【議事録】決算委員会質問

平成27年4月13日 決算委員会

○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は労働保険特別会計の雇用保険二事業について質問させていただきます。
まず、大臣に伺いたいと思います。
お手元に資料一、お配りをしておりますけれども、雇用保険二事業の安定資金の残高なんですが、平成二十三年度に三千七百四十七億円でしたが、これが徐々に徐々に積み増されて増えています。平成二十五年度の決算では六千四十五億円、平成二十六年度の予算では六千七百四十四億円、平成二十七年度の同じく予算では七千八百十八億円となっています。
例年、予算に対して決算では支出額が少なくなっているという傾向を見ますと、私は、これは近い将来、この雇用保険料率の雇用保険二事業に係る弾力条項が適用される水準まで行くのではないかなというふうに見ているんですが、大臣に伺いたいと思います。この雇用保険二事業の安定資金残高が高水準で積み上がっている理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この勘定は、先生御案内のように、事業主からの保険料で積み上がっているものでございます。この雇用保険二事業は、失業の予防等に資するための施策を実施するために雇用安定事業と能力開発事業というのをやっておりまして、雇用保険法に位置付けられているものでありますが、この雇用保険二事業については、やはり雇用失業情勢というのが急速に悪化した場合でも対応できるように予算を編成しているというのが基本的な姿勢であって、最近、このところ雇用失業情勢というのがかなり改善をしてきておりますので、今先生御指摘になったように、予算額と決算額に乖離が生じているということで、二十四年度以降の決算の収支の差引きの剰余がプラスになってきているということであります。
二十七年度末の雇用安定資金の残高は、予算ベースで七千八百十八億円ということで見込んでおりますけれども、例えば平成二十一年度は決算ベースで単年度で五千二百十二億円を取り崩したこともありますので、機動的な雇用対策を実施するためには一定規模はやはり保有しておかないといかぬというふうに思っているわけであります。
今後とも、この保険二事業の運営に当たって、今申し上げたような保険料負担者である事業主の意見も踏まえ、個々の事業の政策効果を絶えず検証して、PDCAサイクルによる目標管理を徹底することによって効果的で質の高い事業運営を徹底しなければならないというふうに思っております。
○行田邦子君 確かに、経済状況によってこのニーズというのは変わってきますし、平成二十一年度は雇用調整助成金のニーズが非常に高まった時期でもあってニーズもあったというふうに思っております。一定程度の残高は必要だということは私も理解をしておりますけれども、現在かなりの高水準であると思っています。
なぜこの安定資金残高が増えていくのかという理由は、予算を安全なところで高く見積もるという傾向はあるにしても、それにしても、予算に比べてこの雇用保険二事業の事業がきちんと予定どおり執行されていないと、つまり執行率が低いものがかなりあるのではないかなというふうに思っていまして、今日は、多少細かくなりますが、各事業の執行状況について伺っていきたいと思っております。
まず、高年齢者雇用安定助成金について伺いたいと思います。
この事業なんですけれども、高年齢者の雇用の環境整備、それから高年齢者の円滑な労働移動を支援していくという目的の助成金なんですが、お手元に資料二をお配りをしておりますけれども、この資料二の左下を見ていただきたいと思うんですが、事業の執行率、平成二十五年度が二二%と低くなっております。これはどうしてこんなに低いのかなと思うんですが、この資料を作った後に私ちょっとまた別のを細かく見てみたら、二二%というのは廃止助成金の経過措置分も入れてなんですが、それを入れないと、何と支給額ベースで事業の執行率は一%なんです。
廃止助成金の経過措置を入れないと執行率が一%というのは余りにも低いと思うんですけれども、政府参考人に伺いたいと思います。なぜこんなに事業の執行率が低くなってしまったのか、どういうふうに分析をされているのか、そして平成二十六年度以降に向けてどういった改善をされたのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
平成二十四年の高年齢者雇用安定法の改正によりまして、企業は定年の引上げや再雇用等によりまして六十五歳までの雇用確保が義務付けられております。この助成金は、この改正法が平成二十五年四月から施行されることを踏まえまして、企業における高齢者の雇用の維持等を目的とし、平成二十五年度に創設された助成金でございます。
その内容は資料のとおりでございますが、二つございまして、一つは、高年齢者の活用促進のための雇用環境整備の措置を実施する事業主に対する経費助成を行う高年齢者活用促進コースと、定年を控えました高年齢者を離職を経ずに雇い入れた事業主に対する雇入れ助成を行います高年齢者労働移動支援コースの二つがございます。
平成二十五年度予算の事業執行状況については、今委員の方から御指摘があったとおりでございます。なぜ二十五年度の事業執行額が低調だったかということについてでございますが、まずは、事業主の負担を軽減するため十分の予算を確保したこと、それから、事業開始初年度でございまして周知等が十分でなかった、あるいは、事業申請までに一定の期間を要しますので初年度の実績が上がりにくかったこと、特に労働移動支援コースにつきましては、平成二十五年六月一日現在の企業のこの義務付けの達成率が九二・三%となるなど継続雇用の仕組みが浸透した結果、助成対象となる、定年前にほかの企業での雇用を希望する高齢者が余り生じなかったこと等があると思っております。
平成二十六年度予算におきましては、助成金の一層の活用が図られるよう支給要件の見直しを行ったことによりまして、実績等は前年から伸びてございます。特に活用促進コースにおきましては、支給申請の前提となる計画の認定件数が約一千件に達しておりますので、平成二十七年度以降、実績の更なる増加も見込まれてございます。
平成二十七年度予算におきましては、実績が十分に上がらない労働支援コースを廃止いたしまして、活用促進コースは実績を踏まえまして予算額を大きく削減したところでございます。
○行田邦子君 是非、年に一回だけではなくて、不断の見直しを行っていただきたいと思っております。
そして次に、キャリア形成促進助成金について伺いたいと思います。
平成二十五年度の事業執行率は支給額ベースだと七七%ということなんですけれども、平成二十六年度を見てみますと、二月までの執行率ですが、二九%と非常に低くなっています。じゃ、三月に駆け込みがあるのかということをお聞きしたんですが、特にそういうことでもないということですと、平成二十六年度、非常に低調であります。
そしてまた、助成金コース、幾つかのコースがあるんですが、助成金コースごとの内訳を見ると非常に執行率にばらつきがありまして、例えば育休中・復職後等能力アップコースというのがありまして、育児休業中の方のブランクを埋めるための訓練に対する助成ですけれども、これが平成二十六年度の実績は、支給決定件数で七千件の予算に対して八件、支給額は十七億円の予算に対して百万円、〇・〇六%の執行率と極めて低い状況となっていますけれども、政府参考人に伺いたいと思います。同助成金コースの平成二十七年度の予算額をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
キャリア形成促進助成金の平成二十七年度予算額、全体では二百六十五億円でありまして、今御指摘の育休中・復職後等能力アップコース分、内訳といたしましては二十三億六千万円となっております。
○行田邦子君 平成二十六年度で執行率がこれだけ低いと、〇・〇六%。なのに、なぜ平成二十七年度で予算を増やしたんでしょうか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) このコースの助成金は、育児休業中それから復職後、再就職後の能力アップのための訓練という目的であるわけでございますけれども、一つは、育休中の者への訓練提供の困難性などを踏まえると助成率が十分魅力的なものではなかったということ、それから、訓練ニーズが見込まれる業界単位の取組を促す制度設計が十分ではなかったということ、それから、潜在的ニーズのある事業主に対する効果的な周知がきちっとできていなかったというようなことなどの要因によって、御指摘のように、平成二十六年度の活用実績は極めて低調ということを認めざるを得ないというふうに思っています。
このため、本年度から、まず第一に助成率の引上げをして魅力的な助成制度にするということ、それから、事業主の団体などが育休中の労働者、働く人を対象に訓練を実施した場合に助成する制度の創設をする、それから、関係機関と連携をした効果的な周知を実施して、より多くの企業にきちっと知っていただいて使っていただくということで、それを前提に予算額を増額をしたということでございまして、女性の活躍促進を図る上で、能力開発面の支援はやはりこれはこれ自体としては極めて重要だというふうに考えておって、今後とも、支給要件の見直しをしながら有効な支援策、助成策に仕立て上げていかなければならないというふうに思っておりますので、一層のこの中身の充実に努めていきたいというふうに思います。
○行田邦子君 私も、育休中の、また職場復帰直後の訓練、また教育支援というのは必要だというふうに思っておりますけれども、やはりこれだけ執行率が低いというのは、これは根本的に何か見直しが必要だと思っていまして、今大臣の御答弁ですと、助成率を二分の一から三分の二に上げるということだと思いますが、それも一つあるんですが、また周知を徹底するということもあるんでしょうけれども、それだけで本当にきちんとこの事業が有効に使われるのかどうかということを疑問を感じておりますので、今後も、じゃ平成二十七年度終わった段階で実際はどうだったのかということをきちんとチェックをしていきたいというふうに思っております。
そして、今質問させていただいたコースなんですが、育休中・復職後等能力アップコースなんですが、このコースの内容は両立支援助成金の中小企業両立支援助成金、休業中能力アップコースと重複しているのではないでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
お尋ねの育休中・復職後等能力アップコース、これは企業の能力開発の取組を支援する助成制度を一元化するということで効果的な運用を図る観点から、御指摘のありました中小企業両立支援助成金、それの休業中能力アップコースを廃止いたしまして、キャリア形成促進助成金のメニューといたしまして平成二十六年三月に創設したものでございまして、現時点でいわゆる併存しているものではございません。
○行田邦子君 この休業中能力アップコースをなくしてキャリア形成助成金の方に組み入れたということで、つまり焼き直しをしたということだと思うんですけれども、それではお聞きしたいんですけれども、この休業中能力アップコースなんですが、執行率が平成二十五年度で三一・八%でした。この三一・八%というのも低いは低いんですけれども、焼き直しをしたことによって〇・〇六%の執行率に下がってしまったと。これ、どういうことでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 御指摘のありました休業中能力アップコースにつきましては、育児休業などからの円滑な職場復帰を目的とした能力開発を実施した事業主などに支給するものでございまして、平成二十五年度における事業執行率が低かった理由としては、厳しい財政事情を背景といたしまして、支援対象の重点化を図るために、平成二十三年九月より支給対象を中小事業主に特化するとともに、より高い政策効果を狙って、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画の策定、届出を全ての事業主に要件に追加したというようなことが考えられるところでございます。
後続の助成金でございますキャリア形成促進助成金につきましては、大企業も支援対象としたところでありますし、また次世代法の行動計画も要件にはなっておりませんが、新たな枠組みの下で助成金の仕立てについて組み直した結果、事業執行率が下がったものでございますが、先ほど大臣がお答えしたとおり、中身について見直しを図っているということでございます。
○行田邦子君 御説明いただきましたが、私は、これだけ事業の執行率が低いものはたくさんほかにもあるんですよ、これ恥ずかしいと思います。これ、どういうふうに実際に雇用保険料を払われている事業主に説明ができるのかということをよく考えていただきたいなと思っています。
それで、大臣に伺いたいんですけれども、こういった雇用保険二事業の事業を策定する際に、それは途中途中のレビューだけではなくて、策定する際に、是非事業主だけではなくて労働者の意見をきちんと聞く、あるいは調査をするということをしっかりやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおりで、パブリックコメントも含めて様々な人の意見をやっぱり聞いた上でやっていかないと、こういった執行率というのは私も今回初めて見ましたけれども、やっぱりちょっと驚くような数字ではありますから、こういうことがないように注意をしていかなきゃいけないなというふうに思っております。
○行田邦子君 先ほども申し上げましたけれども、今日、今回の決算委員会の質問に当たりまして、厚生労働省の皆さんに御苦労いただいて、資料をいただいたんですけど、見ると本当に、これは一体何でこんなに執行率が低いんだろうというものがほかにもたくさんあります。
例えば、労政審できちんと意見を聞いているというふうに厚生労働省の担当の方はおっしゃいますけれども、労政審のメンバーというのは代表の代表の代表のような方ですから、そうではなくて、もっとニーズに合った事業の策定というのを事前に様々な方の意見を聞いてやっていただきたいというふうに思っております。
そして、もう一度大臣に伺いたいと思うんですけれども、雇用保険二事業というのは特別会計の中にあって、税金を使っていないけれども雇用保険料という事業主が払っている雇用保険料が財源となっているということで、なかなか事業が細かく分かれているせいもあってチェックが私はずさんだというふうに思っております。もちろん、これを政務三役の方、大臣が一々チェックするわけにはいかないと思っています、非常に多岐にわたっていますので。ですので、厚生労働省の中で事業の評価システムというものをきちんと構築すべきだというふうに思っております。そうしないと、雇用保険料を払っている事業主に説明ができないというふうに思っています。
例えば、年度ごとにレビューをするだけではなくて、民間だと大体半期ごとあるいは四半期ごとに事業の執行率というのを見直して、随時予算を減らしたりまた増やしたりしていくわけですので、そういった見直しというのも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話があったように、この勘定は事業主から拠出をしていただいているわけでございまして、先ほど労政審はかなり偉い人しかいないというお話ですけれども、拠出をしている代表の人たちが来ているならば、そこはやっぱりちゃんと議論していただいているはずでありますから、そこのところはしっかり更に議論を深めていただくしかないんだろうなというふうに思っています。
役所の中でのPDCAサイクルというか、これについて今御指摘があったと思いますけれども、おっしゃるとおり、貴重な拠出をいただいているこの勘定を効果のある雇用政策として、女性の活躍にしても何にしても、育児支援にしても、やはりそれは極めて大事でございますので、今でも、もちろん二十七年度予算案においても評価の低い事業について見直しをして、二十六年度予算から見ると三百七十億削減をしているところではありますが、今先生御指摘になったとおり、まだまだ見直さなければいけないところもありそうでありますので、改めて、効率のいいやはり政策執行がなされるように、我々としても省内での政策立案の、何というか、質を上げるということも含めてやっていきたいというふうに思います。
○行田邦子君 終わります。

タイトルとURLをコピーしました