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【議事録】国土交通委員会

2018年06月12日

2018年5月24日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
TPP11ですけれども、三月八日にサンティアゴにおいて署名式が行われました。元々このTPP11につきましては、日本が主導的な役割を果たしましてここまでこぎ着けたというか、合意に至ったということであります。そして、日本においては、国内手続を完了させるべく、今、衆議院で審議されていたということであります、まあこれから参議院ということでありますけれども。
このTPPの第十五章の政府調達におきましては、WTO協定未締結のマレーシア、ベトナム、ブルネイに対して、新たに一般競争入札の義務付けがなされているということであります。
TPP発効が国土交通分野における日本のインフラシステム輸出促進にどのような影響を与えるとお考えか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) TPP11協定は、アジア太平洋地域におきまして自由貿易圏を形成するための協定であります。日本にとって、アジア太平洋地域の成長を取り込むための成長戦略の柱であると考えております。
TPP11協定の発効が国土交通分野におけます日本のインフラシステム輸出促進に与える影響についてでありますが、TPP11協定では、今委員から御紹介いただいたように、WTO政府調達協定を締結していないマレーシア、ベトナム、ブルネイに対して、一定額以上の対象公共事業について新たに公開入札を原則として義務付けておりまして、加盟国のインフラシステム市場へのアクセスが改善するものと考えております。
また、本協定によりまして、物品、サービスの貿易自由化や投資の自由化、円滑化に向けて関税等の引下げやルールの共通化が図られることから、アジア太平洋地域における貿易投資を促進させるものであると考えております。
このような内容を含む本協定の発効は、TPP11加盟国へのインフラシステムの海外展開に寄与し、今回の法案と相まって、我が国のインフラシステムの海外展開を後押しするものであると考えております。
○行田邦子君 TPP11では、日本の約束はWTOと同じ水準ですから国内の公共事業については影響はないというか変化はないということですけれども、逆に、この今大臣もおっしゃられたマレーシア、ベトナム、ブルネイについては、日本が特にインフラシステムを海外展開していくのに一つのいいチャンスになるというふうに思っております。
続いて、今日、外務省さんにお越しいただいていますので伺いたいと思うんですけれども、世界のインフラ需要というのはもう膨大なものであります。資料によりますと、全世界では五千百兆円、そしてアジアだと三千兆円という非常に大きな需要があるということでありますけれども、特に新興国を中心として今後更なる成長が見込まれる、市場の拡大が見込まれるということが言われております。
そして、日本におきましてもこうした世界の成長市場をしっかりと取り込むことが経済成長に貢献するというふうに考えております。特に、新興国におけるインフラ開発というのは現地政府の影響力が強いということが言われておりますけれども、そうしますと、民民の間で解決することではなくて、やはり日本政府としてもしっかりと関与していかなければいけないと、出ていかなければいけないということであります。
インフラシステム輸出が促進されることの外交面におけるメリット、利点について、またインフラシステム輸出の促進をどのように外交に生かしていくことができるか、外務省にお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(飯田圭哉君) お答えいたします。
委員御指摘のように、新興国や開発途上国を中心に膨大なインフラ需要が存在しているというふうに認識をしておりまして、それを積極的に取り込むべく、日本政府、外務省としましても、日本企業の事業の強みや魅力をトップセールスを通じて、また委員から御指摘がありました、直接相手国政府に訴え、大型プロジェクトの受注や販路拡大の後押しをしているところでございます。
より具体的には、外務省は七十二か国の九十三の在外公館に百九十二名のインフラプロジェクト専門官を今設置しておりまして、インフラ需要に対する情報収集や分析、それからJICA、JBICといった関係機関や関係省庁との連携、現地企業との連絡体制の強化にまさに取り組んでいるところでございます。
なお、外交上の利点について御質問ございましたけれども、我が国としては、国際スタンダードに乗った質の高いインフラ整備を通じた連結性の強化、これを通じて、相手国の発展のみならず、経済圏の拡大、地域全体の経済的繁栄の基盤づくりに取り組んでいくということができると思いまして、こういうことが日本の存在感、外交上にもプラスに働くというふうに考えておりますし、また、こうした取組は、我が国が外交上推進しております、最近、自由で開かれたインド太平洋戦略と言っておりますけれども、この重要な柱として位置付けをしておりまして、引き続き、外交的視点を踏まえつつインフラシステムの輸出の促進を積極的に展開していく決意でございます。
○行田邦子君 インフラシステムを海外展開、輸出するというのは、その相手国と日本との友好関係、信頼関係に非常にメリットがあるというふうに考えております。
続いて、また大臣に伺いたいと思います。
水ビジネス市場、水ビジネスについて伺いたいんですけれども、世界の水ビジネス市場は二〇一五年で八十三・六兆円ということであります。また、今後も成長が予測されているわけでありますけれども、一方で、日本企業のシェアはといいますと、これは二〇一三年度で〇・四%と実績が乏しい、これ水ビジネス市場全体でありますけれども、ということです。
しかも、これは国土交通省さんが出されている資料によりますと、水分野において日本政府が供与したODA、これは十億円以上のODAですけれども、のうち日本企業の落札案件は金額ベースで約三割なんだそうです、低いということです。そしてまた、何と六割の案件において入札に参加をしていないということだそうです。
この水ビジネスの中でも下水道分野はどうかということなんですけれども、海外市場規模は、二十三兆円というのは二〇一三年度です。日本企業の実績は七十億円と。シェアは、資料によりますとゼロとなっていたんですけど、〇・〇三%という、非常に今実績が乏しいという状況であります。
大臣に伺いたいと思いますけれども、日本企業が世界の下水道分野で実績を上げられない原因は何なんでしょうか。そしてまた、今回の法改正によりまして世界の下水道分野への日本企業の参入はどのように促進されるとお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十七年度におきまして、本体工事十億円以上の下水道に関しますJICAの円借款事業におけます日本企業関連の受注実績は、件数ベースで十四件中三件、約二割、受注金額ベースで約七百三億円中約三百二億円、約四割となっております。
件数、金額共に更に拡大するための課題といたしましては、求められる処理水のレベルが低いなど日本の質の高い技術を必要としない案件があるということや、ライフサイクルコストの安さや維持管理のしやすさ等、日本の技術の良さが十分に理解されておらず、結果として価格競争に焦点が当たりがちになることなどが挙げられます。
今回の法改正によりまして、日本下水道事業団が本格的に海外業務を実施することが可能となります。これまで培ってきた技術やノウハウ、さらには公的機関としての中立性や交渉力を活用いたしまして案件の形成段階から関与をすることで、例えばより高度な処理レベルの必要性を提案をし、日本企業の質の高い技術の導入を促すなど、これらの課題を解決することで日本企業の海外インフラ事業への参入を促進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 大臣の御答弁伺っていて、相手国がどの程度の水準のものを求めているのかということもしっかりとやはりリサーチすることが重要なんだなというふうに思いましたし、また同時になんですけれども、日本の質の高いインフラシステムについてもしっかりと理解をしていただくことによって、実はこういった、このぐらいの高いレベルのものが必要ではないですかという提案もできるのではないかなというふうに思いました。
続けて質問させていただきますけれども、下水道についてですが、日本下水道事業団です。
これは、地方公共団体同士が協力し合って全国の下水道整備を行うことを目的に元々設立をされました。現在は、地方公共団体といいますか、都道府県の一〇〇%出資による地方共同法人となっていますが、今回の法改正によって下水道事業団は海外案件の技術的援助業務を行うことになりますけれども、このことが出資者である都道府県にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
○政府参考人(山田邦博君) お答えをいたします。
日本下水道事業団は、御指摘のとおり、地方公共団体等の要請に基づきまして下水道の整備等を促進をしているところでございます。日本下水道事業団が海外の下水道に関する技術的援助業務を行うことで、我が国事業者の海外案件への参入を促進でき、我が国事業者の経営体力、それから技術力の向上、さらには、日本下水道事業団自身の技術力強化によりまして、各地方公共団体における下水道事業の品質が向上するなどの効果があるものと認識をしているところでございます。
なお、日本下水道事業団の中期経営計画におきましても本邦企業等の国際水ビジネス展開等を支援していく旨が記されておりますけれども、これ、地方公共団体の代表が構成員の大多数を占めております評議員会が取りまとめた答申を受けて策定されたものでございます。
○行田邦子君 日本下水道事業団が海外展開、日本企業の海外展開の技術的援助を行うことによって、日本下水道事業団自身の技術力の向上というか、維持かもしれませんけれども、に役立つと、そのことが出資者にとってもメリットであるということであります。
続いて質問させていただきますけれども、ちょっとこれまでの質疑と重複するかもしれませんけれども、世界の下水道関連市場におきまして我が国のライバルとなるのが中国、韓国と言われていますけれども、こうした国々、中国、韓国の強みの一つは、何といっても価格競争力というふうに言われています。これに対して日本はどのような戦術で臨んでいるのでしょうか。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
海外インフラ市場における受注競争は熾烈化しておりまして、我が国の民間事業者の受注拡大に向けて一層積極的に取り組む必要があるものと認識をしております。
下水道分野につきましては、現状、政府間会議や技術セミナーを通じた日本の技術の売り込みですとか、あるいは日本の技術の海外での実証試験ですとか、あるいは日本の技術基準の海外への移転などを通じまして、価格競争に偏重せず、案件形成に当たって外国政府等に日本企業の有する質の高い技術を盛り込んでもらえるように取り組んでいるところでございます。
本法案に基づきまして、日本下水道事業団が技術やノウハウ、さらには公的機関としての中立性や交渉力を活用しながら海外技術的援助業務を実施をいたしまして、整備計画やあるいは設計図書、仕様書に我が国の技術を盛り込むことなどを通じて、我が国事業者の海外インフラ事業への参入をより一層促進してまいりたいと考えておるところでございます。
○行田邦子君 価格競争という同じ土俵で戦わないということも大切な戦略だというふうに思いました。
最後の質問なんですけれども、水資源機構について伺いたいと思います。
これまでは、本業に、本来業務に支障を来さない範囲での国際協力や海外展開が認められていましたけれども、今回の法改正によりまして、日本企業の海外業務支援が本来業務に位置付けられることになります。これによってこの機構の業務がどのように変わり、またどのような貢献が期待されるのでしょうか。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。
現行の水資源機構法における新法案の海外調査等業務に相当する業務は、本来業務の遂行に支障のない範囲内において行うこととされております。今回の法改正によりまして、こうした現行制度上の制約を受けることなく、事業構想段階から発注者支援、さらには維持管理支援業務に至るまでの海外業務につきまして、計画的かつ継続的により多くの業務を実施することが可能となります。これによりまして、事業構想段階から我が国事業者が優位性を持つ技術の導入が促進されること、それから事業を実施する上での種々のリスクが軽減されることといった効果が発現され、我が国事業者の参入がより一層容易になると考えているところでございます。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。