【議事録】法務委員会質問(大臣所信に対して)

平成26年10月16日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
松島大臣が御就任されてから初めての質疑ですけれども、その最初の質疑のときにこのようなことを申し上げなければいけないのは大変残念なんですが、今、松島大臣は、恐らく安倍内閣の閣僚の中で最も国民から注目をされている大臣ではないかなというふうに思っておりまして、先週末も、地元を回って様々な行事に出ていますと、大臣みたいにうちわ配っちゃ駄目だよとか、いろんな方から言われました。また、行田さんは議員宿舎入っているのと、大臣は入っちゃいけないのみたいなことも随分と言われました。
そうした国民が松島大臣の言動に注目をされている中で、大変にこれも非常に私としては残念なんですけれども、十月十日の記者会見での雑音発言があって、また一昨日の委員会で陳謝をされたということでありますが、その陳謝を私もお聞きしまして、残念ながら、これは何か素直に陳謝されているんだろうかと、反省されているのかなと疑問を持たざるを得ませんでした。その理由というのは、午前中の質疑でもあったとおりでありますけれども、やはり法務行政、司法行政を所管される法務大臣というお立場でありますので、特に言動には御注意をいただけたらなというふうに思っております。このことを申し上げまして、質問に入りたいと思います。
まず最初に、裁判所職員の採用試験の採点処理ミスについて伺いたいと思います。
六月、七月にかけて裁判所職員の採用試験が行われたんですが、第二次試験の憲法の筆記試験について採点処理にミスがあって、第二次試験に合格していた十七人が不合格となっていたことが判明したということであります。これに合わせて、一般職試験で本来だったらば合格のはずの方七人が不合格となっていたということが判明したということであります。
まず、伺いたいと思います。なぜこのようなミスが起きたのでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。
まず、この度は、今回の過誤によりまして、受験生の皆様、その他関係者の皆様に御迷惑をお掛けいたしましたこと、深くおわびを申し上げます。
採点処理のミスの内容でございますが、得点をパソコンに入力いたしまして、偏差値に直す計算をした上で得点順に並べ替えるなどの作業をする過程で、受験者と得点の対応関係に誤りが生じたというものでございますが、この事務は五人の職員で担当しておりますが、データ入力の際には複数の担当者でダブルチェックをするなどして確認を徹底する手順となっておりましたけれども、最終的な合否を判定する段階で、受験者の実際の得点と資料に記載された得点を突き合わせるという手順がマニュアル等に抜け落ちておりまして、その結果、その確認作業を怠ったということが原因というふうに考えております。

○行田邦子君 採点結果をエクセルのようなプログラムでいろいろ偏差値を掛けたりとかいうことで、作業でずれてしまったということだと理解していますけれども、それでは伺いたいんですが、正しく採点処理を行っていたら不合格であったはずの受験者が合格となっているのではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 今回の総合職試験、八月の時点での最終合格者が三名と非常に少ないという事情がございまして、具体的に申し上げますと個人が特定されてしまうおそれが高いということから、プライバシーの保護の観点から、そのような方がおられたかどうかということをお答えすることは御容赦いただきたいと存じます。

○行田邦子君 それでは、更に伺いたいんですけれども、この合格された方、三人の方に対して正しい採点結果を伝えているんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 現時点では、まだ結果についてはお伝えできておりません。現在、追加合格の措置をとらせていただいた方の第三次試験の準備をしております段階で、そういった最終的な判定作業も終えた後で、御本人への御連絡、どのような形でさせていただくかということを決めさせていただきたいと思っております。

○行田邦子君 何か非常に伺っていて後味の悪い事件だったなというふうに思うんですけれども、再発防止に努めていただきたいというふうに思います。やはり人間ですから必ずミスというのは起こります。それはもう当然だと思うんですけれども、その必ず起こってしまうようなミスをいかに組織として防いでいくのかという体制づくりが重要かと思いますので、この点踏まえて行っていただきたいというふうに思います。
それでは、次の質問に移りたいと思います。不動産登記制度について伺います。
不動産登記制度は、民法、また不動産登記法など法務省が所管をしていますけれども、その登記されている土地所有者の情報を利用している多くの行政機関があります。今日は、まずその登記情報の利用者である様々な行政機関の方にも、省庁の方にもお越しいただいていますので、まず、国土交通省に伺いたいと思います。
国土交通省におきましては、皆様のお手元にお配りをしている資料の一なんですけれども、平成二十五年三月に、このような森林や農地の所有者不明土地の推計といったものを公表されました。所有者不明の土地は、農地では二〇五〇年までに約十万ヘクタール、森林では約四十六万ヘクタール発生すると。この面積というのは、総農地面積の二%、総森林面積の一・九%に当たるといったものを公表しています。
国土交通省に伺いたいと思います。どのような問題意識でこのような試算を行って、そしてまた結果を公表されたんでしょうか。

○政府参考人(松脇達朗君) お答えいたします。
お尋ねの試算につきましては、平成二十四年度に国土交通省が行ったものでございますけれども、今後、人口減少、高齢化等の急激な進行により、所有者の所在の把握が難しい土地が増加すれば国土管理や地域づくり等に障害になるおそれがあるという問題意識から、二〇一〇年から二〇五〇年までの間に発生する所有者の所在の把握が難しい農地と森林の面積について、どの程度になるかという試算、推計を行ったものでございます。

○行田邦子君 済みません、もう少し教えていただきたいんですが、どのような問題意識でこの試算を行ったんでしょうか。

○政府参考人(松脇達朗君) 所有者の所在の把握が難しい土地が増えますと、これによりまして、国土管理とか地域づくりについて、障害、支障が生ずるおそれがあるということで、そのような問題意識に基づきましてこの試算、推計を行ったところでございます。

○行田邦子君 国土管理、それから地域づくりといった視点もありますし、また、恐らく国土交通省さんですと、公共事業、様々なことを行っていますので、こうした例えば道路を造るといった公共事業を行うときに、土地の所有者を特定してお話をしてそして用地買収をしなければいけないということも多々あろうかと思います。そういうときに土地の所有者が分からないと非常に公共事業も遅れてしまうと、こういった問題もあるのかなというふうに思っております。
そこで、続けて国土交通省に伺いたいんですが、公共事業等のために土地所有者と連絡を取るような必要が生じた場合、どのようにしてその所有者を特定しているんでしょうか。

○政府参考人(松脇達朗君) 国土交通省が公共事業を実施する場合には、まず土地の登記記録により土地所有者の住所、氏名等を確認した上で、所有者が個人である場合には、戸籍簿、住民票等により、登記名義人の転居、死亡等の有無を調査いたします。また、所有者が法人である場合には、法人登記簿、商業登記簿により、法人の代表者等の変更の有無を調査し、所有者を特定しております。さらに、登記記録や戸籍簿等の調査だけでは真の土地所有者を特定できない場合には、地元自治体の協力を得たり、あるいは周辺住民の聞き込みを行う等、更なる調査を重ねまして所有者の特定を行うこととしております。

○行田邦子君 先日も国土交通省の方とお話をしていて、実際、土地の所有者を捜すのに苦労することが多いというお話でした。登記をまず見るんですけれども、登記の権利の部に所有者が書いてありますが、その方がお亡くなりになっている場合は戸籍をたどらなければいけない。ただ、なかなかそれがうまくいかなかったりとか、あるいは、中にはその権利の部が空白になっているという土地もあったりするということでした。ですから、登記の情報が正しいか正しくないかによって非常に公共事業にも支障を来すということではないかなと思います。
続けて、農林水産省に伺いたいと思います。この国交省の推計というのは、農地と林地、森林の土地を対象にしたものなんですけれども、そこで伺いたいんですけれども、農地や森林の土地の所有者が不明だと森林・林業の再生や、また地域の農業の活性化などにどのような支障を来すんでしょうか。

○政府参考人(本郷浩二君) お答えいたします。
森林につきましては、所有者が不明の森林が増加した場合、施業の集約化が困難となり、利用間伐の実施や路網の整備など、効率的な森林経営の推進を図る上で支障となりかねないと認識しております。
このため、平成二十三年の森林法改正により、新たな森林の土地の所有者の届出制度、他の行政機関や部局が有する森林所有者の情報を利用できる制度、所有者不明森林における間伐の代行や林道等の設置を可能とする仕組みを措置したところでございます。
また、農地につきましては、所有者の不明の農地が増加した場合、農地が適切に管理されず耕作放棄地が増大し、農地の利用集積を図る上で支障となりかねないと認識しております。このため、平成二十一年の農地法の改正で、農地相続時の農業委員会への届出が義務付けられたことに伴い、市町村へ死亡届出を提出した際に農業委員会への届出を促す指導を多くの市町村が行っているほか、本年四月の改正農地法で、所有者不明の農地は、公示を経て都道府県知事の裁定により農地中間管理機構に権利が設定される措置を講じることにより、適切に管理を行えるようにしているところでございます。
農林水産省としましては、都道府県等と密接に連携し、森林や農地の所有者の適切な把握、管理に努めてまいりたいと考えております。

○行田邦子君 今、御答弁の中に、森林の土地の所有者が不明だと路網を入れようにもなかなかできないといった森林・林業再生、また地域の農業の活性化にも支障を来すということの御答弁をいただきましたが、そこで、今御答弁の中にもあった森林の土地を新たに取得した場合の届出制度について伺いたいんですけれども、この届出制度を導入した理由というのは森林の土地の所有者が不明な場合が非常に多いという問題意識からだと思いますけれども、この届出件数の実績と、それから届出制度の認知状況を教えていただけますでしょうか。

○政府参考人(本郷浩二君) お答えいたします。
新たに森林の土地の所有者となった者による市町村への届出の件数につきましてでございますが、制度がスタートいたしました平成二十四年四月から当年の十二月までの九か月間に約一万五千件となっております。
届出制度の認知状況につきましては定量的に把握することは難しゅうございますが、本制度につきまして、これまでパンフレットの配布や自治体の広報紙、業界紙への掲載を通じて、森林所有者、都道府県及び市町村の林務担当部局や林業団体、これに加えて、さらに行政書士団体、不動産関係の団体等、また市町村の住民窓口担当部局が提供する相続時の手続リスト、こういうものに記載していただくことなどの対応をいたしまして、幅広い関係者に周知をしているところでございます。
今後とも、自治体や関係機関と連携を図りながら、本制度の一層の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

○行田邦子君 年間で一万五千件届出ということですが、この件数というのは農水省として少ないのか多いのか、どう捉えていますでしょうか。

○政府参考人(本郷浩二君) 本制度につきましては平成二十四年の四月からスタートしたところでございますので、私としては十分な数字であるとは思っておりません。今後とも十分に制度の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。

○行田邦子君 できたばかりの制度ということですが、まだまだ、こういう罰則規定もある届出制にもかかわらず、なかなか十分に届出がなされていないというような状況かと思います。
そこで、平成二十三年の森林法の改正では、届出制だけでは足りないんではないかということで、登記の情報を市町村が共有できると、データ単位でもらえるというような情報共有規定も盛り込んだわけですが、実際には、市町村においては、この登記の情報をデータで共有できる、もらえるといったことは、かなりその所有者特定には実際には効いているんではないかなというふうに理解をしています。
そこで、もう一つの、今現在、その登記情報を利用している関係省庁に伺いたいと思うんですが、内閣官房の総合海洋政策本部に伺います。
最近、無人島、離島に名前が付けられたということで話題になりました。これらの島というのは、我が国の領海あるいはEEZを根拠付ける重要な離島であります。そうした島に名前が付いていないと心もとないということで、まず名前を付けたわけでありますけれども、今、更に何をしているかというと、こういった領海外縁を根拠付ける離島の低潮線を損壊されては困ると、国土保全という意味でもしっかりと所有者を把握していかなければいけないということで、総合海洋政策本部ではこうした約五百ある離島の所有者の特定作業を行っていますが、具体的にどのような作業を行っているのでしょうか、簡潔にお願いします。

○政府参考人(加藤由起夫君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、名称は付けました。その後、今、所有者情報の調査を進めてございます。具体的に、土地所有者の把握につきましては、不動産登記簿それから国有財産台帳や公図を確認することによって調査を進めているところでございます。これらにつきましては、不動産登記簿、国有財産台帳や公図の確認に当たっては、いろいろまた土地の所有関係が複雑である場合もございますので、当該土地の所有者の特定をするということにつきまして、ただいま関係省庁と連携を図りつつ鋭意作業を進めていると、こういう状況でございます。

○行田邦子君 この作業はたしか昨年の六月ぐらいから始まったと思うんですけれども、当時の大臣、山本大臣は二年で完了すると言っていましたが、今どのぐらいまで来ているのか、あといつ完了するのか、お答えいただけますか。

○政府参考人(加藤由起夫君) 前回先生に御質問を賜ったときは、まだ名前も付けていない、数もよく分からないという状況であったと思いますが、今大体、無人離島の約八割につきましては、いわゆる所有者のない無主の島であるということが判明してございます。残りにつきまして、先ほど申し上げましたように、いろいろ土地の所有関係が複雑である場合もございますので、これらにつきまして鋭意作業を進めていきたいというふうに思っております。

○行田邦子君 なかなか困難を極めているというふうにお聞きをしております。
そこで、法務省に伺いたいんですけれども、登記を見ても、その情報が正しくなかったりということはよく言われます。又は権利の部が空白であったりと、なかなか真の所有者を特定できないということがよく言われていますけれども、それでは伺いたいんですが、所有者不明の、ここでは農地、森林に絞らせていただきます、所有者不明の農地、森林の土地はどのぐらいあるんでしょうか。

○政府参考人(深山卓也君) 先生御案内のとおり、不動産登記制度は、民法の百七十七条の規定を受けて、物権変動の過程を登記簿に記録してこれを公示するいわゆる対抗要件制度でございます。そうしますと、登記の上で所有権取得時における所有者の住所というのは記録されておりますが、その登記後に所有者の住所が変更されたというようなことがあったとしても、その住所変更の登記は義務付けられておりませんで、次の物権変動、更なる転売とか、物権変動があったときにその住所の登記も是正すれば足りると、こういうふうにされております。
このように、不動産登記制度は所有者の現在の住所を明らかにする仕組みとはなっておりません。権利移転時、物権変動時の住所を明らかにするという仕組みになっているものですから、登記制度を所管する法務省として、その御指摘のような、所有者の現在の所在が不明となっている農地、森林がどれぐらいあるかについて、お答えをすることができない状況にございます。

○行田邦子君 例えばなんですが、これはよく例として挙げられるのが、北海道が平成二十四年、平成二十四年だったと思いますが、に水源地を守るということで、一万数千件の登記簿情報からその所有者に対してアンケートを郵送したところ、四割が宛先不明で戻ってきてしまったと。登記の情報というのはこのようなものなんだということがよく言われます。
これまでも質疑の中でありましたけれども、公共事業や、また産業の振興だけではなくて、復興にも支障を来すといったことも言われています。どうにかならないのかなというふうに思っていまして、やはり一番大きな土地の所有者のデータベースというのは登記ですので、これを、登記を義務付けするということを検討してはいかがでしょうか。大臣に伺います。

○国務大臣(松島みどり君) 委員がおっしゃる登記の義務付けというのは、不動産登記を効力要件とする制度への移行ということではないかと思っております。ただ、他方、我が国では、先ほど深山局長も申しましたように、所有権の移転は当事者間の合意のみで効力を生じて、これを当事者以外の第三者に主張するためには不動産登記を必要とする、いわゆる対抗要件の制度を採用しております。
対抗要件の制度を効力要件の制度へと変更するということは、我が国の不動産取引に関する法制度を根本的に変えることになりますので、困難であると考えている次第であります。

○行田邦子君 確かに、日本の登記制度は第三者への対抗要件ということであります。諸外国見ると、いろいろあるかと思いますけれども、効力要件という義務付けということになると思いますけど、という制度を用いているところもあります。
この日本の登記制度を義務付け、義務化するとなると、民法の根本から変えていかなければいけない、大変に大きな問題になろうかと、そこは承知はしているんですけれども、ただ、このまま余りにも国土の所有者が不明、分からないと、行政が事務を執行しようとしても所有者がなかなか特定できない、安全保障上離島の所有者を特定しようとしてもできないというのは、やはり私はこれは大きな問題だと思っていまして、もちろん登記制度だけで解決できることではないとは思うんですけれども、土地法制全体でも見直すべきとは思うんですけれども、ここは何とか、登記を所管する大臣としても何か解決策はないのか、もう一度伺いたいと思います。

○国務大臣(松島みどり君) まさに委員のおっしゃる、もう本当に問題が多いテーマだと思っております。ただ、どうしても、明治二十九年の民法制定以来、不動産取引につきましては登記を対抗要件とする法制度を取ってまいりましたので、これを改めるということになりますと、取引関係者の理解を得ることが難しい、そしてまた社会的にも膨大なコストが必要となるため、非常に困難な問題だと考えております。

○行田邦子君 今日は一般質疑ということで、私の問題意識を言わせていただきまして、そしてまたこの後も、登記を中心とする土地法制について、国土をしっかりと保全するという視点からも考え直していかなければいけないという思いで、機会があれば質問させていただきたいというふうに思っております。
質問を終わります。

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