会を逃さないようにするために早い段階から繰り返し説明をするようにしておりますが、今後とも被害者等の方に対する丁寧な御案内に努めてまいりたいというふうに考えております。

○行田邦子君 一昨日の参考人質疑の中でも、大久保参考人から、資料の閲覧ができないままで意見陳述をしないといけなかったというような、これは大久保参考人の御自身のケースの、そのときのケースのことだと思いますけれども、このような意見もなされました。  また、法制審の少年法部会では、やはりもっと丁寧に被害者に分かりやすく意見陳述についても説明をしてほしいといった意見も出されていますので、やはり少年審判の場合というのは、成人の裁判と違いまして、被害者の手続参加というのが非常に難しいという面もあろうかと思いますので、被害者に対して、御遺族の方々に対してしっかりと配慮をしていただきたいというふうに思っております。  それでは、再犯防止、更生教育について伺いたいと思います。  平成二十五年版の犯罪白書を見ますと、少年による刑法犯の検挙人員、これは触法少年の補導人員を含むんですけれども、これは平成十六年から毎年減少を続けています。そして、二十四年には十万一千九十八人と、昭和二十一年以降最も少なくなっています。けれども、一方で、少年の再非行、再非行少年率というのは、これは平成九年を底として毎年上昇していまして、平成二十四年では三三・九%という再非行少年率となっています。  この少年の再非行をいかに防ぐのかということが大きな課題となっているかと思いますけれども、まず、奥野副大臣に伺いたいと思います。  政府におきましては、平成二十四年の七月に再犯防止に向けた総合対策というものを取りまとめています。ここには当然、少年や若年者の再犯防止も含まれているんですけれども、この取りまとめをして以降、少年の再犯防止についてどのような取組をなされていますでしょうか。

○副大臣(奥野信亮君) 今、行田委員がおっしゃったように、犯罪の総数は減っている中で再犯率が高くなっているというのは、成人の場合も少年の場合も同じようであります。  そして、特に少年については、心身が未成熟で人格形成過程にあって、教育による改善更生というのも非常にスピーディーにできるのではないかということが想像できるわけであります。そうした中で、この日本の国の将来を支える若者たちが、犯罪に手を染めない、あるいは一旦染めてももう二度と犯罪を犯さない、そういうような人格形成を行っていきたいなと私どもは考えているところであります。特に、六年後のオリンピックを控えて、世界一安全な国なんだということを標榜しているわけでありますから、安心して外国から来られた方が日本で楽しい時間を過ごしていただきたいなと、こう思います。  じゃ、そのためにどういうことだということでありますけれども、やはり私が感じるのは、個々人、若い人たち、犯罪を犯した子が、若い人たち個々人の成長過程でどういう環境にあったのか、家庭はどうだったのか、あるいはその非行の実態というのはどうだったのかということをよく吟味して、きめ細かな対応をして指導をするということが一番大事じゃないか、あるいはそれが一番的確な対応じゃないのかというふうに思っておりますので、少年院在院者や、そしてそこの少年の保護者たちにもきめ細かな対応をしつつ、指導、助言していきたいと、こういうふうに考えているところであります。  私どもとしては、さらには、関係省庁や民間団体とも緊密に連携を加えながら、できるだけ実際に成果が上がる策を、しっかりとその人それぞれに成果が上がるような策を考えた上で対応してまいりたいと、こういうふうに考えております。

○行田邦子君 是非、再犯防止については、法務省だけではなく関係省庁、そしてまた民間団体、様々な関係する団体、方々との連携というのは不可欠だと思いますので、よろしくお願いいたします。  その関係する省庁又は団体ということで、警察の少年サポートセンターというのがあろうかと思います。ここで最後の質問になりますけれども、今日、警察庁にお越しいただいていますのでお聞きしたいと思います。  少年サポートセンターの活動に関して、最近の少年非行の傾向とそれに対するサポートセンターの活動の効果と、そしてまた、例えば保護観察所等との連携がどのようになされているのか、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(辻義之君) お答えいたします。  ただいまもございましたとおり、刑法犯少年の検挙人員は十年連続で減少となっておりますけれども、再犯者の占める割合の上昇や非行の低年齢化傾向が続いているなど、少年非行情勢はいまだ厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。  このため、警察におきましては、少年の規範意識の向上と社会とのきずなの強化を図る観点から、問題を抱えた少年等に対しまして指導、助言を行ったり、少年警察ボランティアや関係機関等と協働し、社会奉仕体験活動への参加促進などを行います少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動を推進しているほか、低年齢少年やその保護者を対象とした非行防止を開催するなど、非行少年を生まない社会づくりを推進しているところでございます。  少年サポートセンターでございますけれども、この取組の中心的役割を担っておりまして、例えば、非行を繰り返し、不登校でありました中学生が、将来の目標を持ち、在籍する中学校に登校するようになり、希望する専門学校への合格を果たしたなどの成果が見られるなど、着実に成果が現れているところでございます。  また、少年サポートセンターと保護観察所との連携でございますけれども、常に警察では、サポートセンターを中心に、学校、児童相談所その他の関係機関等と連携を密にするようにいたしているところでございまして、保護観察所とも緊密に連携を取りながら少年非行の防止に努めているところでございます。

○行田邦子君 是非これからも連携を更に深めていって、そして、受け身の対応ではなくて未然に防ぐという再犯防止に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。

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