【議事録】法務委員会質問(一般質問)

平成26年10月28日 法務委員会

○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
上川大臣、御就任おめでとうございます。仕切り直しということで質問させていただきますけれども、まず今日、私は、最初に民法の家族法改正について伺いたいと思います。今日は、国連の女子差別撤廃委員会からの勧告、それに対する日本政府のコメントなどをちょっと読み返してみましたので、それに沿って質問させていただきたいというふうに思っております。
まず最初に、上川大臣に伺いたいと思います。
所信的挨拶の中でも、民法の家族法、具体的には選択的夫婦別姓、そして婚姻の最低年齢の男女統一、また女性のみに課せられている再婚禁止期間の廃止について触れられていませんでしたけれども、大臣御自身のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(上川陽子君) 女性の活躍ということで今回の安倍政権の大きな柱になっているこの大変大きなテーマにつきまして、特に地方の創生と併せて二本柱ということで大変重要であるというふうに感じ、私自身もこれまで女性の活躍についての様々な取組をしてまいりましたので、そういうことも踏まえましてしっかりと取り組んでいこうと、こういう決意でいるところでございます。
女性の社会における活躍のいろいろな形で壁になる要因ということにつきましては、先ほど委員が御指摘になった氏の問題でありますとか、そして、あるいは結婚の年齢についての問題でありますとか、様々な課題がこれまでも指摘されておりますし、また同時に、海外からもそうした形で指摘をされているところでございまして、こういったところにつきましては、法務行政の中でもこうしたことについて今までの経緯もしっかりと踏まえながら、私なりにいま一度しっかりとした取組をしていくべく、少し時間をしっかりと置いて考えていきたいと思いますし、そして行動もしていきたいというふうに考えております。

○行田邦子君 大臣の今の御答弁で、海外からの意見といった御答弁がありましたけれども、国連の女子差別撤廃条約、これは一九七九年に国連総会で採択されて、日本は一九八五年に締結をしております。
その締結後に国連の女子差別撤廃委員会から勧告が出されています。最新の勧告としては二〇〇九年の八月のものでありますけれども、ここでは、選択的夫婦別氏制度を採用すること、また女性のみに課せられている六か月間の再婚禁止期間を廃止すること、男女共に婚姻適齢を十八歳に設定することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう日本政府に要請するというようなことが勧告の中に盛り込まれています。
そこで、法務省に伺いたいと思いますが、こうした国連女子差別撤廃委員会からの勧告に対して法務省はどのようにお考えでしょうか。

○政府参考人(深山卓也君) ただいま御指摘がありましたとおり、我が国は、平成二十一年の八月に国連の女子差別撤廃委員会から、民法を改正して、選択的夫婦別氏制度の導入、それから婚姻最低年齢の男女の統一、さらに、女性のみに課されている再婚禁止期間の廃止をすべきであるとの勧告を受けているところでございます。
この勧告に対しましては、我が国は本年の九月に女子差別撤廃条約実施状況第七回及び第八回報告というものを女子差別撤廃委員会に対して行ったところでありまして、これらの民法改正につきましては、国民の理解を得て行う必要があるとの認識の下、引き続き、国民意識の動向の把握に努め、また国民の議論が深まるよう情報提供等に努めていると、こういった内容の報告をしたところでございます。この報告は政府として先月行ったものでございますので、現時点での法務省の見解ということになりますとこのとおりということになります。

○行田邦子君 さらに、女子差別撤廃委員会からの勧告に対する政府のコメントに沿って質問を続けたいと思うんですが、この二〇〇九年の勧告に対して、日本政府としてはその二年後、二〇一一年八月にコメントを出しています。そこで、私も読み返してみたんですけれども、その中にこういった報告がありました。
二〇一〇年一月、婚姻適齢の男女統一、選択的夫婦別氏制度の導入、嫡出である子と嫡出でない子の相続分の同等化等を内容とする民法及び戸籍法の一部を改正する法律案を第百七十四回通常国会に内閣提出予定法律案とした。同法律案については、国会提出のための閣議決定は行われず、国会には提出しなかったと。日本政府の取組としてこのような報告がコメントの中で盛り込まれているわけであります。
そこで、また法務省に伺いたいんですけれども、法務省としては民法の家族法の改正の法律案を国会に提出するまで準備をしたと認識しているんですけれども、ということは、結局これは閣議決定が様々な事情で行われなかったわけですが、法務省としては、民法の家族法の改正に前向きなスタンスというふうに捉えられると思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(深山卓也君) 法務省におきまして、平成二十二年に民法及び戸籍法の改正法案を作成したことは委員御指摘のとおりでございます。なお、その法案の中に盛り込まれていた内容の一部である嫡出でない子と嫡出子の相続分を同等とすることにつきましては、昨年九月四日の最高裁の違憲の判断を受けまして、昨年秋の臨時国会において民法の一部改正法が成立しているところでございます。
今御指摘のあった民法等の改正法案の内容につきましては、元々は法制審議会が平成八年の二月に法務大臣に答申した内容を踏まえたものでございまして、法務省としては、一般論として、法制審議会の答申についてはこれを尊重すべきものと考えているところでございます。ただ、他方において、選択的夫婦別氏制度の採用を始めとする民法の改正につきましては、我が国の家族の在り方の根幹に深く関わるものであることから、国民の大方の理解を得て行うべきであるとも考えておりまして、このような法務省の見解はこれまでも繰り返し御説明させていただいたとおりでございます。
このように、法務省としては、法制審議会の答申を尊重すべきであるというスタンスと、改正法案の内容に鑑みて国民の大方の理解を得て法改正を行うべきであるというスタンスのいずれも持ちながら現在に至っているということでございまして、今のお尋ねの法改正に前向きなスタンスかということなんですが、これは、前向き、後ろ向きということで一言で言うというのはなかなか難しいということで御容赦いただきたいと思います。

○行田邦子君 今の御答弁でもありましたけれども、民法においては、法制審の答申がなされて、それが法改正に至らなかった例というのはないというふうにも今年三月の答弁でもいただいているわけですけれども、法務省としては極めて異例な案件であるのかなというふうに私は認識をしております。
更に質問を続けたいと思うんですが、上川大臣に伺いたいと思います。
この国連の女子差別撤廃委員会の勧告に対して、二年後の二〇一一年に日本政府はコメントを出しました。そして、更にその一年後の二〇一二年の十一月に追加的情報を日本政府は出しております。それをまた読み返してみたんですが、このようなことが書かれています。
男女共同参画会議における取組についてというところで、二〇一一年七月二十五日、男女共同参画会議において、当時の江田五月法務大臣は、女子差別撤廃委員会の勧告にも言及しながら、政府部内における様々な意見により二〇一〇年の通常国会において法律案の提出ができなかったことについて法務省としても残念である旨及び今後も法律改正に向けて努力したい旨を表明したということが、国連の女子差別撤廃委員会への追加的情報として日本政府は提供しています。さらに、二〇一二年八月一日、男女共同参画会議において、滝実法務大臣は、法務省として、今後も関係方面に対し改正の内容等を十分に説明しながら、民法改正に向けて努力したい旨を表明したというふうに記されています。いずれも、当時、民主党政権下の法務大臣としての、また法務省としてという発言になっています。
そこで、上川大臣に伺いたいんですけれども、これはお二人とも民主党政権下での法務大臣ではありますけれども、このお二人の法務省を代表しての見解を、上川大臣はこのスタンスを引き継がれているのか、それとも別の考え方を取るのか、御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(上川陽子君) ただいま先生から御指摘がございました点でございますが、江田元法務大臣、そして滝元法務大臣が男女共同参画会議におきまして先ほど御紹介いただいたような内容の御発言をされたというふうに承知をしているところでございます。さらに、その発言内容が女子差別撤廃委員会にも報告されたということにつきましては、御指摘のとおりであるというふうに考えております。
法務省におきましては、法制審議会の答申を尊重をするということで、平成八年と平成二十二年にそれぞれ選択的夫婦別氏制度の導入等を含む民法等の改正法案を準備したところでございますが、政府部内また国民の間に様々な御意見があるということで、国民の意識にしっかりと配慮をしながらということで、更に慎重な検討を行う必要があるということで提出を断念したものというふうに考えております。
御指摘のお二人の大臣の御発言につきましても、民法改正をめぐるこのような経緯を踏まえて述べられたものであるというふうに理解をしているところでございます。私といたしましても、このような経緯ということにつきましてしっかりと受け止めてまいりたいというふうに考えております。

○行田邦子君 それでは、質問を続けさせていただきたいと思います。
先ほど民事局長の最初の御答弁の中にもありましたけれども、日本政府は、女子差別撤廃委員会の勧告に対する日本政府の取組として、今年の九月に第七回、第八回の定期報告というものをしております。これを読ませていただいたところ、このようなことが書かれていました。
男女共同参画会議監視専門調査会は、二〇一三年十一月に監視専門調査会としての意見を出したと。そこには、引き続き民法改正の法案提出に向けて努力する必要があるとしたと。さらに、選択的夫婦別氏制度に関しては、その意義や想定されている内容、氏の選択に関する現状等について広く情報提供することなどにより、国民各層におけるより深い理解を促しつつ、その議論の裾野を広げるよう取り組む必要があるとした。男女共同参画会議監視専門調査会がこのような意見を出したということをもってして、日本政府の取組というふうに女子差別撤廃委員会に対して報告をしているわけであります。
そこで、内閣府に伺いたいと思うんですが、この意見が監視専門調査会から出されたのは約一年前のことなんですが、一年たっておりますが、その後一年間の間に、この意見を踏まえて関係府省でしっかり取り組んでいるかどうか、どのようなフォローアップをされたのか、あるいは監視をしているのか、具体的にお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(武川恵子君) 御指摘の男女共同参画会議監視専門調査会の取りまとめでございますけれども、本年四月の男女共同参画会議に報告されております。これを受けまして、男女共同参画会議におきましては、監視専門調査会の意見を踏まえた更なる取組の推進を政府に求めたところでございます。
この監視専門調査会では、女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえまして作成されております第三次男女共同参画基本計画につきまして今後フォローアップを行うことを予定しておりますので、このフォローアップを通じまして適切に監視を行っていくこととしております。
以上でございます。

○行田邦子君 私の聞き間違いだったら申し訳ないんですが、昨年十一月に監視専門調査会から意見が出されました。そして、その意見の報告が男女共同参画会議に出されたのが今年の四月ということで今御答弁いただきましたが、なぜそのような時間が必要だったんでしょうか。意見を出して、その後速やかに男女共同参画会議に報告をすることはできなかったんでしょうか。

○政府参考人(武川恵子君) 男女共同参画会議につきましては、専門調査会の幾つかの報告をまとめて報告することにしておりまして、この報告と併せまして、例えば防災・復興における男女共同参画の推進に関する政府の施策の取組状況についての意見、これも今年の二月に同じく監視専門調査会から出されておりますので、そういった意見を併せまして今年の四月に男女共同参画会議に報告されております。
以上でございます。

○行田邦子君 私は、これは遅いと思いますけれども。意見を見させていただきましたけれども、七ページぐらいのものでしょうか、何回かの調査会を重ねて作り上げられたものですので、これは五か月たって報告というのは私は大変遅いと思いますので、もっとスピード感を持って対処していただきたいというふうに思います。
それで、この男女共同参画会議監視専門調査会なんですけれども、開催状況を見てみました。今年は二月二十四日に一回しか開かれていません。過去どうなのかなというのを見てみましたらば、平成二十三年の四月からこの調査会は始まっていますが、平成二十三年は七回、平成二十四年は十回、平成二十五年は七回開催されていますが、今年は二月二十四日を最後に開かれていないと。しかも、この二月二十四日の調査会の議題は、防災・復興における男女共同参画の推進に関する意見についてのみということでありました。なぜ一回しか開かれなかったんでしょうか。

○政府参考人(武川恵子君) 御指摘のとおり、この監視専門調査会でございますけれども、昨年七回開催いたしまして、女子差別撤廃委員会の最終見解への対応に関しましてフォローアップを集中的に行っております。そして、並行して審議しておりました防災・復興に関しまして、御指摘のとおり二月に開催されました監視専門調査会において意見を取りまとめ、そして本年四月に男女共同参画会議に報告したところでございます。
この四月の男女共同参画会議におきましては、今年の秋をめどに新たな男女共同参画基本計画策定に向けた検討を開始するということが表明されておりまして、その準備を進めてきたところでございますが、今年の十月に男女共同参画会議におきまして、正式に新たな男女共同参画基本計画策定に向けた基本的な考え方について総理から諮問がされておりますので、今後は、この監視専門調査会におきまして、新たに計画策定専門調査会が設置されるわけですけれども、合同で今後精力的にこのフォローアップを行う予定としております。
以上でございます。

○行田邦子君 監視専門調査会というその調査会の性質からしますと、これは恒常的にというか定期的に、もっと頻繁に開いて精力的に調査をすべきだというふうに私は思います。
それでは、大臣に最後、最後というか、この件の最後の質問をさせていただきます。
上川大臣は、平成十四年に衆議院の法務委員会におきまして、民法改正による夫婦別姓も可能な制度導入に関する請願の紹介議員になられています。当時の衆議院の法務委員会の議事録にもこの記録が残っております。そしてまた、自民党内の例外的に夫婦の別姓を実現する会のメンバーになっているとも承知しております。
そこで伺いたいんですが、このような請願の紹介議員になる、また党内のこのような会のメンバーになるということは、一般的に考えれば、上川大臣は議員として大変に選択的夫婦別姓に積極的なんだろうと私は理解をしているんですけれども、法務大臣となった今も、基本的に上川大臣御自身のお考えに変わりはないでしょうか。

○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から御指摘がございました、平成十四年の段階で法務委員会に対しまして、民法改正による夫婦別姓も可能な制度導入に関する請願の紹介議員になる、さらに自民党内の例外的夫婦の別姓を実現する会のメンバーであったということにつきましては、事実でございます。
法務大臣に就任をし、また、こうしたことにつきましても様々な御意見をしっかりと受け止めながら政策を進めていくということは大変大事なことであるというふうに思っているところでございますが、こうした過去、私自身、現場、つまり日常生活の中で女性が活躍する際に壁になっていることはできるだけ避けていくように努力していきたいなという思いの中で取り組んできたことであるということでございまして、その考え方については、個人的には変わりがあるものではございません。
法務大臣という形で改めてこの問題についてしっかりと向き合うということでありますが、一番大事なことは、国民の皆様のいろいろな思いということをどのように受け止めていくかということではないかというふうに思っております。
世論調査ということも一つの方法でもございますし、また請願とか要請があるということについての御意見もしっかりと受け止めていきたいというふうに思っておりまして、その点については、改めて気持ちを平らに、また鏡のごとくの気持ちで臨んでいきたいという思いでございます。
他方、旧姓の通称使用につきましては、いわゆる士業の皆さんの中で職務上の登録等におきまして広く認められるようになったということもございますし、社会の認識につきましては、この通称使用ということについては一歩も二歩も進んできたなというような印象がございまして、その点、少しずつ現場の中で工夫をしながらこの不便を解消していくべく努力をしていただいているのではないかというふうに思っているところでございます。
安倍政権そのものも女性が輝く社会ということで目指しておりまして、これにつきましては、国や地方や企業、あるいは一般の皆様も併せて、女性が活躍しやすい社会づくりということについては、ある意味では一体として取り組んでいこうという時代でもございますので、私としては、そのような観点から、旧姓使用が認められないために被っている社会的な不便ということの是正に向けた措置については、関係省庁と協議をしながら一つずつ前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。

○行田邦子君 確かに、選択的夫婦別姓を始めとする民法の家族法の改正というのは、これはやはり国民の理解がなされていることが私自身も大切だというふうに思っております。その点は、今の大臣の御答弁、非常に納得いたしました。
ただ、大臣のこれまでの行動を見ても、恐らく選択的夫婦別姓については非常に積極的であるというふうに私は理解をしておりますので、どうか上川大臣らしい法務大臣としての指導力を発揮していただきたいなということを御期待を申し上げたいと思います。
残り時間が少なくなりましたので、あと、最後一問だけ聞かせていただきます。
入国管理に関してなんですけれども、エボラ出血熱への検疫を強化するために、国際線のある全国三十空港の全ての入国者に対して、流行四か国に滞在歴がないか確認する運用を順次開始しているということであります。
この件について伺いたいんですけれども、本来はこれは過去二十一日以内に流行国に滞在していた方は検疫所への申告が必要だという周知ボードでなされるものですが、見逃してしまうということもあって、入国審査官がパスポートをチェックする際に、この四か国への旅行歴があるかどうかということを地図を見せて確認をするという作業が開始されたということだと理解をしております。
この運用開始状況と、そしてこの作業が追加的に発生することによって入国審査処理にどの程度負担が掛かっているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(井上宏君) 委員御指摘のとおり、エボラ出血熱の流行を受けまして、去る十月二十四日金曜日から、厚生労働省において検疫体制を強化しておりまして、法務省におきましても、検疫所との連携を強化して水際対策に努めているところでございます。
具体的に申し上げますと、入国管理局の審査ブースにおきまして入国者に対しまして、二十一日以内にその発生国に滞在していたかどうか、滞在していた場合には検疫所に申告したかということを確認いたしまして、申告されていないという場合には検疫所へ誘導しているという、そのようなことをしているわけでございます。その上記協力を実施するに当たりましては、あらかじめ確認事項を主要九か国語に翻訳した確認ボードを使用するなどしておりまして、できるだけ円滑に必要な確認を行えるよう留意してございます。そのため、現在までのところ、審査待ち時間や時間当たりの処理件数に大きな影響が出ているという報告は受けておりません。
入国管理局におきましては、引き続き、入国審査手続の円滑化に留意しつつも、感染症対策に遺漏なきを期すべく、検疫所と連携して水際対策の強化に協力してまいりたいと考えております。
以上です。

○行田邦子君 私は、この件に関しては検疫強化優先というふうに思っていますけれども、一方で、円滑かつ迅速な入国審査ということも念頭に置きながらしっかりと当たっていただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

タイトルとURLをコピーしました