2018年4月10日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず最初に、前回の質疑で大臣にお聞きすることができなかった質問、一点、質問させていただきたいと思います。三月三十日に米国通商代表部、USTRが公表した二〇一八年外国貿易障壁報告書の自動車部分について伺いたいと思っております。
米国の自動車メーカーにとって、様々な非関税障壁が日本の自動車市場へのアクセスを妨げていると、こういうふうに主張しているわけでありますけれども、まず、このことに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
そしてまた、非関税障壁の一つとして、認証、独自基準及び試験方法を挙げています。私は、これに対してしっかりと反論するべきであると思いますし、また逆に、米国に対してWLTCなどの基準の採用を働きかけるべきと考えていますけれども、大臣の御所見、併せて伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 三月三十日に米国通商代表部が、自動車の認証制度や基準等を例に挙げて、様々な非関税障壁があると指摘する内容を含む外国貿易障壁報告書を公表したことは承知をしております。
日本の自動車市場につきましては、我が国は外国からの自動車輸入に対して関税を課しておらず、関税以外についても非関税障壁を設けるような差別的な取扱いも行っていないことから、十分に開放的であると認識をしております。また、報告書の中で非関税障壁として指摘がありました日本の認証制度、自動車基準及び試験方法につきましては、自動車産業の国際化が進む中、国際調和が進んでおり、自動車貿易の障害とはなっていないと認識をしております。
今後も、様々な機会を活用いたしまして、関係省庁とも連携をして米国側に説明するとともに、排出ガス及び燃費に関する国際的な試験方法であるWLTCを含む国際基準の採用を働きかけるなど適切に対応してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 国際調和、統一基準の主導的な役割を果たしているのがむしろ日本であるということも、機会を捉えて米国にも理解をしていただくようにお願いいたします。
そして、このUSTRの報告書には、木材製品及び建築資材についても言及がされています。どういうことが書かれているかといいますと、日本が国産の木材製品を有利にするような補助金によって数多くの現地化障壁を維持していることを懸念し、米国はこれらの基金の支払金や他の国産材補助金制度を監視していると、このような内容になっていますけれども、今日は林野庁にお越しいただいていますので、これに対する見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。
先生御指摘のとおり、今年の三月三十日に米国の通商代表部が発表いたしました外国貿易障壁報告書の中で、木材加工流通施設の整備などを行います合板・製材生産性強化対策事業というのがございますが、そういうものなどの日本の林業補助金につきまして、国産材を優遇する補助金があって米国として監視している旨の記述がなされていると、これは我々も承知をしております。
指摘をされました合板・製材生産性強化対策事業といいますのは、TPP合意を踏まえまして、国内の林業生産の競争力を高めるための支援策でございますけれども、補助金支給に当たりましては外国産材に対して差別的な扱いを求めるものではありませんし、また、補助金で整備された加工流通施設等の利用に当たって外国産材の利用を制限するものでもございません。
このように、本事業は国産材を優遇するものではなく、外国産材への内国民待遇などを求めるWTO協定上問題がないというふうに考えておりまして、林野庁としましては、今後とも、必要に応じまして関係省庁とも連携し、米国側に説明するなど適切に対応してまいりたいと思っております。
○行田邦子君 WTOが求めている内外無差別、これにのっとっているということ、しっかりと主張していただきたいと思いますし、この内容、USTRの報告書というのは毎年毎年この時期出されているわけでありますし、また、昨年も同じような記述であったということでありますけれども、だからといって気を緩めることなく、しっかりと対応していただきたいと思います。
それでは、先ほどから言及されていますCLTの普及につきまして、私からも質問させていただきます。
今回の改正法案では、耐火構造等としなくてよい木造建築物の範囲を高さ十六メートル以下、三階建て以下まで引き上げる規制緩和や、また、中層建築物において構造部材である木材をそのまま見せる現しが実現される制度改正など、CLTが利用しやすくなる内容が盛り込まれております。
それから、それに加えてなんですけれども、今、関係の省庁で様々なCLT普及の取組をしていますけれども、費用面での支援制度も設けています。国土交通省は、例えばCLTを使用した建築物の調査設計費や木造化による掛かり増し費用の二分の一を補助する事業や、また、林野庁におきましては、CLTを使用した非住宅建築物の新築、増改築に対して部材調達費一立方メートル当たり十五万円を補助するなど、こういったことをやっているわけであります。
これでCLTの普及に弾みが付くことを期待していますけれども、ただ、将来的にはCLTが価格競争力を持って、費用面での支援がなくとも使用されることが望ましいと考えておりますけれども、そのために国土交通省はどのような取組をされていますでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。
国土交通省においては、CLTを利用した建築物を建てやすくするよう、これまでも建築基準の整備を進めてきておりまして、平成二十八年にCLT工法について、個別の大臣認定を受けなくても建築できるよう建築基準法に基づく一般的な設計方法の告示を定めたほか、本年三月には、床や屋根に用いるCLTの層構成について、五層の厚いものに加え三層の薄いものを追加する改正を行いました。
委員御指摘のとおり、今回の改正法案では、中層建築物で構造部材であるCLTをそのまま見せるいわゆる現しを可能とする内容を盛り込んでおりますので、こういうCLTの利用促進にもつながるものというふうに考えております。
また、CLTの更なる普及を実現するためには、CLTを用いた建築物の設計や施工を担う技術者を育成するということが重要だというふうに考えております。このため、関係団体によるCLT工法の基準に関する解説書の作成や講習会の開催等に積極的に協力し、基準の普及を図っているほか、先導的な技術を導入したCLT工法等による木造建築物についてホームページ等で事例を取りまとめて公開するとともに、事例発表を行うシンポジウムを開催し、さらには、林野庁と連携しまして、川上だけではなくて川下側として、設計や施工関係の団体を構成員とするCLT活用連絡会議を開催いたしまして、CLTに関する施策等の状況について情報提供を行っているところでございます。
今後とも、こうした様々な取組を通じまして、CLTが使いやすい環境を整備していくことでCLTの需要の一層の拡大を実現するよう取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 今、切りどき、使いどきの人工林がたくさん山にはあるわけでありますけれども、これがなかなか使えないというのは非常にもったいない状況であります。川下の方で木材の普及、利用、振興ということをしっかりとやることによって森林・林業の再生にもつながっていくと考えております。そのために、CLTの普及というのが一助となればというふうに思っております。
それでは、埼玉県三芳町で起きた倉庫火災を踏まえた対応について伺いたいと思います。
昨年の二月に発生した埼玉県三芳町での大規模倉庫における火災では、発生から鎮火までに十二日間を要してしまいました。鎮火に長期を要した主要原因として、防火シャッターが起動しなかったことが指摘をされています。
このような大規模倉庫火災を防止する対策としまして、改正法案では建築物の維持保全計画の作成が必要となる対象に大規模倉庫を加えることとなっていますけれども、そこで局長にお聞きしたいんですが、事業者がこのような計画を策定することがどのような防災の効果をもたらすのでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。
先ほどの埼玉県三芳町の倉庫火災につきましては、御指摘いただきましたとおり、防火シャッターの不作動などが火災が拡大した大きな要因だというふうに考えておりまして、具体的には、火災による一部の電線のショートによって多数の防火シャッターが作動しなかったこと、それから、防火シャッターと連動するコンベアの装置の作動不良や物品の放置によって完全な閉鎖に至らなかったことから、これらの対策が必要であるというふうに言われております。
これを踏まえまして、物品の放置等、メンテナンス上の不備を防止するソフト面の対策を講じるために、今回の改正法案においては、法定の維持保全計画の作成を義務付ける対象を見直しまして、多数の者が利用する店舗等に加えて大規模倉庫等も含めることとしているところでございます。これによりまして、大規模倉庫の事業者自らが、防火シャッターについて点検の実施体制や時期などに関する計画を定めまして、その内容に応じて適切に倉庫の維持保全を行うことによって、メンテナンスの不備による防火シャッターの不作動を防止するという効果があるというふうに考えております。
○行田邦子君 防火シャッターってなかなかふだんはどこにあるかよく認知されていないと思うんですけれども、このような計画を作ることによって、その防火シャッターの存在そのものをしっかりとまず認知してもらうという効果もあるかと思います。
続けて伺いたいと思うんですけれども、局長に伺いたいと思うんですけれども、この防火シャッターが正常に起動しなかった原因として、火災信号等を送る電線の一部でショートしたということが確認されています。これに対してどのような対策を講じていますでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げた、昨年六月に取りまとめられた有識者会議の報告では、適切な維持管理のほか、火災による一部の電線のショートによって多数の防火シャッターが作動しなかったことから、電線のショートを防止する対策の強化についても御提言をいただいているところでございます。
このため、五万平方メートル以上の倉庫を対象に、スプリンクラーを設置しない場合、電線のショートそのものを防止するための電線端子部分の耐熱性強化、又はショートが発生した場合であってもその影響が部分的なものに限定されるようにするための断路器、切るということでございますが、の設置のいずれかの措置を講ずることを求めるための告示改正を既に行っておりまして、平成三十年三月二十七日に公布をさせていただいているところでございます。
この告示改正の内容につきましては、同じく提言を受けて大規模倉庫における消防活動に関するガイドラインを策定した総務省消防庁とともに、大規模倉庫の事業者団体等に対して共同で通知を発出して周知をしているところでございます。
今回の改正法案における対応も含めまして、これらハード、ソフト両面の対策を併せて推進することにより、総務省消防庁とも連携して、三芳町の倉庫火災で見られたような大規模倉庫において、広範囲にわたる防火シャッターの閉鎖障害等による延焼拡大を防止することとしております。
○行田邦子君 おかげさまで埼玉県は多くの倉庫が立地していまして、そのことによって市町村では固定資産課税の税収が見込まれまして、財政面でも貢献をしております。
特に、この三芳町の倉庫は本当に大規模な倉庫でして、三芳町にとっては非常に固定資産課税、多額の税金を納めてくれる存在でありますので、こうした倉庫が火災を起こさないようにということで今回法改正もしていただくということでありますので、是非ともこれをしっかりとやっていただくことをお願いを申し上げまして、少し時間が余りましたけれども、質問を終わらせていただきます。