【議事録】参議院本会議代表質問

平成26年10月02日 参議院本会議

○行田邦子君 みんなの党の行田邦子です。
会派を代表しまして、安倍総理の所信表明演説に対する質問をいたします。
冒頭、御嶽山の噴火によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
今年は孔子の生誕二千五百六十五周年、そんなニュースを目にしました。そこで、質問に入る前に論語の一節を紹介させていただきます。
春秋時代の魯の君主、哀公は、飢饉で財政が窮乏しているが、どうしたらよいかと、孔子の弟子、有若に問うたところ、有若は、どうして十分の一税、減税を実施しないのですかと答えました。既に十分の二税を徴収してもまだ足りないというのに、どうして減税などできようかと言った哀公に対して、有若は、人民が豊かになれば君主も富み、人民が貧しければ君主も貧しくなる、凶作のときこそ減税を行って、人民の負担を少しでも軽くするのが君主というものではないですかと答えました。
論語から私たちが学ぶことは多々あるようです。
みんなの党は、結党以来、増税の前にやるべきことがあると申し上げてきました。増税の前にやるべきことは、デフレ克服であり、国会議員の定数削減や報酬カットなど自ら身を切る改革です。残念ながら、全て道半ばです。
さきの通常国会を、総理は好循環実現国会と位置付けました。ところが、実態はどうでしょうか。株価は高値で推移していますが、それ以外は好調な経済指標を探す方が困難です。
政府は、平成二十六年度の経済成長を実質一・四%増と見通しています。ところが、四―六月期の実質GDPは、民間エコノミストの予測も大きく下回る年率七・一%減少となりました。
九月三十日に発表された八月の現金給与総額は、前年に比べて一・四%増、つまり三%の増税に追い付いていません。給料は上がらないのに税金が上がれば、当然国民は財布のひもを締めざるを得ません。同じ日に発表された家計調査では、八月の消費は前年に比べて四・七%の減少。総理、このような景気の現状をどう認識されていますか。
また、昨今のガソリン価格高騰は、移動の足の中心が車である地方にこそ大きな負担となっています。冬を迎えるにつれ、東日本大震災の被災地の生活にも打撃を与えます。円安が進み、中東情勢も不透明な中、燃料価格の上昇にどのような対策を取っていくお考えでしょうか。
みんなの党では、租税特措法に定められているトリガー条項は東日本大震災後に凍結されていますが、被災地を含めた窮状を鑑みれば、凍結を解除してもよいのではないかと考えています。総理の御見解をお伺いします。
総理には、みんなの党の主張である大胆な金融緩和をアベノミクス第一の矢として採用していただきました。しかし、この政策が功を奏していた昨年秋とは今明らかに状況が異なります。今年十二月には、来年秋の消費税再増税を判断するタイミングが来ます。十八か月で二度の増税。税金の重みが景気に暗い影を投げかけています。そもそも法律の設計がおかしいのです。十二月まで待たずに早めに増税凍結を決断されたらいかがでしょうか。総理の御見解をお伺いします。
世界経済に目を向ければ、好景気が続く米国では、FRBが金融政策の出口を慎重に見極めようとしています。その中では、雇用の量のみならず、雇用の質を重視しています。
総理は、所信表明演説の中で、有効求人倍率の向上を雇用の改善の例として挙げられましたが、その質にまで注目していらっしゃるのでしょうか。
昨年の我が国の民間給与は三年ぶりに増加に転じましたが、雇用者の三分の一以上を占める非正規雇用労働者の給与は引き続き減少しています。パートタイム労働者の八月の現金給与総額は昨年に比べて一・三%減少、また、総理が改善の例としている八月の有効求人倍率は、実は正社員だけで見ると〇・六八と大変に厳しい状況です。
非正規から正規への転換など、雇用の質を向上させて、所得の向上から消費の拡大へとつなげる真の好循環実現施策が必要と考えますが、総理の御見解をお伺いします。
新たな担い手が誕生する起業、創業、次世代にバトンを渡す廃業、産業や企業の新陳代謝、特に企業数の九九・七%を占める中小企業や八六・五%を占める小規模企業の新陳代謝は地域経済の活性化に重要な役割を果たし、我が国全体の生産性向上に貢献すると考えます。
しかし、日本再興戦略では、起業、創業への支援策は目に付きますが、事業の終了を自ら決断する廃業への支援は余り見受けられません。中小・小規模事業者の高齢化も進み、廃業を考える経営者も増えると予測されます。町場の工務店を営んでいた私の父もその一人でした。起業、創業支援だけではなく、中小・小規模企業経営者の廃業支援も必要と考えますが、経済産業大臣のお考えを伺います。
総理は、今国会を地方創生国会と位置付けました。地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する。喫緊の重要課題として問題意識は共有しますが、総理の所信表明演説では残念ながら具体策がお聞きできませんでした。
地方創生は、弱い地方を中央が助けてやるという発想では、これまでのばらまき政策で終わってしまいます。地方創生を本気で実行するのなら、地方自治体にも自らの主体性と覚悟が求められます。
みんなの党は、地域主権型道州制を導入し、権限、財源、人間の三ゲンを地方に移譲することを提案しています。地方を元気にするためには、国民に最も身近な地域が主体となり、地域住民のための政治を行っていくことが不可欠だと考えるからです。担当になられた石破大臣、まち・ひと・しごと創生本部で議論の俎上にのせていただけませんか。
地方が主体となって地方創生を行うには、その地域の自治体の財政が健全であることが前提となります。二〇〇七年の夕張市の破綻は第三セクターが主因でした。政府において二〇〇九年度から始まった第三セクターの廃止、整理の集中改革では、二〇一二年度までで、経常赤字法人数は二千七百八十三から二千七百十一へ、債務超過法人数は四百九から三百十四へと少しは減少したものの、それでもまだかなりの数が残っています。集中期間は今年三月で終了しました。これで終わりにしてよいのでしょうか。第三セクターの破綻処理ルールを再整備すべきと考えますが、いかがですか。総務大臣に伺います。
地方に現役世代を呼び戻すには安定的な雇用を増やすことが肝要です。福井県知事は、東京以外で法人税を安くして企業の地方分散を促すふるさと企業減税を提案しています。また、国家戦略特区に指定された福岡市は、創業五年以内に限り、法人実効税率を一七%以下に引き下げることを要望しています。
どちらも大いに検討に値すると思いますが、これら地方からの税の特例要望に対してどのように対応されますか。税制だからといって、できません、なぜならばという回答では、意欲を持った地方はがっかりします。石破大臣に伺います。
安倍総理が女性が輝く社会の実現について内外で熱く語られていることに共感を覚えます。また、社会のあらゆる分野で二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を三〇%以上とするという目標、二〇二〇・三〇の達成に意欲を燃やされていることも、目標に賛同する議員の一人として心強く思います。
けれども、協力が不可欠な企業経営者など雇用者側は案外冷ややかです。労働政策審議会の分科会において、女性の採用比率などの情報開示の義務化、女性管理職の登用などの数値目標の義務付けについて、経営者側から否定的な意見が相次ぎました。二〇二〇・三〇という大きな目標の達成は、企業の自主性に任せていては思うように進まないことは、企業における女性管理職比率が一〇%以下という現状が証明しています。分科会では数値目標の義務付けをしないことで了承されたようですが、実効性が乏しいと言わざるを得ません。厚生労働大臣、いかがお考えですか。総理が笛吹けど踊らずとなってしまうことを危惧しています。
この度入閣された五人の女性閣僚にエールを送ります。テレビやインターネットを通じて女性の閣僚が活躍する姿を日常的に目にすることは国民の意識改革にもつながります。安倍総理は内閣改造においては自ら範を示されましたが、翻って国会はどうでしょうか。総理のお席からこの議場を見渡して、どのようにお感じですか。国会での女性議員の比率は一〇・八%、百八十九か国中百三十四位と、恥ずべき数字です。この際、百か国を超す国において導入されているクオータ制を検討されてはいかがですか。みんなの党では、国政、地方選挙でのクオータ制を検討しています。女性議員を増やす行動に踏み出しました。
総理、まずは御自身が総裁を務める自民党において、候補者の一定数を女性に割り当てる政党型クオータ制を始めてはいかがですか。最大政党の自民党で導入すれば、この議場の風景も大きく変わるはずです。安倍総理、党総裁としても範を示していただけませんか。
ごく一握りの特別な存在の女性だけが重要な地位に就くのでは、女性が輝く社会とは言えません。育児や家事と両立させて仕事を続けたいと望む多くの女性のために子育て支援や両立支援を充実させることは大切ですが、最優先課題は働き方の改革と考えます。
私自身の経験を申し上げますと、平成元年、総合職として民間企業に入社し、願いかなって営業部に配属されました。配属先では、女性の先輩から、女性は男性の三倍働いてやっと一人前、部長からは、女性は早く結婚して辞めた方が幸せだ、馬車馬のように働かなくて済むからと助言を受けました。女性である私が会社で認められるには、長時間残業後の飲み会にもよく付き合い、男性と同化することが秘訣だと悟りました。
時代の移り変わりとともに職場環境も変化しましたが、日本の企業には、長時間働くことを偉いと勘違いしたり、誰かが帰るまで会社に残っているような無駄な残業などがまだまだ消えないようです。これには、仕事と家庭を両立させたいと思う女性は付き合い切れません。
厚生労働大臣に伺います。
労働生産性の低い長時間労働を是正するために、労働時間削減に取り組む企業への優遇策や、時間外労働への賃金割増し率の見直し等の政策を実施すべきと考えますが、いかがですか。女性だけでなく男性も輝く社会が実現するはずです。
安倍総理は、昨年四月の成長戦略スピーチにおいて、三年間だっこし放題での職場復帰支援、三年育休の支援を打ち出しました。総理、一年半がたとうとしていますが、成果をお聞かせください。
三年育休を選択肢として否定はしませんが、子育てしながら働き続けたいと望む女性のために私が提案したい働き方改革は、短時間労働、つまりパートタイムの正社員制度の普及です。
五年前、参議院のオランダ視察でお会いしたある日系企業の人事部長はパートタイム管理職でした。週四日、三十二時間勤務という契約で働きながら子育て中のお母さんだそうです。労働政策について説明してくれた官僚もまた、週三十時間勤務の二児の母親でした。
オランダは、短時間労働正社員という柔軟な勤務形態の推進によって飛躍的に女性の就労率を高めました。制度の根幹となるのは、職務や職階ごとに時間給を設定する人事給与制度です。一か月の労働時間に職務時間給を掛けたものが月給。これなら、パートタイムでも、有期雇用の契約社員でも、派遣労働でも、フルタイム無期雇用の正社員でも、正規、非正規という枠を取り払って労働に対する平等な評価、処遇がなされます。日本でもチャレンジする価値はあると思います。大胆な働き方改革を実行するときです。総理、いかがですか。
日本の最大の埋もれた資源と言われている女性の活躍の次に伺いたいのは、枯渇性資源についてです。
現在、日本は一次エネルギー供給の多くを石油、石炭、天然ガスといった化石燃料に依存しています。二〇一二年度の統計では九二・一%です。枯渇性資源である化石燃料は、取れば取るほど減るため希少価値が高まる、つまり、取れば取るほど価格は高騰していきます。また、その大部分を中東などからの輸入に頼っています。化石燃料からのエネルギーシフトは、持続可能な社会の発展と経済成長の視点から重要と考えます。
ここで私が主張したいのは、エネルギーシフトは、原発依存への回帰ではなく、再生可能エネルギーへのシフトを目指すべきであることです。
ところが、どうでしょう。可能な限り原発依存度を低減させるとのエネルギー基本計画に反するような検討が始まっています。八月二十一日、経済産業省が有識者委員会に提案した原発電力の固定価格買取り制度は、原発電力の売電価格の固定によって使用済核燃料の処理や廃炉費用などを電力料金に上乗せするという代物です。原発は、初期投資やランニングコスト、廃炉費用など全て含めても他の電力源よりも安いと喧伝しておきながら、計画外廃炉は想定外だったので廃炉費用を電力料金に上乗せしますと言われても納得がいきません。
原発の事業計画の甘さのツケを国民に押し付け、国民負担は増える一方、電力会社の負担は軽減される制度をなぜ検討するのですか。経済産業大臣に伺います。
化石燃料からのシフトは再生可能エネルギーへと向かうべきです。そのための投資は持続可能な社会のための必要経費です。
日本において、再生可能エネルギーの比率を上げるために取るべき対応はまだまだあります。固定価格買取り制度の見直し、再生可能エネルギーを受け入れる地域の送電網の強化、電力会社から送電部門を分離しての広域運営、発電量が天候に左右されるという弱点をカバーするための蓄電の技術開発などです。特に、電力系統用の大規模蓄電システムの研究開発は国を挙げて取り組むべきテーマと考えますが、いかがですか。経済産業大臣に伺います。
化石燃料からのエネルギーシフトは地球温暖化対策に直結します。
九月二十三日の国連気候変動首脳会合で、これまで温暖化対策に消極的だった米国と中国から、CO2削減の枠組みづくりに積極的に関与する姿勢が見られました。しかし、総理は、日本の二〇二〇年以降の排出削減目標については、できるだけ早期に提出を目指すと述べるにとどまりました。
二〇一五年、パリで開催されるCOP21は、二〇二〇年以降の気候変動・温暖化対策の大枠が合意される大変重要な会議です。
総理、京都でのCOP3開催国であった日本が責任を持って世界のエネルギー政策や地球温暖化対策をリードしていくべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
総理は、地球儀を俯瞰する外交を標榜し、四十九か国を訪問、延べ二百回以上の首脳会談を行ったと述べられました。しかし、第二次安倍政権になって、隣国である中国、韓国との首脳会談は一度も実現していません。総理は、さきの国連総会の一般討論演説において、来年国連創設七十周年を機に、日本の国連安保理常任理事国入りへの決意を示されましたが、「最も重要な」「切っても切れない関係」の隣国、中国の支持、協力を得られなければ常任理事国入りは実現しません。安倍総理はどのような常任理事国入りのロードマップを描かれているのか、お聞かせください。
九月十八日、スコットランドで独立の是非を問う住民投票が行われました。結果は賛成四五%、反対五五%で否決となりましたが、当初は相当上回っていた反対派を賛成派が追い上げていく様子は、民族主義が国の独立を目指す原動力ともなることを世界中に示したと言えます。スコットランドの住民投票の翌日、スペインのカタルーニャ州では、独立の是非を問う住民投票の関連法案が議会で可決しました。
二十八か国に拡大するEU、経済のブロック化やボーダーレス化の一方、民族による独立運動の種はヨーロッパだけではなく世界各地に存在しています。総理は、日本の内政、外交に与える影響をどのようにお考えですか。
安倍総理は、イスラム過激派イスラム国への対策について、軍事的貢献ではない形で可能な範囲の支援を行う旨を表明し、イラク、シリアへの緊急無償資金協力を打ち出しました。
一方、オバマ大統領は、イスラム国への攻撃は個別・集団的自衛権の行使と位置付けて、米国を中心とする有志連合による空爆が行われています。
米太平洋軍のロックリア司令官は、イスラム国に参加するため、アジア太平洋地域から千人がイラクやシリアに向かったとの見方を示しました。外務省によると日本人は含まれていないとのことですが、アジア諸国においてもイスラム国の問題は対岸のことではないでしょう。
イスラム国への武力行使は長期化すると見られていますが、仮に、集団的自衛権の行使を可能とする七月一日の閣議決定に基づいた法整備が行われた後、米国から軍事的支援要請があった場合、総理は拒絶されますか。どのような判断をされますか。
国民の生命と財産を守る、国のかじ取りが託されている総理は、議院内閣制の下、国会により指名されています。その国会の一院である参議院は、一票の格差の問題で最高裁から違憲状態と判断され、二年がたちました。選挙制度協議会では、座長と各党から案が出されていますが、最大政党の自民党からは一向に案が出されません。このままでは議論が頓挫してしまいます。
みんなの党は、一票の格差をゼロにする一人一票比例代表制を主張していますが、次善の策として、座長が提示した、一票の格差を二倍以内に抑える合区案をベースとした協議に応じることもやぶさかではありません。抜本的改革を何も進めない怠慢は許されないからです。国民の代表をどのように選ぶのか、誰を選ぶのか。選挙制度は民主主義の根幹です。国の行く末を大きく左右します。総理、選挙制度改革の議論を進めるよう、自民党総裁として指導力を発揮していただけませんか。
二十歳になった学生たちと話をしていて、はっとしました。僕らの世代は、景気がいいときを知らないんです、経済が伸びることを経験していないんです。確かに、彼らが生まれてからの二十年、日本の経済は伸びていない、停滞し続けました。大人になりたての若者たちがこれから経済成長を実感し、将来に夢を持ち、日本の未来は明るいんだと希望が持てる日本にしていきたい。そのために、私たちみんなの党は、停滞している改革を前へ前へ進めていく原動力となることをお誓いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行田邦子議員にお答えをいたします。
景気の現状認識についてお尋ねがありました。
三本の矢の政策により、今年の春闘での賃上げ率が過去十五年で最高となるなど、経済の好循環も生まれ始めています。
消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減もあり、四―六月期の成長率は前期比年率マイナス七・一%となりましたが、二〇一四年一―六月期、前年同期比一・三%のプラス成長となっており、全体的には経済成長が続いていると考えています。
他方、消費税率引上げや燃料価格の高騰、この夏の天候不順などもあり、これらによる景気への影響にも引き続き慎重に目配りしてまいります。
燃料価格の上昇に対する対策及びトリガー条項についてお尋ねがありました。
政府としては、価格や需給動向の監視とともに、中小企業・小規模事業者の方々に対する資金繰り支援や省エネ設備導入に対する補助などの措置を講じています。石油製品の価格の上昇による家庭や企業への影響について引き続き注視し、燃料価格の高騰による景気への影響に慎重に目配りしてまいります。
なお、現在凍結中の揮発油税等のトリガー条項が発動された場合には、ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱が懸念される等の問題があることから、その凍結解除は適当でないと考えております。
消費税率の一〇%への引上げの凍結についてお尋ねがありました。
消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減もあり、四―六月期の実質GDP成長率は前期比年率マイナス七・一%となりましたが、二〇一四年一―六月は前年同期比一・三%のプラス成長となっており、全体的には経済成長が続いていると考えています。
消費税率の一〇%への引上げについては、冷静な経済分析を行った上で経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。
非正規から正規への転換等についてお尋ねがありました。
安倍内閣としては、景気の好循環が生まれ始めている中、これを雇用の拡大や処遇の改善につなげていくことが重要と考えています。
非正規雇用については、賃金が低い、能力開発機会が乏しいなどの課題があることから、キャリアアップ助成金などの支援により処遇改善を進めるとともに、正社員を希望する方々に対して正社員への転換を推進し、雇用の質の改善に取り組んでまいります。
このような取組を通じ、賃金の引上げが消費の拡大につながる持続的な経済成長の実現を目指します。
自主的クオータ制導入についてお尋ねがありました。
政治における女性の参画拡大は、男女共同参画社会の実現にとって重要な課題であります。
みんなの党ではクオータ制の導入を検討していると承知をしております。私の政権下では、昨年、各党に対して議員候補者や党役員における女性の割合が高まるよう要請を行ったところであります。また、今般の内閣改造、党役員人事においても率先して女性の積極的な登用を行っており、今後とも政治における女性の活躍促進に取り組んでまいります。
いわゆる三年育休に係る要請についてのお尋ねがありました。
昨年四月、最大三年の育児休業の選択肢を認めていただくよう、私から経済界へ要請をいたしました。これは、一年を超えて育児休業を取得したいとの希望もある中で、希望する方々が男性でも女性でも育児休業や短時間勤務を取りやすい職場環境を整備してほしいということであります。こうした要請もあり、子育てを積極的にサポートするという認定を得た企業は、平成二十五年四月の千四百九十社から平成二十六年八月の千九百五十一社に伸びています。さらに、育児休業を取得した労働者の円滑な復帰支援に取り組む企業に対し新たな助成制度を創設するなど、支援策の拡充に取り組んできたところであります。
今後とも、女性が子供を産み育てながら仕事を続けていくことが可能となる社会づくりを進めてまいります。
短時間正社員制度等についてお尋ねがありました。
短時間正社員制度は、事業所ごとに導入が決められるものですが、フルタイムの正社員との処遇の均衡を図りつつ、育児や介護など一人一人の生活に応じた働き方を可能にするといった意義を有するものと考えています。
一方、職務ごとに時間給を設定するという考え方については、我が国において、能力や責任の大きさなど様々な要素を考慮して労働者の処遇が決定されるという実態が広く見られることに留意する必要があると考えています。
気候変動対策についてお尋ねがありました。
COP21は二〇二〇年以降の国際枠組みを採択する非常に重要な会議であります。七年前に私は、美しい星、クールアースの概念を提唱し、二〇五〇年の温室効果ガス半減を世界の目標とするよう提案しました。先週ニューヨークで開催された国連気候サミットでは、途上国支援、技術の革新と普及、国際枠組みへの貢献の三つを鍵とする貢献策を発表しました。
COP21に向け、日本は、全ての国が参加する公平で実効的な枠組みの実現を目指して積極的にリーダーシップを発揮してまいります。
安保理改革についてお尋ねがありました。
来年の国連創設七十周年を機に、国連が現在の国際社会の現実を反映し、その課題により良く対応できるよう、二十一世紀にふさわしい姿に変わっていかなければならないとの機運を高めていく必要があります。
我が国は、G4を始めアフリカ諸国やCARICOM諸国など、安保理改革の必要性について意見を同じくする多くの国々と協力して、改革の実現に向けリーダーシップを発揮していきたいと考えています。
欧州などの民族独立運動が日本に与える影響についてお尋ねがありました。
欧州や世界各地での民族独立運動は、それぞれ固有の歴史や背景を有しており、国ごとに政治制度や経済状況も異なりますので、それらの運動が我が国に与える影響は個別のケースごとに分析していく必要があると考えます。
政府としては、欧州や世界各地の民族独立運動の動向について、引き続き注視してまいります。
イスラム国を名のるテロ集団への対応についてお尋ねがありました。
我が国は、国際社会のテロとの闘いを支持しており、イスラム国を名のるテロ集団への対応については、軍事的貢献でない形で可能な限りの協力を行っていく考えですが、米国等による今般の空爆に参加する考えは全くありません。
いずれにせよ、先般の閣議決定の下でも、かつての湾岸戦争やイラク戦争における、敵を撃破するために大規模な空爆や砲撃を加えたり、敵の領土に攻め入るような行為に、自衛隊が武力の行使を目的として参加することはありません。
参議院の選挙制度改革についてお尋ねがありました。
一票の格差に関する問題は、議会政治の根幹に関わる重要な課題であり、与党がリーダーシップを発揮し、各党各会派と真摯に議論を行い、早期に結論を得ることが大切と考えています。私からも、党に対し、早期に進めるよう指示しております。
参議院の選挙制度については、現在、議員による協議機関で様々な議論が行われていると承知しています。各党各会派により建設的な議論が進められ、政治の責任において国民の負託にしっかりと応えていくべきものと考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣小渕優子君登壇、拍手〕

○国務大臣(小渕優子君) 行田議員に三問の質問をいただきました。
まず、女性閣僚に対しましてエールをいただきましたことを心から感謝を申し上げます。しっかり取り組んでまいります。
廃業支援の必要性についてお尋ねがありました。
中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化等が進む中、廃業しやすい環境を整備していくことは極めて重要と認識をしています。そのため、廃業を検討する事業者へのサポートとして、経営者本人の個人保証の取扱い、廃業後の生活資金の確保など、様々な課題に対応してまいります。
具体的には、経営者保証に関するガイドラインの運用により、早期に廃業等を決断した場合に、経営者に一定の資金を残すことを可能といたします。また、廃業時のセーフティーネットとして小規模企業の経営者に退職金を支給する小規模企業共済制度の機能を強化し、廃業資金を貸し付ける制度の創設等を検討してまいります。
原子力に関する制度の検討についてお尋ねがありました。
まず、原発の発電コストは、その他の主要電源のコストと比較しても遜色なく低廉な電源と考えています。しかし、事故対応費用も含め、全体を平均したコストは安かったとしても、個々の事業者から見れば、例えば想定外の廃炉を迫られた場合など、財務的に多大な影響が生じ、事業の実施が困難となるケースもあり得ます。
こうしたことから、競争が進展した中での原子力事業の課題やその対応策について、現在検討を行っているところであります。経済産業省として御指摘のような制度の導入を提案したわけではなく、現時点で何らかの措置を決めたわけではありません。
再生可能エネルギーの比率の向上に向けた取組についてお尋ねがありました。
再生可能エネルギーの導入については、本年四月に閣議決定した新たなエネルギー基本計画に基づき、二〇一三年から三年程度、最大限の導入拡大を図り、その後も積極的に推進をしていく方針であります。そのため、再生可能エネルギーの導入拡大の鍵となる固定価格買取り制度を安定的かつ適切に運用することとともに、送配電網の整備、電力システム改革の着実な遂行、大型蓄電池の開発、実証を進めることとしています。
特に、太陽光や風力発電の出力の変動を吸収することができる大型蓄電池の導入促進に向け、コスト低減に向けた技術開発を実施しています。また、電力会社の変電所に国内最大の大型蓄電池を設置し、再生可能エネルギーの接続量を拡大する実証試験に取り組んでいるところであります。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣石破茂君登壇、拍手〕

○国務大臣(石破茂君) 行田議員から、二問御質問いただきました。
まず、地域主権型道州制をまち・ひと・しごと創生本部での議論の俎上にのせるということについてのお尋ねであります。
道州制の導入は、国と地方との役割分担を根底から見直し、地域経済の活性化や行政の効率化などを実現するための手段であり、その検討に当たりましては、国民的な議論を十分に行うことが必要であります。そのため、与党におきまして、道州制に関する基本法案の早期制定を目指し、精力的な検討が行われているところであります。
一方、地方創生は、まち・ひと・しごと創生本部で決定されました基本方針にありますように、人口減少、超高齢化という危機的な現実を直視しつつ、景気回復を全国津々浦々まで実感できるようにすることを目指すものであります。
道州制と地方創生につきましては、それぞれのアプローチからの取組を同時並行的に行うことが重要である、かように考えております。
次に、地方からの税の特例要望への対応についてのお尋ねであります。
地方における企業の立地を促していくことが地方創生において重要であることは論をまちません。
お尋ねのうち、まず福井県のふるさと企業減税につきましては、東京とそれ以外の地方とで国税であります法人税負担に差を付けることは、一国二制度であり、公平性の観点から説明できるか、既に東京以外の地方に立地しております企業にまで減税メリットが及ぶスキームが、地方への新しい人の流れをつくる、地方に仕事をつくるといった政策目的の達成にいかに資するかという論点がございます。できません、なぜならばということを申し上げるつもりはございませんで、地方創生に当たってはどういった手段が適切であるか、まち・ひと・しごと創生本部等におきまして十分に議論をしてまいります。
福岡市からの提案につきましては、区域会議での検討を踏まえ、内閣府より平成二十七年度税制改正要望を提出したところであります。今後、税制改正プロセスにおいて検討し、結論を得ることといたします。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

○国務大臣(高市早苗君) 行田邦子議員からは、女性閣僚に対しまして大変力強いエールを送っていただきました。私からも感謝を申し上げます。
そして、私に対しましては、第三セクター等についてお尋ねがございました。
総務省は、平成二十一年度から平成二十五年度までの間に第三セクター等の抜本的改革を集中的に推進し、地方公共団体による財政支援額の大幅な減少など、全国的に見ますと相当程度の成果を上げたところでございます。
一方で、御指摘にもございましたが、一部には取組が遅れている地方公共団体も存在することから、本年八月に第三セクター等の経営健全化等に関する指針を発出いたしまして、経営が悪化した第三セクター等につきましては、同指針に基づき、抜本的改革を含む経営の健全化に取り組むこと等を要請しております。
総務省といたしましては、同指針を踏まえた助言、情報提供によりまして地方公共団体の取組を支援してまいります。(拍手)
〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕

○国務大臣(塩崎恭久君) 行田邦子議員から、二問頂戴をいたしました。
まず、女性の活躍推進に向けた新法についてのお尋ねがございました。
女性の活躍推進に向けた新法につきましては、労働政策審議会雇用均等分科会において、九月三十日に報告書をまとめていただいたところでございます。この報告書においては、数値目標の設定が望ましいとされており、前向きな方向性を出していただいたと理解をしております。また、女性の活躍の現状に関する情報公表について、三百一人以上の大企業については義務とすることが適当とされました。
現在、これらを踏まえ、数値目標の設定を含め関係者との調整を行っておりまして、実効性のある法律となるよう、法制化の作業を進めてまいります。
二問目は、長時間労働の是正についてお尋ねがございました。
時間外労働の削減や年次有給休暇の取得を進めるためには、労働基準法の遵守を徹底した上で労使の自主的な改善の取組を支援していくことが重要でございます。このため、九月三十日付けで、私を本部長とする長時間労働削減推進本部を設置したところであり、賃金不払残業等の撲滅に向けた監督指導の強化、休暇の取得促進等の働きかけや支援策の周知などに省を挙げて取り組んでまいるつもりでございます。
さらに、中小企業における月六十時間を超える時間外労働に対する割増し賃金率の在り方も含め、長時間労働の抑制策や年次有給休暇の取得促進策について現在労働政策審議会で検討しており、その結論が取りまとまれば、次期通常国会をめどに所要の法的措置を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。(拍手)

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