【議事録】法務委員会質問(登記所備付地図、登記について)

平成26年03月17日 法務委員会

行田邦子君:みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。

私は、まず、今日は登記所備付け地図について質問させていただきます。先ほど小川委員からも関連の質問が、登記所備付け地図についての質問がありましたけれども、私からも質問させていただきたいと思います。

この正しい地図を備え付けるということにつきまして、昨年の予算委員会でも質問させていただきまして、谷垣大臣にはとても前向きな御答弁をいただきましたので、今日もそのように期待をしております。

まず初めに、大臣に伺いたいと思います。いわゆる十四条地図、不動産登記法の十四条に規定されている地図でありますけれども、この十四条地図を登記所に備え付けることがなぜ必要なのか、大臣に伺いたいと思います。

国務大臣(谷垣禎一君):御指摘の十四条地図、登記所備付け地図、それは登記されている土地の位置それから区画、これを特定して明確にするものでございます。これによって現地における各土地の筆界ですね、筆界を特定することができるようになる、そのための道具でございます、道具立てでございます。

現状におきましては、全国的に見ると、こういう地図の整備が必ずしも十分ではございません。以前の予算委員会の質疑でも先生に、何というんでしょうか、十分でない地図の例も示していただきましたが、そういう、十分ではございませんので、道路であるとかあるいは下水道整備等のインフラ整備が阻害されるなど、種々の弊害が生じている地域がございます。そのためにこの地図を備え付けていくということが極めて大事になっていると、このように考えております。

行田邦子君:今大臣が御答弁された公共事業などにも支障を来すといったこともありますけれども、それに加えて、例えば都市再開発事業など都市再生を行うに当たっても、正しい精度の高い地図が整備されていないと支障を来すといったような例も出ていますし、また災害が起きたときの復旧復興のときにも支障を来すといったことも指摘をされているわけであります。

そこで、民事局長に伺いたいと思います。このように正しい地図、十四条地図を登記所に備え付けることが必要ということはもう認識されているんですけれども、その備付けの状況を教えていただけますでしょうか。

政府参考人(深山卓也君):全国の登記所における地図の備付け率、これは十四条地図以外の図面も含めた全体の中で現地再現性のある十四条地図の占める割合ですが、これは平成二十五年四月一日現在で約五四%でございます。逆に言うと、それ以外は地図ではない図面になっているということでございます。

行田邦子君:54%は整備された地図、地籍調査等整備された地図で、残りの46%は未整備のものが地図に準ずる図面ということで登記所には備え付けられているということであります。

そこで、ちょっと去年の予算委員会でも使わせていただいたんですが、委員の皆様方に改めて認識もしていただきたいなと思ってお手元に資料を配付させていただいております。 それでは、整備されていない地図がどういったものがあるのかなんですけれども、資料一なのですが、これはある山の地図に準ずる図面、登記所に備え付けられている図面ということであります。これでは山の土地と土地の間が全くすかすかになっていて正しい地図とは言えませんし、これでは筆界も分からないということです。

本当にこういう図面がいまだに登記所に備え付けられているのかということを資料を提供してくださっている国土交通省に毎回聞くんですけれども、いまだにこういう、特に山ではこういった図面が登記所に置かれているということであります。

それから、次の二枚目なんですけれども、資料二の右側なんですけれども、例えば京都駅の住所で登記所の備付け地図を引きますとこういった地図が出てきます。これは、もう京都駅の駅前というのは、皆さんお分かりのように、このような区画にはなっていないわけでありますけれども、京都駅の駅前の地番で引きますとこの地図が出てくるという状況であります。この二つはいずれも未整備の地図ということでありますけれども、登記所に備え付けられているということであります。

そこで、改めてまた大臣に伺いたいんですけれども、精度の高い地図を登記所に備え付けることの必要性というのはもう認識されているわけでありますけれども、54%とまだなかなか進んでいないと。そこで、法務省としてはどのような取組をなされているんでしょうか。

国務大臣(谷垣禎一君):これは、平成十五年度の都市再生本部の方針がございまして、法務省と国土交通省が連携して登記所備付け地図の整備事業を強力に推進せよということになっております。

この方針の下で法務省が担当しておりますのは都市部における地図混乱地域、ということは公図と現況のずれが著しく大きい地域でございますが、その都市部における地図混乱地域については法務省が担当して備付け地図を作成する、それから、それ以外の地域は国土交通省のいわゆる地籍調査の事業で地図を作ると、こういう仕分になっております。

それで、都市部における、先ほどお示しいただいた京都駅等々はまさに都市部でございますが、その都市部の中でも地図混乱地域、これなかなか進めていくのは難しいところがあるんですが、土地の所有者の筆界に関する了解を得ることがなかなか困難な場合がございます。筆界の認定や表示に関する登記についての専門的な知見を有する登記官、国の機関である登記官が主体となって実施していくわけでございますが、なかなかそういう点で、特に土一升金一升と言われるようなところではなかなか困難も生ずるということでございます。

それで、平成二十一年から平成二十八年までの八か年で、先ほど小川委員の御質問にもお答えしたところでございますが、合計約百三十平方キロメートルの地域について整備を進めていくという方針を作りまして、今この計画に基づいてやってきたというところでございます。 平成二十六年度におきましては、計画に沿って約十七平方キロメートルの地図を整備することを予定しているところでございます。

行田邦子君:今大臣から、今進められている八か年計画についても御説明をいただきました。 そこで、改めて民事局長に伺いたいんですけれども、平成二十六年度、来年度の登記所備付け地図作成作業の予算はどのようになっていますでしょうか。

政府参考人(深山卓也君):今お話に出たとおり、平成二十六年度においては計画に沿って約十七平方キロメートルの地図を整備することを予定しておりますが、これに要する経費として、二十六年度予算政府案においては十九億八千四百万円が計上されているところでございます。

行田邦子君:八か年計画の十七平方キロメートルを実施するための十九億八千四百万ということでありましたけれども、この都市部、DIDの面積というのが一万二千七百平方キロメートルなわけです。日本の面積の約三・四%ということなんですけれども、その中の地図混乱地域において、速やかに法務省において地図整備事業を進めているというところでありますけれども、一年間で十七平方キロメートルというのはこれは余りにも少ないんではないかなというふうに思っていまして、先ほどの小川委員からの質疑でもありましたけれども、このようなペースでやっていると、もう百年あるいは二百年たっても終わらないんじゃないかと、途方に暮れてしまうような状況だと思います。

今年度、補正予算も組まれましたけれども、私は、こういうものこそ補正予算でしっかりと予算を組んで、いわゆる経済資源である土地というものについて、また正しい地図を持つということが、それが投資であるというような観点でしっかりと予算を付けていただきたかったなというふうに思っておりますし、これから更に一層、大臣にも予算取りについて頑張っていただきたいなということを申し上げておきます。

次の質問なんですけれども、配付資料の資料二の左側を御覧いただきたいんですけれども、これは山口県のある駅前の土地の地図です。十四条地図です。整備済みと、地籍調査済みという地図なんですけれども。地籍調査済み、整備済みですよと言いながら、実はこのように筆界、境界が未定なままで整備されましたということで地図が置かれたままになっている例があります。

私は、聞くところによりますと、地籍調査済みあるいは整備済みと言いながらも、このように筆界が未確定のままの地図というのは結構たくさんあるよということを聞いていまして、これは本当なのかということをこの場で改めて民事局長に確認させていただきたいのと、このようなものに対してどのように法務省として対応しているのか、お答えいただけたらと思います。

政府参考人(深山卓也君):現在行われております地籍調査や登記所備付け地図作成作業におきまして、土地の筆界を認定するに当たって隣接する土地の所有者に筆界の確認を求めることとしております。

この確認が得られない土地については、いわゆる筆界未定地とせざるを得ない場合がございます。そのため、登記所備付け地図の中には、その一部分に筆界未定地が含まれているものがあるというのは御指摘のとおりでございます。

もっとも、このような筆界未定地については、土地の所有権の登記名義人に筆界特定制度を御利用いただくことによって筆界を特定することが可能ですので、境界確定訴訟という裁判を起こす手段もございますけれども、より簡便なこの筆界特定制度を御利用いただいて、その成果に基づいて地図に反映をする、筆界を、というこの周知や利用の促進に努めていきたいと思っております。

行田邦子君:地籍調査済みあるいは整備済みと言っていながらも筆界が未確定のままの地図があるということですが、これを改めて整備し直すということはお考えにならないんでしょうか。

政府参考人(深山卓也君):地籍調査あるいは登記所備付け地図の作成作業を行わなければならない面積が、先ほど来の御指摘のとおり、まだ膨大な量ございます。したがって、一〇〇%の境界、筆界が特定できなくても、最近ではほんの一、二%というのが普通ですけれども、どうしても少し筆界未定地が出てしまうんですが、まずは地籍調査や備付け地図の作成作業を進めるという方に努力を傾注せざるを得ない状況にあると思っております。

行田邦子君:地籍調査は国土交通省がやっているわけでありますけれども、所管をしているわけでありますけれども、事業としては市町村であります。これからも国土交通省と連携を取りながら、精度の高い地図をしっかりと登記所に備え付けるということを是非法務省としても積極的に推進をしていただきたいと思います。

それから、続きまして、相続時の登記手続について伺いたいと思います。 平成二十三年に国土交通省が興味深い調査を行っています。農地、森林の不在村所有者に対するアンケート調査です。

農地、森林を相続をして、ところがその農地、森林がある場所に住んでいない不在村所有者に対してアンケートを行ったんですけれども、ここでその結果として、農地、森林の不在村所有者のうち相続時に何も手続をしていない所有者が一六・四%いるという結果が出ています。これを割り戻すと、所在の把握が難しい森林所有者が十六万人、所在の把握が難しい農地所有者が約十二万人という結果になるという調査でありました。

この手続という中にはもちろん登記も含まれるわけなんでありますけれども、そこで、こうしたアンケート調査を受けまして、お手元にお配りしている配付資料の三枚目ですけれども、国交省と農水省では、土地届けをしてくださいというような啓蒙パンフレットを作って配っているようであります。

登記のことでありますので、これは国交省、農水省でも積極的にこういった届けをしてくださいと、手続をしてくださいという啓蒙活動をやっていただくのはいいですけれども、法務省としても何か相続時の登記というものについての啓蒙活動をするおつもりはないんでしょうか。

政府参考人(深山卓也君):今委員御指摘のパンフレットは、農地や森林を相続した者に対して、市町村への住所、氏名の届出や土地活用の意思表示をするよう求め、これと併せて相続登記をすることのメリットを示して、これを促す内容のものと承知しております。

委員も御存じのとおり、相続登記などの不動産登記は、不動産取引の安全と円滑を図るための対抗要件でございまして、権利を取得した者に申請することが義務付けられているわけではございません。

行政がその申請を促すことについても、申請するかどうかを権利者の自由な意思に委ねているこの登記制度の本質にそぐわない面がないわけではないというようなことや、あるいは登記手続というのも手間と費用がどうしても掛かりますので、という関係で難しい問題がないわけではないんですが、ただ、登記を含む不動産登記制度について国民の皆さんに広く周知を図って、そのメリットや意味を十分理解していただくということは国民の権利保全の観点から有意義だと思っておりますので、これまでも法務省のホームページや各法務局のホームページ、あるいは法務局における各種の登記相談等々の制度を通じて、相続登記のメリットや意味についての周知を図っているところでございます。 今後も、引き続きこのような取組を継続していきたいと思っております。

行田邦子君:農地や森林の土地だけではなくて、例えば領海を根拠付ける離島なども登記をしていないものが随分あるのではないかというふうに言われていまして、今政府におきましてはその離島の所有者の調査をやっていますけれども、登記簿を調べる、結局は登記簿を調べることになるそうです。この調査に二年掛かるとも言われています。

是非、登記というのは第三者への対抗要件ということで義務ではありませんけれども、登記の必要性とまた重要性ということを周知をしていただくようにお願いをしたいと思います。

それでは、個人保証について伺いたいと思ったんですが、時間も限られていますので、一問だけにさせていただきます。 民法が制定されてから民法の債権法関係の見直し、全般的な見直しというのは今までやってこなかったというふうに承知していまして、今、法制審議会の民法部会におきまして、債権法関係の改正に関する検討を行っている最中ということであります。

特に個人保証の部分について私は関心があるんですけれども、これまでも個人保証の在り方について様々な問題点が指摘されていましたけれども、大臣御自身は個人保証についての問題意識また在り方についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(谷垣禎一君):これは今法制審議会で御議論をいただいているところでございますが、保証制度、特に個人保証とおっしゃいましたけれども、中小零細な経営者が資金を借りたいという場合に、どうも中小零細なところだけではどうしても信用が足りないから貸せない。

したがって、保証を立てることによって足らない信用を補うという意味はあるわけですね。それからまた、何でもいいからとにかく金借りちゃって規律も何もないという状況を防ぐにも、保証を付けるというのは役割を果たしていると思うんです。

ところが、他面、今特に個人保証とおっしゃったことに関連いたしますが、頼まれたから、じゃ保証をしてやろうというので判こを押したところ、想定外の請求をされて全く生活の破綻に追い込まれるというような例もしばしばあるわけでございます。

したがいまして、今、法制審議会の民法部会で、中小企業金融に悪影響を与えないように留意しながら、保証人の保護を図る方向で議論が進められているところでございます。十分な議論を尽くしていただきたいと思っているところでございます。

行田邦子君:私の身近なところでも、保証人になってしまったがために莫大な債務を引き受けることになってしまって、破産してしまったという例もございます。

是非、法制審においての審議を私も見守りながら、保証の在り方ということ、特にその個人保証の在り方ということについてこれからもこの場で審議をさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

質問を終わります。

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