【議事録】倫理選挙特別委員会質問

平成27年6月15日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会

○行田邦子君 日本を元気にする会・無所属会、行田邦子です。
この法案が成立をすれば、実に七十年ぶりの選挙権の拡充ということになるわけであります。非常に歴史に残る改正ということになります。そこで、この委員会での質疑における法案提出者の答弁というのも、何十年先にわたっても恐らく読み返されるだろうという非常に重要な答弁だと思っております。
そこで、まず初めに法案提出者に伺いたいと思います。選挙権年齢を十八歳以上に引き下げることの意義についてお答えいただけますでしょうか。
○衆議院議員(船田元君) お答えをいたします。
〔委員長退席、理事足立信也君着席〕
諸外国の例を引きますと、やはり普通選挙を行っている百九十何か国のうち九〇%以上が既に十八歳年齢に引き下がっていると、こういう現実はあります。
ただ、そこをまねるだけではなくて、我々、各党で議論いたしまして、やはり民主主義を更に深めていく、高めていく、そのためにはやはり有権者の数を増やしていく必要がある、こういうことで十八歳にしたということ。それから、もちろん高齢者向けの政策というのは今非常に多くなっておりますけれど、あわせて若者に対する政策をやはり各党がもっともっと意識をして出していくべきではないか。さらに、若い人々の投票率が非常に低いわけでありますが、やっぱりそういったことも影響しているんだと思います。
是非、若い人々に選挙権を持っていただくことによって、若い人々が声を上げる、あるいは投票をする、あるいは投票してもらえるように各政党が努力をする、そういうことで若者の意識をだんだんと政治に向けていくということになっていくんだろう、そういう様々な理由によりまして十八歳ということを我々は提案をさせていただきました。
○行田邦子君 この度の十八歳への引下げを機に若い人たちにも政治に関心を持っていただきたいと、私も同感でございます。
次の質問ですけれども、選挙犯罪等についての少年法の特例について伺いたいと思います。
附則の第五条におきましては、十八歳、十九歳の者が犯した連座制に係る事件について、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合には、検察官への送致の決定をしなければならないというふうになっております。
この条文を読ませていただいて、これ、つまり家庭裁判所がその罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすということを判断をしなければいけないということなんですけれども、家庭裁判所というのは、そもそも、少年が犯した罪、事件そのものだけではなく、その罪を犯した少年の要保護性、いかに更生をさせるのか、立ち直りをさせるのかといったことを主眼に置いて、そういったことを重視をして保護処分等を決定するものというふうに承知をしておりますけれども、そうした視点を持っている家庭裁判所が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすということの判断をしなければいけないと、これは難しいのではないかなとちょっと感じました。
そこで、法案提出者に伺いたいんですけれども、この立法者が想定をする罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合の判断基準についてお答えいただけますでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) 今委員のおっしゃったとおり、今回の選挙犯罪についての少年法の特例、附則第五条に書かれているところでございます。連座制に係る事件であること、プラス、罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合、この場合には原則逆送すると、このような規定にさせていただいております。
連座制が働く事件ですから、買収に関わる事件ということでございまして、この場合には、通常はこの罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認められるというふうに考えられるというふうに思います。
ただ、客観的に、家庭裁判所から御覧になられても客観的に極めて軽微であるというふうな事案の場合には、あくまでこれは主観的な事情ではなくて客観的にそのような事実関係である場合には、原則逆送という措置をとらないで家庭裁判所で処置をするという可能性も残した方がいいと、そういう判断をしたわけでございます。
○行田邦子君 その連座制の適用についてもう一問伺いたいと思います。
〔理事足立信也君退席、委員長着席〕
十八歳、十九歳の者が犯した連座制に係る事件なんですけれども、基本的には検察官に逆送するということでありますが、今の御答弁にありましたとおり、様々な事情を勘案して、これは逆送すべきでないと、こうした判断をする可能性もあります。そうなりますと、保護処分となりまして、そして、その選挙の候補者からすると、十八歳、十九歳の者が犯した罪、成人が犯した同じような公選法違反であっても、保護処分となると連座制が適用されないということになります。
これについて伺いたいんですけれども、候補者への連座制適用について、成人が同じ罪を犯した場合との均衡について法案提出者はどのように御所見をお持ちでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) 今委員の御指摘のありましたのは、ただし書の方でございます。先ほどの客観的な要素ではなくて、少年本人の主観的なそうした様々な事情を勘案して、家庭裁判所が例外的に逆送しないで家裁で処理をしていくと、こういうことを認めたという規定でございます。この規定は、ほかの逆送規定についても同様の規定がありまして、逆送の例外規定を設けておるんですね、ほかの逆送する場合も。それをそのまま準用しているというところでございます。
これは、少年法の適用年齢を現在二十歳のままにしておるわけでございますので、これを変えない以上はこれはやむを得ないというふうに考えているところでございまして、これは極めて例外的なごく一部の場合だと考えますが、二十歳以上の者が同様の犯罪を犯した場合と異なることは御指摘のとおりでございます。
○行田邦子君 選挙権年齢の引下げ、また、国民投票の投票権の引下げといったことになりますと、これはやはり民法の成年年齢、そしてまた少年法の適用年齢の引下げというようなことの議論にもつながっていくかと思っております。
そこで、続いて法案提出者に伺いたいんですけれども、附則の第十一条についてなんですけれども、国は、国民投票の投票権・選挙権年齢が満十八歳以上とされたことを踏まえて、民法、少年法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとするとなっているわけでありますけれども、ここでの立法者の意図についてお聞かせいただけますでしょうか。
○衆議院議員(北側一雄君) 日本の法令の中に年齢条項がある規定はたくさんございます。その中でも、特に問題になるのが民法そして少年法でございます。
この民法、少年法、その他の法令も含めまして、今回、公職選挙法で選挙権年齢を十八歳に引き下げる、それに伴ってこの民法や少年法等をどうするのかと、こういう議論があるわけでございます。それをしっかり議論しましょうということなんですが、まず民法については、既に法制審の方で議論をしていただいておりまして、平成二十一年の十月に法制審議会が民法の成年年齢の引下げについて意見を答申をしていただいています。一定の条件を付けた上で十八歳にすることについて、よしと、このような答申をいただいているわけでございます。一方、少年法の方はまだ法制審の手続も進んでおりません。
まずは、民法については、選挙権年齢が十八歳に引き下がる以上、これは我々提出者の恐らく共通した認識だと思いますが、民法については、ただ関係する法令が多いもので、また関係するところが大変社会生活の中でも多い分野でございますので、そこはよく議論する必要があるんですが、整合性を取る必要があると思いますが、これは十八歳に引き下げる方向でしっかり検討すべきだと、法制審も通っているわけですからというふうに考えております。
一方、少年法の方については、この少年法の持っている目的、少年の可塑性から少年を更生させていくと、こういう目的からしてどうなんだということについては、更に専門家の方々も含めて議論を進めていくべきであると思いますが、公職選挙法が十八歳になり、将来民法も十八歳に成人年齢が下がるというふうになった場合に、少年法だけ二十歳というのがいかがなものかと、こういう議論は当然あるんだろうと思うんです。
いずれにしても、ここは順次議論を進めさせていただければというふうに考えております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
成年年齢の引下げだけではなくて、少年法の適用年齢の引下げ、これは少年法という法律がなぜ存在するのかといったことも踏まえて、しっかりとした議論をこれから行っていかなければいけないというふうに思っております。
文部科学省に伺いたいと思います。
学校における政治教育について伺いたいんですけれども、私は、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられることに伴って、これまでとは違った実践的な政治教育というのを学校の現場で行うべきであるというふうに考えております。例えば、神奈川ではかなり行われているようですけれども、国政選挙の際にそれぞれの政党が主張している政策を比較したり、また議論したり、そして自ら判断するといった、このような実践的な政治教育を広げていくべきというふうに考えていますが、文部科学省のお考えをお聞かせください。
そしてまた、その際、教育基本法第十四条第二項に示されているいわゆる政治的中立を担保するために、また、これへの抵触を回避するために、学校教員向けのガイドラインを設けるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伯井美徳君) お答え申し上げます。
法案が成立した場合の来年夏の参議院選挙への対応といたしまして、高校生の政治的教養を高めるため、現在総務省と連携して作成を準備しております副教材等におきまして、御指摘いただきましたような模擬選挙などの実践例やワークシートなども盛り込みまして、これらの実践的な活動を通じて政治に関する判断力の向上などに資するよう教材作成に取り組んでいるところでございます。
一方で、教員の対応を含めまして学校の政治的中立性を確保するということも重要でございます。このため、文部科学省といたしましては、高校生向けの副教材で選挙の意義とかその重要性を実践的な体験を通して学ぶことができるようにするということとともに、教師用の指導資料も併せて作成いたしまして、学校教育活動の具体的な場面における指導の留意点について示すと。
そうしたことを通じまして、各学校の政治的中立性が確保されて、なおかつ現実の事象に即した政治的教養の教育が実践的に行われるように、これはなかなか検討を要する課題ではございますけれども、様々検討しながら示してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 最後の質問になります。ここで、政治的活動とは何なのかについて伺いたいと思います。
昭和四十四年に文部省が通知として出されているものの中に、これ今でも生きているものでありますが、高等学校生徒の政治的活動が望ましくない理由や、また規制することについて触れられています。
そこで文科省に伺いたいんですが、政治的活動とは、特定の政党を支持する活動ではなく特定の政策や理念への支持を訴える、このような活動は政治的活動に当たるのか。例えばですけれども、脱原発とか消費税反対とかあるいは憲法改正と、こういった特定の政党の支持を訴えるものではなくて政策の主張や支持を訴えるものは、これは政治的活動と言えるのでしょうか。
○政府参考人(伯井美徳君) 今回の改正法案が成立すれば、十八歳以上の者が公職選挙法上の選挙運動を行えるようになるということでございます。そうしたことも踏まえまして、文部科学省といたしましては、学校における政治的活動の制限等についての指針を示した昭和四十四年の通知について見直しを行うこととしております。その中では、生徒が学内で行う政治的活動について、学校としての政治的中立性の確保、あるいは他の生徒との関係、あるいは施設の管理の面等から生じる教育上の支障などを踏まえた指導の在り方について考え方を示すこととしております。
それぞれの活動が政治的活動に当たるかどうかにつきましては、それが政治的意義を持った目的で行われるものかどうか、あるいはその行為の影響がどのようなものであるかなど、個々具体の事案に応じて判断する必要があると考えておるわけでございまして、御指摘いただいた様々な活動につきましても、その目的や影響、さらには特定の政党との関わりの具体的な内容等を見ながら、個々具体的に判断していくべきものと考えております。
○行田邦子君 政治的中立性というのは政治の話をしないということではないというふうに思いますので、そういったことをしっかり念頭に置いて通知の見直しをお願いしたいと思います。
終わります。

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