2018年6月4日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は官民ファンドについて伺いたいと思います。
まず、会計検査院にお越しいただいていますので、伺いたいと思います。
平成三十年四月の会計検査院随時報告では、官民ファンドにおける業務運営の状況について報告をされています。官民ファンドについて横断的に検査を行ったのは今回が初めてということでありますけれども、会計検査院として自らの判断で検査を行ったその理由をお聞かせいただきたいと思います。
また、今回の報告の中で、たくさんあるとは思いますけれども、特に一点だけ強調するとしたらばどのような点でしょうか。
○説明員(堀川義一君) お答え申し上げます。
官民ファンドにつきましては、平成二十五年一月に閣議決定された日本経済再生に向けた緊急経済対策を背景といたしまして、二十四年度から二十七年度にかけて多くのものが創設されるなどしております。そして、官民ファンドの業務運営に関する政府出資等の額は多額に上っており、官民ファンド運営法人が行う支援に損失が生じていないか、政策目的に沿った支援が行われているかなどについて国民の関心が高くなっております。
このような状況を踏まえまして、会計検査院は、官民ファンドにおける業務運営の状況について検査を実施し、本年四月に会計検査院法第三十条の二の規定に基づき、国会及び内閣に対して報告したところであります。
今回、官民ファンドにおける業務運営の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から検査を行ったところでございまして、所見といたしまして、最終的に国が政府出資等の額を回収できるように、繰越損失を解消するまでの計画等について必要な見直しを継続的に行い、必要な施策を講じていくことに留意する必要があることなどを記載したところでございます。
○行田邦子君 それでは、個別の官民ファンドについて見ていきたいと思います。
まず、農林漁業成長産業化支援機構、いわゆるA―FIVEですけれども、お手元に資料をお配りをしておりますので御覧いただきたいと思いますが、資料一、平成二十八年度の決算では、資本金等に対する実支援額の割合が二〇・五%と非常に低い状況です。ファンドが設立されてから、平成二十八年度末ですので四年以上が経過している時点で、支援案件の件数、そしてまた金額共に低調な理由を、農水省、どのように分析をしていらっしゃいますでしょうか。
そして、これ見ますと、ファンドを設立して四年以上たっているわけでありますので、本当にこの六次産業化を支援する方法として官民ファンドというものが有効なのかどうかといったこともこれは検証しなければいけないと思っております。私、資本金の一部でも国庫に返納すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
農林漁業成長産業化支援機構による出資が低調であった理由につきましては、出資対象が地域の農林漁業者を起点とする小規模な六次産業化の取組であったため一件当たりの出資額が小規模であったこと、昨年五月までは農林漁業者が主体となって設立された新設法人に出資対象を限定していたことなど、出資ニーズに柔軟に対応し得なかったこと、さらには、サブファンドを主体とした案件発掘に注力し、機構による直接出資の案件取組が十分でなかったこと等があると考えております。
このような状況を踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構におきましては、現在、出資の拡大に向けまして、昨年五月の運用改善により可能となりました農業法人等への直接出資のスキームの積極的な活用、大型、広域案件の機構からの直接出資の拡大、農業競争力強化支援法によりまして昨年八月に支援対象として追加されました農業生産関連事業者への事業再編等への積極的な出資に取り組んでいるところでございます。
こうした取組によりまして、平成二十九年度におきましては、機構の直接出資を通じた大型案件の組成が進んだことから、今御指摘がございました資本金に対する実支援額の割合は、平成二十八年度末の約二〇%から平成二十九年度末には約三〇%と着実に増加をしております。
農林水産省といたしましても、今回の会計検査院の報告も踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構に対し出資の拡大が図れるよう必要な指導を行っていくとともに、効率的な運営や組織体制の必要な見直し等についても幅広く検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 平成二十九年度末には三割の資本金等に対する実支援額の割合ということで、二割から三割に伸びているではないかということですが、それでもまだ非常に低調だと思っております。六次産業化の支援は必要だと思いますけれども、本当に官民ファンドという方法が適切なのかどうかということも含めて見直しをするべきだと思っております。
それでは、続きまして、クールジャパン機構について伺いたいと思います。
平成二十八年度の決算では、支援を終了した案件が一件となっています。クールジャパン機構が設立以来初めてのエグジットでありますけれども、これは何かというと、恐らく日本アニメを海外に動画配信する事業に対して平成二十六年度に機構から十億円の出資をした案件というふうに思われますけれども、このエグジットの方法と、それから十億円出資したわけでありますけれども、機構として、回収額はどうだったんでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
クールジャパン機構が平成二十八年度に支援終了した案件でございますけれども、議員御指摘のとおり、株式会社アニメコンソーシアムジャパンによる正規版日本アニメの放映を通じまして、日本アニメの海外流通拡大や海賊版駆逐を図るために、平成二十六年十月に支援決定を行い、機構より十億円を出資支援した案件でございます。
本案件につきましては、事業を行う中で、アマゾンプライムなど海外の動画配信プラットフォームでの日本アニメの取扱いが急速に拡大しまして、結果としてアニメの海外流通が進展し、アニメコンソーシアムジャパンが果たすべき役割を再検討する必要が生じました。このため、筆頭株主でありますバンダイナムコホールディングスが、自社事業との連携を強化した発信など事業方針を検討するために一〇〇%子会社化することとなり、機構からバンダイナムコホールディングスに株式売却されました。
なお、本件は企業間の取引でございまして、バンダイナムコホールディングスの要望もあることから、具体的な金額については回答を差し控えますけれども、アニメコンソーシアムジャパンの監査法人の議を経て確定されたものというふうに聞いてございます。
経済産業省としても、適切なプロセスを経たものというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 官民ファンド全部に言えることなんですけれども、機構も株式会社で、そして出資先も株式会社と、民民の関係ということで個別案件についてはなかなか明らかにされておりません。ただ、私が疑問に思いますのは、こうして個別の案件において多額の損失が出た場合、どうなんでしょうか。やはり国民に対してしっかりと情報開示をすべきだと思っております。
このクールジャパン機構なんですけれども、平成二十八年度の決算では、いわゆる会計検査院の報告では赤字と。投資倍率が八五・六%というわけでありますので、やはり個別の案件についてもできる限り情報開示をすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。
クールジャパン機構は、国からの資金が投入されている官民ファンドという性格上、情報開示は積極的に行っていくことが必要だというふうに考えてございます。
他方、個別案件の損益の開示につきましては、投資先企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいては機構の今後の案件組成や業績に影響を及ぼすことが懸念される場合もあることから、個々の案件の状況も踏まえ判断していきたいというふうに考えてございます。
なお、政府出資を受けた官民ファンドとして、機構全体で収益を上げることは運営の大前提でございます。そのため、クールジャパン機構では、運営費を加味した上で機構全体の長期収益性を一・〇倍超とするという全体KPIを設定しており、エグジットの段階で案件ごとに設定された個別KPIの総合的な達成状況を官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会に報告し、その内容が公開されることとなってございます。
国としても、こうしたKPIの達成状況を注視しながら、政策的意義を踏まえつつ、機構全体での収益性の確保が達成されるよう監督していきたいというふうに考えてございます。
○行田邦子君 官民ファンドに任せておけば大丈夫だからということで情報開示がなされなくて、気付いたときにはもう大赤字というふうにならないようにお願いしたいと思います。
それでは、石井国土交通大臣にお越しいただいていますので、大臣に伺いたいと思います。
海外交通・都市開発事業支援機構についてです。JOINについてなんですけれども、私はこの機構、必要だと思っております。
海外インフラの輸出目的の機構ですけれども、相手国によってはやはりこうしたインフラというのは長期にわたりますし、また政府の影響が非常に強いということも聞いております。ですので、こうした機構は必要だと思いますけれども、特にこのJOINにつきましては個々の案件において出資額の規模が大きく、そしてまた案件終了まで非常に長期となるわけであります。ですから、機構全体の財務状況だけではなくて、個々の支援中の案件の状況についても可能な限り情報開示をすべきというふうに思っております。
また、投資決定とか、それから投資のエグジット、終了を決定するプロセスについても後々に公開できるようにしておくべきではないかと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 株式会社海外交通・都市開発事業支援機構、JOINの業務の透明性の確保を図っていくことは重要であり、JOIN法及び会社法に基づきまして、JOINの財務状況の公表、JOINが支援を行うに当たって従うべき支援基準の公表、毎年度行う業務実績評価の公表などの情報開示の取組を行っております。
また、平成二十五年に関係閣僚会議で決定をされました官民ファンドの運営に係るガイドラインでは、投資決定時のみならず、投資実行後も情報開示を継続的に行うこととされております。
一方で、支援中の案件の情報開示に際しまして、JOINが支援している企業に現地の法令等の定めを超えて情報開示を行うよう求めることにつきましては、関係者との信頼関係を損ねたり、支援企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいてはJOINの案件形成や業績に影響を及ぼすおそれがあることなどから、慎重に対応する必要があると考えております。また、JOINによる支援決定や終了等のプロセスの公開につきましては、JOIN法におきまして、支援決定等を行うJOINの事業委員会の議事録の作成と保存を求めているところであります。
国土交通省といたしましては、以上のような状況も踏まえつつ、引き続きJOINの業務につきまして透明性の確保が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 海外へのインフラ輸出というのは非常に私は夢のあるものだと思っておりますので、しっかりと情報開示をして、また国民にも逆に知ってもらいたいというふうに思いますし、また大臣もトップセールスを更によろしくお願いをいたします。
それでは、続きましてもまた大臣に伺いたいと思います。
もう一つの国交省の官民ファンドですが、耐震・環境不動産形成促進事業について伺います。これ昨年も決算委員会で伺わせていただきました。
平成二十八年度決算での資本金等に対する実支援額の割合は二三・六%と低いですが、その後、少し頑張られたようでして、平成三十年四月末現在では四四・九%まで伸びていますけれども、その案件を見ますと、これほとんど都市部の案件です。上野、新横浜、大阪、大阪、大阪、六本木、錦糸町、横浜、渋谷ということで、ほとんどが都市部です。私は、これを見ますと、本当に真に国のリスクマネーの投資がなければならない案件なのかと疑問を感じております。
大臣に伺いますが、今後のファンド運営についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本事業は、耐震・環境性能が不足をしております老朽化したビルなどにつきまして、耐震性や省エネに優れたビルへの改修、建て替えを促進する事業であります。
平成二十五年の官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会におけます地方への貢献も考慮した指標設定についての議論を踏まえまして、本事業全体におけます地方物件数の割合を平成三十四年度末時点で二割以上とすることを目標としております。
地方物件に対する出資実績につきましては、平成二十八年度まではゼロ件でありましたが、平成二十九年度におきまして地方五物件に対する出資を実行いたしまして、現在の事業全体における地方物件の件数の割合は二六・三%となっております。
地方における本事業の活用を図るため、これまで地方において本事業の普及セミナーを五十三回開催をいたしまして、また、不動産証券化に詳しいファンドマネジャーの地域の事業者への紹介を十四件行うなどの取組を進めてまいりましたが、引き続き、地方における案件形成に向けまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 出資額をとにかく消化してというか、投資実績を増やすことが目的化してはいけないというふうに思いますので、是非その内容についてもしっかりチェックをしていただきたいと思います。
それでは、財務省にこの後伺いたいと思いますけれども、官民ファンド十四のうち九ファンドにおいて財政投融資特別会計の投資勘定からの出資を受け入れています。
平成二十八年度の投資勘定の決算、資料三ですけれども、を見ますと、予算にはなかった歳入として、二次補正の未来への投資を実現する経済対策として一般会計から二千五百九十億円受け入れています。これを財源とした産業投資の予算上の内訳を見ますと、どういう内訳になっているかと、これ予算上なんですけれども、国際協力銀行への一千九十億円、石油天然ガス・金属鉱物資源機構一千五百億円のほか、いわゆる官民ファンドのクールジャパンに三十億円、JOINに五十二億円、海外通信・放送・郵便機構二十二億円となっていますが、決算を見ますと年度内に運用されたのは国際協力銀行だけです。それ以外は全て翌年度に繰り越しています。
この資料三の平成二十八年度のこの投資勘定の決算を見ますと、結果論としてというか、決算を見ますと、一般会計第二次補正からの二千五百九十億円の受入れって、これ要らなかったんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) お答え申し上げます。
二十八年度第二次補正予算におきましては、日本企業の海外インフラ展開支援やクールジャパン戦略推進等を盛り込みました経済対策の方針に基づきまして、財投特会投資勘定から御指摘の国際協力銀行、JOGMEC、ほかクールジャパン以下の三ファンドに合計二千六百九十四億円の補正追加を行ったところでございます。
これらの補正追加のうち、国際協力銀行向けは自己資本の拡充を目的としたもので、年度内に執行されました。一方、JOGMECや三官民ファンドについては投資資金を追加提供するものでありましたが、これら機関におきまして、海外出資先の選定や現地事業者等との調整が年度内では整わず、なお時間を要すると見込まれたことから、大宗を二十九年度に繰り越すこととなりました。
海外投資業務を行うファンドにつきまして、私どもとしても、予算編成時にできるだけ確度ある案件に絞って所要の投資資金を計上しているところでございますが、一般の役所の仕事とは異なる投資業務の特性上、市況の変化や相手方事業者の事情変更など、様々な事情により計画どおりに執行できないということも間々あることに御理解賜れば幸いでございます。
なお、決算剰余金の御説明をしてよろしゅうございましょうか。
投資勘定の前年度決算剰余金でございます。これは、例年、前年十二月時点で確実に見込める金額を当年度予算に計上して、七月末の決算で剰余金を確定後、残額を翌年度の産業投資の歳入として活用してございます。
二十八年度につきましても、補正予算編成時点で既に二十七年度決算剰余金五千三十六億円のうち二千八百五十七億円は二十八年度予算に計上済みでございまして、残りの金額はこの補正予算と同時に編成中の二十九年度の産業投資計画に使うことを既に見込んでおりまして、このため、追加出資の必要額につきましては、一般会計から二千五百九十億円を受け入れたところでございます。
○行田邦子君 御答弁聞いていて、やっぱり二千五百九十億円の一般会計二次補正、要らなかったなという思いを強くしております。
最後、簡潔にお答えいただきたいと思うんですけれども、この決算見ていても分かるんですけれども、この財政投融資会計投資勘定ですけれども、JT株とNTT株の配当金の収入があります。これ、元々昭和六十年までは一般会計で持っていたものです。この投資勘定の目的というか原則からしますと、やはり、投資をし、出資をし、それを回収し、そして収益を得て、それを国に返すということでありますので、その原則からしますと、私は、JT株それからNTT株は一般会計に戻すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) JT株式及びNTT株式につきましては、両社からの配当金の一部を産業の開発及び貿易の振興のために還元することとして昭和六十年六月に産業投資特別会計に帰属させ、以来、両株式からの配当は産業投資の貴重な財源となっております。産業投資におきましては、現在、政府系金融機関や官民ファンドを通じて、民間だけでは十分に資金が供給されない分野に呼び水としての長期リスクマネーを供給しておりまして、成長戦略の上でも重要な役割を担っております。
理想的には、委員御指摘のとおり、こうしたリスクマネーが十分な規模のリターンを生み、官民ファンド等から産投等への配当等の形で還元され、産業投資の安定的かつ十分な財源となることが望ましいと考えております。このため、各官民ファンドにおいては、今回の検査院の指摘も踏まえ、効率的な運営や収益性の確保を図ることが重要であります。
しかしながら、現実には、ファンドの歴史の浅さや投資回収期間の長さなどにより、いまだ官民ファンドは安定した利益を生み出す状況にはなく、一方、日本経済における民間のリスクマネー供給もいまだ十分とは言えない状況でございます。このため、引き続き産業投資においてリスクマネー供給に努める必要がありますが、その際には、安定財源として、産投支出の約六割に当たりますNTT株式やJT株式の配当が今後とも重要であることに御理解賜れば幸いでございます。
○行田邦子君 財源がだぶついているから余計なことに使うんじゃないかと思います。
これからも、会計検査院におかれましては、定期的に官民ファンドの検査をお願いしますことを要請しまして、質問を終わります。ありがとうございました。