【議事録】法務委員会質問(会社法について)

平成26年05月13日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
会社法の一部を改正する法律案が政府から提出をされて今審議をしているところでありますけれども、同時に、私どもみんなの党を含む民主党などの共同提案の議員立法が、同じ会社法の一部を改正する法律案ということでこの参議院に出されています。今日は十五分のお時間をいただきまして、参議院に提出されました議員立法を中心に質問させていただきます。
まず初めに、法案提出者に伺いたいと思います。
この参議院に提出されました議員立法ですけれども、社外取締役の選任を義務付けするといった内容になっています。このような法案を提出した理由をお聞かせいただけますでしょうか。

○委員以外の議員(松田公太君) 行田委員にお答え申し上げます。
近年、コーポレートガバナンスが問われる事件が多発をしております。閣法のきっかけとなりました大王製紙、またオリンパス、そのような事件は記憶に新しいところでございますが、それ以前にも、大きなものでいいますと三菱自動車のリコール隠しやカネボウの粉飾決算、そして最近ではみずほ銀行による反社会勢力への融資というものが挙げられます。これらは取締役会が機能せずにコーポレートガバナンスが失敗した例ではないかなというふうに考えております。
取締役会が機能しない例というのはいろいろあると思いますけれども、その一つとしましては社外取締役の人数の少なさがあると思いますし、そもそも社外取締役が不在だということも挙げられるのではないかなと考えております。
例えば、東証の上場企業のうち社外取締役を一名以上選任しているのは、全体、つまりマザーズやジャスダック、二部、一部も含めまして五四・二%にしかならないんですね。つまり、約半分の会社が、上場しているにもかかわらず社内取締役しかいないという状況になっております。一部上場企業に限っても、実は六二・三%という数字にとどまっております。ちなみに、社外役員を増やすのはいわゆる米国型企業統治をモデルとしていると言えますが、米国では既に取締役の半数以上が社外取締役で占められている状況です。
そこで、社外取締役の設置を法的に義務付けることによって少なくとも社外取締役の増加のファーストステップとしたいと、こう考えた次第でございます。

○行田邦子君 社外取締役の選任、導入といったことがコーポレートガバナンスに果たす役割といったことは指摘がなされています。また、答弁にありましたとおり、コーポレートガバナンスがうまくなされていない粉飾決算などといった事案が頻発したわけであります。
そこで、続けて法案提出者に伺いたいと思いますけれども、法案提出者は御自身も起業家であり、また経営者としての経験もおありだと思いますが、そうした御自身の経験も踏まえてお聞きしたいんですが、社外取締役が導入される、その社外取締役に何を期待するのか、何が期待できるのか、伺いたいと思います。

○委員以外の議員(松田公太君) 質問通告を受けておりませんが、お答えいたしたいと思います。
内部昇格をして上がってきた常勤の取締役というのは、外部からの社外取締役と違ってやっぱりしがらみが私はあるというふうに思うんですね。そうすると、例えば問題点を発見しても、改革を促したいと思っても、なかなか社内取締役ではしがらみがあって、社内の問題もあってそれを推進することができないということがあると思います。
社外取締役会は、私は、株主重視という観点と経営の透明性を確保するという両方の観点から、公明正大な立場に立ってボードメンバーとしての役割を果たしていただければというふうに思います。
私自身のちょっと経験で大変恐縮ですけれども、私も会社をIPOさせた、若しくはMBOしたという経験があるんですけれども、最終的には社外役員の数を過半数以上にしたんですね。それによって、思い起こしますと今、非常に厳しい経営判断を迫られたという局面も多々あったなというふうに思います。ただ、今考えてみれば、そのような判断が最終的には、株主重視といいますか、株主を守るという観点からはよかったのかなというふうにも感じております。そのような公明正大な立場に立って社外取締役には御自身の役割を果たしていただく、そのような義務を果たしていただきたいと、このように感じております。

○行田邦子君 御自身の経験も踏まえて御答弁されましたけれども、社外取締役が導入されたからといって、それだけでコーポレートガバナンスが保たれるということではもちろんありません。けれども、その導入によってやはりコーポレートガバナンスに一定程度の役割を果たすというふうに私も考えておりますし、またそれを法律で義務付けるということも必要ではないかというふうに思っております。
続けて法案提出者に質問したいと思います。
この議員立法におきましては、社外取締役の選任の義務付けをする会社の範囲というのを絞っています。公開大会社であって、そのうちのいわゆる上場企業ということに絞っています。このように限定した趣旨というのはどのようなものなのでしょうか。

○委員以外の議員(松田公太君) 行田委員がおっしゃるとおりでございます。三百三十一条五項で、社外取締役の設置義務を公開大会社のうち委員会設置会社を除く有価証券報告書の提出義務がある会社に限っております。
委員御存じのとおり、大小に関わらず、株式会社が一部でも発行しています株の譲渡制限、これを、譲渡制限をなくしてしまえば公開会社となるわけですね。つまり、小規模な株式会社でも譲渡制限のない株式を発行しているところは存在するので、そのようなところにまで社外役員の設置を義務付けてしまうというのは私は負担が大きくなり過ぎるんではないかなというふうに感じております。
また、資本金が五億円以上若しくは負債が二百億円以上の会社は大会社と定義付けられるわけですけれども、その中には、例えば株主が資産家で一人で五億円を出資して資本金を全額を出して一〇〇%株主のオーナー社長という方もいらっしゃるわけですね。そのような会社にわざわざ社外役員を設置を義務付けて監視するというのも私は必要性がないのかなというふうに感じております。
そこで、まず公開大会社を対象としまして、そしてさらに公開大会社の中でも委員会設置会社を除く有価証券報告書、有報ですね、この提出義務がある会社を特定大会社と限定いたしました。つまり、上場企業を中心に限定した、対象としたと考えていただいて結構だと思います。上場企業に関しましては、やはり社会的影響が大きいですし、不特定多数の株主が存在するため、その株主に対する透明性を確保するという観点から今回このような議員立法に至ったわけでございます。

○行田邦子君 この範囲をどの程度まで対象を絞るのかといった議論もあるかと思いますけれども、やはり上場会社というのは社会に与える影響というのは大きいわけであります。また、様々な株主がいる中で、その個々の株主が直接経営に影響を及ぼすということはなかなか難しいという実態もあります。そういうことを踏まえれば、上場会社に対してはやはり外部の視点からしっかり監督をできるような、物が言えるような社外取締役の導入というのは必要だと思います。
一方で、先ほど御答弁いただきましたように、必ずしもその規模によっては、また形態によっては社外取締役といったものが必要ではないような企業もあるわけであります。そうした会社に対しては、義務付けするというのはこれは無理があるかなと私も思っておりますし、またコスト負担に耐え得るかどうかといった問題もあるわけであります。そこのところをこの議員立法では加味した、踏まえた上での措置となっているというふうに理解をいたしました。
政府参考人への質問をちょっと飛ばさせていただきます。また続きまして、法案提出者に伺いたいというふうに思います。
この議員立法におきましては、取締役の選任の義務付けは一人以上というふうに三百三十一条五項になっています。一方で、附則に検討条項が盛り込まれています。第三項ですけれども、「複数の社外取締役の選任を義務付けるための制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」という検討条項が盛り込まれています。この複数の社外取締役選任の検討条項を盛り込まれた趣旨をお聞かせいただけますでしょうか。

○委員以外の議員(松田公太君) お答え申し上げます。
我々みんなの党では、今後、更なる透明性の確保のために、社外取締役の比率を増やしていくことが重要であるというふうに考えております。
今回は社外取締役を一名を義務付けたいというふうに思っているわけですけれども、実際問題、一名だけではなかなか取締役会の中で孤立をしてしまう可能性があるということでございます。やはりある程度の人数があってこそ、その機能、社外取締役としての機能が生きてくるんではないかなというふうに考えております。
先ほどの東証の例に少し戻りますけれども、社外取締役が存在する一部上場企業の六二%の中でも、一人しかいない会社というのが何と三一・八%、つまり半分になるんですね。そして、二人が一七%、三人以上というのが一三・四%と、非常に少ない状況が続いているわけです。社外取締役の人数を複数名義務化するということは私はよりベターだというふうに思いますけれども、まずは第一歩として今回一名の義務化を実現していきたいと、このように考えております。

○行田邦子君 確かに社外取締役の義務付けということは私も必要だと思いますけれども、今までなされていなかったものをいきなり複数を義務付けるというのは、これはちょっと急ぎ過ぎと、拙速かなというふうにも確かに感じております。まずは一人以上を義務付けるというところから今回の法案は始まっているというふうに理解をいたしました。
そこで、法案提出者に最後の質問をさせていただきます。政府参考人にはまた別の機会に質問させていただきます。
最後の質問になります。社外取締役選任の義務付けをなされるこの議員立法でありますけれども、このことをすることによって日本経済にどのような影響を与えるのか、法案提出者御自身のお考えをお聞かせいただければと思います。

○委員以外の議員(松田公太君) お答え申し上げます。
社外取締役が入ることによって株式会社の透明化が進み、ガバナンスが高まることによって株主からの信頼が私は高まるというふうに思っております。それによって内外の投資家を増やす効果が出てくるのではないかなというふうに感じております。特に外国人投資家は、日本の上場企業のディスクロージャーのレベル、これに非常に不満を持っておりますので、外国人投資家を増やすきっかけにも私はこれはつながっていくんではないかなと考えております。
また、日本の上場企業の現預金の残高というものが二百二十五兆円以上あるというふうに言われておりますけれども、社外取締役が増えることによって、それまで保守的に流動預金を増やそうということで進められてきた内部留保、それがそれによって増えたわけですけれど、またその配当金、そういったものに対する考え方も変わってくるのかなというふうに思います。つまり、積極的な投資に回そうじゃないかということを言う社外取締役が増えてくるんではないかなというふうに感じているわけでございます。また、設備投資や人材に対する先行投資も増えてくると。また、先ほども言いましたが、配当が増えればこれも間違いなく株主を増やして、全体のマーケットを押し上げるという効果も出てくるのではないかと考えております。
その他の、実は株主のお話を私、今中心にしましたけれども、ステークホルダー全体に対するプラスの効果も私はあるのではないかなと思っております。例えば、ステークホルダーといいますと、銀行等の債権者も含まれるんではないかなと思いますけれども、そういった金融機関にとっても透明性が高まるというのは非常にプラスである、経営内容を把握することができるようになるわけですから非常に重要だというふうに思いますし、また、社員にとっても、経営陣がどういう判断をしているかという部分がよりディスクローズされることによってプラスの効果が出てくるかなと思います。
また、最後はお客様とか消費者、ここにとっても私は効果的にプラスになるんじゃないかなと思っておりまして、例えば最近、冒頭も申し上げましたが、日本でガバナンスが利いていないところが増えてきて問題になっているというわけですけれども、上質な社外役員が増えれば、利益のみを優先するというところから、安全性であったりリスクマネジメント、こういった部分をしっかり考えてチェックをするという体質が生まれるのではないかなというふうに考えております。
もちろん社外取締役の義務付けのみでこういったものが全て解決するというふうには思っておりませんが、ここを起点に日本全体のプラスを図っていければというふうに思っております。

○行田邦子君 ありがとうございます。
外国の投資家からの信頼が得やすいという利点もあるでしょうし、また、先ほどの御答弁のとおり、それだけではなくて企業の統治、経営といったことにも外からの視点を盛り込むということでのメリットがあると私も思っておりますし、債権者それからまた従業員にとってもディクローズされるという利点、そしてまた社会全体にとっても利点があるというふうに私自身も考えております。
かつて会社は誰のものかといった本がヒットしましたけれども、会社は従業員のものであり、また株主のものでもあるし、それだけではなく社会全体のものでもあるといった議論がなされたかと思いますけれども、このような社外取締役の導入の義務付けがなされることによって、日本経済に対しても良い影響が与えられるものだと私自身確信しております。
質問を終わります。ありがとうございます。

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