2018年11月27日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日、障害者雇用の水増し問題について伺わせていただきます。
先般、国の機関におきまして障害者雇用率制度の対象となる障害者の不適切計上が発覚をいたしました。そして、こうした事態を受けまして、十月二十二日には、平成二十九年六月一日現在の障害者任免状況の再点検の結果が公表されました。その結果なんですけれども、国の機関における障害者の実雇用率は二・五%とされていたんですけれども、当初、それが実際は一・一七%であったということが明らかになりました。また、同時に、政府内に設置された検証委員会の報告書も公表されましたけれども、ここで、私もこれを読ませていただきまして、国土交通省に関する報告が目を引く内容でありました。お手元に資料をお配りをしております。
まず官房長に伺いたいと思うんですけれども、なぜこのような不適切な計上が国土交通省において少なくとも十年以上にわたり続けられてきたのか、その根底にある原因は何なのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
今委員御指摘の検証委員会の報告書の中におきましては、国土交通省において六百人を超える障害者の不適切な計上があり、法定雇用率を達成していない状況が明らかとなったところでございます。
この中で、特に国土交通省につきましては、前年からの引継ぎリストに名前の載っていた者を退職の有無を確認することなく漫然と追加記載するなどして計上したことにより、約十年前に退職した者等も含め合計七十四名の退職者が不適切計上されるという、各省様々な問題点ありましたけれども、国土交通省にはこういった特異性が見られると、こういった御指摘をいただいているところでございます。
このような事態を生じた原因でございますけれども、私どもとしましては、検証の結果としまして、組織全体として障害者雇用に対する意識が低く、長年にわたり担当者任せの中で対象障害者の不適切な計上を行うということが実務慣行として行われてきた、これが主因であるというふうに認識をしているところでございます。
○行田邦子君 障害者雇用に対する意識が低くとおっしゃいましたけれども、意識が余りにも低過ぎるというふうに言わざるを得ないと思っております。
続けて伺いたいと思うんですけれども、この検証委員会の報告書を読んでいまして、私にとってはちょっと理解し難かった点があるんですけれども、その点について伺いたいと思います。
国土交通省は、先ほどの御答弁にもありましたけれども、在職者中の障害者の数が法定雇用率を達してさえいればよいという発想で、在職者の中に何人障害者がいるのかを数えて、さらには、確認することもなく漫然と死亡者を含む退職者まで数に入れてしまっていたということでありますけれども、そもそもなんですけれども、国土交通省はこれまで障害者を対象とした特別な採用を行ったことがあるのでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員の御指摘がありました国土交通省のその計上、少し具体的に、どういったことだったかをまず申し上げたいと思います。
各部局から報告のありました障害者リストを取りまとめる際に、一部の担当において過去の障害者リストに掲載されていた者を追加して計上したケースがあり、その際、追加して計上する者について当該者が調査日時点で在職しているかについての確認を行っていなかったため、省全体で見ると退職者を計上するケースが生じたと、こういったことであると考えております。
今申し上げましたように、国土交通省においては、長年にわたり、既に雇用されている職員から新たに選択的に選定をして対象障害者を計上すると、そういった不適切な計上が行われていたということと認識をしております。こういった実務慣行の中で障害者を有する方を新たに採用すると、こういった意識に欠けていたことは否めないものと認識をしておるところでございます。
○行田邦子君 驚きなんですね。これは昭和三十五年から、その当時は身体障害者雇用促進法でしたけれども、この法律が制定されたときから、この法の趣旨というのは障害者を雇用していくという、例えば、行政機関におきましては身体障害者を採用するために採用計画を立てると、ですから、身体障害者を採用するという発想がそもそもある、それがこの法の根底にあるものだと思うんですけれども、そこを全く理解していないというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。愕然といたしました。
そこで大臣に伺いたいと思うんですけれども、私の認識では、石井大臣は福祉であるとかあるいは障害者の政策、また雇用促進といったことにとりわけ熱心に取り組んでいらっしゃるというふうに認識しておりますけれども、このような今の報告を受けまして、国土交通省でも障害者雇用の水増しがこのように行われていて、そして、ずっと新規に障害者を雇用したことがなかったというこのような報告を受けて、大臣はどのような感想を持たれたんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 民間事業者に率先して障害者雇用に積極的に取り組むべきことが当然の責務であるにもかかわらず、このような事態が続いていたことはあってはならないことであり、深くおわびを申し上げます。
この件につきましては、十月の二十三日に開催をされました関係閣僚会議におきまして総理から、今回の事態を深く反省し、真摯に重く受け止め、本日策定された基本方針に基づき再発防止にしっかりと取り組むことという強い御指示がございました。今般の事態を真摯に受け止め、深く反省をし、基本方針に沿って不適切計上の再発防止に取り組む決意であります。事務方に対しましては、二度とこのような事態が生じることのないよう注意をいたしますとともに、障害のある方の雇用の推進に全力で取り組むよう強く指示をしたところであります。
今後は、組織全体といたしまして障害者雇用を推進するという意識を徹底をし、公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、外局を含めまして平成三十一年十二月までの法定雇用率の速やかな達成と障害者のある方が活躍できる場の拡大に向け、全力で取り組んでまいる所存であります。
○行田邦子君 再発防止に取り組んでいただくのは不適切計上ということだと思いますけれども、それだけではなくて、これまで国土交通省は障害者を対象とした特別な雇用ということを、採用ということを行ってきていなかったわけですので、これについても今から新たに取り組むということになろうかと思いますので、是非、大臣のリーダーシップでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
さらに官房長に伺いたいと思いますけれども、平成二十九年六月一日現在で、法定雇用率まで達するには六百五十九・五人の障害者雇用が不足しています。この数は、対象障害者の計上数なので実人数とはちょっと違いますけれども、そういうことであります。現時点ではどのような状況なのか、そしてまた、来年の六月一日、これは六月一日時点での通報がまた来ますけれども、そのときまでにどのように法定雇用率を達成しようとしているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
国土交通省における障害者である職員の不足数でございますけれども、本年四月以降、法定雇用率が公務部門におきまして二・三%から二・五%に引き上げられているところでございます。これを踏まえまして、本年六月一日時点では、不足数は七百十三・五人ということになっております。
このため、国土交通省におきましては、平成三十一年十二月末までに七百三十二人の採用を予定する障害者採用計画を策定し、厚生労働大臣に提出したところでございます。採用は本省及び全国の地方支分部局等で実施することとしております。
ハローワークを通じた求人申込み、あるいは人事院が新たに実施をされる障害者選考試験等を活用し、法定雇用率の速やかな達成と障害のある方が活躍できる場の拡大に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
○行田邦子君 相当大変な努力が必要だと思います。
平成二十九年六月一日現在の、再点検後だと二百八十六・五人対象障害者がいるということですけれども、そこから七百三十二人に持っていくという、今現在は七百十三・五人ということですから、相当大変だと思っております。
また、人事院の選考試験での府省庁別採用予定数を見ますと、国土交通省は百六十九人となっていますよね。ですから、それ以外をどうやって採用していくのかということも相当大変だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
それから、続けて伺いたいんですけれども、国土交通省は、観光庁と海上保安庁を除くと約四万人という職員を擁している組織です。これぐらいの規模の組織で障害者雇用に本気で真剣に取り組むのであれば障害者雇用の専属的な担当者が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
国土交通省におきましては、今回明らかになりました問題点を踏まえ、障害者雇用の推進について、担当者任せにすることなく組織全体として責任を持って推進していく体制が必要であると考えております。公務部門における障害者雇用に関する基本方針に基づき、法定雇用率の速やかな達成に向けて必要な対策を講じていくこととしております。
具体的には、本省の大臣官房人事課において障害者雇用を担当する職員を定めております。その定めた職員が厚生労働省等と既に密接な連携を図り、対策を講じつつあるところでございます。具体的には、障害者雇用に関する講習会、厚労省が開催をしていただいているもの、こういったものにも積極的な参加を図っているところでございます。
加えて、省内に国土交通省障害者雇用推進連絡会議、各部局全て集まった会議を設置をさせていただきました。こちらにおきまして障害者雇用の拡大の取組を全省的な徹底を図るとともに、進捗状況のフォローアップを的確に実施していくこととしております。
これらの取組を通じまして、組織全体として障害者雇用の推進を図っていく所存でございます。
○行田邦子君 厚生労働省にも来ていただいていますので伺いたいと思いますけれども、そもそもこれは昭和三十五年の法律の制定からなんですが、行政機関は民間に率先して自ら範を示すというようなことで障害者雇用率を上乗せということをやってきたと思っておりますけれども、ただ、蓋を開けてみれば、高邁な精神論でそういったことをしているんですけれども、実際は民間の方が今ははるかに進んでいるというふうに思っております、それは意識、実績の両面においてということだと思いますけれども。
これから、この自ら、自らといいますか、決めた法定雇用率、行政機関における法定雇用率を達成できるとお考えなのでしょうか。また、どのように達成するつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(北條憲一君) 今般、多くの府省におきまして対象障害者の不適切な計上により法定雇用率を達成していないということが明らかになり、国民や民間事業主の不信を招く事態となっていることから、できるだけ速やかに法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があると考えております。このため、法定雇用率を達成していない府省におきましては、平成三十一年末までの障害者採用計画を策定し、この計画を実現するための各種の取組を行うこととしております。
具体的には、例えば、実務責任者の配置などにより府省内における障害者雇用の推進体制の整備であるとか、障害のある職員本人からの相談を受け付ける窓口を設置することとしております。また、個々の障害者のサポートをする支援者の配置、委嘱を行う等々、こういったことによりまして障害者が活躍できる職場環境の整備を図ることとしております。
厚生労働省といたしましては、これらの各府省の取組を支援するために、一つには、民間企業や就労支援機関での豊富な支援経験を有するアドバイザー、こういった方を選任いたしまして、各府省に対して働きやすい職場環境づくりなどに関する専門的な助言を行うことができる体制の整備を図ることとしております。また、障害者雇用に関する各府省の職員の理解を促進するための各種のセミナーですとか講習会の開催を進めているところであります。また、ハローワークにおきましても、積極的な職業紹介、就労支援機関との連携の推進を図ることとしておりまして、既にこれらの取組を開始しているところでございます。
今後、これらの取組につきましては、その成果が上がるよう十分フォローアップを行い、各府省における障害者の雇用が量、質共に推進されるよう、最大限努力してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 企業の経営者の皆さん、もう怒っているというか、あきれている方、多いです。厚生労働省も国の行政機関の障害者の雇用に対して関心が低かったと言わざるを得ないと思っておりますので、これからしっかりと取り組んでいただきますよう要請しまして、質問を終わります。