2018年5月17日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
まず初めに、駅のホームドアの設置について伺いたいと思います。
平成二十七年二月に閣議決定された交通政策基本計画においては、平成三十二年度に約八百駅という整備目標を打ち出しております。これをできる限り前倒しを図るようにということで今国土交通省としても取り組んでいるわけでありますけれども、ホームドアの設置は、終電から始発までの深夜の限られた時間での作業となりますし、また天候にも左右されるということです。こうした制約があります。そしてまた、ホームドアの設置工事事業者からは、深夜作業を行う職人の確保や経験のある現場監督者の確保が困難であるという声も聞いております。
工期の短縮やまた工事の効率化など、どのような対応をしているでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備をできる限り前倒しで推進していくということは極めて重要なことであると考えております。
ホームドアにつきましては、先ほど委員から御指摘ありましたけれども、二〇二〇年度に八百駅という数値目標を設定し、その整備を推進しているところでございます。二〇一六年度末には六百八十六駅まで整備が完了しているところでありまして、この目標年限の達成というのは十分可能であると認識をしているところでございます。
先ほど委員が御指摘でありました、そういった労働者の不足、そういった問題、こういったことにつきまして、私ども、今こういったことに非常に切迫をしている、それが問題で整備が進まないと、そういった状況にあるという認識は必ずしもございませんけれども、ただ、今の委員の御指摘もありますので、しっかりと実態把握のための調査を行いまして、必要に応じて対応策を検討したいと考えているところでございます。
なお、工期という点について申し上げますと、ホームドアのハードウエア自体、いろいろな工夫が今されつつあるわけですけれども、その一環として、ドア部をフレーム構造として軽量化、簡素化を図る、こういったことが工期短縮にも資すると、こういったことも含めて総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私のところには、こうしたホームドアの設置の工事をする事業者さん、複数の会社から、なかなかちょっと人手の確保はできない、行田さんはホームドアの設置の前倒しとよく言うけれども、そんなに簡単なことではないよという意見をよく聞いておりますので、実態を調べていただけたらと思いますし、また、今、工期が短縮できるような新しいタイプのホームドアの技術革新というのも国交省さんとしても更に進めていただきたいと思います。
それでは、続けて質問ですけれども、私がおります埼玉県ですけれども、埼玉県においてもホームドアの設置を熱心に取り組もうとしております。五か年計画を立てまして、平成三十三年度末までにホームドアを県内三十三駅に設置するという目標設定をしておりまして、この財源に地方債を充てたいというふうに考えておりますけれども、市町村においてバリアフリー基本構想を策定してホームドア設置を位置付けていなければ、地方債を財源とすることができないわけであります。
今、基本構想を策定している市町村というのはなかなか少ない状況、様々な理由があろうかと思いますけれども、こういう中で、基本構想に位置付けられていないホームドアについても、地方債を財源としてホームドアの設置をもうどんどん促進したいというふうに、かねてから埼玉県から要望を上げられているわけであります。
こうしたホームドアの整備に積極的な地方自治体の声に対して、この法案はどのように応えているのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
バリアフリー法上は、基本構想に即して事業計画を定めまして、その計画に基づき実施される事業については起債の特例が適用できるという仕組みになっております。地方債の発行につきましては、地方財政法五条で、起債ができる場合を極めて限定的に制限をいたしております。
このバリアフリー法上の特例は、地域における一体的、計画的なバリアフリー化を推進していくために、基本構想に即した事業に限りましてこの地方財政法五条の特例として認められるという制度になっているものというふうに承知をいたしております。したがいまして、私どもといたしましては、やはりこの基本構想の作成を促進をしていただいて、この基本構想に基づく事業をより積極的に実施をしていただくということがやはり必要であるというふうに考えております。
基本構想につきましては、いきなり、事業の計画がないと作れないということになっているものですから、今回はそれを促進する観点から、その前段階にマスタープランというのをまず作っていただいて、そのマスタープランを作っていただけた場所については、事業者が、事前に届出が出てまいりますので、その届出を契機として事業者間の調整に入っていただく、その調整を経て基本構想の作成ができるようにという一連の流れで取り組めるように、マスタープランの制度というものを今回導入をいたしました。
このマスタープランの制度については、これまでも委員の御質問にお答えをいたしておりますように、例えば予算の措置でございますとか、あるいは国からの情報提供でございますとか、様々な促進のための支援を講ずることといたしております。やはりこのマスタープランに基づいて基本構想を作っていただいて、それに基づく事業をできるだけ実施をしていただくことでこの地方債の特例を活用していただきたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 地財法の五条の起債の特例がありますけれども、非常に制限があるということで、地方自治体が自らの意思で起債をして、そして、それを財源に充てて事業をすることはなかなか非常に限定的であると。たくさん借金をしている国からあれこれと言われたくないと地方は思うんだろうと思いますけれども、これが現状であります。そうした中での今回の法案での対応ということですので、よろしくお願いいたします。
そして、駅ホームからの転落なんですけれども、お手元に資料をお配りしておりますけれども、どういう要因でホームから転落をするかということでありますが、平成二十八年度を見てみますと、全体の件数で二千八百九十件ということですが、そのうちの六割が酔客と、まあ酔っ払いということなんです。自分でお酒飲んで酔っ払っていい気持ちになってふらふらしているという方に対して何かケアをと言われても、ううんと思いますけれども、ただ、これでホームから転落をすると多くの人に迷惑が掛かるわけであります。
酔客の転落防止について何か策を講じているのでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
先ほど申し上げましたように、ホームドアの整備というのは、酔客に限らず、転落防止の抜本的な対策であるわけでありますけれども、酔客への特別な対策としましては、一つは、首都圏の鉄道事業者が連携して行っておりますけれども、列車への接触をしないようにという注意喚起をするとともに、あと、危険を感じたときに、周りの方々も含めて、非常ボタン、非常停止ボタンを押していただくと。そういったことを目的としまして、飲酒の機会が多くなる年末年始に、プラットホーム事故ゼロ運動と称してこういった啓蒙活動を実施している例がございます。
また、幾つかの鉄道事業者におきましては、ホーム上のベンチの置き方を、レールに対して水平に置いてある例が多いというのを委員の皆さんは御承知だと思いますけれども、これを垂直に変えるといった取組も行っております。これは、電車が入ってくるというときに、ふらふらっと立ち上がってそのまま真っすぐ歩いていってしまう、そういったことが経験的に多いという、そういったことを反映した取組でありますけれども、こういった面の取組も併せて行われているということでございます。
先ほど委員が御指摘ありましたけれども、駅ホームにおける転落防止というのは、酔客を含めて全ての利用者の安全確保、さらには利用者の利便、遅延防止にとっても重要な課題でありますので、国交省としましては、今後ともハード、ソフト両面から対策を着実に進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 更に質問ですけれども、平成二十八年十二月に取りまとめられました駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間取りまとめですけれども、ここではホームドアなどハード対策だけではなくて、ソフト対策も非常に重要であるといった取りまとめになっております。これを受けてということだと思いますけれども、昨年の五月から七月にかけて二か月間、駅ホームでの声かけ・見守り促進キャンペーンというのを実施をされていると承知をしています。
その成果についてどのように捉えているのかお聞かせいただきたいのと、それと、今日の午前中も参考人質疑があった中で、田中参考人からも御意見がありましたけれども、やはり駅での声掛けや手伝いというのは駅員というプロがやることが基本であるというようなこともおっしゃっていました。なぜかというと、一般の乗降客というのはなかなか慣れていないので、例えば背中を押してしまったり強く腕をつかんだりという、これは視覚障害者にとって非常に恐怖を感じるんだと思うんですけれども、こういったことをされてしまうと、大変、逆に手伝おうと思ったことがマイナスになりかねないということだと私は感じました。やはり多くの方たち、私も含めてなんですけれども、手伝いたいという意識はあるけれども、じゃ、具体的にどういうことをしたらよいのかと、また、どういうことをしたらまずいのかということは分からないのではないかなと思っております。
今キャンペーンをされていますけれども、啓発の、ふわっとしたキャンペーンといいますか、ポスターを貼るなどだけではなくて、具体的にどういうことをしたらよいのか、してはいけないのかということを、例えば電車の中の動画のCMなど、今最近ありますので、こういったものなどを使ってより具体的な啓発活動をしてはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
駅ホームの安全性確保に当たっては、ハード面の施設整備だけでなくて、ソフト面の取組も進めることが極めて重要でございます。このような観点から、平成二十八年十二月、駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間取りまとめにおいて、ソフト面の取組として旅客による声掛け、誘導案内の促進を図るための啓蒙活動を行うとしたところでございます。
この取組につきましては、平成二十三年から二十八年の間、鉄道利用マナーアップキャンペーンというものを国土交通省行ってきたところでありますけれども、さらに、平成二十九年五月から七月にかけて、より具体的な声掛け、誘導案内、どうしたらいいのかということを例示をした駅ホームでの声かけ・見守り促進キャンペーンというものを実施をしております。
これは、具体的には、どうすればよいかをそういった障害者の方に聞きましょう、さらには周りの状況をお伝えしましょう、さらにはお手伝いが必要がないときもありますよということを具体的に一般の利用者の方々に啓蒙を図っているというものでありますけれども、これにつきましては、先日、このバリアフリー法の改正法案の衆議院における質疑がございました。そこで参考人の御質疑があったわけでありますけれども、その中で参考人の方お一人から、駅に行くと声を掛ける人が増えたということも実感しておりますということをお話としてもいただいたところでございます。そういった具体的な成果が見えるように、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
なお、キャンペーンの方法でございますけれども、駅のポスターというのがありますが、さらには車両の中の中づり広告、さらには最近車内に動画のディスプレーが付いておりますが、こういったところで放映をするといったことをやった事業者もございます。さらには、講習会というようなものを開いて、具体的にこういった形でお手伝いをしてくださいということを伝えたといった事例もございます。
この辺りにつきましては、そういった良い事例というのを私ども収集をして、引き続き、ほかの鉄道事業者にもお伝えをして、更に普及啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 駅のホームからの転落事故がありますと、電車の遅延につながるということであります。昨年十二月に国土交通省が発表した電車遅延の見える化によりますと、十分未満の遅延という小規模な遅延、お手元に資料をお配りしております資料二ですけれども、十分未満の遅延のうち六三・二%が利用者起因、利用者に起因するものとなっていまして、小規模な電車の遅れの多くは鉄道利用者のマナーによって改善されると考えております。
啓発など、現在どのような活動をされているのか、また今後の取組についてもお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。
鉄道の定時性、これは鉄道輸送の信頼性の基盤でございます。遅延防止はそういう意味で大変重要な課題であると認識をしております。
今委員から御紹介をいただきました遅延の見える化といった私どもの取組、これは平成二十九年十二月に初めて発表したものでありますけれども、この中で遅延、十分未満の余り長くない遅延の多くというのは、乗降時間の超過、あるいはドアの再開閉など、利用者の方々の乗り降り、それに関するものが原因であるということが明らかになってきているところでございます。
そういった点で、こういった遅延の防止については利用者の行動に着目した取組が重要であるということから、各鉄道事業者では、駆け込み防止、あるいは整列乗車などの乗車マナーの呼びかけ、さらには乗車の位置のサインの変更、これは具体的には、ホームドアの前ではなくて両側に並んでいただくような形で最近ホームにサインのやり方を変えておりますけど、そういった取組を行っております。
さらには、ホーム要員の増員によって速やかに整理をすると、こういったことで、よりスムーズな乗降の実現に向けた取組というのを進めているところでございます。
私どもとしましては、更に鉄道事業者と協力をして鉄道利用者のマナーアップを働きかけ、これによって遅延防止を図ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私はよく電車、国会には電車通勤しているんですけれども、一昨日もすごい勢いで男性の方がばあっと駆け込みをしまして、一昨日に限らずなんですけれども、ちょっとのことだから大丈夫だろうと思っていても、その積み重ねで電車が遅れて、結局自分にも降りかかってくるということ、利用者に対してこれからもしっかりとした啓発をしていただきたいと思っております。
ホームや列車の混雑は、電車の遅れを招く原因ともなります。また、逆もしかりで、混雑時の電車の遅れは対策も非常に打ちにくくなると思います。快適な移動環境という視点からも、電車の混雑緩和にどのように取り組んでいますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。
国土交通省としましては、混雑緩和対策として、これまで新規路線整備、線路の複々線化、さらにはオフピーク通勤の推進等の取組を随時行ってきたところでございます。
東京圏の主要区間のピーク時の混雑率は、これは二十年前、平成九年度には一八六%、これは、折り畳んで無理をすれば新聞が読めるというのが一八〇でありますけど、それを更に超えるような形であったわけですけれども、平成二十八年度には一六五%というところまで減少してきております。
平成二十八年四月に取りまとめられました交通政策審議会の答申におきましては、この申し上げたピーク時の混雑率を東京圏の主要区間において一五〇%、広げて楽に新聞が読めると、こういったレベルまで下げるために、引き続き混雑緩和の取組を推進するべきことが指摘をされております。
このため、国土交通省としましては、ホームの増設、拡幅、さらにはコンコース、地下鉄の場合にホームの一つ上にそういったスペースがございますけど、そういったところを更に拡幅するような駅の大規模改良といったハード面の取組、さらには、早朝の時間帯の利用を促進するために、そういった利用者の方にICカードについて付加的なポイントを付与すると、こういった取組を鉄道事業者の間でも行いつつあるところでございます。
こういったところ、さらには、東京都が今、快適通勤の実現に向けて時差ビズという、これは鉄道会社だけでなく会社の方々にも呼びかけて行っておられる取組でありますけれども、こういったハード面、ソフト面の取組というものを鉄道事業者、自治体ともしっかり連携して、引き続き混雑緩和を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 根本的な解決は働き方を変えるということかなとは思うんですけれども、ハード面でもまた努力していただきたいと思いますし、ハード面だけでも限界があるのかなと思いますので、ソフト面も併せて行っていただきたいと思います。
そして、続きまして、電車の遅延や運休によって会議が延期されてしまったり打合せに間に合わなかったりということ、それから、そもそも移動に予定以上の時間が掛かったりということになってくるわけでありますけれども、電車の遅延や運休による経済ロスというのは私はこれすごいものがあるんじゃないかというふうに常日頃から思っているんですけれども、電車の遅延や運休による経済ロスというのを国土交通省は試算をされたことはありますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) まだそういった試算については行ったことはございません。
○行田邦子君 簡単な答弁だったんですけれども、是非、試算はできると思うので、やってみていただきたいと思うんですよ。
じゃ、どうぞ。
○政府参考人(藤井直樹君) 申し訳ありません。
その関係で申しますと、まず、国土交通省は、鉄道運転事故あるいは輸送障害などが発生した場合に、運休、遅延の本数、あるいは遅延が生じた列車の場合の最大の遅延時分に係る報告、これを鉄道事業者からデータとして受け取っているところでございます。
さらには、先ほど委員の御指摘にありました遅延の見える化というものでありますけれども、これは、鉄道事業者が遅延証明書というものを発行しておりますけれども、これをデータベースにして作業を開始をしているところでございます。
今委員の御指摘にありました経済ロス、先ほど申し上げたとおり、まだ試算をしたことはございませんけれども、今私が申し上げたような各種のデータというものがそういうものを計算するときにどのように使えるかということ、さらには、そういったロスを計算することが今後の対策にどのように有効かと、そういったことも含めて、今後総合的に検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 電車の遅延や運休による経済ロスというものを試算して、そして国民の皆さんにも示せば、鉄道利用者のマナーの改善といった啓発にもつながると思いますので、一度やられてみたらよいかと思います。
御提案を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。