【議事録】法務委員会質問(司法試験法について)

平成26年05月27日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
先週木曜日も法曹養成制度等について質問させていただきましたが、市民にとって身近で、また頼れる質の高い法曹を養成していくというような法曹養成制度、今様々な見直し、改革がなされている途中であるというふうに理解をしております。その一環の中での司法試験法の一部改正法案がこの度政府から出されたわけでありますけれども、これはあくまでも、司法試験を変えるというのは改革というか見直しの一部であるにすぎないというふうに考えていまして、まずは法曹養成について幅広く質問させていただきたいというふうに思っております。
まず最初に、司法修習生への修習資金貸与について伺いたいと思います。
裁判所法の改正によって、平成二十三年から貸与制というものが始まりました。これまで給費制であったわけでありますけれども、六十五期から始まっているわけでありますが、返還は五年間据置きということですので、実際にその返還が始まるのは平成三十年の七月からということであります。まだ返還が始まるのは先でありますので、そういう意味では制度が実際に運用されきっているという状況ではありませんけれども、この制度の設計を見ていて、これは返還が始まる前から私は見直した方がよいのではないかなという点を幾つか感じましたので、質問させていただきたいと思います。
まず、伺いたいんですが、納付期限までに納付しなかった場合の延滞利息は何%と設定されているのでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 修習資金は、無利息で五年間の据置きの後、十年間の年賦で裁判所に対して返還をしていただきますが、裁判所に返還をしていただく場合の延滞利息につきましては、司法修習生の修習資金の貸与金等に関する規則によりまして年一四・五%と定められてございます。これは、矯正医官修学資金貸与法に基づく修習資金貸与制度、自衛隊法に基づく修習資金貸与制度といいました、国が修学資金を、あっ、済みません、先ほど修習資金と申しました、修学資金貸与制度の間違いでございます、といった国が修学資金を貸与するほかの制度を参考にいたしまして定められたものと理解してございます。

○行田邦子君 延滞した場合は一四・五%の延滞利息を取るということでありますけれども、貸与である以上は借りたもので返さなければいけないと、返すのは当たり前であります。延滞してしまった場合はペナルティーとして延滞利息が科せられるということも、制度上これは普通のことであると私は思うんですけれども。一四・五%、これかなり高いなというふうに思っていまして、なぜかといいますと、今社会的問題になっていると言ってもいいかと思いますけれども、大学生、大学院生などの奨学金の返還の延滞という、そのことによって自己破産だったり、また連帯保証人になった親御さんたちの自己破産といったことが非常に増えていると、問題にもなっているという中で、公的学生への奨学金制度の約八八%を占めている独立行政法人日本学生支援機構の制度におきましては、平成二十六年度、今年度から延滞利息というものを一〇%であったものを五%に改めるということをやっております。更に申し上げますと、どうしても返せない人に対しての延滞猶予というのも五年であったものを十年に延ばすといったようなことも、今年度から大学生等に対する奨学金制度ではこのような猶予措置といったものも始まっているわけであります。
今、非常に、法科大学院を卒業し、また司法修習生になって、これから法曹として活躍するという方が経済的な負担がかなりあるということがよく言われていますけれども、私は、司法修習生への修習資金貸与の制度が、実際に返還が始まって様々な問題を起こすのではないかなということを非常に危惧をしております。
そこで、続けて質問させていただきたいと思うんですけれども、この修習資金の貸与を受けようとする場合なんですけれども、個人の保証人二人を立てなければなりません。それができない場合は機関保証を受けるということになっています。そこで、まず伺いたいんですけれども、確認なんですけれども、主たる債務者というか、借りた司法修習生が延滞した場合は、これは個人の保証人に対しても返還督促が同じように行くのでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 議員御指摘のとおり、自然人二人の保証人を立てるか所定の保証料を支払った上で機関保証とするか、貸与を受けようとする者がそれぞれの事情に応じまして選択できるようになっております。
その上で、貸与を受けた者が年賦金等の返還を遅滞した場合、まず貸与を受けた者本人に納付を督促いたします。それでも、その督促によっては年賦金等の納付を受けることが困難であると認めました場合には保証人に対して請求を行うことと、こういうふうにしております。

○行田邦子君 制度としては、いわゆるほかのお金を借りたときの保証人と同じだというふうに理解をしております。
それで、さらに、ちょっとこれ通告していないのですがお答えいただけると思うんですけれども、確認なんですけれども、個人の保証人二人を立てられない場合、あるいは個人の保証人を立てたくないという場合は裁判所が指定した金融機関の機関保証を受けるということになっていますけれども、この保証機関はこれはオリコでよろしいでしょうか。そして、これは三月に、仁比先生の質問だったと思うんですけれども、返済が一回遅れると期限の利益が失われ一括返済が迫られるということでよろしいんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(垣内正君) 今申しましたように、督促をいたしました上で、一括返済を求めるということになります。

○行田邦子君 まず、個人の保証人についてですけれども、これは学生の奨学金制度の場合もやはり個人の保証人二人を立てなければいけない、それか若しくは機関保証なんですが、大体の場合、親であったり、また親戚が保証人になることが大半であるということであります。恐らく司法修習生の場合も、経済的に独立していない方が普通に考えれば多いでしょうから、その場合は学生と同じように、親であったり、また親戚が保証人になるのではないかなというふうに思っているんですけれども、そうすると、やはりこれは、実際この返還が始まると、大学等の奨学金制度と同じように、返済できない人というのが増えてくる可能性が十分に考えられるなと。そして、返還できない場合は保証人に督促が行くというようなことが十分起こり得るだろうというふうに思っているわけであります。
そして、更にちょっと質問を続けたいと思うんですけれども、これは日本学生支援機構の場合がそうなんですけれども、一定期間返還を延滞した場合なんですけれども、個人信用情報機関に登録されることになるんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(垣内正君) お答えいたします。
貸与を受けた者が貸与金の返還を遅滞した場合には、最高裁からその信用情報を個人信用情報機関に登録するということはございません。それから、貸与を受けた者が機関保証を選択していた場合、この場合でありましても、現在保証機関であるオリエントコーポレーションとの契約におきまして、その信用情報を個人信用情報機関に登録するということを認める取決めとはなっておりませんので、代位弁済をしたオリエントコーポレーションから登録されるということもございません。

○行田邦子君 という今御答弁いただきましたけれども、日本学生支援機構の貸与制の奨学金制度が始まったときも、最初は柔軟な制度運用がなされていたと思います。けれども、いろんな返還率が悪いといった様々な指摘がなされる中で、とにかく返してもらわなければいけないという、返済優先というように様変わりをしてしまいまして、そこで個人信用情報機関に登録される、これは日本学生支援機構の場合は三か月延滞した場合に、いわゆるブラックリストですけれども、個人信用情報機関に登録されるというようなこともなされているわけであります。
私は、是非、これからこの貸与制というのは司法修習生においては返還が始まるわけでありますけれども、その前に、今、大学生等への奨学金制度で起きている問題、これをしっかり見ていただいて、制度設計として変更できること、見直すべきことはしっかりと見直していただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
続きまして、法科大学院修了者の就職等について伺いたいと思います。大臣に伺いたいと思います。
法曹有資格者なんですけれども、その活動領域というのが単に、単にといいますか、司法の分野で働く、活躍するだけではなくて、司法の分野以外でも様々なニーズがあるのではないのか、また法曹有資格者を求める、そのような領域があるのではないのかといった意見が出されていますけれども、大臣御自身はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、いわゆる狭義の法律家にならなくても、ロースクールで学んだ法的な素養というのは役に立つのではないかと思います。先ほど山下委員の御質問のときにも、山下さんの御友人でロースクールを出られて民間企業の法務部に入って、それは社外の弁護士と連絡調整するには非常に能力を発揮できると、こういうようなお話で、私はそういうことはいろいろあるんだろうと思います。
ただ、ロースクールはやはりプロフェッショナルを養成するということでつくられたわけですので、一定程度の方は司法試験に合格していただきたいなとは思っておりますが、幅広い分野で活躍をしていただくというのは結構なことだと思います。

○行田邦子君 確かに、法科大学院、ロースクールというのは、法曹を育てる、育成するという専門的な役割を担って創設されたものでありますので、できるだけ多くの方に、当初は七割程度と言っていましたけれども、司法試験に合格していただいて、そして司法で活躍していただきたいというのはあろうかと思います。
ただ、せっかく法科大学院で学んだその知識や経験といったものは、司法以外の社会でももう少し今よりか生かすべきではないかな、潜在的なまた顕在的なニーズもあるのではないかなと思っております。今、組織内弁護士が、二〇〇五年では百二十二人、二〇一一年では五百八十八人というふうに増えてはいますけれども、まだまだ私はその活躍の余地というのがあるのではないかなというふうにも考えております。
今日は文部科学省さんにお越しいただいていますので、質問を続けたいと思います。
法科大学院におきまして、法科大学院修了後の進路についてどのように把握をなされていますでしょうか。

○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
法科大学院修了者の進路動向を把握することは、修了生に対する就職支援などを行う上でも大変重要でございます。文部科学省といたしまして、各法科大学院における把握状況を調査をしてきたところでございます。
これまでの全修了者を対象に各法科大学院を通じて調査した結果、おおむね司法試験合格者が全体の約五割弱、司法試験受験勉強中の者が全体の約一割強、前職への復帰を含めた就職した者、現在職業を持って法科大学院、夜間のものに行ったりする方もいらっしゃいますので、また元に戻るということで、そういうような方が全体の約一割弱、不明の者が全体の約三割強といった傾向になっているところでございます。
このような結果を踏まえまして、文部科学省としては、引き続き、修了者の進路動向の把握とともに、その就職支援等の取組を促したいと考えております。

○行田邦子君 累積の司法試験の合格率が五割弱ということでありますけれども、それ以外の方については、これはやはり文部科学省としても、また法科大学院としても、その後どのような進路をたどっているのかということは追跡調査をしていくべきではないかなというふうに思います。
質問を続けさせていただきます。
文部科学省に伺いますけれども、法科大学院において修了後の進路指導や就職支援を充実させる必要があるというふうに私は考えているんですけれども、どのような取組が行われていますでしょうか。また、改善すべき点があればお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。
法科大学院では、幅広い領域で活躍できる法曹としての必要な能力の育成を目指して教育が実は行われております。その修了者は高い法的素養を備えた人材として多様な活躍の可能性はあるわけでございます。このため、中教審の法科大学院特別委員会におきましても、各法科大学院におきまして修了者の進路状況の正確な把握と充実した就職支援策を進め、その結果として、法科大学院教育の成果であります法務博士(専門職)でございますけれども、それの存在が広く社会に認知されることを目指すべきであるということが提言されているところでございます。
文部科学省といたしましては、これを踏まえまして、法科大学院修了者の進路に関する継続的な調査を行い、各法科大学院における着実な把握を強く促し、修了者全体の進路動向の把握に努めるとともに、法科大学院協会が主催する修了生の多様な活躍状況についてのシンポジウム開催を支援するなどの取組を進めているところでございます。
加えまして、昨年公表いたしました公的支援の見直しの更なる強化策におきまして、企業や自治体などと組織的に連携をした就職支援など優れた取組を行う法科大学院に対しまして公的支援を加算することができる仕組みを示すなどしておりまして、現在、法科大学院において様々取組が検討されているというふうに承知しております。

○行田邦子君 その後、どのような進路をたどったのかといったことを追跡調査をして把握をしていくということだけではなくて、やはり就職支援ということも法科大学院において更に強化をすべきではないかというふうに考えています。
一般的には、大学や高校などでは学生に対する進路指導や就職支援ということで事足りるというふうに思うんですけれども、ただ、法科大学院におきましては、修了後の方たちに対してむしろ就職支援といったものが必要なのではないかなというふうに思っております。法科大学院で学んだ、修了した貴重な人材というのを社会の中でもっと広く生かしていくことを考えるべきではないかなというふうに思っております。
例えば、司法だけではなくて、自治体、公共機関などでも法曹有資格者が必要とされる場面というのは随分あるかと思います。条例を作ることも地方自治体においては増えてきているでしょうし、また訴訟といったことに対応することも必要でしょうし、また、企業においては、これは言うまでもありませんけれども、コンプライアンスまた企業法務に携わるといったこともあるでしょうし、また訴訟やADRの対応といったこともあるかと思います。司法において以外でも活躍できる、そのようなマッチングといいますか、道筋をつくるということを是非やっていただきたいというふうに思います。
そこで、次に司法試験法の改正について伺いたいと思うんですけれども、私は、法曹有資格者でもありませんし、また司法試験も受けたこともなく、また山下先生は法学部の出身ということですけれども、私は法学部の出身ですらないんですけれども、それを踏まえた上で、谷垣大臣に是非御答弁をいただきたいと思うんですけれども、この度のこの司法試験法の一部を改正する法律案、趣旨説明で谷垣大臣は、法科大学院における教育と司法試験との有機的連携を図る等の観点から改正をしようとするものでありますというような説明をしていただきましたけれども、多くの国民は法曹有資格者ではなく、また司法試験を受けたこともない方も、私のような方が圧倒的に多いと思うんですけれども、そのような方たちにとっても、この度の司法試験法の一部改正法案での短答試験科目を憲法、民法、刑法、三科目に絞る、その理由を分かりやすく教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 質、量共に豊かな法律家をつくっていきたいということが理念なんですが、まず一番やはり基本的な法律知識というものがしっかりしていなければ、その土台がしっかりしないところになかなか物が育っていかないと、こういうことがあると思います。応用能力を付ける、ロースクールは応用能力も磨いていただきたいわけですが、一番基本的な知識がしっかりしていないといけない。ところが、法学未修者の方々は必ずしも十分基礎的な法律科目を身に付けていないのではないかというような指摘がたくさんございまして、やはりそれがないと大きく育たない。
民法、刑法それから憲法のこの三科目、短答式は三科目に限ったというのは、これが一番基本的な法律科目でございますので、短答式はそちらの方に、その三科目に絞り、そしてあとほかの科目は論文式等々でも見ていただく、テストすると、こういうことで、特に未修者の負担を軽くして基礎的な知識がしっかり付くようにと、今回の狙いはそういうところにあると存じます。

○行田邦子君 短答式においては法曹としての必要な基本的な法律の知識を確認するということで三科目に絞ったということであります。特に法学未修者の解答率が非常に低くなってしまっている、短答式においては非常に低くなってしまっているということ、それを解決するための策でもあろうかと思います。
今、大臣がおっしゃいましたように、論文式においてはもう少し応用的なというか、法的な分析能力であったり、また論述能力というものを確認すればいいというようなすみ分けがなされているのかなというふうに思っております。
特に法学未修者と既修者を比べると、実は短答式試験では正解率に差があるんですけれども、一方で論文式ではそれほど差がない、遜色がないといった結果も出ているようでありますので、多様な人材を法曹として育てていくという観点からも、この今回の三科目に絞る理由というのは先ほどの大臣の答弁で理解ができました。
それでは、最後の質問に移りたいと思います。政府参考人に伺いたいと思います。
今回、司法試験の受験回数制限を五年で三回を五回にしました。このような受験回数制限を設けている試験というのはほかにどのようなものがあるのか、また、受験回数制限を設ける理由を教えていただけますでしょうか。

○政府参考人(小川秀樹君) 司法試験以外での資格試験などで受験回数制限を設けている例があるということは、私どもは承知しておりません。
司法試験についての受験回数制限についてでございますが、旧司法試験では受験者の大量かつ長期間の滞留によって様々な弊害が指摘されていたところから、こういった弊害により新たな法曹養成制度の趣旨が損なわれないようにするために、合理的な範囲内で受験回数の制限を設けるとされたところでございます。特に司法制度改革審議会の意見書におきましては三回程度の受験回数制限を課すべきであるとされたことなども踏まえ、受験者の諸般の事情による隔年受験の余地なども考慮し、司法試験法改正において、五年間に三回という現行の受験回数制限が設けられたものと承知しております。

○行田邦子君 時間ですので、終わります。

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