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【議事録】国土交通委員会

2018年12月17日

2018年12月6日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は老朽化したマンションについてまず伺いたいと思います。
分譲マンションの総戸数は今六百四十四万一千戸、これは平成二十九年末時点でということです。そのうち、築四十年を超えるものは約七十二万九千戸と全体の一割を超えているという状況で、また、この築年数の長いマンションというのが今後更に増えていく、この割合は増えていくというふうに見込まれています。
マンションを長もちをさせたりとか、また、しかるべき時期にしっかりと建て替えを円滑に行ったり、また、マンションというコミュニティーの中でのトラブルを防止したりという、そのためには管理組合などがしっかりとマンションを管理することが重要であるというふうに考えておりますけれども、その管理組合なんですけれども、管理組合の規定が明確でなかった一九八三年の区分所有法改正の以前に建設されたマンションにおきましては、そもそも管理組合がないものもあるというふうに聞いております。それからまた、それ以後の、一九八三年の区分所有法改正の以後のマンションにおきましても、管理組合はあるけれども十分に機能していないといったケースも生じているというふうに聞き及んでおります。
そこで、まず大臣に伺いたいと思いますけれども、分譲マンションの適正な管理の重要性についての御認識と、そして国交省としての取組を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 現在のマンションストック総数は六百四十四万一千戸で、国民の約一割が居住する主要な住宅形態となっております。今後、築三十年や四十年を超えるマンションの増加が見込まれる中、マンション管理の適正化は大変重要であります。
一方で、そうしたマンションにおきましては、区分所有者の高齢化、空き家化、賃貸化の進行等に伴いまして管理組合を運営する担い手の不足や修繕積立金の不足等によりまして、今後の適切な維持管理が懸念されるマンションもあると認識をしております。
このため、国土交通省では、長期修繕計画や修繕積立金に関するガイドラインの整備と周知、標準管理規約を改正をし、外部専門家が管理組合を運営する仕組みの導入、管理組合がなかったり機能していないマンションへ専門家を派遣するモデル事業の実施など様々な取組によりまして、管理の適正化を支援しているところであります。
近年、マンションの管理適正化に取り組む自治体も増えていることから、国土交通省といたしましては、これらの自治体とも連携を図りながら、引き続きマンションの管理適正化に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 国交省としては、ガイドラインを発していますし、また好事例を集めるといったようなことも既に取り組んでいるということでありますけれども、更に踏み込んで御提案したいと思っておりますのは、分譲マンションの適正管理について、行政による状況把握や、またそれから支援とか、また助言を強化するために管理組合等の届出制などを検討してはいかがでしょうか。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。
マンションの管理の適正化の推進に関する法律におきまして基本的な指針を定めることになっておりますが、その中には、国及び地方公共団体は、必要に応じ、マンションの実態調査及び把握に努め、マンションに関する情報、資料の提供について、その充実を図るということになっているところでございます。
我々で把握しているところによりますと、マンションの全数調査に十八の自治体が今現在既に取り組まれているとともに、マンションの管理状況に関する届出報告制度に九自治体が導入をされております。そのうちの四自治体では、条例においてそれを定めておられるという状況にございます。
マンションの管理状況についての実態の調査、把握や管理組合への支援が行われるために、マンションの管理の適正化を図る上で非常に重要なことでございますので、国土交通省といたしましても、そういった先進的な自治体の取組事例を全国の自治体と共有するとともに、そうしました取組が今後ともより推進されるような方策について検討していきたいと思っているところでございます。
○行田邦子君 九自治体で取組が行われていて、そしてまた、そのうちの四自治体は条例によるものということですけれども、こうした自治体での先行事例を国交省としても見ていただいて、必要があれば国としても検討していただきたいというふうに思っております。
マンションの老朽化ということですけれども、マンションそのものの老朽化ということと、それから住民の高齢化という、二つの老朽ということがあるかと思いますけれども、厚労省さんにお越しいただいているので伺いたいと思うんですけれども、認知症と思われる人は全国で四百六十二万人ぐらいいるだろうという統計データを見ました。これはちょっと古いんですが、平成二十四年の時点のものです。恐らく今は更に増えていると思います。
じゃ、そのうちどのぐらいの方がマンション住民なのかというのは、これははっきりとした統計データはないんですけれども、マンション住民が国民の約一割強とすると大体五十五万人ぐらい、あるいはそれプラスアルファですね、がマンションに住んでいる認知症の方ということになるのかなと。まあ結構な数であります。
そこで伺いたいんですけれども、マンションにおける認知症のトラブルの防止とか、あるいは孤独死などを防ぐために管理組合が一体何をできるのか、またどこまでやってよいのかということを私もマンション住民なので常日頃考えているんですけれども、このマンションに住んでいる認知症と思われる方に対する対策についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山本麻里君) 厚生労働省では、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り支援する応援者である認知症サポーターの養成に取り組んでおります。現在、平成三十年九月末現在でございますが、全国で約一千六十六万人の方が受講されております。
民間企業による認知症サポーター養成も進んでおりまして、マンション管理会社においても社員向けの養成研修を実施し、これまでに約七・五万人がサポーターとなっていらっしゃいます。昨年度には、マンション管理も含め、特に認知症の人に接することが多い業を対象とした養成研修用DVDを作成し、地域で暮らす認知症の人を見守る一員として望ましい接し方などの理解をより深めていただいているところでございます。
今後とも、マンション管理などにおける認知症サポーターの養成を推進し、認知症の人に優しい地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非、マンションに住んでいる認知症の方への対策ということも、特化したことも厚労省さんとしても進めていただきたいと思いますし、特に、私もマンションに住んでいて、よく同じマンションの方と言うんですけど、一つ屋根の下というふうに言いますけど、同じ建物に住んでいて共有スペースを一緒に共有したりというと、認知症の方がいると、ほっておくわけにいかないけれども、じゃ一体何ができるのかという、こういう問題増えてくると思いますので、是非よろしくお願いいたします。
それでは次に、住宅セーフティーネットについて伺いたいと思います。
昨年の通常国会で審議いたしまして成立いたしました住宅セーフティーネット法の改正ですけれども、昨年の十月二十五日に改正が施行されています。一年ちょっとたったということですけれども、昨年の通常国会で私も質問に立たせていただいて、一生懸命考えて練られた制度だなと思いながらも、ああ、じゃ、これ実際どうなのかなと、機能するのかなというのを心配しながら質問したのを覚えております。
そこで、その実績を見てみました。ちょっと残念ながらなんですけれども、登録実績戸数が十一月三十日現在で六千二百三十七戸ということです。これがどんなものかといいますと、法案の審議の際に示された、国交省が出したKPIですね、目標数値は年間五万戸ということでしたから、はるかに及んでいないという状況です。
この登録実績戸数についての大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づく住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅につきましては、二〇二〇年度末までに十七万五千戸の登録を目標としておりますが、本年十一月三十日現在で六千二百三十七戸の登録と、受付審査中のものと合わせても八千四百七十一戸にとどまっているといった状況であります。
セーフティーネット住宅が少ない原因といたしましては、賃貸住宅の所有者に制度がまだ十分知られていないことが考えられるほか、事業者団体からは事務の手間や手数料等についての御指摘もいただいているところでありまして、こうした点を改善して、登録実績を大幅に伸ばしていくことが必要と考えております。
このため、国土交通省といたしましては、地方公共団体や事業者団体等と協力いたしまして、説明会やセミナー等による制度の周知や居住支援活動の充実を図るとともに、七月に省令を改正いたしまして、登録に係る申請書の記載事項や添付書類等を大幅に削減をし、あわせて、登録手数料を徴収している地方公共団体に対し手数料の無料化や減額を求めるとともに、登録申請に係るシステムの改修を順次実施をしているところであります。
今後も登録を促進するための取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 高齢者の方や、またお子さんがいる世帯、そしてまた低所得者の世帯、それから外国人など、住宅を確保するのが困難な方に対してしっかりと制度として住宅を確保しやすくするということ、これ必要な制度だと思いますので、是非これ実績が上がるように取り組んでいただきたいと思っております。
この登録戸数なんですけれども、これを見てみますと、都道府県でかなりのばらつきがあるなというのが分かります。六千二百三十七戸の登録のうち、これ大阪府は四千九百十三戸ということです。一方でなんですけれども、登録ゼロの県が十二県あるという状況であります。
かなりのばらつきがありますけれども、国交省として、これに対してどのような取組をなされていますでしょうか。
○政府参考人(石田優君) 改正住宅セーフティーネット法の施行から一年が経過いたしまして、各地方公共団体においては、セーフティーネットの住宅の登録の促進に係る取組のほか、手数料の見直し、補助事業の実施、また、登録に当たりまして面積基準の緩和、居住支援活動の推進などの取組が進んでおりますけれども、その取組につきましては地域差が生じているのは事実でございます。
今御指摘ございました大阪府におきましては、居住支援協議会の活動の一環として、国からの補助金も活用いただきながら、登録申請者の申請支援を行っていただいておりまして、先ほどありましたとおり、本年十一月三十日段階で、大阪府内に登録の戸数は四千九百十三戸まで来ているところでございます。
国土交通省では、こうした状況を踏まえまして、個別の公共団体に対しまして大阪府などの先進的な取組を進めている公共団体の取組を紹介しますとともに、取組が遅れている公共団体などに当局の職員が直接訪問をするなどして取組の促進を促しております。
今後とも、セーフティーネットの住宅の登録の促進に向けて努力してまいりたいと思っております。
○行田邦子君 非常に手間の掛かる仕事だと思いますけれども、だからこそやはり行政がしっかりと踏み込んでやっていかなければいけないのではないかと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。
ちょっと、あともう一問用意しておりましたけれども、時間となりましたので終わらせていただきます。

【議事録】国土交通委員会

2018年12月14日

2018年11月29日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず初めに、日本海大和堆での北朝鮮の漁船の違法操業について伺いたいと思います。
今年もと言ってよいと思いますけれども、今年も六月頃から北朝鮮の漁船による日本海の大和堆周辺での操業が確認されました。そして、十月の中旬頃には多数の北朝鮮の漁船が我が国のEEZに侵入したということです。
海上保安庁長官に伺いたいと思います。この一連の大和堆における海上保安庁の対応についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(岩並秀一君) お答えいたします。
海上保安庁では、昨年より一か月以上早い五月下旬から大型巡視船を含む複数隻の巡視船を現場に配備し、水産庁と連携して外国漁船への対応を強化しております。
我が国EEZ内に侵入し、大和堆周辺海域に近づこうとする北朝鮮漁船に対しまして、本日までの時点で延べ千六百二十三隻に退去警告を行い、そのうち延べ五百十三隻に対して放水を実施し、我が国EEZの外側に向け退去させており、大和堆周辺海域への接近を防いでおります。
また、十月中旬に、大和堆より北方の我が国EEZ境界線付近において日本漁船と北朝鮮漁船が一時的に接近する状況が認められたことから、大和堆周辺海域に加えまして当該海域に巡視船を派遣して、放水等の厳しい対応によって我が国EEZから退去させております。
引き続き、必要な体制を整え、日本漁船の安全確保を最優先とし、水産庁と緊密に連携しつつ、これら外国漁船に対して厳正に対処してまいります。
○行田邦子君 海上保安庁におきましては、尖閣諸島周辺だけではなくて、大変広大な我が国のEEZ、管轄海域を、しっかりとその海の平和を守っていただくように日々任務に励まれることをお願いを申し上げます。ありがとうございます。
それでは、今日は宮腰海洋担当大臣にお越しいただいていますので、せっかくですのでお聞きしたいと思います。
今御答弁がありました、私が質問しました日本海の大和堆も含めてなんですけれども、我が国は四方を海に囲まれていて、広大な管轄海域、EEZを持っております。この我が国の管轄海域の海の秩序をしっかりと維持して、また海上の安全を守って、そしてまた今回のようなこの大和堆の事案のようなものに対しても的確に対処するためには、各それぞれの府省庁が持つ海洋情報を一元化するなど共有化をする、いわゆるMDA、海洋状況把握を強化すべきだと私は考えていますけれども、その取組についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮腰光寛君) 近年、より一層高まっている海洋由来の脅威、リスクをいち早く察知するとともに、海洋政策を着実に推進するためには、委員御指摘のとおり、MDAの取組を一層強化する必要があります。
今年五月に閣議決定されました第三期海洋基本計画におきまして、MDA体制の確立を海洋の安全保障の強化の基盤となる政策と位置付けまして、政府一丸となった取組を進めております。
具体的には、情報収集の能力強化のため、各種人工衛星、船舶、航空機などの整備と有効活用に取り組んでいるほか、収集した情報につきまして、情報の機密性等に応じた適切な取扱いを確保しつつ、一元的に管理、公開を行うとともに、広域性、リアルタイム性の高い情報共有を実現するための施策を進めております。
特に、情報の集約、共有につきましては、省庁間横断的に関連施策を進める上で極めて重要であることから、まず防衛、法執行に関わる機密性の高い情報の共有につきまして、防衛省、海上保安庁間の既存の情報共有システムによる連携の強化に努めております。
また、海洋安全、自然災害対策、海洋産業振興あるいは海洋環境保全などに資する情報につきましては、海上保安庁の海洋状況表示システムにおきまして一元的に集約、共有することとしておりまして、今年度中の運用開始を目指して開発を進めております。
広大な我が国の管轄海域の状況を適時効率的に把握し、様々な事態に適切に対処できるよう、MDAの能力の一層の強化に取り組んでまいります。
○行田邦子君 この度の大和堆での事案につきまして、関係省庁、海上保安庁や水産庁などに経緯とそれから対応についてお聞きしていたところ、まだどうもMDA、海洋情報の一元化、共有化ということが途上段階にあるのかなと。まあ、やり切れていないというか、というような印象を受けましたので、今年度中ということでありますので、是非ともMDAの取組を強化していただきたいと思います。
それでは、法案の質問に入りたいと思います。
まず、石井国土交通大臣に伺いたいと思うんですけれども、二年前の通常国会におきまして港湾法の改正の審議が行われて成立いたしました。それによりまして、平成二十八年七月にこの改正法施行されていますけれども、港湾における洋上風力発電のための占用公募制度が導入されております。約二年と三か月、四か月ぐらいたっているんですけれども、二年以上たっていますのでどのような進展があったのかなということ、気になって見てみたんですけれども、お手元に資料をお配りをしているとおりなんですが、資料の上の部分が二年前に通常国会でこの港湾改正法の審議がされたときの関連資料ですね。二十八年一月現在の導入計画ということです。で、下が平成三十年十一月現在の、今現在の導入計画ということなんですけれども、これを見ると、法施行後に新たに出てきている計画というのが見受けられないということです。もちろん、平成二十八年一月現在であった計画が、それは進展はしているというのは見受けられるんですけれども、新たな計画というのは見受けられないというのは、ちょっとこれはどういうことなのかなと思っております。
大臣に伺いたいと思いますけれども、この法施行後二年間での進捗状況をどのように評価していらっしゃるのか、そしてまた、今後の見通しについて伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 港湾区域内におけます洋上風力発電の取組につきましては、港湾法改正前には四つの港で事業者が選定をされ、環境アセスや設計等が進められております。平成二十八年の法改正による占用公募制度によりまして、平成二十九年に北九州港及び鹿島港において事業者が選定をされたところであります。
平成二十八年の法改正後には港湾区域内で新たな計画は出てきておりませんけれども、これらの港湾での導入が呼び水となりまして、現在はより大規模な導入が可能となる一般海域を中心に多数の事業が検討をされているところであります。
洋上風力発電事業は、今後、港湾区域と一般海域とを合わせて計画されることも想定をされまして、国土交通省といたしましては、必要な環境整備を図ることで再生可能エネルギーの導入、拡大に貢献してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 港湾における洋上風力発電は、港湾機能を損なわない範囲で余裕があればということだと思います。けれども、一般海域の方がやはり広いですし、ポテンシャルもあるのかなと思いますけれども、ただ、せっかく港湾法の改正をして制度を整備しましたので、港湾における洋上風力の発電も進むようにお取組をお願いしたいというふうに思います。
続けて、港湾の洋上風力発電について伺いたいんですけれども、この今審議されている法案の、一般海域における洋上風力発電の公募占用計画におきましては供給価格が記載事項の一つとなっておりまして、占用事業者の選定を決めるに当たりまして非常に重要なファクターとなると思っております。
一方でなんですけれども、港湾における洋上風力発電の占用公募制度では、公募占用計画に供給価格を記載することにはなっていないんです。我が国において再生可能エネルギーの中で伸び代がある洋上風力の導入を増やしていくためには、高コストという課題を克服しなければならないわけです。ですから、価格競争力のある電源としていく必要があるわけですけれども、港湾における占用公募制度においても供給価格を選定の評価の基準の一つとすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現在、港湾のプロジェクトにつきましては固定価格の買取りを前提にした制度となってございます。ただいま、経済産業省の調達価格等算定委員会におきまして、港湾区域を含む一般海域のルールの適用外になる案件につきましても、入札制への移行の可能性について今後委員会におきまして議論がなされるものと承知をしてございます。
今後の港湾区域における制度の在り方につきましても、このような様々な議論を踏まえ、経済産業省とも連携して検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○行田邦子君 港湾機能に支障を来さない程度ではありますけれども、しっかりと港湾においての洋上風力発電についても更に増えるようにお取り組みしていただきたいと重ねてお願いを申し上げます。
それでは、次の質問に移りたいと思いますけれども、洋上風力発電の導入の課題、この委員会でも午前中から様々な課題が指摘されていますけれども、その課題の一つとして、導入までに時間が掛かるということが挙げられています。その時間が掛かる要因の一つが環境アセスメントであろうかと私は思っております。方法書が作成されてから評価書の審査まで大体三年から四年程度掛かるというふうに言われております。この手続期間を短縮する取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。
風力発電のアセス所要期間の短縮につきましてでございますが、それにつきまして、審査の期間につきましては、地方自治体の審査と並行して実施をするということ、それから調査の期間につきまして、既存の環境情報を収集し、環境アセスメントデータベースとして整備、公表すると、このようなことなどの取組を行っているところでございます。その結果としまして、風力発電が環境影響評価法の対象事業に追加されてから現在までに全ての環境手続が完了している三件につきましてでございますが、おおむね手続期間半減が達成されているところでございます。
引き続き、手続期間の短縮の実績をしっかりと積み重ねられるよう、経済産業省とも連携しまして取組をしっかり継続してまいりたいと思います。
○行田邦子君 促進区域を指定する際には、国交大臣と経産大臣が関係大臣の一人である環境大臣との協議をするというふうにもなっておりまして、そこで促進区域を指定する際にも、環境大臣におきましては環境影響のリスクを低減するといったこともしっかりと考えていただきたいと思っておりますし、また、占用計画は、認定された後、導入に至るまでの環境アセスにおきましては、その事業者に対して環境省が持っている海洋データ、様々なものがあろうかと思いますけれども、そうした海洋データもしっかりと積極的に提供していただきたいと思いますし、また、恐らく環境省だけではなくて、各府省庁、先ほど私申し上げましたMDAに当たると思いますけれども、各府省庁が持っている様々な海洋データの中でも使えるものがあろうかとも思いますので、これはもう政府が協力し合って、民間にも出せるものはしっかりと海洋データを出していくということも必要かなというふうに思っております。
もう一問と思いましたけれども、時間が参りましたのでここで質問は終わりにさせていただきますけれども、今日もいろいろと審議がありました。洋上風力発電を導入する、増やしていくには様々な課題があろうかと思っております。その課題を克服する一つが今回の法律だと思っておりますけれども、それだけではなくて、系統制約、また蓄電の技術という課題もありますし、それからまた今日午前中お話があったSEP船、日本籍のものがないという課題もあります。こうした課題をこれから政府を挙げて是非とも克服するように取り組んでいただきますことをお願いを申し上げて、質問を終わります。

【議事録】国土交通委員会

2018年12月08日

2018年11月27日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日、障害者雇用の水増し問題について伺わせていただきます。
先般、国の機関におきまして障害者雇用率制度の対象となる障害者の不適切計上が発覚をいたしました。そして、こうした事態を受けまして、十月二十二日には、平成二十九年六月一日現在の障害者任免状況の再点検の結果が公表されました。その結果なんですけれども、国の機関における障害者の実雇用率は二・五%とされていたんですけれども、当初、それが実際は一・一七%であったということが明らかになりました。また、同時に、政府内に設置された検証委員会の報告書も公表されましたけれども、ここで、私もこれを読ませていただきまして、国土交通省に関する報告が目を引く内容でありました。お手元に資料をお配りをしております。
まず官房長に伺いたいと思うんですけれども、なぜこのような不適切な計上が国土交通省において少なくとも十年以上にわたり続けられてきたのか、その根底にある原因は何なのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
今委員御指摘の検証委員会の報告書の中におきましては、国土交通省において六百人を超える障害者の不適切な計上があり、法定雇用率を達成していない状況が明らかとなったところでございます。
この中で、特に国土交通省につきましては、前年からの引継ぎリストに名前の載っていた者を退職の有無を確認することなく漫然と追加記載するなどして計上したことにより、約十年前に退職した者等も含め合計七十四名の退職者が不適切計上されるという、各省様々な問題点ありましたけれども、国土交通省にはこういった特異性が見られると、こういった御指摘をいただいているところでございます。
このような事態を生じた原因でございますけれども、私どもとしましては、検証の結果としまして、組織全体として障害者雇用に対する意識が低く、長年にわたり担当者任せの中で対象障害者の不適切な計上を行うということが実務慣行として行われてきた、これが主因であるというふうに認識をしているところでございます。
○行田邦子君 障害者雇用に対する意識が低くとおっしゃいましたけれども、意識が余りにも低過ぎるというふうに言わざるを得ないと思っております。
続けて伺いたいと思うんですけれども、この検証委員会の報告書を読んでいまして、私にとってはちょっと理解し難かった点があるんですけれども、その点について伺いたいと思います。
国土交通省は、先ほどの御答弁にもありましたけれども、在職者中の障害者の数が法定雇用率を達してさえいればよいという発想で、在職者の中に何人障害者がいるのかを数えて、さらには、確認することもなく漫然と死亡者を含む退職者まで数に入れてしまっていたということでありますけれども、そもそもなんですけれども、国土交通省はこれまで障害者を対象とした特別な採用を行ったことがあるのでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員の御指摘がありました国土交通省のその計上、少し具体的に、どういったことだったかをまず申し上げたいと思います。
各部局から報告のありました障害者リストを取りまとめる際に、一部の担当において過去の障害者リストに掲載されていた者を追加して計上したケースがあり、その際、追加して計上する者について当該者が調査日時点で在職しているかについての確認を行っていなかったため、省全体で見ると退職者を計上するケースが生じたと、こういったことであると考えております。
今申し上げましたように、国土交通省においては、長年にわたり、既に雇用されている職員から新たに選択的に選定をして対象障害者を計上すると、そういった不適切な計上が行われていたということと認識をしております。こういった実務慣行の中で障害者を有する方を新たに採用すると、こういった意識に欠けていたことは否めないものと認識をしておるところでございます。
○行田邦子君 驚きなんですね。これは昭和三十五年から、その当時は身体障害者雇用促進法でしたけれども、この法律が制定されたときから、この法の趣旨というのは障害者を雇用していくという、例えば、行政機関におきましては身体障害者を採用するために採用計画を立てると、ですから、身体障害者を採用するという発想がそもそもある、それがこの法の根底にあるものだと思うんですけれども、そこを全く理解していないというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。愕然といたしました。
そこで大臣に伺いたいと思うんですけれども、私の認識では、石井大臣は福祉であるとかあるいは障害者の政策、また雇用促進といったことにとりわけ熱心に取り組んでいらっしゃるというふうに認識しておりますけれども、このような今の報告を受けまして、国土交通省でも障害者雇用の水増しがこのように行われていて、そして、ずっと新規に障害者を雇用したことがなかったというこのような報告を受けて、大臣はどのような感想を持たれたんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 民間事業者に率先して障害者雇用に積極的に取り組むべきことが当然の責務であるにもかかわらず、このような事態が続いていたことはあってはならないことであり、深くおわびを申し上げます。
この件につきましては、十月の二十三日に開催をされました関係閣僚会議におきまして総理から、今回の事態を深く反省し、真摯に重く受け止め、本日策定された基本方針に基づき再発防止にしっかりと取り組むことという強い御指示がございました。今般の事態を真摯に受け止め、深く反省をし、基本方針に沿って不適切計上の再発防止に取り組む決意であります。事務方に対しましては、二度とこのような事態が生じることのないよう注意をいたしますとともに、障害のある方の雇用の推進に全力で取り組むよう強く指示をしたところであります。
今後は、組織全体といたしまして障害者雇用を推進するという意識を徹底をし、公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、外局を含めまして平成三十一年十二月までの法定雇用率の速やかな達成と障害者のある方が活躍できる場の拡大に向け、全力で取り組んでまいる所存であります。
○行田邦子君 再発防止に取り組んでいただくのは不適切計上ということだと思いますけれども、それだけではなくて、これまで国土交通省は障害者を対象とした特別な雇用ということを、採用ということを行ってきていなかったわけですので、これについても今から新たに取り組むということになろうかと思いますので、是非、大臣のリーダーシップでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
さらに官房長に伺いたいと思いますけれども、平成二十九年六月一日現在で、法定雇用率まで達するには六百五十九・五人の障害者雇用が不足しています。この数は、対象障害者の計上数なので実人数とはちょっと違いますけれども、そういうことであります。現時点ではどのような状況なのか、そしてまた、来年の六月一日、これは六月一日時点での通報がまた来ますけれども、そのときまでにどのように法定雇用率を達成しようとしているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
国土交通省における障害者である職員の不足数でございますけれども、本年四月以降、法定雇用率が公務部門におきまして二・三%から二・五%に引き上げられているところでございます。これを踏まえまして、本年六月一日時点では、不足数は七百十三・五人ということになっております。
このため、国土交通省におきましては、平成三十一年十二月末までに七百三十二人の採用を予定する障害者採用計画を策定し、厚生労働大臣に提出したところでございます。採用は本省及び全国の地方支分部局等で実施することとしております。
ハローワークを通じた求人申込み、あるいは人事院が新たに実施をされる障害者選考試験等を活用し、法定雇用率の速やかな達成と障害のある方が活躍できる場の拡大に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
○行田邦子君 相当大変な努力が必要だと思います。
平成二十九年六月一日現在の、再点検後だと二百八十六・五人対象障害者がいるということですけれども、そこから七百三十二人に持っていくという、今現在は七百十三・五人ということですから、相当大変だと思っております。
また、人事院の選考試験での府省庁別採用予定数を見ますと、国土交通省は百六十九人となっていますよね。ですから、それ以外をどうやって採用していくのかということも相当大変だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
それから、続けて伺いたいんですけれども、国土交通省は、観光庁と海上保安庁を除くと約四万人という職員を擁している組織です。これぐらいの規模の組織で障害者雇用に本気で真剣に取り組むのであれば障害者雇用の専属的な担当者が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
国土交通省におきましては、今回明らかになりました問題点を踏まえ、障害者雇用の推進について、担当者任せにすることなく組織全体として責任を持って推進していく体制が必要であると考えております。公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、法定雇用率の速やかな達成に向けて必要な対策を講じていくこととしております。
具体的には、本省の大臣官房人事課において障害者雇用を担当する職員を定めております。その定めた職員が厚生労働省等と既に密接な連携を図り、対策を講じつつあるところでございます。具体的には、障害者雇用に関する講習会、厚労省が開催をしていただいているもの、こういったものにも積極的な参加を図っているところでございます。
加えて、省内に国土交通省障害者雇用推進連絡会議、各部局全て集まった会議を設置をさせていただきました。こちらにおきまして障害者雇用の拡大の取組を全省的な徹底を図るとともに、進捗状況のフォローアップを的確に実施していくこととしております。
これらの取組を通じまして、組織全体として障害者雇用の推進を図っていく所存でございます。
○行田邦子君 厚生労働省にも来ていただいていますので伺いたいと思いますけれども、そもそもこれは昭和三十五年の法律の制定からなんですが、行政機関は民間に率先して自ら範を示すというようなことで障害者雇用率を上乗せということをやってきたと思っておりますけれども、ただ、蓋を開けてみれば、高邁な精神論でそういったことをしているんですけれども、実際は民間の方が今ははるかに進んでいるというふうに思っております、それは意識、実績の両面においてということだと思いますけれども。
これから、この自ら、自らといいますか、決めた法定雇用率、行政機関における法定雇用率を達成できるとお考えなのでしょうか。また、どのように達成するつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(北條憲一君) 今般、多くの府省におきまして対象障害者の不適切な計上により法定雇用率を達成していないということが明らかになり、国民や民間事業主の不信を招く事態となっていることから、できるだけ速やかに法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があると考えております。このため、法定雇用率を達成していない府省におきましては、平成三十一年末までの障害者採用計画を策定し、この計画を実現するための各種の取組を行うこととしております。
具体的には、例えば、実務責任者の配置などにより府省内における障害者雇用の推進体制の整備であるとか、障害のある職員本人からの相談を受け付ける窓口を設置することとしております。また、個々の障害者のサポートをする支援者の配置、委嘱を行う等々、こういったことによりまして障害者が活躍できる職場環境の整備を図ることとしております。
厚生労働省といたしましては、これらの各府省の取組を支援するために、一つには、民間企業や就労支援機関での豊富な支援経験を有するアドバイザー、こういった方を選任いたしまして、各府省に対して働きやすい職場環境づくりなどに関する専門的な助言を行うことができる体制の整備を図ることとしております。また、障害者雇用に関する各府省の職員の理解を促進するための各種のセミナーですとか講習会の開催を進めているところであります。また、ハローワークにおきましても、積極的な職業紹介、就労支援機関との連携の推進を図ることとしておりまして、既にこれらの取組を開始しているところでございます。
今後、これらの取組につきましては、その成果が上がるよう十分フォローアップを行い、各府省における障害者の雇用が量、質共に推進されるよう、最大限努力してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 企業の経営者の皆さん、もう怒っているというか、あきれている方、多いです。厚生労働省も国の行政機関の障害者の雇用に対して関心が低かったと言わざるを得ないと思っておりますので、これからしっかりと取り組んでいただきますよう要請しまして、質問を終わります。

【議事録】国土交通委員会

2018年12月05日

2018年11月20日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
先ほどから議論がなされていますけれども、この夏は実に多くの自然災害が日本列島を見舞いました。自然災害は今後も起こり得るものという前提に立たなければいけないと改めて認識をしているところです。災害からの復旧また復興を迅速に行うための事前対策として、地籍調査を行っておくということが非常に重要かと思っております。
まず、大臣に伺いたいと思います。事前防災対策としての地籍調査に対する大臣の御所見と、そしてまた国交省としてのお取組を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 地籍調査の実施によりまして土地の境界を明確にしておくことは、災害後の迅速な復旧復興、社会資本の整備、土地取引の円滑化などに資するため、大変重要と認識をしております。
例えば、東日本大震災で被災した東北地方では、平成二十二年度末当時の地籍調査の進捗率が、例えば岩手県では九〇%、宮城県では八八%に達しておりまして、全国平均四九%に比べて大変高い状況にございました。このため、東日本大震災からの復旧復興に際しましては、地籍調査の成果を活用することによりまして、用地取得が円滑に進み、迅速な事業の実施につながった例もありました。
震災を契機といたしまして、災害への備えとしての地籍調査の重要性が再認識をされ、調査に取り組む市町村も増加をしているところであります。
国土交通省といたしましては、防災対策に資する地籍調査に取り組む市町村を重点的に支援してまいりますとともに、地籍調査の円滑化に向けた制度の見直しにつきましても検討してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 大臣がおっしゃられたように、東日本大震災からの復旧復興を目の当たりにしまして、全国の市町村では早く地籍調査を完了させたい、実施したいという希望が増えてきているという状況と聞いています。
一方でなんですけれども、配付資料一、お配りをしているとおりなんですけれども、地籍調査の予算なんですけれども、横ばいと言っていいと思います。横ばいです。三・一一東日本大震災の翌年はちょっと増えています。当初予算でも増えていますけど、それ以降は当初予算は横ばいと。補正で増えてはいますけれども、ただ、もっと増えてもよいのではないか、増やさなければいけないのではないかと思っております。
といいますのは、私がおります埼玉県の例なんですけれども、埼玉県が地籍調査をやりたいという市町村の要望を取りまとめて、大体このぐらいは国の補助もいただいてできるだろうと思っていた額なんですけれども、実際蓋を開けてみたらば、それが二割ぐらいできなかったということもあります。
結局、そうなると、市町村としては諦めざるを得ない、またあるいは翌年以降に延ばさざるを得ない、どうしてもやらなければいけないのであるとすると、市町村の負担が増えてしまうという状況です。これ、埼玉県だけではなくて、全国的にもこのようなことが起きていると思っております。これだけの予算規模ですと、なかなか市町村の要望に応え切れていないというふうに思います。
市町村でも重要性を認識して、また都道府県も何とかこれ後押しをしたいと思っていて、そしてまた、大臣が先ほどの御答弁にあったように、地籍調査は自然災害からの復旧復興の事前対策として非常に重要であるということを国も認識しているわけでありますので、是非とも地籍調査の予算を増やすように頑張っていただきたいというふうに思っております。
一方でなんですけれども、ただ無尽蔵に幾らでも予算が増えるということでもないかと思っておりますので、ここで伺いたいと思うんですけれども、限られた予算の中でいかに効率的に地籍調査を実施する工夫も必要だというふうに思っておりますけれども、その取組について伺いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 答弁申し上げます。
国土交通省としましては、これまでも地籍調査を効率的に進めるため、例えば人工衛星を活用した効率的な測量手法の導入などの措置を講じてきたところでございます。
これらの措置に加えて、地籍調査の更なる効率化を図るため、本年十月より国土審議会の国土調査のあり方に関する検討小委員会を設置いたしまして、二〇二〇年度から始まる次期十箇年計画策定に向けた検討を開始したところでございます。具体的には、所有者が不明な場合を含めた立会いの手続の合理化や、あるいは新技術による測量の更なる効率化など、地籍調査を更に円滑かつ迅速に進めるための措置について今後検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 地籍調査も、いいかげんであってはもちろんいけませんのでしっかりと精度が落ちないようにやっていただきたいと思いますけれども、かつ、人がやる部分の効率化と、あと新しい技術の導入など取り組んでいただきたいと思います。
そして、地籍調査なんですけれども、今全国平均で五二%という進捗率です。全国の市町村の四分の一がまだ未着手という状況であります。なぜ市町村が地籍調査の重要性を認識しながらもなかなか進まないのかという、その要因の一つが市町村における地籍調査を担当する職員の不足、またあるいは地籍調査を担当できる職員がいないといった職員の問題であります。
民間に任せられることはもう大いに民間に任せていただくべきだと思っています。土地家屋調査士とかあるいは測量士に任せられるところはどんどん任せていただきたいと思いますけれども、ただ、やはり市町村の職員が自らやらなければいけない業務、例えば住民への事前説明会をやったりとかあるいは境界を確定するときの立会いも、やはり市町村の職員がいる方がこれは効率よく結果的に進むと思っていますし、また、先ほどの御答弁にもありましたとおり、所有者不明の土地があった場合のその所有者の探索、これはやっぱり市町村の職員がやらなければいけないと。それから、そもそも外部に発注するとしても、その発注能力といいますか、何も知識がなかったら発注もできませんので、どうしてもやはり市町村の職員がやらなければいけない業務があるかと思います。
こうした地籍調査を担当する職員不足という現状に対して、国交省としてはどのような取組がなされていますでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 委員御指摘のとおり、担当職員が不足するなど地籍調査の実施体制が十分でない市町村があることも地籍調査の推進を妨げる要因の一つであろうかと認識しております。
このため、国土交通省におきましては、地籍調査の実施体制の強化を図るため、計画準備や工程管理も含めた包括的な民間委託の制度を平成二十二年度より導入したところでございまして、この制度は現在百を超える市町村で活用されております。また、地籍調査の進捗が遅れている地域においては、国の基本調査として官民境界の測量データなど市町村の地籍調査に必要となる基礎的な情報を国が先行して整備していると、そういった取組を行っているところでもございます。
こうした取組を通じて、地籍調査を実施する市町村の支援に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 埼玉県でも一部やっていただいていると思いますけれども、国が先行して整備をするといったこと、これも是非必要なところ、優先順位を付けながらでしょうけれども、やっていただきたいと思っております。
次のテーマなんですけれども、宅配便増加への対応について幾つか伺いたいと思います。
ネット通販の拡大、普及によりまして宅配便の取扱個数が急増しております。配付資料二、お手元にお配りしておるとおりなんですけれども、二〇一七年度は前年度比五・八%増の四十二億五千百三十三万個と過去最高ということです。十年前に比べますと宅配便の配達個数が一・三倍ということで、これ急増していると言ってよいかと思います。
そして、一方でといいますか、再配達、問題になっています再配達率ですけれども、これ、国土交通省の定期調査で、平成三十年四月期ですと若干減って一五%と、確かに減っているので、いろんな取組をされているかと思いますけれども、依然高いという状況で、社会問題と私は言ってよいかと思います。これによって、トラック運転手の人手不足に拍車を掛けたり、また労働環境の悪化を招いているという指摘もあります。
そして、宅配便の大手は様々な努力をしていて、例えばネット通販会社との契約を見直したりとか料金そのものを上げたりとか、あるいはヤマト運輸なんかは総量規制をしたりと様々なサービス維持のための対応をしていると聞いていますけれども、他方で、軽貨物運送業による下請がネット通販の宅配の受皿となっているという見方もされております。
この点につきまして、国交省としてどのような実態を把握していますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
トラック運送業におきましては、ネット通販の拡大などによりまして宅配便取扱個数が増加している一方、宅配便に限らず人手不足が課題となっている状況にございます。御指摘の貨物軽自動車運送事業者への下請の状況につきましては、ネット通販などの配送を行っている一部の運送事業者から聞き取った範囲では、貨物軽自動車運送事業者を下請とすることが以前に比べて増えているというところもあると承知をいたしております。
平成二十八年度の宅配便取扱個数は、平成二十八年十月より集計に含めたゆうパケットを除きますと、前年度と比較して四・四%増加し、平成二十九年度の宅配便取扱個数は、前年度と条件をそろえて比較した場合、一・一%増加をいたしております。また、事業者数と車両数で見ますと、一般貨物自動車運送事業の事業者数及び車両数は最近おおむね横ばいで推移をいたしております。
一方、全国の貨物軽自動車運送事業者数につきましては、平成二十四年度から平成二十七年度につきましてはおおむね横ばいで推移をいたしておりましたけれども、平成二十八年度及び平成二十九年度はそれぞれ前年度に比較して約二から三%増加をいたしまして、平成二十九年度末には約十六万三千事業者となっているところでございます。
また、貨物軽自動車運送事業の車両数についても、平成二十四年度から二十七年度については平均増加率が約一%であったところ、平成二十八年度及び平成二十九年度はそれぞれ前年度に比較して約三から四%増加をいたしまして、平成二十九年度末には約二十七万五百台となっているところでございます。
宅配便取扱個数の増加と貨物軽自動車運送事業の事業者数や車両数との増加との因果関係は必ずしも定かではございませんが、貨物軽自動車運送事業者がネット通販商品の配送増を担っている可能性もあるのではないかと考えているところでございます。
○行田邦子君 平成二十八年、二十九年と貨物軽自動車運送業者の届出が少し増えているということでありました。因果関係はきちんと調べていただきたいと思いますけれども、といいますのは、今からちょっと申し上げますけれども、私が今、宅配便の軽貨物ドライバーによる下請でどのようなことが起きているのか聞き取った一例を配付資料三でお配りをさせていただいております。
これ関東の例ですけれども、このような事例があるということです。下請軽貨物ドライバーの業務請負の例です。まず、ネット通販業者から、ネット通販会社からトラック運送会社が宅配便の委託を受けて、それを更にいわゆる個人事業主の軽貨物ドライバーに業務委託をするという形を取っているのが増えているということで、私が一例を挙げさせていただいています。
どういうことかといいますと、まず、その下請の軽貨物ドライバーは朝六時半にその中間運送会社の事業所に行って一日の荷物の確認をすると。で、配達を始めて、大体その配達が終わるのは夜九時、二十一時と。そして、事業所に戻って事務作業をすると、仕事が完全に終わるのは二十三時ということだそうです。
これ、中間会社から言われているのは、一日の配達のノルマは九十個ですよと、そして請負金額は一日一万八千円と。ただ、個人事業主で業務委託契約ですので、ガソリンなどの諸経費は自分持ち、それから車を持っていないのでリースを中間会社から、あるいは中間会社を経由して車をリースしているという方もいらっしゃるようでして、そんなこんなを差し引くと一日一万円から一万二千円になるということで、これはあくまでも個人事業主としての軽貨物ドライバーが中間運送会社と業務委託契約を結んでいるということの一例なわけでありますけれども、どうなんでしょうか、これ。今私が御説明したものなんですけれども、まず、これ労働者というふうに見ることができるのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。
個別の事業所に関わることにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、一般論として、労働基準法における労働者とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいうということになっております。
この判断なんですが、労働基準法上の労働者に該当するか否かは契約形態にかかわらず実質で見るということになっておりまして、例えば、仕事の依頼や業務指示などに対する諾否の自由があるかどうか、業務を遂行する上で指揮監督を受けているかどうかなどの実態を勘案して、総合的に判断をいたします。
契約において請負あるいは委任といった形式であっても、労働者としての実態があれば労働基準法上の保護を受けるものでございまして、労働基準監督署におきましては、個別具体に労働者としての実態があるかを判断しまして、結果として法違反が認められる場合には、是正に向けた指導を行うなど、対応をしているところでございます。
○行田邦子君 今私が御説明した、あくまでも一例ですけれども、これだけだと、これが労働者性があるのかどうかというのは認められないと思いますけれども、あくまでも個々のケースによると思いますけれども。
それでは、続いて伺いたいと思うんですけれども、それでは、これまでになんですけれども、業務委託契約の形態を取っているんだけれども、自分自身がこれは被雇用者、労働者ではないかといったような相談が軽貨物運送業者から労働基準監督署に寄せられるケースがあったかどうか、また、労基署による指導やまた是正勧告がなされたケースはあるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田中誠二君) 御指摘のような事例として、実際に労働基準監督署に御相談があり、それを基に調査をして是正勧告を行った事例はございます。
例えば、業務委託契約により荷物の配送業務を請け負っていた方から賃金が支払われていないとの申告が監督署にあり、監督署において調査を行ったところ、労働日、勤務時間、勤務場所、業務の内容などについて具体的に指示を受けておりまして、仕事の依頼について諾否の自由が認められないという状態、さらに、働いた時間数に応じた賃金が支払われていたというような実態が認められたために、この方は労働基準法上の労働者に当たるとして、賃金の支払を指導する是正勧告を行った事例がございます。
○行田邦子君 民民同士の業務委託契約ということであれば、これは受託している方も納得の上で契約しているわけですので、そこに口を挟むということはすべきではないとは思いますけれども、ただ、これが労働者性が認められるのであれば、それはしっかりと労基署の方でも指導監督、また是正をしていただきたいと思います。
それで、局長に伺いたいと思うんですけれども、私が今配付資料三でお配りした、これは例ですけれども、これが業界において特別な例でないとすればなんですけれども、残念ながら健全な業界とは言い難いというふうに思っております。
運送業においても、今、業界も積極的に働き方改革を推進していると思います。また、更にこれからやっていこうというふうになっているわけでありますけれども、それを進めようという理由というのは、被雇用者のドライバーの労働環境が改善する、それだけでよいということではなくて、そのことによって、労働環境が改善することによって、それは個人事業主の軽トラドライバーも含めて労働環境が改善をすることによって、労働生産性が向上して、そしてまた日本の物流の進化、発展を遂げることができると思っているから働き方改革を取り組んでいるんだと思いますけれども、その点につきまして、物流を所管する国土交通省として、この今私が申し上げた宅配便の配達の軽トラドライバーへの下請の実態についてしっかりと調査をするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
トラック運送業における働き方改革を進めるに当たりましては、貨物軽自動車運送事業において存在いたします個人事業主も含めて取組を進めていくことが重要であるというふうに認識をいたしております。このため、長時間労働抑制に向けまして、昨年度、貨物自動車運送事業法に基づく省令において定められております事業用自動車の運転者の過労運転防止のための基準につきまして、貨物軽自動車運送事業者の事業主等が運転者となる場合も適用される旨通達において明確化したところでございまして、違反が確認された場合には厳正に対処していくことといたしております。
また、下請事業者のドライバーの適正な労働条件や安全運行を確保するためには、下請に係る取引条件を適正なものにする必要がございます。国土交通省におきましては、いわゆる下請法などとの関係において問題となり得る行為類型でありますとか望ましい取引の在り方を示したリーフレットを制度所管省庁とともに作成をいたしまして、荷主や元請事業者への周知を実施するなどの取組を進めているところでございます。
また、加えまして、国交省からの要請を踏まえまして全日本トラック協会が昨年三月に策定をいたしましたトラック運送業の適正取引推進のための自主行動計画におきましては、個人事業主との取引も含め全ての取引について原則二次下請までに制限すること、改善基準告示違反の可能性があることを理由に自社運行せずに下請運送事業者に対して運送依頼をすることを禁止することといった内容が盛り込まれておりまして、取組が推進されております。
個人事業主も含めて働き方改革の取組を更に進めていく上では実態を把握することは重要であると認識をいたしておりまして、今後、事業者からのヒアリングも含めまして情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 是非、トラック運送業、そしてまた日本の物流の健全な発展のためにしっかりと実態を把握して、また、問題があれば取り組んでいただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございます。

【議事録】東日本大震災復興特別委員会

2018年07月19日

2018年7月11日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
この度の豪雨の被災地の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
そしてまた、今日はお忙しい中、四人の参考人の皆様には貴重な御陳述をいただきまして、ありがとうございます。
まず最初に、大西参考人に伺いたいと思います。
大西参考人は、日本学術会議原子力利用の将来像についての検討委員会、また分科会の委員長を務められて、そして提言をまとめられていらっしゃいます。その提言の第一番目に、東電福島第一原発事故の被災者の健康管理、生活再建と被災地域の復興ということを挙げられています。
先ほどの陳述の中でも人の復興ということが重要であるということをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、原発事故からの被災者、これ、区域外に住む方も含めての健康管理、また生活再建、具体的にどのようなことが、どのような視点で国は政策を選択を行っていくべきか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(大西隆君) 今引用していただいたのは、追加資料としてお配りしてあるものの日本学術会議の提言ということで、昨年の九月にまとめたものであります。その中にも提言が七つあるわけですが、一番目が今御指摘の提言であります。
ただ、今日私が述べました人の復興と場所の復興という用語については私の独自なものですので、学術会議のこの提言の中に入っているわけではありません。考え方は共通しているものがあるというふうに認識しています。
それで、今の点ですが、人の復興と場所の復興を分けたのは、例えば津波被災地の場合には多くの方が津波の翌日から復興に加われる、あるいは復興の作業に入れるという、極端に言えばそういうことではないかと思うんですが、原子力災害の場合には影響が長く残るためにそういうわけにはいかないということで、復興が実際に始まる、場所の復興が始まるのがかなり時間を経過してしまうので、その間、それぞれの人々はどこかで、最初は避難者かもしれないけれども、自立したそれぞれの希望に応じた生活を始めていく人も出てくるということであります。
それも、原因としては原発事故が原因になっていますので、もちろん自立的に生活していく人はまさに自立的に生活されるわけですけれども、制度としては、そういう方々が従前の生活レベルに匹敵する生活ができるような一定の、支援をするような仕組みというのが必要になるというふうに思います。
それが十分であるかどうか、私は詳細な分析をしておりませんので、ここではそれ以上は申し上げませんけれども、調査をした上で、それが実際にそれぞれの地域で人の復興にふさわしい再建というのができているのかどうかということについて把握をして、対策を講ずるべきだということではないかと思います。
特に、その中で健康問題というのが心配になっているわけであります。現状でも、福島以外でも検査を受けられる制度というのがあるというふうに理解しておりますけれども、不安に思われる方がどこでも検査を、各地の医療機関で検査を受けられるような制度というのをつくることで、安心してどこにあっても暮らせるという状態が望ましいと。
ただ、これをいわゆる被曝手帳のような格好で本人を証明するようなものを発行するのがいいのかどうか、ここはいろいろな議論があり得ると思いますが、かなりある意味で息長くそうした健康管理というのをしていく体制というのは必要なんだろうというふうに思っております。そういうことを集約的に書いたのがこの提言の一でございます。
以上でございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。

【議事録】国土交通委員会

2018年06月22日

2018年6月12日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今日、ちょうどシンガポールでは米朝首脳会談が行われておりますけれども、そのお隣の国のマレーシアのマハティール首相が昨日から来日をされておりまして、ちょうどこの時間でしょうか、国会内でも講演をされているということで、お聞きできないのが残念ではありますけれども、そのような状況であります。
政権に返り咲いたマハティール首相でありますけれども、大型のインフラプロジェクトの見直しということを進めております。例えば、日本政府が注目をしているプロジェクトに選定しているクアラルンプール―シンガポール間の高速鉄道、HSRについては中止を表明をしていますし、また、中国が既に受注している東海岸高速鉄道も、これも中止の交渉に入っているというふうにも聞いております。
マハティール首相の政権復帰が今後の日本のインフラ輸出にどのような影響を与えるとお考えなのか、また、どのような戦略で取り組んでいくのか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) マハティール首相は、政権公約であります外国企業からの支援を受けた大型インフラプロジェクトの見直しに従って、記者会見等の場でマレーシア―シンガポール間高速鉄道計画の中止やマレー半島東海岸鉄道線の再交渉について発言を行っていらっしゃいます。
マハティール首相の就任が今後の日本のインフラシステムの海外展開に与える影響は必ずしも明らかではありませんけれども、今後とも、我が国の知見、ノウハウを生かしてマレーシアの課題解決に貢献していくことが重要と考えております。
このため、日本の高い技術、ノウハウを生かしつつ、維持管理まで含めたライフサイクルコストが低廉で環境面、防災面にも配慮をし、人材育成や制度構築支援も併せて行う日本の質の高いインフラのコンセプトによって、競合国と差別化を図りながら、インフラシステムの海外展開を引き続き推進をしていきたいと考えています。
○行田邦子君 日本の質の高いインフラということをしっかりと理解をしていただくと同時に、また、マレーシアがどのようなインフラを望んで、また必要としているのかといったこともしっかりと把握をしていただきたいと思っております。
それでは、シップリサイクル法でありますけれども、船舶の解体作業は、人件費やスクラップ鉄の価格やまた需要といった観点から、現在はバングラデシュ、インド、パキスタン、中国の四か国で九七%を占めているということでありまして、環境保全やまた労働災害といったことが国際問題化されております。
こうした中、二〇〇九年に採択されたシップリサイクル条約でありますけれども、これは先ほどからお話があるように、日本が主導して作成されたものということでありまして、日本におきましても締結に向けての国内法の整備が急がれているという状況で、今日の審議に至っているということであります。
一方で、この条約発効のためにはインドと中国の締結が必要であるということでありますけれども、これら二か国においての締結に向けての状況をお聞かせいただきたいのと、また、インド、中国での締結を促すための日本の取組についてもお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
シップリサイクル条約の発効のためには、インドや中国といった主要解体国の締結が必要不可欠でございます。このうち中国に関しましては、既に関連国内法の整備を終えており、早期の締結が見込まれるというふうに聞いております。また、インドにつきましても、二〇一七年九月の日印共同声明におきまして早期締結の意思を確認しております。このほかにも、トルコも締結の最終段階にあると聞いておるところでございます。
シップリサイクル条約の作成を主導した我が国では、これら主要解体国の条約締結に向けまして、官民を挙げた取組を行ってまいりました。
具体的には、我が国は、二〇一七年九月に、インドにおける解体施設を改善するため、ODAによる支援を決定いたしました。さらに、二〇一六年二月にはロンドンで、中国を含む各国からの官民の関係者を対象に、我が国がシップリサイクル国際セミナーを主催し、条約基準に適合する解体施設のモデルケースの紹介や、締結に際しての課題の意見交換等を実施いたしました。このほか、民間におきましても、日本海事協会が二〇一二年から、インド、中国等の解体施設に対し、条約適合に関する認証や改善に向けたアドバイス等を実施しているところでございます。
今後とも引き続き、主要解体国への可能な協力を行いまして、シップリサイクル条約の締結を働きかけてまいりたいと思います。
以上でございます。
○行田邦子君 条約の作成に主導的な役割を果たした日本におきましては、発効においてもやはり積極的に取組を行っているということであります。
先ほどの御答弁にも少しありましたけれども、インドに対する円借款ODA事業について伺いたいと思います。
昨年九月十四日に合意した円借款ODAですけれども、グジャラート州アラン、ソシヤ地区シップリサイクル環境管理改善計画であります。インドは原則、タイド援助、いわゆるひも付き援助は国の方針として受け入れないということでありますけれども、本件についても国際競争入札となっておりまして、日本企業が応札また落札するとは限りません。
このODA事業は、私は、シップリサイクル条約のインドの早期締結を促し、発効要件を満たすために意義のある事業だと、援助だと思ってはおりますけれども、ただ、日本とインドの関係強化とか、あるいは成長するインド市場をしっかりと取り込むというような日本の成長戦略といった視点からはどのような意義があるとお考えでしょうか。
○政府参考人(塚田玉樹君) 委員御指摘のとおり、本事業を通じてインドでのシップリサイクル条約の実施体制の整備を後押しするということは、この条約の早期締結をインドに促していくという上で非常に重要な意義があるというふうに考えております。
また、この事業はインド側の要請を受けて実現したものでございまして、昨年九月の日印首脳会談では、モディ首相から安倍総理に対しまして、本事業に係る日本の協力に対し深く謝意が示される等、首脳間あるいは二国間の関係を強化する上で非常な重要な意義を果たすものというふうに認識しております。
さらに、この事業は、インドにおける船舶解体施設を活用する船舶あるいは海運業界からも高い評価を受けているところでございまして、また、インドにおける船舶解体施設を利用する本邦の船舶あるいは海運業界に裨益するものでもありまして、我が国企業が海外で経済活動をしていくという上で、こうした活動を後押しするという意義もあるというふうに認識しております。
○行田邦子君 よろしくお願いいたします。
ODA、こういった事業を日本がやっているということ、もちろん政府間での認識共有ということだけではなくて、やはりその相手国の国民にもできるだけ知ってもらうということが重要だと思っております。また、そもそもODAは、日本企業が受注するためにやるという、そもそもそういうものではないということでもありますけれども、やはり日本の経済にも寄与するようなもので、そういったことであってもほしいなというふうにも思っております。
それでは、質問を続けさせていただきます。
二〇一三年十二月三十日に発効されたEU域内法ですが、先ほどからも質疑がありましたけれども、最も遅くて二〇一八年末に適用される予定ということであります。
このEU域内法なんですけれども、シップリサイクル条約の規制から上乗せがされているということです。例えば、施設整備についてとか、あるいはEUリストという、EUの船、EU籍船を受け入れるシップリサイクル施設に対しては審査をして承認をするという仕組みであるとか、あるいはインベントリーの対象となる有害物質など、こういったことが上乗せされているわけでありますけれども、また、この条約内容に上乗せ規制を加えることについて中国が懸念を示しているということもお聞きをしております。
これに対しての日本政府の見解、つまりEU域内法が条約の上乗せをしているということ、そして、それに対して懸念を示している国もあるということについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
EU加盟国によるシップリサイクル条約の締結及び実施を可能とするため、二〇一三年に関連のEU域内規則が採択されており、本年にも施行が見込まれると承知しておるところでございます。他方、このEU域内規則は、基本的にはシップリサイクル条約の要件に沿ったものであるものの、委員御指摘のとおり、一部におきまして上乗せとなっている規制がございます。
我が国といたしましても、海運、造船という世界単一の市場におきまして、国際統一ルールである本条約と異なる独自の地域性が設けられることに関しましては、我が国海運事業者にも混乱を招きかねないものでありますことから、好ましくないというふうに考えておるところでございます。
このため、これまでも我が国からEUに対しましてEU域内規則を本条約に沿ったものとするよう働きかけを行ってきており、引き続き、このような働きかけを継続してまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
○行田邦子君 海の上での、海洋での保全、また利用というのは、これは国際的な統一ルールを作るということが、これがお互いにとっての望ましいことであるというのがこれまでの人類が生み出した知恵だと思っておりますし、それを日本もしっかりと、やはり共通ルールであることが意味があるんだということをこれからもしっかりと打ち出していただきたいと思っております。
それでは次に、質問をさせていただきます。
日本は世界の中で造船が三位、そして海運業で二位という地位を占める海運国であります。そして、海事分野における国際的ルール作りにおいて主導的な役割を果たす責任があると感じております。
こうした中で、シップリサイクル条約も日本が主導的な役割を果たして作成されたわけでありますけれども、この国際海事機関、IMOにおいて、日本はどのように自らの影響力を高めて、そしてリーダーシップを発揮しているのか、具体的にお聞かせいただきたいと思っております。
それからまた、IMO職員が今二百二十人ほどいらっしゃるということでありますけれども、そのうち日本人職員は現在五名というふうに聞いています。これはIMOだけではないんですけれども、国連などの国際機関で日本人の職員の比率が低いということを私は問題視をしておりますけれども、IMOにおいても低い状況でありますが、日本人職員を増やすことも重要ではないでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
我が国は世界有数の海運・造船大国として、国際海事機関におきまして、その設立以来理事国の地位を維持するなど、強い影響力を有しております。昨年十二月に開催された理事国選挙でも、最多の得票数で理事国に再選されたところでございます。また、IMOにおける主要ポストの獲得等を通じまして人的ネットワークを形成し、我が国の国際的プレゼンスの向上を図ってまいりました。
例えば、シップリサイクル条約や船舶からの二酸化炭素、CO2排出基準などを扱う海洋環境保護委員会の議長を国土交通省の職員が、また、船舶の安全に関する小委員会の議長を海上技術安全研究所の職員がそれぞれ務めているところでございます。
このように、我が国はIMOにおきまして高いプレゼンスを発揮しながら、シップリサイクル条約を含めて、安全や環境に関する効果的かつ合理的な様々な国際ルール作りに貢献してきたところでございます。
委員御指摘のIMOの事務局職員につきましては、現在、部長職を含め五名の日本人職員が勤務しておりますが、引き続き、産学官公の連携によりまして、IMOにおいて活躍できる人材の更なる育成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございました。

 

【議事録】決算委員会

2018年06月22日

2018年6月4日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は官民ファンドについて伺いたいと思います。
まず、会計検査院にお越しいただいていますので、伺いたいと思います。
平成三十年四月の会計検査院随時報告では、官民ファンドにおける業務運営の状況について報告をされています。官民ファンドについて横断的に検査を行ったのは今回が初めてということでありますけれども、会計検査院として自らの判断で検査を行ったその理由をお聞かせいただきたいと思います。
また、今回の報告の中で、たくさんあるとは思いますけれども、特に一点だけ強調するとしたらばどのような点でしょうか。
○説明員(堀川義一君) お答え申し上げます。
官民ファンドにつきましては、平成二十五年一月に閣議決定された日本経済再生に向けた緊急経済対策を背景といたしまして、二十四年度から二十七年度にかけて多くのものが創設されるなどしております。そして、官民ファンドの業務運営に関する政府出資等の額は多額に上っており、官民ファンド運営法人が行う支援に損失が生じていないか、政策目的に沿った支援が行われているかなどについて国民の関心が高くなっております。
このような状況を踏まえまして、会計検査院は、官民ファンドにおける業務運営の状況について検査を実施し、本年四月に会計検査院法第三十条の二の規定に基づき、国会及び内閣に対して報告したところであります。
今回、官民ファンドにおける業務運営の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から検査を行ったところでございまして、所見といたしまして、最終的に国が政府出資等の額を回収できるように、繰越損失を解消するまでの計画等について必要な見直しを継続的に行い、必要な施策を講じていくことに留意する必要があることなどを記載したところでございます。
○行田邦子君 それでは、個別の官民ファンドについて見ていきたいと思います。
まず、農林漁業成長産業化支援機構、いわゆるA―FIVEですけれども、お手元に資料をお配りをしておりますので御覧いただきたいと思いますが、資料一、平成二十八年度の決算では、資本金等に対する実支援額の割合が二〇・五%と非常に低い状況です。ファンドが設立されてから、平成二十八年度末ですので四年以上が経過している時点で、支援案件の件数、そしてまた金額共に低調な理由を、農水省、どのように分析をしていらっしゃいますでしょうか。
そして、これ見ますと、ファンドを設立して四年以上たっているわけでありますので、本当にこの六次産業化を支援する方法として官民ファンドというものが有効なのかどうかといったこともこれは検証しなければいけないと思っております。私、資本金の一部でも国庫に返納すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
農林漁業成長産業化支援機構による出資が低調であった理由につきましては、出資対象が地域の農林漁業者を起点とする小規模な六次産業化の取組であったため一件当たりの出資額が小規模であったこと、昨年五月までは農林漁業者が主体となって設立された新設法人に出資対象を限定していたことなど、出資ニーズに柔軟に対応し得なかったこと、さらには、サブファンドを主体とした案件発掘に注力し、機構による直接出資の案件取組が十分でなかったこと等があると考えております。
このような状況を踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構におきましては、現在、出資の拡大に向けまして、昨年五月の運用改善により可能となりました農業法人等への直接出資のスキームの積極的な活用、大型、広域案件の機構からの直接出資の拡大、農業競争力強化支援法によりまして昨年八月に支援対象として追加されました農業生産関連事業者への事業再編等への積極的な出資に取り組んでいるところでございます。
こうした取組によりまして、平成二十九年度におきましては、機構の直接出資を通じた大型案件の組成が進んだことから、今御指摘がございました資本金に対する実支援額の割合は、平成二十八年度末の約二〇%から平成二十九年度末には約三〇%と着実に増加をしております。
農林水産省といたしましても、今回の会計検査院の報告も踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構に対し出資の拡大が図れるよう必要な指導を行っていくとともに、効率的な運営や組織体制の必要な見直し等についても幅広く検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 平成二十九年度末には三割の資本金等に対する実支援額の割合ということで、二割から三割に伸びているではないかということですが、それでもまだ非常に低調だと思っております。六次産業化の支援は必要だと思いますけれども、本当に官民ファンドという方法が適切なのかどうかということも含めて見直しをするべきだと思っております。
それでは、続きまして、クールジャパン機構について伺いたいと思います。
平成二十八年度の決算では、支援を終了した案件が一件となっています。クールジャパン機構が設立以来初めてのエグジットでありますけれども、これは何かというと、恐らく日本アニメを海外に動画配信する事業に対して平成二十六年度に機構から十億円の出資をした案件というふうに思われますけれども、このエグジットの方法と、それから十億円出資したわけでありますけれども、機構として、回収額はどうだったんでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
クールジャパン機構が平成二十八年度に支援終了した案件でございますけれども、議員御指摘のとおり、株式会社アニメコンソーシアムジャパンによる正規版日本アニメの放映を通じまして、日本アニメの海外流通拡大や海賊版駆逐を図るために、平成二十六年十月に支援決定を行い、機構より十億円を出資支援した案件でございます。
本案件につきましては、事業を行う中で、アマゾンプライムなど海外の動画配信プラットフォームでの日本アニメの取扱いが急速に拡大しまして、結果としてアニメの海外流通が進展し、アニメコンソーシアムジャパンが果たすべき役割を再検討する必要が生じました。このため、筆頭株主でありますバンダイナムコホールディングスが、自社事業との連携を強化した発信など事業方針を検討するために一〇〇%子会社化することとなり、機構からバンダイナムコホールディングスに株式売却されました。
なお、本件は企業間の取引でございまして、バンダイナムコホールディングスの要望もあることから、具体的な金額については回答を差し控えますけれども、アニメコンソーシアムジャパンの監査法人の議を経て確定されたものというふうに聞いてございます。
経済産業省としても、適切なプロセスを経たものというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 官民ファンド全部に言えることなんですけれども、機構も株式会社で、そして出資先も株式会社と、民民の関係ということで個別案件についてはなかなか明らかにされておりません。ただ、私が疑問に思いますのは、こうして個別の案件において多額の損失が出た場合、どうなんでしょうか。やはり国民に対してしっかりと情報開示をすべきだと思っております。
このクールジャパン機構なんですけれども、平成二十八年度の決算では、いわゆる会計検査院の報告では赤字と。投資倍率が八五・六%というわけでありますので、やはり個別の案件についてもできる限り情報開示をすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
クールジャパン機構は、国からの資金が投入されている官民ファンドという性格上、情報開示は積極的に行っていくことが必要だというふうに考えてございます。
他方、個別案件の損益の開示につきましては、投資先企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいては機構の今後の案件組成や業績に影響を及ぼすことが懸念される場合もあることから、個々の案件の状況も踏まえ判断していきたいというふうに考えてございます。
なお、政府出資を受けた官民ファンドとして、機構全体で収益を上げることは運営の大前提でございます。そのため、クールジャパン機構では、運営費を加味した上で機構全体の長期収益性を一・〇倍超とするという全体KPIを設定しており、エグジットの段階で案件ごとに設定された個別KPIの総合的な達成状況を官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会に報告し、その内容が公開されることとなってございます。
国としても、こうしたKPIの達成状況を注視しながら、政策的意義を踏まえつつ、機構全体での収益性の確保が達成されるよう監督していきたいというふうに考えてございます。
○行田邦子君 官民ファンドに任せておけば大丈夫だからということで情報開示がなされなくて、気付いたときにはもう大赤字というふうにならないようにお願いしたいと思います。
それでは、石井国土交通大臣にお越しいただいていますので、大臣に伺いたいと思います。
海外交通・都市開発事業支援機構についてです。JOINについてなんですけれども、私はこの機構、必要だと思っております。
海外インフラの輸出目的の機構ですけれども、相手国によってはやはりこうしたインフラというのは長期にわたりますし、また政府の影響が非常に強いということも聞いております。ですので、こうした機構は必要だと思いますけれども、特にこのJOINにつきましては個々の案件において出資額の規模が大きく、そしてまた案件終了まで非常に長期となるわけであります。ですから、機構全体の財務状況だけではなくて、個々の支援中の案件の状況についても可能な限り情報開示をすべきというふうに思っております。
また、投資決定とか、それから投資のエグジット、終了を決定するプロセスについても後々に公開できるようにしておくべきではないかと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 株式会社海外交通・都市開発事業支援機構、JOINの業務の透明性の確保を図っていくことは重要であり、JOIN法及び会社法に基づきまして、JOINの財務状況の公表、JOINが支援を行うに当たって従うべき支援基準の公表、毎年度行う業務実績評価の公表などの情報開示の取組を行っております。
また、平成二十五年に関係閣僚会議で決定をされました官民ファンドの運営に係るガイドラインでは、投資決定時のみならず、投資実行後も情報開示を継続的に行うこととされております。
一方で、支援中の案件の情報開示に際しまして、JOINが支援している企業に現地の法令等の定めを超えて情報開示を行うよう求めることにつきましては、関係者との信頼関係を損ねたり、支援企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいてはJOINの案件形成や業績に影響を及ぼすおそれがあることなどから、慎重に対応する必要があると考えております。また、JOINによる支援決定や終了等のプロセスの公開につきましては、JOIN法におきまして、支援決定等を行うJOINの事業委員会の議事録の作成と保存を求めているところであります。
国土交通省といたしましては、以上のような状況も踏まえつつ、引き続きJOINの業務につきまして透明性の確保が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 海外へのインフラ輸出というのは非常に私は夢のあるものだと思っておりますので、しっかりと情報開示をして、また国民にも逆に知ってもらいたいというふうに思いますし、また大臣もトップセールスを更によろしくお願いをいたします。
それでは、続きましてもまた大臣に伺いたいと思います。
もう一つの国交省の官民ファンドですが、耐震・環境不動産形成促進事業について伺います。これ昨年も決算委員会で伺わせていただきました。
平成二十八年度決算での資本金等に対する実支援額の割合は二三・六%と低いですが、その後、少し頑張られたようでして、平成三十年四月末現在では四四・九%まで伸びていますけれども、その案件を見ますと、これほとんど都市部の案件です。上野、新横浜、大阪、大阪、大阪、六本木、錦糸町、横浜、渋谷ということで、ほとんどが都市部です。私は、これを見ますと、本当に真に国のリスクマネーの投資がなければならない案件なのかと疑問を感じております。
大臣に伺いますが、今後のファンド運営についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本事業は、耐震・環境性能が不足をしております老朽化したビルなどにつきまして、耐震性や省エネに優れたビルへの改修、建て替えを促進する事業であります。
平成二十五年の官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会におけます地方への貢献も考慮した指標設定についての議論を踏まえまして、本事業全体におけます地方物件数の割合を平成三十四年度末時点で二割以上とすることを目標としております。
地方物件に対する出資実績につきましては、平成二十八年度まではゼロ件でありましたが、平成二十九年度におきまして地方五物件に対する出資を実行いたしまして、現在の事業全体における地方物件の件数の割合は二六・三%となっております。
地方における本事業の活用を図るため、これまで地方において本事業の普及セミナーを五十三回開催をいたしまして、また、不動産証券化に詳しいファンドマネジャーの地域の事業者への紹介を十四件行うなどの取組を進めてまいりましたが、引き続き、地方における案件形成に向けまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 出資額をとにかく消化してというか、投資実績を増やすことが目的化してはいけないというふうに思いますので、是非その内容についてもしっかりチェックをしていただきたいと思います。
それでは、財務省にこの後伺いたいと思いますけれども、官民ファンド十四のうち九ファンドにおいて財政投融資特別会計の投資勘定からの出資を受け入れています。
平成二十八年度の投資勘定の決算、資料三ですけれども、を見ますと、予算にはなかった歳入として、二次補正の未来への投資を実現する経済対策として一般会計から二千五百九十億円受け入れています。これを財源とした産業投資の予算上の内訳を見ますと、どういう内訳になっているかと、これ予算上なんですけれども、国際協力銀行への一千九十億円、石油天然ガス・金属鉱物資源機構一千五百億円のほか、いわゆる官民ファンドのクールジャパンに三十億円、JOINに五十二億円、海外通信・放送・郵便機構二十二億円となっていますが、決算を見ますと年度内に運用されたのは国際協力銀行だけです。それ以外は全て翌年度に繰り越しています。
この資料三の平成二十八年度のこの投資勘定の決算を見ますと、結果論としてというか、決算を見ますと、一般会計第二次補正からの二千五百九十億円の受入れって、これ要らなかったんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) お答え申し上げます。
二十八年度第二次補正予算におきましては、日本企業の海外インフラ展開支援やクールジャパン戦略推進等を盛り込みました経済対策の方針に基づきまして、財投特会投資勘定から御指摘の国際協力銀行、JOGMEC、ほかクールジャパン以下の三ファンドに合計二千六百九十四億円の補正追加を行ったところでございます。
これらの補正追加のうち、国際協力銀行向けは自己資本の拡充を目的としたもので、年度内に執行されました。一方、JOGMECや三官民ファンドについては投資資金を追加提供するものでありましたが、これら機関におきまして、海外出資先の選定や現地事業者等との調整が年度内では整わず、なお時間を要すると見込まれたことから、大宗を二十九年度に繰り越すこととなりました。
海外投資業務を行うファンドにつきまして、私どもとしても、予算編成時にできるだけ確度ある案件に絞って所要の投資資金を計上しているところでございますが、一般の役所の仕事とは異なる投資業務の特性上、市況の変化や相手方事業者の事情変更など、様々な事情により計画どおりに執行できないということも間々あることに御理解賜れば幸いでございます。
なお、決算剰余金の御説明をしてよろしゅうございましょうか。
投資勘定の前年度決算剰余金でございます。これは、例年、前年十二月時点で確実に見込める金額を当年度予算に計上して、七月末の決算で剰余金を確定後、残額を翌年度の産業投資の歳入として活用してございます。
二十八年度につきましても、補正予算編成時点で既に二十七年度決算剰余金五千三十六億円のうち二千八百五十七億円は二十八年度予算に計上済みでございまして、残りの金額はこの補正予算と同時に編成中の二十九年度の産業投資計画に使うことを既に見込んでおりまして、このため、追加出資の必要額につきましては、一般会計から二千五百九十億円を受け入れたところでございます。
○行田邦子君 御答弁聞いていて、やっぱり二千五百九十億円の一般会計二次補正、要らなかったなという思いを強くしております。
最後、簡潔にお答えいただきたいと思うんですけれども、この決算見ていても分かるんですけれども、この財政投融資会計投資勘定ですけれども、JT株とNTT株の配当金の収入があります。これ、元々昭和六十年までは一般会計で持っていたものです。この投資勘定の目的というか原則からしますと、やはり、投資をし、出資をし、それを回収し、そして収益を得て、それを国に返すということでありますので、その原則からしますと、私は、JT株それからNTT株は一般会計に戻すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) JT株式及びNTT株式につきましては、両社からの配当金の一部を産業の開発及び貿易の振興のために還元することとして昭和六十年六月に産業投資特別会計に帰属させ、以来、両株式からの配当は産業投資の貴重な財源となっております。産業投資におきましては、現在、政府系金融機関や官民ファンドを通じて、民間だけでは十分に資金が供給されない分野に呼び水としての長期リスクマネーを供給しておりまして、成長戦略の上でも重要な役割を担っております。
理想的には、委員御指摘のとおり、こうしたリスクマネーが十分な規模のリターンを生み、官民ファンド等から産投等への配当等の形で還元され、産業投資の安定的かつ十分な財源となることが望ましいと考えております。このため、各官民ファンドにおいては、今回の検査院の指摘も踏まえ、効率的な運営や収益性の確保を図ることが重要であります。
しかしながら、現実には、ファンドの歴史の浅さや投資回収期間の長さなどにより、いまだ官民ファンドは安定した利益を生み出す状況にはなく、一方、日本経済における民間のリスクマネー供給もいまだ十分とは言えない状況でございます。このため、引き続き産業投資においてリスクマネー供給に努める必要がありますが、その際には、安定財源として、産投支出の約六割に当たりますNTT株式やJT株式の配当が今後とも重要であることに御理解賜れば幸いでございます。
○行田邦子君 財源がだぶついているから余計なことに使うんじゃないかと思います。
これからも、会計検査院におかれましては、定期的に官民ファンドの検査をお願いしますことを要請しまして、質問を終わります。ありがとうございました。

【議事録】国土交通委員会

2018年06月18日

2018年6月7日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
所有者不明の土地の問題がクローズアップされている背景には、土地は財産であるという前提に立っている現在の土地制度が社会の変化に対応できていないということが指摘をされているわけであります。
そして、今回の法案は、その社会の変化に合わせた土地制度の大改正の第一歩という位置付けというふうに認識をしております。人口減少、また人間関係の希薄化、それから都市への人口集中と農村の過疎化と、それから農業や林業の抱える課題などなど、今日の日本社会の現状を踏まえれば、全ての国土をひとしく管理して、また保全をし、そして利活用するということは、これは現実的ではないというふうに考えております。そして、むしろこれまで以上にめり張りを付けることが求められているのではないかというふうに思っております。
例えば、安全保障上重要な土地につきましては、利用権の規制だけではなくて所有権の規制を講じるとか、また、国土の保全という視点で重要な土地につきましては、今もやっていますけれども、利用規制をしっかりと効かせるといったこと。それから、経済資源として利活用しなければいけない土地については、今回の法案もその一つだと思いますけれども、その利活用を促す仕組みとか制度を設けていくと。それから、最低限、やはり管理だけは何とかしていかなければいけない土地というのは、いかに効率的に管理をしていくのかと。それから、優先順位の低い土地などなどといったような具合に、国土の管理、保全、そして利活用について、これまで以上にめり張りを付けていかなければならないと考えておりますけれども、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本格的な人口減少社会に初めて取り組む国土計画といたしまして、平成二十七年八月に閣議決定をされました第二次国土形成計画におきましては、人口減少や産業構造の変化により開発圧力が低下をし、国土利用の選択肢が広がることを契機として捉え、より安全で快適かつ持続可能な国土を形成することを目指しております。
この計画を推進するため、現在、国土審議会におきまして、人口減少下における新たな国土管理、利用への対応といたしまして、適切な管理を続けることが困難な土地への対応も含めた検討を進めております。
具体的には、地域の事情や土地の条件も踏まえながら、粗放的な管理などの管理コストを低減させる工夫とともに、新たな用途を見出すことで国土を適切に管理していくための方策について、来年度、一定の取りまとめを行う予定であります。
今後、国土交通省といたしましても、こうした検討の成果も十分に踏まえながら、適切な国土管理の実現に向けた施策を推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 人口減少社会における土地制度の在り方、これ大変重要な議論だと思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、私が先ほど申し上げました安全保障上重要な土地の中に国境離島があると思っております。安全保障上重要であり、また、我が国の海洋権益をしっかりと守るために重要な国境離島でありますが、四百八十四の島があります。この国境離島というのは、我が国の領海、また排他的経済水域の外縁を根拠付ける島ということで使わせていただいている言葉です。そのうち、四百八十四の国境離島のうち私有地があるのは九十八島ということです。人が住んでいる有人離島は五十九島、そして無人離島が三十九島という現状になっております。
今日は内閣府総合海洋政策推進事務局にもお越しいただいていますけれども、伺いたいと思います。
これらの九十八の私有地がある国境離島の所有者の状況を把握することというふうになっておりますけれども、これは海洋基本計画、先月出された、ここにもきちんと記されていますけれども、これら国境離島の所有者の探索を具体的にどのように行っていく予定でしょうか。
○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、先月閣議決定されました第三期の海洋基本計画におきまして、国境離島の保全上重要と考えられる土地について、その所有状況の把握を行うというふうにされているところでございます。
私有地が存する九十八の離島でございますけれども、このうちの、無人の国境離島が三十九島ございまして、こちらにつきましては不動産登記簿等の情報を既に収集しているところでございます。一方、有人の国境離島五十九島につきましては、これは島全体ということになるとかなり膨大になりますので、そのうちの領海等の基点となる重要な海岸の土地、これが全部で三百七十か所ございますけれども、こちらを対象に不動産登記簿を現在収集中というところでございます。
全ての不動産登記簿をまだ収集できておりませんので、これにつきまして、その登記簿を収集するに当たり必要となる情報を関係市町村に現在確認をしておりまして、この情報を確認でき次第、不動産登記簿を全て取り寄せた上で、有人、無人を問わず収集した不動産登記簿の内容を確認し、当該所有者の把握を行ってまいりたいということで進めているところでございます。
○行田邦子君 無人離島については不動産登記簿をまずは収集したということで、有人離島は領海、EEZの外縁を根拠付ける領海基点のあるところだけこれから不動産登記簿を収集するという、まだその段階ということでありますけれども、この後、これらの有人の私有地のある国境離島の所有者を探索する作業というのは、これもう次長はよく御存じだと思いますけれども、とても大変なんじゃないかなというふうに思います。
先般も決算委員会でこの点取り上げさせていただきましたけれども、無人離島の場合は、これは住民票もないでしょうし、それから恐らく固定資産課税台帳もないでしょうということで、どうやって探索するのかと。不動産登記簿に載っている人が本当に所有者であればいいですけれども、お亡くなりになっている場合も可能性としてあると思うんですけれども、どうするのかと。とても大変だと思います。
先ほどから、午前中からもずっと言及されていました、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地が二割で、それをしっかり探索すると〇・四一%に下がるということでありますけれども、国境離島の場合、この〇・四一%ぐらいまで下げるまでのその探索というのは物すごく大変だと思いますし、これ私の推測ですけれども、〇・四一%くらいまで行かないんじゃないかと。探しても探しても真の所有者が分からないままの国境離島というものが出てくると思います。
どこかでやはりその所有者の探索を諦めなければいけないと思うんですけれども、そのときのことについて伺いたいんですけれども、所有者不明の国境離島を円滑に国有財産化といいますか、土地収用というんでしょうか、どちらでもいいと思うんですけれども、するような仕組み、それから国が管理できる仕組みなどを今のうちからやはり検討しておくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北村知久君) 先ほどお話し申し上げました第三期の海洋基本計画にもありますとおり、国境離島は領海等の保全や海洋権益確保の観点から極めて重要であるというふうに認識してございます。
先生御指摘のそういった土地についてのいろいろな制度の導入ということでございますけれども、そういった制度を考えるに当たりまして、まずは国境離島の保全上重要と考えられる土地につきまして、そういった土地がどのような土地利用が行われると具体的にどのような問題が生ずるのかといったことを、そういった場合にいかなる措置が必要となるかということを具体的に検討する必要があるということで、関係省庁の協力の下、有識者の意見を聞きながら今後検討を進めてまいりたいと思っております。
なお、検討の対象は私有地でございますので、個人の財産権にも関わるものでございますので慎重な対応が求められると、こういったことにも留意しつつ、国境離島保全のための施策をしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 今日こうして審議されているこの法案の国境離島版のような制度や仕組みの検討が必要であるというふうに考えておりますので、様々な問題点を踏まえながら検討していただきたいと思っております。
それでは、この法案には所有者の探索を合理化する仕組みも盛り込まれておりますけれども、局長に伺いたいと思います。
市町村が行う地籍調査において、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地が約二割、二〇%というところですけれども、それを探索すると最終的には〇・四一%に減少すると、先ほど申し上げたとおりであります。
では、この探索で具体的にどういう作業を行っているのか、教えていただきたいと思います。それからまた、こうした探索作業は非常に労力を要するということはよく言われていますけれども、具体的にどのぐらいの労力を要するのか、分かりやすくお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。
地籍調査におきましては、土地の境界を明確にするため、土地所有者等の立会いを求め、境界の確認を行っております。この際、まずは不動産登記簿上の土地所有者について調査をいたしますが、平成二十八年度に地籍調査を行った千百三十地区の六十二万筆のうち、不動産登記簿の調査により所有者等の所在が判明しなかった土地の割合は、議員の御指摘のように、筆数ベースで約二〇%となっております。
このような場合には、住民票、除かれた住民票、又は戸籍、付票等の謄本等の公簿に基づく調査、親族等や近隣住民からの聞き取り調査などによる追跡調査を実施して所有者等の把握に努めることとしております。
このような調査の負担でございますけれども、各地区の対象の筆数や地籍調査を行う市町村の実施体制、それから相続の状況やその登記への反映状況など、様々な条件によって変わり得るため一概には申し上げられませんが、その上で、平成二十八年度の地籍調査におきまして、先ほど千百三十地区と申しましたが、そのうち追跡調査を実施した千四十四地区におけるその追跡調査の期間は一地区当たりの平均で四・六月でございます。これは、一般的な地籍調査に要する全期間のおおむね一割から二割程度となっております。
○行田邦子君 大変な手間の掛かる仕事だと思います。必要ではありますけれども、手間の掛かる仕事だと思います。
この労力をいかに少なくするにはどのようなことが考えられるのか、また探索作業の簡素化というのは可能なのか、続けてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。
地籍調査におきましては、土地の境界を明確にするため、土地所有者等の立会いを求め、境界の確認を行っております。そのために必要となる所有者探索を目的とした追跡調査は、先ほど申しましたように、住民票、戸籍謄本等の公簿に基づく調査、親族等や近隣住民からの聞き取り調査等により行うこととしておりますが、現行制度におきまして、その探索範囲は必ずしも明確になっておりません。
また、近隣住民への聞き取り調査は、多大な労力を要するにもかかわらず、地縁の希薄化等を背景に情報を得られにくくなっております。これらが地籍調査に時間や経費を要する一因となっており、特に近年、所有者不明土地の増加がこのような傾向に拍車を掛けているものと考えております。
これらの課題に対応するため、平成三十二年度から始まる次期第七次国土調査事業十箇年計画の策定に向けまして、一つは、本法案において想定している探索方法を参考に、聞き取りの調査範囲を一定範囲の親族等とするなど地籍調査における所有者探索範囲を明確化すること、それから、探索作業の結果、全部又は一部の所有者等が不明な場合に、立会い等の手続を合理化するために必要な客観的資料の範囲とその活用方法を明確化することなどにつきまして検討することにより、法務省と連携しながら、市町村等の負担を軽減し、地籍調査の推進を図ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 地籍調査、なかなか進んでいないというか、半分でしょうか、ということだと思いますけれども、この地籍調査は大変大切な事業だと思いますので、これをしっかりと進めていくためにも、今の御答弁にあったようなことを是非とも進めていっていただきたいと思っております。
それで、地籍調査が行われていないと民間の再開発事業など土地の利活用を行う際に非常に事業に支障を来すということは、これはよく指摘をされていることであります。こうした事態を避けるために、現状における解決策は何でしょうか。そしてまた、今回の法改正も含めて、今後の検討について伺いたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。
民間の再開発事業が都市再開発法に基づく法定の再開発事業である場合には、過失なく探索をした上で所有者の所在が不明である場合におきましては、権利変換計画の通知を公示送達により行うことなどによりまして、所有者不明の土地等の権利につきまして施行地区内に確保することが可能となっております。境界が不明な場合にも、土地収用法の手続を準用して土地調書等を作成することにより、対応が可能となっております。
また、今般の法案により、所有者の探索において、原則として登記簿、住民票、戸籍など客観性の高い公的書類を調査することで足りることとすることを踏まえ、法定の再開発事業につきましても同様の措置を講じ、所有者の探索の合理化を図ることといたします。
他方、法定の再開発事業に該当しない場合につきましては、従来どおり、所有者の探索や財産管理人制度の活用等によりまして、境界を確定し、所有権を取得する必要があります。
今後、所有者不明土地の発生抑制や解消に向けて、土地所有者情報を円滑に把握する仕組み等につきまして政府全体で検討を進めてまいります。これによりまして、法定の再開発事業に該当しないものも含めて、事業が円滑化するように努めてまいります。
○行田邦子君 民間の再開発事業にも支障を来さないように、今後も更に土地所有者の所在の把握の円滑化ということ、検討していただきたいと思います。
それでは、法務省にお越しいただいていますので伺いたいと思いますけれども、無主の土地というのはどんなものがあるのか、そしてまた、どの程度あるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。
お尋ねがありました無主の土地、すなわち所有者のない土地は、例えば海底隆起によって新たに土地が発生することなどにより生ずるものでございます。このような無主の土地がどの程度存在するかにつきましては法務省としては把握しておりませんけれども、民法上、所有者のない土地は国庫に帰属することとされております。
また、土地の所有者が死亡し、その者について相続人のあることが明らかでない場合にも、先ほどの無主の土地と類似の状況が生じます。この場合につきましては、相続財産管理制度による手続を経た上で、最終的に残余財産が国庫に帰属することとされております。
この相続財産管理制度と申しますのは、相続人のあることが明らかでない土地等の相続財産につきまして、家庭裁判所が管理人を選任し、相続人を捜索しつつ、相続財産を管理、清算し、最終的には残余財産を国庫に帰属させる制度でございますが、その残余財産中に土地があれば、その土地は国庫に帰属することになります。
相続人のあることが明らかでない土地、これがどの程度あるかにつきましても、申し訳ございませんが、法務省としては把握しておりません。
○行田邦子君 相続人不存在による無主の土地についてですけれども、最後、大臣に伺いたいと思います。
私は、この相続人不存在の土地というのは今後増えてくるのではないかなと思っておりまして、特に経済価値が低い土地は放置される傾向にあるのではないかと思っております。今後このような無主の土地が増えることについての大臣の御認識と、また取り得る対策についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 将来的には二〇四〇年まで死亡数は増加するとの推計がありまして、相続機会も増加するものと考えられることから、何の対策も行わなければ放置される土地が増加してしまうおそれがあるものと考えております。
政府としては、そのような土地を増加させないため、土地を手放すことができる仕組みを導入すべきであるとの御意見があることは承知をしております。土地を手放すことができる仕組みにつきましては、その要件や手放された土地の帰属先等、検討すべき点は多岐にわたります。現在、法務省の研究会において、土地を手放すことができる仕組みの在り方について検討が進められているものと承知をしております。
国土交通省といたしましても、六月一日に関係閣僚会議で決定をいたしました基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携をしつつ、引き続き検討を深めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。

【議事録】決算委員会

2018年06月18日

2018年5月21日 決算委員会

 

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今日は、私は働き方改革に関して何点か質問をさせていただきます。
この度の、今ちょうど衆議院で審議が行われています働き方改革関連法案の中には、同一労働同一賃金が盛り込まれております。自民党政権というか安倍政権というかで同一労働同一賃金ということをやるというのは、本当に、率直なところびっくりいたしましたけれども、歓迎いたしますし、また、これが実効性のあるものになってほしいと思っております。
同一労働同一賃金は、元々、ヨーロッパでは男女の待遇格差を解消するという文脈の中で出てきたというふうに認識しておりますけれども、この度の法案におきましては、正規雇用者と非正規雇用者の間の不合理な待遇格差を解消するという目的となっております。
ただ、本来、同一労働同一賃金を日本でも導入するというのであれば、まさにこれ安倍総理がおっしゃっているように、今回は戦後七十年ぶりの大改革とおっしゃっているわけでありますので、そうであるならば、これは、正規、非正規雇用間に対してだけではなくて、正規雇用者の間に対しても同一労働同一賃金という考え方をしっかりと導入するべきではないかと、そういう改革をやるべきではないかと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法案の中で政府が導入しようとしているのは、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指して、正規雇用者、労働者の待遇の改善を図っていくということであります。
他方で、今、委員からも自民党政権でというお話がありまして、これまではなかなか難しいということを申し上げてきましたけれども、それは、ヨーロッパでは職務給、我が国ではよく言われる職能給という、仕組みも違うのでなかなか難しい、しかし、ヨーロッパのドイツ、フランス等の事案を含めても、必ずしも職務だけではない、能力等々、経験等々も含めて判断されている、そういった幅を持って考えれば、我が国は、我が国のこの人事雇用慣行において、長期雇用の中で配置転換しながら幅広い職務能力の向上を促し、そしてそれと対応した賃金とするなど、人を大切にするという優れた面等もあるわけでありますので、そういった我が国の人事雇用慣行も踏まえながらも、そうした同一労働同一賃金ということは導入し得るのではないかということで、今回、この点も含めて法案を出させていただいたところであります。
今委員お話しの、多分それから先の話も含めてということなんだろうと思いますけれども、働き方改革実行計画とか同一労働同一賃金のガイドライン案においては、各企業が非正規雇用労働者を含む労使の話合いによって、職務や能力等の内容の明確化、そしてそれに基づく公正な評価を推進し、それにのっとった賃金制度など、処遇体系全体を可能な限り速やかに構築していくことが、まあ望まれるという書き方ではありますけれども、そうした方向についてもそれぞれ明示をさせていただいているところであります。
○行田邦子君 私は、日本においても、広い意味での職務による人事評価また賃金決定という仕組みへと変えていく、変えざるを得ないというか変えていくべきだというふうに思っております。
なぜならば、今、人口減少また労働力が減少するという中で、これまで、労働市場というんでしょうか、というのは、日本の企業を支えていたのは、主に男性の猛烈正社員、いつでも働く、どこまででも働くというような猛烈正社員が中心でした。こういった方たちによって成り立っていたわけでありますけれども、今は労働力が足りないわけでありますので、女性の皆さん、そしてまた高齢者の皆さん、そしてまたワーク・ライフ・バランスを重視する若い皆さんにもしっかりとそのサークルの中に入っていただいて、そして意欲や能力を生かしていただかなければいけない、こういう局面にあるわけですので、当然、これまでのその男性中心の猛烈正社員のルールの中、ルールを変えないで、じゃ、女性も高齢者も働いてくださいというわけにはなかなかいかないと思うんですね。
そういう意味では、私は、これは次のステップとして、これ正社員の賃金決定、そしてまた人事評価ということも大きくやはり変えざるを得ないというふうに思っておりますけれども、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員からは同一労働同一賃金を取り上げていただいておりますが、いわゆる長時間労働の是正も同じことが言えるんだろうというふうに思います。
こうした働き方を通じて、やはり高齢者、また女性、男性、そして若者、また障害、難病のある方、あるいは様々な制約条件はあるけれどもその中で、それの中において働いていきたい、実際、今パートで働いている方も、不本意という方、まあこれは統計の取り方もあるかもしれませんけれども、二割を切っています。しかし一方で、処遇に対してはいろいろなお話も聞かせていただきますので、それぞれの働き方の中において納得しながらも働いていける、こういう環境をつくっていくということが私としては是非とも必要だというふうに思います。
それから、その上において、やはり今回は正規と非正規の間の合理性ということになりますけれども、そうすると、じゃ、正規の方はどういう形になっているのかというところも問われていくわけでありますから、当然、先ほど申し上げたような流れということにもつながっていくのではないかと、こういうふうに考えております。
○行田邦子君 私も、次のステップ、すぐにということではないかもしれませんけれども、そのようになっていくというふうに思っております。
安倍総理がたしかこの国から非正規雇用という言葉をなくすというふうにおっしゃっていましたけれども、つまり、正社員というのは、正規雇用者というのは無期、フルタイム、直接雇用ということではないというふうに私は徐々になっていくし、そうならざるを得ないんだろうというふうに認識をしております。
それで、同一労働同一賃金なんですけれども、中小企業の経営者の皆さんから、はっきり言って余り評判が良くないなと思っておりまして、もういろんなお声を私もお聞かせいただいております。ただ、しっかりとこれを成果を上げていくためには、中小企業の皆さんの理解と協力も必要であります。
そこで、事業主の皆さんが納めている雇用保険料を財源としている雇用二事業の中でキャリアアップ助成金というのがありますけれども、過去にもこの決算委員会でも取り上げさせていただきましたが、その中に処遇改善コースというのがありまして、ここで最近、平成二十八年度、平成二十九年度辺りから、いわゆる同一労働同一賃金を導入した企業に対してのインセンティブということがメニューとして盛り込まれております。
厚生労働省さんから平成二十九年度のこの速報値をいただいたんですけれども、処遇改善関係コースなんですけれども、予算に対して三割しか実績がないということでありました。これは、せっかく予算を付けたのに七割要するに使っていない、余らせてしまっているということでありますので、ここをもっとしっかりと周知徹底して使ってもらうようにするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
キャリアアップ助成金は、非正規労働者の処遇を改善あるいは正社員化するために助成する措置でございますが、そのうち、今先生御指摘の非正規労働者の処遇を改善するためのコースといたしましては、賃金規定等改定コース、あるいは賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コースなどを設けているところでございます。
キャリアアップ助成金の予算額に対する実績額の比率は、先ほど先生の方から御指摘がありましたように、処遇改善に係るこれらのコースにつきましては、平成二十九年度速報で、御指摘のとおり、二九・二%にとどまっているところでございます。現在御審議いただいております働き方改革関連法案について、これが成立した場合には、この正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消に対応するという観点から、賃金規定等共通化コースあるいは諸手当制度共通化コースのニーズが高まるものと期待しているところでございます。
今後とも、このキャリアアップ助成金の周知啓発に努めてまいりまして、非正規雇用労働者の処遇改善、特に商工会議所や商工会などとの連携、あるいはセミナー、出張相談会など様々なツールを通じまして、情報を必要とする中小企業等への周知、活用を強化、推進していきたいと考えております。
○行田邦子君 是非、中小企業の経営者の皆さんに、こういう助成制度を厚生労働省用意しているんだということをきちんと周知していただきたいと思います。
次に、これずっと私が気になっていました労使委員会について伺わせていただきます。
今回の法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度、それから既にある企画業務型裁量労働制におきましては、これを各事業所、企業で導入するには労使協定ではなくて労使委員会の決議が必要というふうになっています。
労使協定ではなくて労使委員会にあえてしたその理由をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありましたように、企画業務型裁量労働制、これは今現行制度であります。そして、今提案させていただいております高度プロフェッショナル制度の導入に当たっては、半数以上労働者で構成する労使委員会の五分の四以上の多数による議決により、健康確保措置の実施、本人が同意を得なければならないことなどを決議し、行政官庁に届け出る必要があるということで労使委員会を位置付けているわけでありまして、これは、事業所における労働の実態を熟知した労使関係者が話し合って、実情に即して決議をするということが求められていることでありますし、実際、先ほど申し上げたように、労使協定に比べて、労働者側から指名された複数の委員及び使用者委員による決議において、しかも五分の四以上の多数が必要だと、こういうことになっておりますので、こういった厳格な手続を定める労使委員会方式をこの場合には採用させていただいたということであります。
○行田邦子君 今の答弁ですけれども、労使委員会の五分の四の決議の方が労使協定よりかは厳格だということだと思いますが、じゃ、実際にその労使委員会の労働者側の委員がどのように選ばれているのか。これまでもこの国会で何度か恐らく取り上げられていると思いますし、私も過去に取り上げているんですけれども、JILPTが実施した裁量労働制に関するアンケート調査というのがありますけれども、お手元にお配りをしているものであります。
過半数労働組合のない事業場における過半数代表者の選出方法についてというアンケートなんですけれども、過半数労働組合のない事業場においては、過半数代表者をまず選んで、そしてその過半数代表者が労使委員会の労働者側の委員を指名するという仕組みになっているので、過半数代表者の選出方法は極めて重要なわけでありますけれども、それがどのように選ばれているかといいますと、一一・二%が社員会、親睦会などの代表者が自動的に過半数代表者になった、そして二八・二%が会社側が指名したということで、約四割が不適切な選ばれ方をしているということであります。これで本当に労使協定よりも労使委員会による決議というのが厳格だと言えるのでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの労使委員会の半数については、当該事業者の過半数労働組合又は過半数労働組合がない場合には投票や挙手等の民主的な方法により選出された過半数代表者によって指名をされていることが必要、これは労基法に書いてあります。こうした要件を満たさなければこれは不正な手続を経たということでありますので、今の現行で申し上げれば企画業務型裁量労働制の決議は無効ということになるわけであります。これは、大変大事な重要な、この労使委員会、役割を担っているということであります。
また、御指摘のように、その過半数代表者の選出方法においては、今お示しいただいたJILPTのアンケート等があることは承知をしておりまして、そうしたことも踏まえて、労政審では、六月五日の建議において、使用者の意向による選出は手続違反に当たるなど、通達の内容なんですが、これを省令に規定することが適当だということ、また、使用者は過半数代表者がその業務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならない旨を、これを省令で規定する方向で検討することが適当ということの建議をいただいておりますので、今後必要な省令改正については検討させていただきたいと思いますし、また、今の現行の中においても適正な手続で過半数代表者の選出が行われるよう、そうした問題点が指摘をされる場合にはしっかりと指導をしていきたいと思っております。
○行田邦子君 まずはよろしくお願いします。
それで、労使委員会なんですけれども、企画業務型裁量労働制とか、あるいは高プロを導入することを決議するという大変重要な役割を担っているわけであります。例えば、健康確保措置、どういったものを採用しようかとか、あとはみなし労働時間はどうするのかとか、あるいはどういう労働者を対象にするのかと、こういったことを決めていかなきゃいけないわけでありますけれども、そのためにはやはり情報が必要ですし、企業側から出る情報が足りなかったらまたその情報を請求するということも当然起こり得ると思うんですけれども。
そこで伺いたいんですけれども、労使委員会にはどの程度の調査権や情報請求権が法律上付与されているんでしょうか。そしてまた、労働者側の委員が労使委員会の業務に、しっかりやろうと思ったらそれなりの時間が費やされると思いますけれども、労使委員会の委員として費やされた時間というのは労働時間とみなされるんでしょうか。そしてまた、労使委員会、これも様々な経費も掛かると思います、しっかりやろうとすると。こうした経費は誰が負担するんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 企画業務型裁量労働制の労使委員会でございますけれども、法律に調査権でございますとか情報請求権の定めはございませんけれども、他方で、企画業務型裁量労働制の指針がございまして、その中で、使用者は対象労働者に適用される評価制度あるいは賃金制度について労使委員会に十分説明することが適当であること、また、対象労働者の勤務状況や健康・福祉措置の実施状況等についても開示することが適当であるとされているところでございます。また、使用者が開示する情報の範囲、それから手続をこの労使委員会の運営規程で定めておくことが望ましいものでありますので、この運営規程例などを盛り込んだパンフレットを配付するなどして、その周知を図っているところでございます。
それから、労働側委員が労使委員会に参加中の労働時間の取扱いでございますとか、委員会開催に関しますその委員が負担しなければならないような経費につきましては、法律上の規定がございませんで、個々の企業に委ねられているところでございます。
○行田邦子君 今私が申し上げたことは全部重要だと思いますけれども、全て法律上は規定されていないということであります。
大臣に伺いたいんですけれども、労使協定よりも厳格なはずの労使委員会方式であるにもかかわらず、権限とかあるいは運営などに関する多くのことというか、もうほとんどのことと言っていいと思うんですけれども、が例えば大臣告示とかあるいは解釈例規に委ねられています。
例えば、この決議の有効期間を何年にするのかというのは、おおむね三年が望ましいというふうにガイドラインではなっているんですけれども、これは全く法律事項でもない、省令でもないです。それ以下のところでのガイドラインにすぎません。あとは、労使委員会の委員の任期とか人数とか、あと、どのような労働者を選ぶべきなのか、こういったことについても全く法律では規定されていません。
そこで伺いたいんですけれども、やはり労使委員会というのは今後更に重要になってくると思います。私は、これはしっかりと労使委員会という制度を法律上規定すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、法律上規定すべきというのは、そういった運用等々についても詳細について法律上規定すべきという、こういう御主張だというふうに思います。
労基法における労使委員会は、企画業務型裁量労働制等の導入に当たり、対象業務や対象労働者の範囲等について労使の十分な話合いの場として機能するよう、委員会の構成に関する要件と決議すべき事項など基本的な枠組みは、これは一応法律に書かれております。
その上で、実際に決議する内容は、その事業場の実情を踏まえ、労使の多様な意見が反映されたものとすることが望ましく、かつ労働時間制度の趣旨に沿った運用が行われることが重要であると考えております。
このため、決議において具体的に明らかにすべき事項や決議に当たって留意すべき事項については、労使の自由な意思決定を尊重する観点から、これは指針の形でお示しをし、そして、具体的には労使委員会においてそれを踏まえて決議すると、こういう形がふさわしいと考えているところでございます。
法律に詳細まで規定すると、結果において、委員会の決議も硬直的になり、それぞれの事業所等における多様な対応というものができないおそれがあるというふうにも考えるところでございます。
○行田邦子君 法律で基本的なことは規定されているとおっしゃいましたけれども、最低限のことしか規定されていません。これではやはり労使委員会の制度基盤が脆弱であるというふうに思っておりますので、今後の検討課題として是非厚生労働省においても検討していただきますことをお願いを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。

【議事録】国土交通委員会

2018年06月14日

2018 年5月31日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
お二人の参考人には、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
所有者不明土地の問題について私が関心を抱いたのは今から七、八年前なんですけれども、二〇一〇年の秋に、国会で質問しようと思って、国土交通省、また森林の土地ということで農水省、林野庁に日本には所有者不明の土地はどのぐらいあるのかと聞いたところ、理論的にはありませんと、お亡くなりになった方も含めて誰かしらが土地を持っていますということを言っていたのを今でも覚えているんですけれども、それから七、八年たって、こうして国会で所有者不明土地の問題について、こうして法案が政府から出されるというのは隔世の感がありますが、こうした国民の関心も高まっているやはり背景には、吉原参考人のような研究者の方が様々な問題提起を熱心にされてきたことがあろうかと思っております。
そこで、まず吉原参考人に伺いたいんですけれども、土地という公共財を、いかに政府としても行政としても管理をし、利用を促し、また計画を立てていくということでありますけれども、ただ、全ての土地を一律にということにはもうもはやならないんだろうと思っております。
例えば、土地によっては行政がしっかりと所有者を把握し、また何らかの利用権や、また所有権も規制をするということが必要な土地もあろうかと思っておりますし、一方で緩やかな利用を促すような扱いの土地というのもあろうかと思います。そしてまた、先ほど吉原参考人もおっしゃっていましたけれども、最低限の管理さえすればいいということにとどめておくような土地もあろうかと思いますし、またそれ以外の土地という、めり張りを付けていかなければいけないんだろうというふうに思っているんですけれども、そうした件につきまして吉原参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(吉原祥子君) 御質問ありがとうございます。
まさに私も、今議員がおっしゃいました、所有者不明の土地はないんですというあの発言はよく私も覚えております。本当に、台帳上には誰かの名前があると、それを現所有者を突き止めていくまでの行政コストの掛かり増しというものがだんだんと看過できない状態になって、今こうした法案が出されるようなところまで来たんだろうなというふうに思っております。
全ての土地を一律にとはいかないというものはまさに御指摘のとおりだと思います。例えば、経済活動の対象とすべきでない土地というものも当然あるわけです。自然環境保全とか、あるいは防災の観点から公有化をしておく方がいいとか、あるいは、これは限定的ですけれども、安全保障上こういう土地はやはり経済活動の対象とはするべきではないとか、そうしたところをきちんと考えていくということが必要であろうかと思います。したがって、これは国レベルで考えるめり張りということと地域それぞれで考えるめり張りというものがあるんだろうなというふうに思っております。
そうした土地政策において、土地行政において、国と地方の役割分担というものも今後どういうふうに協力をしていくのかということが一つ別の課題としてはあるなというふうに思っております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
私が所有者不明の土地の問題に関心を持ったきっかけというのが、森林の土地の所有者についてであります。当時、今でも言われていますけれども、森林の土地が外資、外国人に買われているのではないかといったことが随分報道もなされていた時期でありました。私も当時、国会で質問をしたわけでありますし、また森林法の改正といったことも行いまして、森林の土地の所有権移転の届出制といったこともなされたわけであります。
国民の皆さんも、この森林の土地が誰に買われているのかということは結構今でも関心のお声をいただいております。じゃ、森林の土地ということに関心があるのかというと、よくよく聞いてみますと、多くの皆さんは水を守れ、水源地を守れというようなことをおっしゃっています。
そこで、嶋津参考人に伺いたいんですけれども、水源地を守るというような視点で嶋津参考人の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(嶋津暉之君) 水源地を守るということで、森林そのものをこれも保全していかなきゃならぬわけでありまして、今お話があったように、一時は外国資本によって森林の用地が買収をされているという、そういうことがかなり問題になりました。今、最近はちょっと出てこないようですけれども。
この水源を守る点では、確かに、森林といっても、これは人工林の伐採も十分間伐をされないまま放置されているところもありますし、それから天然林は随分なくなってきているわけであって、水源を守るならば、森林の在り方そのものを根本的に見直さなきゃいけないと思うんですね。
同時に、土地そのものも外国資本にもし買収されているならば、確かにこれは問題であり、問題にしなきゃいかぬということで、やはり、まずその前に水源地ということで考えるならば、森林行政の在り方そのものというものを今見直さないと、本当にもう森林の保水力は今低下している状況にありますので、その辺のこともこれから改善していかなきゃいけないと思います。
○行田邦子君 ありがとうございます。
続いて、吉原参考人に伺いたいと思います。
所有者不明の土地の中に入るのかどうかも含めてなんですけれども、不動産登記簿を見ても真の所有者がなかなか特定できない、分からないといった土地が所有者不明の土地だと思いますが、それでは、無主の土地、不動産登記簿そのものが存在しない土地というものについてなんですけれども、これは民法上また国庫に帰属するということですし、国有財産法上も国有財産台帳を作るということになっていますけれども、私はこの無主の土地というものが結構あるのではないかなというふうに思っておりまして、そのことについての吉原参考人の御見解と、何か問題意識があればお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
無主地は国庫に帰属をするということが民法でうたわれております。今議員が御指摘の、想定されている無主の地には幾つかの種類があるとは思うんですけれども、私が先ほど申し上げました自治体アンケート調査の中でどのような無主地に遭遇したかということからお答え申し上げたいと思います。
自治体で遭遇する無主地というのは、相続人不存在の土地です。相続人がいない土地というのは二つあるんですけれども、相続人が全員相続放棄をして誰も権利を主張する人がいないという場合と、それから、元々もう親族が誰もいなくて、本当にその所有者が亡くなった後誰も引き継ぐ人がいないと、そういう意味での相続人不存在というものがあります。
そうした誰も所有権を主張しない土地が、じゃ、無主地は国庫に帰属するので自動的に国のものになるかといったらそうではなくて、民法上の相続財産管理人制度、相続財産管理制度という手続を経る必要があります。まず、利害関係人である第三者が申立てを家庭裁判所に行いまして、家庭裁判所で相続財産管理人を選任し、そして、残されたその土地を含む財産を清算するわけですね。売却したりして債権債務を清算した上で、換価、お金に換えて、そのお金を国庫に帰属をさせるという、そういう手続が必要になります。
財産管理人の選任に当たっては、予納金を四、五十万、都市部であったら百万ぐらい納める必要があるとも聞きます。そうしたコストと時間を掛けて国庫に帰属させるという手続が必要ですので、自治体においては、換価見込みがない経済価値の低い土地についてそこまでの手続はできないということで、結局、相続人不存在のまま放置をしていると、そういう問題も地域では出てきております。
したがいまして、こういう無主の土地をどういうふうに、繰り返しですが、管理責任と権利の保全を誰がどう行うのかということは、これまでの民法では十分に想定されていなかった問題だと思います。土地は財産であるという、そういう想定に立ったこれまでの仕組みですので、土地を要らない、管理が負担だ、もう権利も継承しなくていいという、そういう人が出てきた中において、これからの無主地の在り方、法的な課題というものは、まさに議員の御指摘のとおり、これから本当に必要な論点の一つだと思っております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
最後に、また吉原参考人に伺いたいんですけれども、所有者を一生懸命探索すれば、これは国土交通省の資料ですけれども、二割の所有者の不明の土地が〇・四一%まで下がるではないかということであります。じゃ、探索をしっかりすれば所有者不明の土地はなくなるだろうと思うんですけれども、地籍調査もなかなか進んでいません。
地籍調査が進んでいない理由、また、〇・四一%まで下げることができるといっても実際には下がっていない、そこの根本的な原因についてお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
二〇%が探せば〇・四%になるから、これは騒ぎ過ぎる問題ではないという、そういう見方も当然あるだろうと思います。
しかしながら、二〇%というのは平成二十八年度の地籍調査において登記簿上の名義人では本人に連絡が付かなかったという割合ですけれども、その二〇%を〇・四%にまでするためにどれだけの行政コストが掛かっているのか、それから計画などの地籍調査の遅れなどにつながっているのかということを考えれば、やはりこれは看過できない問題であるというふうに思っております。
本来、行政職員の方々、今地域で直面している様々な課題を考えますと、相続人調査にこんな時間を掛けている場合では今の日本はないと思います。やはり合理化できるところは合理化し、そして所有者が権利を主張していないような土地については、やはり何らかの権利の確定ということにおいては法的な解決策を用意しておくということも必要だろうと思います。そうしたことの相乗効果によって、今後、地籍調査などにおいても境界確定などの迅速化というものにもつながっていくのではないかなと思います。
○行田邦子君 ありがとうございました。