【議事録】厚生労働委員会質問

平成27年8月20日 厚生労働委員会

○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。
私は、今日はまず初めに、派遣労働者も含む全ての雇用される労働者のセーフティーネット、最後のとりでと言ってもいいかと思うんですけれども、雇用保険について伺いたいと思います。
労政審の雇用保険部会において雇用保険制度の議論が始まったということでお聞きをしております。第一回目ということで八月四日に行われたということでありますけれども、この度のこの雇用保険部会での議論のテーマ、いろいろありますけれども、基本手当の水準がどうなのかとか、六十五歳以上の者への対応はどうなのか、またさらには、財政運営というテーマにおきまして、積立金残高の現状とそして保険料率について、これを引き下げるべきかどうかといった検討もこれから行われるというふうに承知をしております。
そこで、まず大臣の御所見を伺いたいと思うんですけれども、現状の積立金の残高、これ失業等給付の積立金の残高は平成二十六年度末ですと、直近ですと六兆円を超すという過去最高の残高になっているわけであります。この積立金残高の状況とそして保険料率のバランスについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、労働保険特会のことにつきましてお尋ねをいただいたわけでありますけれども、この特会の失業等給付の積立金は、不況期に当然備えて好況期にしっかりと積み上げるということが原則であるわけでありまして、一定程度の積立金は当然必要なものだろうというふうに思っております。
ただ、この積立金は、今数字を言っていただきましたけれども、これ平成二十五年度の決算がまだ出ているだけで、二十六年度の決算はまだ定まっていないということで、約六兆円ということになっておりますけれども、平成九年度にかつて四兆円ほどあった積立金が平成十四年度には一気に四千億円にまで減少したことがあったということは何度もこの国会でも御説明を申し上げてきたわけでありますので、何をもって課題なのかということはなかなか言いづらいなという感じがいたすわけであります。経済情勢との兼ね合い等々、総合的な判断をしていくべきかというふうに思います。
いずれにしても、社会保険料率や積立金の水準は、今申し上げたとおり、経済雇用情勢あるいは平成二十六年度の決算を出たところでどう考えるのか、それから昨年の雇用保険法の改正の影響、つまり他に支出をする助成金がございますので、それらの影響がどうなるのかといったことを踏まえた上で議論をお願いをしようということで、八月四日から労政審保険部会、これが始まっておりまして、しっかり議論していただいて、これから料率も積立金もどう考えていくのかということをしっかり議論していただきたいというふうに思っております。
○行田邦子君 平成二十六年度の決算、積立金の残高の状況がもう間もなく出るかと思いますけれども、それを見た上でまた労政審でしっかりと議論していただきたいと思いますが、恐らく六兆円、今の平成二十五年度末の積立金残高のレベルを超えるのではないかという予測も厚労省の中で立てられていると思います。こういう状況も踏まえて判断していただきたいと思いますけれども、私は、たしか四月にこの委員会でも質問させていただき、指摘をいたしましたけれども、やはりこの六兆円を超える残高のレベル、水準は、これは過剰だと私は思っております。
過剰な積立金の残高があるということは、これ失業等給付が減っているというある意味いい状況ではあるんですけれども、積立金残高がこれだけあるのであれば、やはり保険料の水準というのもこれは引き下げるということを前向きに検討すべきであるというふうに思っております。もちろん、今弾力条項の最下限まで来ていますので、これを更に下げるとなると法改正が必要ではありますけれども、過去には千分の八ということでありましたので、それも踏まえて検討をしていただきたいと思います。
そして、また、保険料率の引下げということの検討だけではなくて、この際、雇用保険部会で雇用保険制度全体の議論がされているわけですので、失業者が新しい仕事を見付けやすくするための給付の在り方、そして水準についても今で十分なのかどうかといったことも議論していただきたいと思っております。
そして、この雇用保険部会におきましては、もう一つのテーマとして、マルチジョブホルダーへの対応というのが議論されるということで聞いております。
そこで、マルチジョブホルダーの現状についてお手元に資料をお配りをしておりますけれども、マルチジョブホルダーというのは複数の仕事を持っているということでありますが、それでは、本業も副業も雇用者であるマルチジョブホルダーがどのぐらいいるのかということなんですが、調査によりますと百五万人と、結構いるわけであります。そのうち、本業がいわゆる非正規、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員といった方が五十七万六千四百人ということで、本業が派遣社員のマルチジョブホルダーは三万四千六百人と、結構いるわけであります。
そこで、雇用保険についていろいろと議論をするときに毎回議題になって、なかなか解決できていない問題だと思うんですが、このマルチジョブホルダーの雇用保険適用についてなんですけれども、現行の制度運用では、主たる賃金を受ける一の雇用関係についてのみ被保険者となるとされています。
まず、政府参考人に伺いたいと思うんですけれども、その根拠となる法律の条文についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
雇用保険の被保険者につきましては、雇用保険法の第四条におきまして、適用事業に雇用される労働者であって、六条各号に掲げる者以外のものと規定されております。
〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
次に、雇用保険の適用除外となる者につきましては、求職活動期間中の労働者の生活及び雇用の安定を図る雇用保険制度の趣旨を踏まえまして、自らの労働によって賃金を得て生計を立てている労働者であるか否かという観点から雇用保険法の第六条に規定がございまして、まず一つが、一週間の所定労働時間が二十時間未満である者、それからもう一つが、同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者などが適用除外になってございます。
これ以外の者が適用の対象になるということですけれども、その上で雇用保険法の七条という条文がございまして、その中で、事業者は、労働者を被保険者として雇用した場合にハローワークに届け出るということとされております。この一の事業者がマルチジョブホルダーの労働時間をまとめて届出をするというふうな仕組みに現在なってございません。
こうした規定から、労働者につきまして、生計を立てるに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となって、個々の適用事業における労働時間が二十時間未満であるが合計すれば二十時間を超えるような人につきましては被保険者とならないという解釈をいたしております。
○行田邦子君 雇用保険法の幾つかの条文、七条などの条文を併せて解釈することによって今のような運用になっているということであります。そのことによって例えばどういう問題が起きるのかなんですけれども、二つ主にあると思います。
一つは、本業が例えば週十五時間の労働である、そして副業は週十時間の労働であると。そうすると、合わせると週二十五時間の労働をその方はしていると。ただ、どちらも週二十時間に満たないということで、雇用保険の適用除外になってしまうと。この方が失業しても失業等給付は受けられないという問題が生じるわけであります。これが一つです。
あともう一つは、本業が週二十時間であったとする。そうすると、この方は雇用保険の適用になります。ただ、副業で例えば週五時間働いていて、本業がこれが失業した場合なんですけれども、副業が生きている場合、継続されている場合は完全失業にならないということで、失業等の給付がされないというような問題があるというふうに理解をしているわけでありますけれども、この点をどうにか解消できないのかなと思っています。
お配りした資料の下の部分なんですけれども、マルチジョブホルダー、どういう方なのか、所得がどういう方なのかというのを見てみますと、マルチジョブホルダーの本業の所得が百万円以下の人が二八%、そして百万円台、百万から百九十九万円台の方が二四・九%と。本業だけでは生活ができない、生計を営めないから副業を持っているという方が非常に多いと。
こういう方たちが職を失ってしまった場合にこそ、私は失業等給付が受けられるようにするべきではないかと思うんですが、このマルチジョブホルダーの雇用保険適用について、どうにかこの問題を解消できないかと考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました複数の雇用関係を持つ労働者、いわゆるマルチジョブホルダーの方につきまして、複数の雇用関係に係る労働時間を通算して適用する場合には、事業主が雇用する労働者について他の事業主の下での労働時間を把握することはなかなか難しいということ、それから、仮に適用するとしても、一部の職のみ失業した場合にも給付を行うべきかなど、何をもって失業とこうした場合には判断をするのかということがなかなか難しいといった問題がこれまで指摘をされてまいったところでございます。
〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
こうした問題はございますけれども、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用につきましては、平成二十五年十二月の労働政策審議会雇用保険部会の報告においても、中長期的観点から議論していくべきだということが書かれておりまして、今月より議論を開始をいたしました先ほどの労政審の雇用保険部会において、しっかりと引き続き議論を行うということにしているところでございます。
○行田邦子君 労政審での議論を見守っていきたいと思いますけれども、なかなかこの問題、解決できない問題として残ってしまっています。難しい部分、いろいろあろうかと思いますけれども、是非、今回のこの雇用保険部会の議論において公労使の知恵を絞っていただいて、そして一歩でも前進できるようにしていただきたいというふうに思っております。
さて、労働者派遣法に戻ります。
まず、前回に引き続きまして、無期雇用派遣労働について少し質問させていただきたいと思います。
無期雇用派遣労働の位置付け、厚労省がどのように位置付けているのかについて確認をさせていただきたいと思うんですけれども、無期雇用派遣労働者は、これは派遣先からすれば当然派遣労働者であります。ただ、特に最近の傾向として見られるのが、派遣元からすると正社員というような言い方をする会社もあります。これはなぜかというと、その派遣元からすれば、我々は無期に、そして直接雇っていてということから、うちの正社員だという言い方をするんだろうと思います。
今回の改正法案が成立すれば、無期雇用派遣労働者が今よりも、今大体一七%と言われていますから、それよりも増えるという見方もあるわけでありますけれども、厚労省としては無期雇用派遣労働者は正規雇用者にジャンル分けをするのか、そして、その理由もお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたように、いわゆる無期雇用派遣労働者を多く雇っておられるというか、全てそういう無期雇用派遣労働者の派遣会社ということは、いわゆる技術者の派遣の会社等であって、そういった派遣会社におかれては無期雇用派遣労働者のことを会社の中で正社員ということで呼称されているということは、私どもも承知をしておるというところでございます。
ただ、私どもとしては、従前もこの委員会でも御議論ありましたとおり、一般的には期間の定めがないフルタイムで直接雇用ということを正社員、正規雇用ということで私どもとしては呼ぶということで承知をしておるということで申し上げたかと思っておりますが、そういった意味では、無期雇用派遣労働者というのは、あくまで派遣労働者、直接雇用ではないということでございますので、そういった意味では非正規雇用ということになるということになります。
○行田邦子君 無期雇用派遣労働者は、派遣元に直接雇用されている、無期雇用されているけれども、派遣先に派遣されて労働する労働者であるから、これは間接雇用であって、そして非正規雇用者であるということを確認をさせていただきました。
そこで、通告はしていないんですけれども、先ほどの辰巳委員への質問に対してなんですが、直接雇用が原則であるということ、もうこれはっきりと大臣はおっしゃったと思うんですけれども、これまで私が厚労省から、雇用の原則は直接雇用ですねという確認をしたところ、そうとは考えていないということを何遍も説明を受けていたわけであります。
そこで、ちょっともう一度、部長に伺いたいと思います。
直接雇用が原則でよろしいんですよね。
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども大臣も御答弁の中で触れられたとおり、法律、労働関係法令等で直接雇用を原則ということで定めておるものはないということでございます。
ただ、私ども、雇用政策、労働政策の中で、先ほど大臣が御答弁されましたように、いわゆる直接雇用ということを基本として施策を考えているという趣旨で大臣の方からも御答弁をし、私からも御答弁をしたということでございます。
○行田邦子君 それなら、直接雇用が原則であるという方針であれば、この労働者派遣法の見方も随分と変わってくるわけであります。以後は、直接雇用が原則という厚労省の考え方にのっとって、その視点で私も質問させていただきたいというふうに思っております。
大臣に伺いたいんですけれども、雇用の安定化の方向性について大臣がどのように捉えているのかを伺いたいんですけれども。
質問の五なんですが、大臣は、有期派遣労働から無期雇用派遣労働へと転換を期待しているのか。これは間接雇用から間接雇用でありますけれども、これを期待しているのか。それとも、間接雇用である派遣労働は雇用の例外である、直接雇用が原則ですから、間接雇用である派遣労働は無期雇用派遣労働であってもこれは雇用の例外でありますから、派遣労働から直接雇用への転換を促したいと、それが雇用の安定と捉えているのか。それとも、いわゆる正規雇用、無期フルタイム直接雇用を増やしていきたいのか。大臣が考える雇用の安定化の方向性についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省としての政策という意味で申し上げれば、働く方の希望を踏まえつつ、やっぱり御本人の選択というのが大事で、その上で雇用の安定化を図ることが重要だというふうに考えるべきかというふうに思うわけで、様々な今働き方、あるいは様々な企業サイドの雇用の形もあるのかなというふうに思います。
このために、いわゆる正社員を希望する派遣で働く方については、もう何度も申し上げているように、いわゆる正社員への道が開かれるようにする、そして、自らの働き方として派遣を選ぶ方はその待遇の改善を図るというのが今回の法改正の大原則ということを申し上げてきているわけでございます。
さらに、無期雇用の派遣で働く方は、有期雇用のように雇い止めの対象とならず、一般に有期雇用に比べて雇用が安定していることから、派遣で安定的に働くことを希望する方については無期化を推進していきたいと考えているわけでございまして、これはそれぞれどのような形の働き方をライフステージの中で選ばれたいのかという、個々人の働く方の御希望がどこにあるのかということにも関わってくる問題かなというふうに思っているわけでございます。
○行田邦子君 済みません、ちょっと、いま一つぴりっとしない感じがするんですけれども。
直接雇用が原則ということであれば、派遣労働から直接雇用へと促すということになると思います。それが雇用のまずは安定化の一歩だと思いますし、そしてさらには正規雇用を増やしていくということを目指すということを言っていただきたかったなというふうに思っているわけであります。
そして、その雇用の安定化、雇用の安定措置が改正法案に盛り込まれていて、今日もいろいろと議論がありました。多少重複するかもしれませんが、私なりの視点で質問させていただきたいと思います。
まず、一年以上三年未満、同一の組織単位の業務に継続従事する見込みの労働者についてなんですけれども、これは、派遣元にとっては雇用安定措置は努力義務となっています。努めなければならないというふうに三十条第一項に書かれているわけでありますけれども、この努力義務、努めなければならないという文言はいろいろな法律に書かれている文言ではありますけれども、事この法律案について確認をさせていただきたいんですけれども、努力義務、努めなければならないというのは何を指すのか。意思があればよいのか、それとも何らかの行為をしなければいけないのかということです。
特に、私が気になるのは、整理をしておきたいと思っていますのは、例えば均衡待遇の条文のところでは、努力義務、努めなければならないとなっていたものを配慮に格上げしたという説明も受けています。じゃ、努めなければならないという努力義務は、派遣元が雇用安定措置としてとらなければいけない努力義務というのは配慮よりか一段低いものなのかどうか。どういう整理をなされているのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
今委員お尋ねございました雇用安定措置、三十条、改正法について規定されており、今御指摘あったように、第一項につきましては、一年以上三年未満の同一組織単位の業務に継続従事の方については努力義務ということにしておるというところでございますが、法令上こういった努力義務ということにさせていただいているということでございますので、この点につきましては、目標の実現に向けた姿勢を期するということでございますので、具体的な取組の実施あるいは目標の達成というところまでを求めるというものではないわけでございますが、ただ、行政としましては、雇用安定措置の趣旨を踏まえまして、この努力義務の対象となる場合であっても、派遣元にはしっかり法の趣旨を御説明し、雇用の継続をするための措置ということを促してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 済みません。はっきりと通告はしていないんですけれども、ちょっとここは確認させていただきたいんですが、例えば均衡待遇の確保のところでは、これまで派遣先に課せられていたものが努力義務、情報提供等の努力義務、これが配慮義務に格上げしましたよという説明を受けています。つまり、努力よりか配慮の方が上ですということなんですけれども、そうしますと、配慮よりか低いのが努力義務であるというのをもう少し具体的に、努力というのは、その意思を示せばいいのか、何らかのアクションを起こさなければいけないのか、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 均衡処遇のところでいろいろ出てきておる努力義務、配慮義務ということにつきましての配慮義務ということにつきましては、今議員御指摘のような何らかのアクションが必要という意味で、今回、強化という意味で配慮義務ということにさせていただいたということでございます。
先ほど申し上げましたように、雇用安定措置につきましては、まず二項でしっかりと義務という厳しい措置を設けた上で、一定の一年以上三年未満の方については努力義務という形で制度を設けているということでございまして、これにつきましては先ほど御答弁させていただいたようなとおりということでございます。
○行田邦子君 もう少し、どのようなことをすれば努力したとなるのかということをお答えいただきたいんですけれども、こういうことをしようと思っていると意思を示せばいいのか、それとも何らかのアクションを起こさなければ努力したことにならないのか、どの程度なんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、三十条の一項につきましては努力義務ということでございますので、そういった意味では、具体的な取組の実施あるいは目標の達成ということまでは求めるものではございませんということではございますが、しっかりとこの法の趣旨ということもございますので、いろいろな形での努力義務が課せられるというようなことについて、対応をしっかりやっていただくというようなことについて履行を促していきたいということでございます。
○行田邦子君 ちょっと後で私も議事録見てみますけれども、具体的な取組の実施までは求めていないということで今御答弁をされたと思いますけれども。
そうすると、アクションを起こさなくても努力したことになる、派遣元は、こういうことをやろうと思っています、こういう気持ちはありますという気持ちがあるだけで努力義務を果たしたことになるんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども申し上げましたとおり、配慮義務ということにつきましては実際に具体的に取り組むということが求められるということでございますけれども、努力義務ということについてはそこまでの具体的なアクションということは求めないということでございます。
ただ、従前から努力義務についてのいろいろな取組を求めるということで、今回、実効性を担保するために、その実施状況につきましては努力義務の観点も含めて毎年事業報告でしっかり提出を求めて、措置の対象となる労働者がどういった人数なのか、措置を講じた状況あるいは講じた措置ごとの人数というようなものを結果として報告をしていただくということで、その結果に基づいて指導はしてまいりたいということで考えております。
○行田邦子君 具体的な取組の実施をしなくても努力になってしまうというのであれば、行政指導もできないと思うんですよね。これ、三年未満の派遣労働者に対しては、全く雇用安定措置、機能を果たさない、機能しないというふうに、全く不十分であるということを今の答弁で感じました。
次に、質問を続けたいと思うんですけれども、とるべき雇用安定措置の一つ、一番目の派遣先への直接雇用の依頼についてなんですけれども、先ほどからの質問の中で管理台帳に残すべきだというような意見もあり、また、大臣からは、検討する、つまり、やるというような答弁もいただいたわけでありますけれども、ちょっと私は違う視点で質問させていただきたいんですけれども、これは派遣労働者にとって自分が三年間でもうその派遣労働を続けられなくなってしまうということで、その後の雇用安定措置でその派遣先に直接に雇用してもらうかどうか、非常に重要なことだと思います。
そこで、派遣元は労働契約の申込みをすることになるんですけれども、これを書面に残す必要があるのかどうか、口頭でもよいのか、また、その申込みに対して派遣先からの書面か何らかのはっきりとした回答をもらうことが求められるのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、直接雇用申込みということを派遣先にするに当たってということでございますが、これは派遣先にそういった直接雇用の依頼という希望が確実に伝わるということが大事ということでございますが、その申込みに係る義務について書面で事実を残すということまでは規定しているということではございません。
ただ、従前より申し上げているとおり、この雇用安定措置の選択肢が幾つかございますけれども、直接雇用の依頼につきましては、派遣先での雇用に至らないという場合になりますと、それだけでは義務を果たしたことにはならないということで、それ以外の新たな派遣先の提供でありましたり、あるいは派遣元での無期雇用等々の義務を果たしていただかなければいけないということでございますので、派遣元とすれば、実際上、直接雇用の申込みについての派遣先からの回答なくしては、それが成就したかということが確認できないので、それは当然派遣元としては確認をする必要があるということと考えております。
○行田邦子君 これでは、派遣労働者にとっても問題があると思いますし、私、派遣元もこれじゃ困ってしまうと思うんですよね。厳しい場合は、これ許可の取消しという指導になってしまうわけですから、行政処分になるわけですから、やはりきちんと証拠を残しておかなければいけないと思うわけです、派遣元にとっても。
ここはしっかりルールを設けるべきでありますし、私は、これは口頭とかあるいは電話じゃなくて書面で残すということをきちんとルール化するべきだと、これは派遣元にとってもそれが必要であるということを指摘をしておきたいと思います。
それで、最後の質問なんですけれども、派遣先への直接雇用の依頼なんですけれども、私は、派遣会社にとって優秀な人材ほど手元に置いておきたいと考えますから、派遣先への直接雇用申込みを進んで積極的に行うモチベーションは低いと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) これにつきましては、やはり派遣先で直接雇用をされるということについて、そういった状況、どれだけ当該派遣会社の派遣労働者が直接雇用を派遣先にされたかというような実績ということも派遣労働者の方が派遣会社を選ぶという一つの判断基準にもなるかと考えられますので、そういった意味では、派遣会社にとってみても、雇用安定措置等を通じて直接雇用の実績を積むということは派遣元についてもメリットということになるということで考えております。
○行田邦子君 ちょっとよく分からない答弁でしたけれども、終わります。

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