2018年4月4日 東日本大震災復興特別委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず初めに、東北の観光復興について伺いたいと思います。
平成二十九年に福島県の外国人宿泊者数が震災前を初めて上回りました。ようやく東北六県全てで震災前を超すこととなりましたけれども、全国的なインバウンドの急増と比べると、まだまだ東北の観光振興、大幅に遅れていると言わざるを得ないような状況です。平成二十二年比で、全国ですと二七五・九%の伸びを示しているところ、東北六県は一八七・一%という状況です。また、日本人宿泊者数を見ましても、平成二十二年度比で、全国平均は一〇九・四%伸びているんですけれども、東北六県は一〇四・三%と、こちらも下回っている状況です。
多くの旅行客、お客様を迎えることによって東北の復興に弾みが付くはずであると思っております。東北の観光振興に国としてもしっかりと力を入れて取り組むことが肝要と考えておりますけれども、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 観光は地域産業全体に影響する裾野が広い分野であり、東北における産業、なりわいの再生の重要な柱でございます。このため、政府では、観光先進地東北を目指して、平成二十八年度より東北の観光振興の取組を大幅に強化をしてきたところでございます。
具体的には、地域が行うインバウンド誘客に対する支援や、海外への観光地としての魅力発信強化等を実施をしております。また、いまだ風評被害が根強い福島県については、教育旅行の再生を含めた国内観光振興の取組を支援をしております。こうしたこともあって、東北六県の外国人宿泊者数は、昨年も全国の伸び率を上回るなど、全体としては堅調に推移をしております。
引き続き、東北の外国人宿泊者数を百五十万人泊とする目標の達成に向け、二〇二〇年東京大会等の機会も活用しながら、関係機関と連携し、観光復興の取組を力強く推し進めていきたい、このように考えております。
○行田邦子君 それでは、具体的な取組について幾つか伺っていきたいと思います。
先ほど大臣の御答弁にもありましたけれども、観光振興の中でもやはりインバウンド誘客に力を入れていただきたいと思っております。観光庁の取組の一つとして、全世界を対象とした東北デスティネーション・キャンペーンというものを実施していますけれども、どのような効果が出ていますでしょうか。そして、また、海外のメディアや旅行会社を東北へ招聘活動というのを行っているわけでありますけれども、実際にこうしてメディアや旅行会社の方に来てもらって、旅してもらって、彼らからどのような感想や、またリクエストをもらっているのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(瓦林康人君) お答え申し上げます。
東北観光の本格的な復興を実現する上では、御指摘のとおり、特にインバウンドに重点を置いて取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、観光庁におきましては、東北六県とも緊密に連携しながら、海外向けプロモーションの展開でありますとか、外国人受入れ環境の整備などを進めております。
このうち、プロモーションにつきましては、平成二十八年度以降、日本政府観光局、JNTOにおきまして、東北に特化した海外主要市場向けのデスティネーション・キャンペーンといたしまして、海外の著名ブロガーでありますとか旅行会社、メディアなどを招いて東北の魅力を集中的に発信する事業を展開してございます。
これに対しまして、外国人延べ宿泊者数の最新の動きを見てみますと、二〇一六年から昨年、二〇一七年にかけては、全国の伸びが一二%であるのに対しまして、東北六県では四六%と、東北六県の伸びが全国の伸びを大幅に上回る結果となっておりまして、一定の効果が出始めているというふうに認識してございます。
また、招聘いたしました海外のメディアや旅行会社からは、今後更に時間を掛けて幅広く取材をしたい、あるいは東北の旅行商品を積極的に企画して販売したいなど、おおむね高い評価をいただいております一方で、例えば現地交通機関の利用方法などについて情報提供の仕方を工夫すべきなどといった御要望をいただいているところでございまして、JNTOや地元DMOなどにおきまして対応しているところでございます。
観光庁といたしましては、東北への外国人旅行者数の増加が始まっているこの傾向を更に加速させまして、二〇二〇年の目標でございます外国人延べ宿泊者数百五十万人泊が実現するよう引き続き取り組んでまいります。
○行田邦子君 特に、やはり外国人旅行客数を見ますと平成二十八年から二十九年が大変伸びている、伸び率は良いようであります。少しずつこういったキャンペーンの効果も出始めているのかなというふうに思っておりますが、ただ、このキャンペーンなんですけれども、全世界を対象というふうになっているんですが、年間予算は十億円です。十億円というのは小さな額ではありませんけれども、全世界を対象としたキャンペーンとしてはそれほどの額ではない、予算規模が小さいと思います。
そこで、地域や国、またターゲット層などを絞り込んだ方がより高い費用対効果が見込まれるのではないでしょうか。
○政府参考人(瓦林康人君) 東北への外国人旅行者を着実に増加させていく上では、この海外向けのプロモーションにつきましても予算を最大限効果的に活用して展開していくことが重要でございまして、対象とする国あるいは地域ごとにターゲット層の設定でありますとか活用する媒体につきましてきめ細かく対応することとしております。
例えば、東北での外国人延べ宿泊者数の約七割を占めております東アジアの国や地域につきましては、既に一定の認知度があるということを踏まえまして、個人旅行客でありますとかリピーター客の取り込みに重点を置きます一方、訪日客数がまだまだ少ない欧米豪につきましては、まずは旅行先としての認知度向上を図った上で新規の需要の掘り起こしを図るなど、国や地域ごとの市場環境に応じましてきめ細かなプロモーションを実施しております。
観光庁といたしましては、今後とも東北六県などとも緊密に連携しながら、効果的な海外プロモーションを図ってまいります。
○行田邦子君 リピーター客の取り込み、非常に重要だと思っております。私が生まれた岩手県、多くのお客様を迎えていますけれども、まず平泉に行って、私が生まれた遠野ですけど、遠野に行ってと、あるいは花巻ということが第一回目だとすると、リピーター客は、次は三陸の方にも行ってみよう、釜石に行ってみよう、あるいは大槌に行ってみようというふうにもなるかもしれません。こうしたお客様をしっかりと外から取り込んでいただきたいと思っております。
続きまして、具体的な取組、インバウンド誘客の具体的な取組について、もう一つ伺いたいと思います。
「新しい東北」交流拡大モデル事業というのを展開しておりまして、成功事例も出ているようであります。テーマを決めて、そして海外のお客様にいろいろ体験してもらって楽しんでもらうという取組でありますけれども、これは個々の事業への単なる補助金交付で終わってしまっては意味がないと思います。これはあくまでもモデル事業であります。
このモデル事業の好事例を他の事業へとどのように横展開していくおつもりでしょうか。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。
復興庁では、東北への外国人交流人口拡大につながる民間の新たなビジネスモデルの立ち上げを支援するために、先生御指摘いただきました「新しい東北」交流拡大モデル事業を平成二十八年度から実施をしてございます。モデル事業として好事例も出てきておりますので、これを広く普及させまして展開していくということは極めて重要であると認識をしております。
このため、本事業では、毎年、観光庁や東北六県、それから観光関係事業者などを集めた報告会、これを開催してございます。そのようなことで、各事業者の取組の成果あるいはノウハウの共有を積極的に行っているところでございます。
引き続き、観光関係事業者や自治体などと連携しながら、観光先進地東北の実現に向けた取組を力強く進めてまいります。
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。
次に、大臣に伺いたいと思います。福島ホープツーリズムについてです。
先ほどの質疑の中で、大臣のお孫さん、小学校一年生になられてと、新一年生にとっては、この東日本大震災、経験をしていないということを改めて気付かされました。これからどんどんどんどん東日本大震災を経験していない子供たちというのが増えてきて、私たち大人にとっては、あの記憶というのは本当にいまだにもう忘れることができないものですけれども、その経験をしていないという子供たちが増えていくという時代であります。
より多くの人々に福島の被災からの復興を現地で見て、また触れて、そして体感してもらうことが三・一一の記憶を風化させないためにも重要であると思いますし、また、福島の復興にも貢献すると思っております。
福島では、今、教育旅行の一環としてホープツーリズムを展開をしていますけれども、その実績と、それから今後の展開についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(吉野正芳君) 福島の観光の目玉として、切り札としてホープツーリズムを挙げております。質問していただいて本当にありがとうございます。
震災や原発事故の記憶の風化防止は重要であり、風評被害払拭のためにも、実際に来てもらうということは大変重要なことというふうに認識をしております。福島県では、ホープツーリズムとして、震災と原発事故を経験した福島ならではの教育旅行プログラムの造成を進めており、政府としてもこれを支援しているところでございます。
具体的には、コンテンツの魅力を磨くため、平成二十八年度から高校生等を対象にしたモニターツアーを実施し、これまで十三の団体から二百七十八名が参加したと聞いております。また、参加者の反応も高い評価を受けておりまして、一部の学校ではモニターツアー後、自主的に再訪していることから、福島県では今後より多くの学校等へ働きかけを行っていくというふうに聞いております。
ホープツーリズムは、教育旅行再生、ひいては福島の観光の切り札となると認識をしております。引き続き、観光庁と連携しながら福島県の取組を支援してまいる所存でございます。
○行田邦子君 福島のホープツーリズム、このことによって福島の復興に貢献をする、そしてまた、ちょっと停滞してしまっている教育旅行というものの活性化にもつながるのではないかと思っております。
それでは次に、食品の主な輸出先における輸入規制について伺いたいと思います。
福島第一原発事故に伴って、農林水産物の輸入規制を諸外国・地域において行うことが続けられてきました。五十四の国・地域によって輸入規制が行われていた、当初はそういった状況でありましたけれども、これまでの食品中の放射性物質の検査結果を説明するなどのこうした国としての根気強い働きかけがあったことによりまして、今は五十四の国・地域のうち、何らかの輸入規制を行っているという国・地域が二十七まで減ったということでありますが、裏を返せば、まだ何らかの輸入規制を行い続けている国・地域は二十七もあるという状況と承知をしております。
そして、お配りしましたお手元の配付資料にもありますとおり、幾つかの国におきましては輸入停止措置というものを講じておりまして、大変にゆゆしき事態であります。こうした輸入停止措置を講じている国の中には、農林水産物・食品の輸出額上位を占める国も含まれております。日本の農業、輸出振興にとっても、極めてこのような輸入停止措置が行われているというのは大変残念なことであります。
輸入規制の撤廃に向けてあらゆる努力を尽くすべきと考えておりますけれども、取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴いまして、諸外国の国・地域におきまして日本産の農林水産物・食品に対して放射能物質に係る輸入規制が設けられております。
今御指摘ありましたとおり、こうした規制に対しまして政府一丸となって取り組んでまいりました結果、事故直後は輸入規制が講じられた国、五十四の国・地域でございましたが、これまで二十七か国が規制を撤廃いたしました。規制が残る二十七の国・地域のうちでも、二十四の国・地域におきましては何らかの規制緩和が行われているところでございます。しかしながら、日本からの農林水産物・食品の有力な輸出先でございます香港では、五県からの一部食品の農林水産物・食品に対して、それから中国では十都県の農林水産物・食品に対して、それぞれ輸入停止の措置がまだ講じられているところでございます。
このような中、先般、WTOパネルにおきましては、韓国による日本産水産物等の輸入規制措置がWTO協定に反すると認定の報告書を公表いたしまして、韓国に対して措置を協定に適合させるよう勧告をいたしました。このことはこれまでの我が国の主張に沿うものでございまして、パネルの報告書も踏まえて、韓国と同様に日本産食品の輸入規制措置を継続している国・地域に対しまして撤廃、緩和に向けて一層の働きかけを行っているところでございます。
引き続き、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づく輸入規制の緩和、撤廃が進むよう、粘り強く働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(江島潔君) 行田邦子君、時間が来ております。
○行田邦子君 はい。
中国の状況なんか見ますと、これ非関税障壁じゃないでしょうか。あらゆる機会を捉えて、しっかりと説明をしていっていただきたいと思います。
終わります。