2018年6月12日

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今日、ちょうどシンガポールでは米朝首脳会談が行われておりますけれども、そのお隣の国のマレーシアのマハティール首相が昨日から来日をされておりまして、ちょうどこの時間でしょうか、国会内でも講演をされているということで、お聞きできないのが残念ではありますけれども、そのような状況であります。
政権に返り咲いたマハティール首相でありますけれども、大型のインフラプロジェクトの見直しということを進めております。例えば、日本政府が注目をしているプロジェクトに選定しているクアラルンプール―シンガポール間の高速鉄道、HSRについては中止を表明をしていますし、また、中国が既に受注している東海岸高速鉄道も、これも中止の交渉に入っているというふうにも聞いております。
マハティール首相の政権復帰が今後の日本のインフラ輸出にどのような影響を与えるとお考えなのか、また、どのような戦略で取り組んでいくのか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) マハティール首相は、政権公約であります外国企業からの支援を受けた大型インフラプロジェクトの見直しに従って、記者会見等の場でマレーシア―シンガポール間高速鉄道計画の中止やマレー半島東海岸鉄道線の再交渉について発言を行っていらっしゃいます。
マハティール首相の就任が今後の日本のインフラシステムの海外展開に与える影響は必ずしも明らかではありませんけれども、今後とも、我が国の知見、ノウハウを生かしてマレーシアの課題解決に貢献していくことが重要と考えております。
このため、日本の高い技術、ノウハウを生かしつつ、維持管理まで含めたライフサイクルコストが低廉で環境面、防災面にも配慮をし、人材育成や制度構築支援も併せて行う日本の質の高いインフラのコンセプトによって、競合国と差別化を図りながら、インフラシステムの海外展開を引き続き推進をしていきたいと考えています。
○行田邦子君 日本の質の高いインフラということをしっかりと理解をしていただくと同時に、また、マレーシアがどのようなインフラを望んで、また必要としているのかといったこともしっかりと把握をしていただきたいと思っております。
それでは、シップリサイクル法でありますけれども、船舶の解体作業は、人件費やスクラップ鉄の価格やまた需要といった観点から、現在はバングラデシュ、インド、パキスタン、中国の四か国で九七%を占めているということでありまして、環境保全やまた労働災害といったことが国際問題化されております。
こうした中、二〇〇九年に採択されたシップリサイクル条約でありますけれども、これは先ほどからお話があるように、日本が主導して作成されたものということでありまして、日本におきましても締結に向けての国内法の整備が急がれているという状況で、今日の審議に至っているということであります。
一方で、この条約発効のためにはインドと中国の締結が必要であるということでありますけれども、これら二か国においての締結に向けての状況をお聞かせいただきたいのと、また、インド、中国での締結を促すための日本の取組についてもお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
シップリサイクル条約の発効のためには、インドや中国といった主要解体国の締結が必要不可欠でございます。このうち中国に関しましては、既に関連国内法の整備を終えており、早期の締結が見込まれるというふうに聞いております。また、インドにつきましても、二〇一七年九月の日印共同声明におきまして早期締結の意思を確認しております。このほかにも、トルコも締結の最終段階にあると聞いておるところでございます。
シップリサイクル条約の作成を主導した我が国では、これら主要解体国の条約締結に向けまして、官民を挙げた取組を行ってまいりました。
具体的には、我が国は、二〇一七年九月に、インドにおける解体施設を改善するため、ODAによる支援を決定いたしました。さらに、二〇一六年二月にはロンドンで、中国を含む各国からの官民の関係者を対象に、我が国がシップリサイクル国際セミナーを主催し、条約基準に適合する解体施設のモデルケースの紹介や、締結に際しての課題の意見交換等を実施いたしました。このほか、民間におきましても、日本海事協会が二〇一二年から、インド、中国等の解体施設に対し、条約適合に関する認証や改善に向けたアドバイス等を実施しているところでございます。
今後とも引き続き、主要解体国への可能な協力を行いまして、シップリサイクル条約の締結を働きかけてまいりたいと思います。
以上でございます。
○行田邦子君 条約の作成に主導的な役割を果たした日本におきましては、発効においてもやはり積極的に取組を行っているということであります。
先ほどの御答弁にも少しありましたけれども、インドに対する円借款ODA事業について伺いたいと思います。
昨年九月十四日に合意した円借款ODAですけれども、グジャラート州アラン、ソシヤ地区シップリサイクル環境管理改善計画であります。インドは原則、タイド援助、いわゆるひも付き援助は国の方針として受け入れないということでありますけれども、本件についても国際競争入札となっておりまして、日本企業が応札また落札するとは限りません。
このODA事業は、私は、シップリサイクル条約のインドの早期締結を促し、発効要件を満たすために意義のある事業だと、援助だと思ってはおりますけれども、ただ、日本とインドの関係強化とか、あるいは成長するインド市場をしっかりと取り込むというような日本の成長戦略といった視点からはどのような意義があるとお考えでしょうか。
○政府参考人(塚田玉樹君) 委員御指摘のとおり、本事業を通じてインドでのシップリサイクル条約の実施体制の整備を後押しするということは、この条約の早期締結をインドに促していくという上で非常に重要な意義があるというふうに考えております。
また、この事業はインド側の要請を受けて実現したものでございまして、昨年九月の日印首脳会談では、モディ首相から安倍総理に対しまして、本事業に係る日本の協力に対し深く謝意が示される等、首脳間あるいは二国間の関係を強化する上で非常な重要な意義を果たすものというふうに認識しております。
さらに、この事業は、インドにおける船舶解体施設を活用する船舶あるいは海運業界からも高い評価を受けているところでございまして、また、インドにおける船舶解体施設を利用する本邦の船舶あるいは海運業界に裨益するものでもありまして、我が国企業が海外で経済活動をしていくという上で、こうした活動を後押しするという意義もあるというふうに認識しております。
○行田邦子君 よろしくお願いいたします。
ODA、こういった事業を日本がやっているということ、もちろん政府間での認識共有ということだけではなくて、やはりその相手国の国民にもできるだけ知ってもらうということが重要だと思っております。また、そもそもODAは、日本企業が受注するためにやるという、そもそもそういうものではないということでもありますけれども、やはり日本の経済にも寄与するようなもので、そういったことであってもほしいなというふうにも思っております。
それでは、質問を続けさせていただきます。
二〇一三年十二月三十日に発効されたEU域内法ですが、先ほどからも質疑がありましたけれども、最も遅くて二〇一八年末に適用される予定ということであります。
このEU域内法なんですけれども、シップリサイクル条約の規制から上乗せがされているということです。例えば、施設整備についてとか、あるいはEUリストという、EUの船、EU籍船を受け入れるシップリサイクル施設に対しては審査をして承認をするという仕組みであるとか、あるいはインベントリーの対象となる有害物質など、こういったことが上乗せされているわけでありますけれども、また、この条約内容に上乗せ規制を加えることについて中国が懸念を示しているということもお聞きをしております。
これに対しての日本政府の見解、つまりEU域内法が条約の上乗せをしているということ、そして、それに対して懸念を示している国もあるということについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
EU加盟国によるシップリサイクル条約の締結及び実施を可能とするため、二〇一三年に関連のEU域内規則が採択されており、本年にも施行が見込まれると承知しておるところでございます。他方、このEU域内規則は、基本的にはシップリサイクル条約の要件に沿ったものであるものの、委員御指摘のとおり、一部におきまして上乗せとなっている規制がございます。
我が国といたしましても、海運、造船という世界単一の市場におきまして、国際統一ルールである本条約と異なる独自の地域性が設けられることに関しましては、我が国海運事業者にも混乱を招きかねないものでありますことから、好ましくないというふうに考えておるところでございます。
このため、これまでも我が国からEUに対しましてEU域内規則を本条約に沿ったものとするよう働きかけを行ってきており、引き続き、このような働きかけを継続してまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
○行田邦子君 海の上での、海洋での保全、また利用というのは、これは国際的な統一ルールを作るということが、これがお互いにとっての望ましいことであるというのがこれまでの人類が生み出した知恵だと思っておりますし、それを日本もしっかりと、やはり共通ルールであることが意味があるんだということをこれからもしっかりと打ち出していただきたいと思っております。
それでは次に、質問をさせていただきます。
日本は世界の中で造船が三位、そして海運業で二位という地位を占める海運国であります。そして、海事分野における国際的ルール作りにおいて主導的な役割を果たす責任があると感じております。
こうした中で、シップリサイクル条約も日本が主導的な役割を果たして作成されたわけでありますけれども、この国際海事機関、IMOにおいて、日本はどのように自らの影響力を高めて、そしてリーダーシップを発揮しているのか、具体的にお聞かせいただきたいと思っております。
それからまた、IMO職員が今二百二十人ほどいらっしゃるということでありますけれども、そのうち日本人職員は現在五名というふうに聞いています。これはIMOだけではないんですけれども、国連などの国際機関で日本人の職員の比率が低いということを私は問題視をしておりますけれども、IMOにおいても低い状況でありますが、日本人職員を増やすことも重要ではないでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
我が国は世界有数の海運・造船大国として、国際海事機関におきまして、その設立以来理事国の地位を維持するなど、強い影響力を有しております。昨年十二月に開催された理事国選挙でも、最多の得票数で理事国に再選されたところでございます。また、IMOにおける主要ポストの獲得等を通じまして人的ネットワークを形成し、我が国の国際的プレゼンスの向上を図ってまいりました。
例えば、シップリサイクル条約や船舶からの二酸化炭素、CO2排出基準などを扱う海洋環境保護委員会の議長を国土交通省の職員が、また、船舶の安全に関する小委員会の議長を海上技術安全研究所の職員がそれぞれ務めているところでございます。
このように、我が国はIMOにおきまして高いプレゼンスを発揮しながら、シップリサイクル条約を含めて、安全や環境に関する効果的かつ合理的な様々な国際ルール作りに貢献してきたところでございます。
委員御指摘のIMOの事務局職員につきましては、現在、部長職を含め五名の日本人職員が勤務しておりますが、引き続き、産学官公の連携によりまして、IMOにおいて活躍できる人材の更なる育成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございました。