【議事録】法務委員会質問(出入国管理及び難民認定法について)

平成26年06月10日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
この度の入国管理法の改正法案の質問をさせていただく前に、先週木曜日のちょっと続きになるような形ですけれども、不法残留者について伺いたいと思います。
平成二十四年七月、今から約二年前に新しい在留管理制度が始まりました。この経緯というのは、それ以前の外登法とそれから入管法の二元管理では、外国人の在留状況を法務大臣、法務省が正確に把握できないといった問題が指摘されていて、それを解決するための新しい制度というふうに理解をしております。この制度によりまして、今までは外国人の情報については地方自治体の外国人登録原票で管理をされていた、把握をされていたわけですけれども、それがなくなって、外国人住民の住民基本台帳といった制度が創設されたということです。
そこで、そのときの、平成二十一年の六月に国会でもこの法案の改正の審議がなされて、幾つかの懸念が示された、問題点が指摘されたわけですけれども、その問題点として指摘されたうちの一つが、それでは新しい制度になると不法残留者、適法でなく日本にいる外国人の方の情報というのが把握をできなくなってしまうと。そのことによって、市町村がその自治体に住んでいる外国人住民に対して、不法でありますけれども現に住んでいる住民に対して行政サービスを提供できなくなってしまうのではないかといった問題点が指摘されました。
そこで、当時の法改正のときに、これは衆議院でですけれども、修正がなされて、住民基本台帳法に附則の二十三条の検討条項が設けられました。そこではどのような条項になっているかというと、不法残留者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、必要に応じて、その者に係る記録の適正な管理の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると、このような附則が盛り込まれたわけであります。
そこで、まず総務省にお聞きしたいと思います。この住民基本台帳法の附則二十三条に盛り込まれた項目について、どのような検討をし、そしてまたどのような措置を講じたんでしょうか。

○政府参考人(山崎重孝君) お答えを申し上げます。
附則二十三条におきまして、入管法等改正附則第六十条一項の趣旨を踏まえてというのが入っております。その六十条第一項では、被仮放免者が行政上の便益を受けられることとなるよう、その居住地、身分関係等を市町村に通知すること等を検討し、必要な措置を講ずることとされているところでございます。現に、法務省におきましては、毎月、市町村に対しまして情報提供が実施されております。
総務省といたしましては、住基法改正後、附則二十三条の趣旨につきまして平成二十三年十一月十一日付けの通知を出しております。各省庁の担当課長に宛てて対応を要請いたしました。さらに、平成二十四年七月四日には、在留資格を有しない外国人の方々への行政サービスの提供に関する各省庁の取組状況について取りまとめまして、これを地方自治体に対して情報提供を行っております。その際には、従来、外国人登録制度を活用していた感染症予防事務、公立小中学校の受入れ事務等について、被仮放免者など住基法の対象となっていない者もサービスの対象となり得ることを改めて示しました。また、児童の一時保護とか婦人保護など、従来、外国人登録制度の対象に限られていなかったものについても引き続き当然にサービスの対象となるということを改めて示したところでございます。
住基法の改正の施行から二年が経過する中で、地方自治体から記録の適切な管理の在り方について特段の要望等を受けていない状況でございますが、引き続き各省庁と連携いたしまして、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。

○行田邦子君 総務省の対応としては、平成二十四年七月に各省庁に問合せをし、これまでどおり、引き続き不法残留者に対しても様々な行政サービスを提供できるということを各市区町村に伝えているということでありましたけれども、ただ、例えば、今おっしゃったような感染症の予防接種であるとか、それから就学の案内とか、それからあと経済的な理由で自分の力では入院や助産が受けられない方に対するサービスとか、あとは母子健康手帳の発行とか、こういった様々な行政サービスを実際に地方自治体が行うに当たっては、やはりその住民の情報というのが必要だと思います。
今の制度では、不法残留者は自治体においてその住民情報というのが持たれないことになっています。じゃ、どうやってその行政サービスを行うのかというと、これはやはり、かつての外国人登録原票、これ一旦法務省に返していますけれども、その写しなどを市区町村で保管をし、それを基に結局は行政サービスを外国人住民に提供するんではないかというふうに思うんですが、そこで再び総務省に伺いたいんですけれども、外国人住民基本台帳に編入されなかった不法残留外国人住民についてなんですが、外国人登録原票の写しを市区町村でどのぐらい保管しているんでしょうか。

○政府参考人(山崎重孝君) 先生御指摘のとおり、外国人登録制度は法務省の所管でございましたことから、平成二十四年の七月九日の廃止に伴いまして、それまで市区町村で保管されておりました外国人登録原票は全て法務省に送付され、保管されたと承知しております。
その際に、外国人登録原票の写しを保管するか否かというのは各地方自治体に任されていると認識しておりまして、法務省への返送の際に実際に写しを保管した市区町村の数について総務省としては承知しておりません。

○行田邦子君 そうすると、確認ですけれども、外国人登録原票そのものは、原本というかは法務省に返さなければいけないということですが、その写しを市区町村が保管してよいかどうかというのは、これは保管することは可能なんですね。

○政府参考人(山崎重孝君) 法務省において全て写しを保管するなというふうな通知が出たというふうには承知しておりませんので、私ども総務省としては、地方公共団体の判断で保管するかどうかということをしているのではないかというふうに認識しております。

○行田邦子君 保管をするなという通知はないから保管をしてもよいということでよろしいわけですね。
実際は、ですから、不法に残留してしまっている、ただ、現にその市区町村に住んでいる外国人住民については、かつての外国人登録原票の写しの保管によって行政サービスを提供しているというような実態であろうかと思います。
ちょっと古いんですけれども、平成二十年末での数字なんですが、不法残留者はそのとき十一万三千人でした。そのうち、外国人登録を行っている方が一万八千人もいたわけです。ですから、不法残留者と言われている方の一割が実際はかつての外国人登録制度で市区町村に登録がなされていたということであります。
そこで、更にちょっと総務省に質問を続けたいんですけれども、この外国人登録制度はもう二年前に廃止されています。ということは、そのかつての外国人登録原票というのは二年前の情報のまま止まってしまっていますから、これを基に行政サービスを提供するというにはちょっと情報として古いのではないでしょうか。

○政府参考人(山崎重孝君) 私どもといたしまして考えておりますのは、御指摘のとおり、既に廃止された外国人登録制度でございまして、情報が更新されておりませんから、行政サービスの基礎とすることには必ずしも適切ではないのではないかというふうに思っております。
そのような点も踏まえまして、住基法改正附則二十三条でも引用されております入管法改正附則六十条第一項を踏まえまして、法務省入国管理局から市町村に対し、毎月、被仮放免者に係る居住地や身分関係の情報が提供されているというふうに承知しております。これを基に、先ほど申し上げましたような各省庁の取扱い、それから地方公共団体の取扱いというものが行われているというふうに思っておりまして、現時点においては、法務省からのそういう通知に基づいた情報でサービスを提供しているというふうに考えております。

○行田邦子君 不法残留者はいない方がもちろんいいわけであります。なくすべきであります。けれども、現に住んでしまっているその方たちというのはその地域からすると住民であるわけでありまして、そういった方たちをやはり市町村としても適切に把握をしていくというのは、それは人道的な見地からも必要でしょうし、また、治安の維持ということからも必要だというふうに考えておりますので、今後も適切な対応をしていただきたいと思います。
大臣に伺いたいと思います。この不法残留者についてなんですけれども、入国管理局が、出頭申告の御案内、不法滞在で悩んでいる外国人の方へというものを発しています。ちょっとこれは何なのかなと思って見てみたんですけれども、不法滞在で悩んでいる方で外国に帰国を希望している方、それから引き続き日本国内で生活を希望される方、まずは出頭してくださいといった御案内なんですけれども、この御案内、出頭申告の案内のその趣旨は何なのかを大臣にお聞きしたいと思います。
在留が認められる事情や理由があって、これまでに素行に問題がなければ、そういった方は、一旦はオーバーステイで不法残留になってしまっていても極力特別に在留を認めましょうという法務省の方針なんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) この出頭申告の御案内、副題は不法滞在で悩んでいる方へと、こういうことになっておりますが、これは、今委員が御議論なさった、制度改正の中で住民基本台帳にも載らなくなってしまった方があると。そうすると、不法滞在になって載っていなければ行政サービスは受けられないし、また、むしろそういうものがそれぞれの地域で把握されないことによって、言わば地下に潜ると言うと言葉が悪いですが、委員が指摘されたような治安その他の問題も生じかねないと。そこで、不法滞在で悩んでいる外国人が自分から申告しやすい環境をつくらなければいけないというのがまず大きな狙いでございます。
そこで、在留特別許可に係るガイドラインをこの中で紹介しておりますが、それは、不法滞在者であることを申告するために自ら地方入国管理官署に出頭したこと、これは在留特別許可を出す場合のプラスの要素といいますか積極的な要素としてカウントされ得ると。それから、在留特別許可の許否の判断に当たっては、一律にやるわけではなくて、個々の事案ごとに、在留を希望する理由であるとか、家族状況であるとか、生活状況、それから素行、あるいは人道的な配慮の必要性等々、諸般の事情を総合的に勘案して行うんだと、その結果として在留特別許可が受けられる可能性があるということを知っていただく、そういうことによって不法滞在を継続することなく自発的に出頭するように促していこうということでございます。もちろん、これで出頭されたからといって、全部の方に必ずしもその在留特別許可が出せるわけではありませんが、先ほど申し上げたように、プラスの要素としてカウントし得るということがございます。
今後とも、こういう個別的な事案に即して人道的な配慮も必要な場合には加えていかなければならないと、こういうことだろうと考えております。

○行田邦子君 今不法残留となってしまっている方というのは、なかなか様々な情報が行き届かないというふうに思っておりますので、このような御案内というものを発していますけれども、不法残留者、今は五万九千人に減ってきているということですけれども、この方たちにこういった情報がしっかりと行き届くように引き続きお願いしたいと思います。
それでは、高度外国人材の受入れ促進について伺いたいと思います。この度の法改正案ですけれども。
高度外国人材ポイント制が始まったのは平成二十四年五月ですけれども、平成二十六年三月末までで高度人材の認定者は千百三十人というふうに聞いております。ところが、過去の資料を見てみますと、この制度の開始前、平成二十三年の当時の法務大臣の記者会見での発言なんですけれども、この制度により高度人材と認められる外国人の入国者数は年間約二千人程度と見込まれるというような発言をしていました。
当初の想定よりも千百三十人というのは認定者が少ないというふうに思うんですが、その理由を、大臣、お聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、平成二十三年十二月当時、当時の大臣が二千人程度という数字を口にされたというか公にされたということがございました。ただ、私、これはどういう数字だったのか聞いてみますと、要するに、高度人材ポイント制の申請を行えば高度人材として認められ得る人数が大体このぐらいの数ではないかと。ということは、全ての方が、日本での永住を望まないような方であるならば申請は必ずしもないけれども、出てくれば認められるというのが二千人ぐらいということの趣旨であったようでございます。
ただ、この二千人という数字がやや独り歩きした感じがあることも否めないわけでございまして、それで、少しそれより低いじゃないかという御指摘ですが、これは認定の基準や広報の問題、さらには高度人材外国人を受け入れるための生活環境の整備の問題等々、様々な要因があるんだろうと思っております。ただ、そういうちょっと予想より少ないんじゃないかという御指摘がありましたことも踏まえまして、認定要件の緩和であるとか、もう少し魅力のある優遇措置はできないかということで見直しを行いまして、昨年十二月から実施しております。
それで、その後、認定数は着実に増えていることは増えておりまして、それまでは月平均約四十二人でございましたが、これを入れた後の一月五十三人、二月は九十七人、三月は百三十五人、四月は百四十六人ということで、徐々に増えておりますので、それだけの効果はあったのかなと思っております。
それから、今御審議いただいている入管法の改正法で、高度人材を対象とする高度専門職の在留資格を創設して、高度人材を我が国は積極的に受け入れているということを在留資格上も明らかにした、このことは受入れの促進に寄与するのではないかと思っております。
それで、この制度を更に利用していただくためには、PRといいますか啓発、一層の周知徹底が必要でございます。それから、高度人材が日本に来てそれなりにちゃんと活動していただくためには、生活条件、生活環境の整備について政府全体として取り組んでいく必要があるだろうと思っております。
こういうことを通じて、今後とも新しい施策の周知徹底を図っていきたいと思っております。

○行田邦子君 まずは昨年十二月に制度の見直しで、使いやすい、敷居を低くするというよりかは使いやすい制度に見直したということで、着実に増えてきているということであります。そして、先ほど大臣がおっしゃられていましたけれども、広報ももっと必要であるというようなお話でした。
そこで、政府参考人に伺いたいんですけれども、これまでの千百三十人の認定者のうち新規入国者は五十九人と特に少ないというふうに思っています。内外に向けての広報が必要だと思いますけれども、特に外に向けての広報というのが十分ではないと思いますが、その点いかがでしょうか。

○政府参考人(榊原一夫君) 委員御指摘のとおり、新規入国に係る数が少ないことについてはそのとおりでございますけれども、そういった点につきましては広報不足が指摘されているところでもあります。これまでも法務省におきましては、ポイント計算が一目で分かるようなリーフレットを作成いたしまして、在日の各国公館や在外の日本公館など関係機関へ配付するなど、海外に向けた広報に取り組んできているところでございますが、さらに、高度人材の受入れを促進するため、関係省庁とも連携いたしまして、海外に向けた広報の強化に一層積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○行田邦子君 積極的にお願いしたいと思うんですけれども、例えば海外メディアを招致して実際に高度人材として働いている方を取材をさせるとか、そういった工夫を関係省庁と連携を取りながら是非やっていくべきだというふうに思っております。
次の質問なんですけれども、今度、高度専門職という制度が創設されることになりますが、この高度専門職の資格をもって在留する外国人の資格取消しについて伺いたいと思います。
資格取消しについてなんですけれども、一定期間、在留資格に対応する活動を行わずにいる場合は資格が取り消されるということですが、例外として、当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除くとなっております。この正当な理由というのは具体的にどのようなことが想定されるんでしょうか。

○政府参考人(榊原一夫君) 委員御指摘の正当な理由につきましては、例えば、病気のため長期間の入院が必要でやむを得ず休職している者が退院後に復職する意思を有している場合や、雇用企業側の都合などで失職した者が再就職先を探しているような場合は、近い将来、高度専門職の在留資格に係る活動を再び行うことが可能となる見込みがあるわけですから、この正当理由に該当し得るものと考えております。
他方、高度専門職の在留資格をもって在留する外国人が失職後、再就職先を探そうとしていない場合や、探してはいるものの一定期間経過しても就職先が決まらず、高度専門職としての活動を再開する具体的な見込みが立たない場合には、正当な理由があるとは認められず、在留資格取消しの対象となるものと考えております。

○行田邦子君 その決められた一定期間、在留資格に対応する活動を行っていないからといって、例えばもう病気の場合で働けなかったりとか、特別な事情がある場合は例外として認めるということであります。
最後の質問になりますけれども、在留資格の技術と人文知識・国際業務の一本化について伺いたいんですけれども、この一本化を行う理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(榊原一夫君) 今回の改正で技術と人文知識・国際業務の一本化を行う理由といたしましては、いわゆる理系の専門職に係る在留資格である技術と、文系の専門職に係る在留資格である人文知識・国際業務を一本化いたしますのは、近年、企業における人材活用の在り方が多様化しており、技術の在留資格に該当するのか、人文知識・国際業務の在留資格に該当するのか不明確な場合があることを踏まえたものでございます。

○行田邦子君 ということなんですけれども、日本の大学等で学んだ外国人留学生のうち、これは日本学生支援機構の調査なんですけれども、二〇一一年度卒業者に対しての調査ですが、卒業後、日本で就職を希望するという方が五二%いました。ところが、実際に日本国内に就職した方は二二%だったそうです。こういった希望があるにもかかわらず、実際は日本国内の就職者が少ないというような結果になっています。
私は、外国人で日本の大学等で学んだ方、こういった方は、日本語それから日本の文化にもなじんでいるわけですから、こうした方たちをもっと日本の企業で採用する、採用しやすくするべきだというふうに思っていまして、そのために、今回、一本化ということ、技術と人文知識・国際業務の一本化、つまり文系と理系の在留資格の一本化ということ、これは一つ進歩でありますけれども、もっとさらに、日本企業が外国人留学生を採用しやすいようなことも考えていただきたいというふうに思っております。
実際、日本型の企業の場合の人事は、大学が文系であっても理系であっても、総合職としていろんな部署を配属が変わったりするようなことも往々にしてありますので、そういった日本型の人事になじむような在留資格の見直しというのも更に行っていくべきであるということを申し上げまして、私の質問を終わります。

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