2018年4月5日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日はまず引っ越し運送などの運送業について伺いたいと思います。
引っ越しの依頼がインターネットで簡単にできるようになったこともありまして、引っ越しの直前の解約また延期といったことが生じていることが問題視されています。直前に解約とか延期をされても、既に確保している運転手や作業員をほかの業務に活用するというのは難しく、引っ越し事業者が損失をかぶることにもなってしまっています。運送業全体でドライバー不足といったことが深刻な状況の中、せっかく確保したドライバーを遊ばせてしまうことになってしまい、運送業の生産性向上にとってもマイナスであると考えております。
この度、引越運送約款の改正を決定したとのことでありますけれども、その内容と、また期待される効果について、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
引っ越し運送につきましては、近年、ウエブ上での一括比較見積りによる引っ越し業者の選択でありますとか申込みが広がりつつあるところでございます。一方で、現行の標準引越運送約款における解約・延期手数料につきましては、他の交通モードと比較いたしまして低い率となっているところでございます。さらに、引っ越し運送を含みますトラックドライバーの有効求人倍率につきましては、平成三十年一月時点で二・七六倍となるなど、ドライバー不足が大きな課題となってございます。
こうした状況を踏まえまして、直前の解約、延期が発生することによって、事前に手配した車両、ドライバーなどが活用されない事態の抑制に資するように、解約・延期手数料率の見直しを内容といたします標準引越運送約款の一部を改正する告示を本年一月三十一日に公布をいたしまして、六月一日から施行することといたしております。
具体的には、解約、延期に係る手数料につきまして、当日につきましては現在の運賃の二〇%以内から運賃料金の五〇%以内に、前日につきましては運賃の一〇%以内から運賃料金の三〇%以内に変更いたしまして、また、これまで設定されておりませんでした前々日につきまして運賃料金の二〇%以内と設定する改正を行ったところでございます。
また、これに加えまして、単身世帯の増加等に伴います小規模引っ越しの増加を受けまして、これまで標準引越約款の対象ではございませんでしたトラックを貸し切るまでには至らないような小規模引っ越しにつきましても、事前見積りなどを求めることによりまして利用者保護に資するよう標準引越約款の対象に追加したところでございます。
今回の改正が引っ越し運送におけますドライバー不足への対応でありますとか生産性の向上につながりまして、働き方改革にも資することになることを期待しているところでございます。
○行田邦子君 他のモード、例えば貸切りバスとか旅行とかレンタカーというのは当日のキャンセルというのはキャンセル料五〇%ということですので、今回それに合わせたということであります。これによって引っ越し運送業のドライバー不足の解消になって、そのことが運送業全体のドライバー不足の解消、また生産性向上につながることを期待をしております。
続けて質問させていただきます。
先日、こんなようなニュースを目にしてびっくりしました。茨城県庁が新年度に合わせて大規模な組織改正を行うために庁舎内での引っ越しを行ったところ、年度末の繁忙期ということで業者が見付からなかった、そのため職員自らが休日返上で引っ越し作業を行ったという、その映像も映し出されておりまして、いや、一体どういうことだろうと。報道としては面白いネタなのでニュースにしてしまったのかなというふうにも思っているんですけれども、例年三月の下旬から四月の上旬というのは、引っ越し件数が平常月の倍かまたそれ以上になるといういわゆる引っ越し繁忙期として知られています。
ドライバーなど人手不足の中、通常時の倍以上の人手を、このピンポイント、一か月にも満たない三月の下旬から四月上旬というこのピンポイントで確保するというのはなかなか難しいというふうに思っております。トラブルのないスムーズな引っ越しのためにどのような取組を行っていますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
引っ越し運送を含みますトラック事業におきましては、先ほども申し上げましたけれども、近年ドライバー不足が大きな課題となってございます。また、大手引っ越し事業者に聞き取った結果によりますと、引っ越しにつきましては三月から四月にかけて年間の約三割の依頼が集中し、特に三月におきましては通常月と比べて引っ越し件数が約二・五倍となっておりまして、人員と車両、両方の確保の面からピーク時の対応が難しくなってきております。その結果、引っ越し事業者が対応し切れない場合がございまして、特に引っ越しの希望が集中した日につきましては別の日への変更が求められる場合などが生じているというふうに承知をいたしております。
このため、引っ越し時期に大きなピークが存在していることにつきまして利用者の理解を得るため、全日本トラック協会におきまして、引っ越し時期が三月中下旬から四月上旬に集中しないよう引っ越し時期の分散を呼びかけるリーフレットを作成いたしまして周知を図っているところでございまして、国交省におきましても、ホームページにおきまして引っ越し時期の分散に向けたお願いといたしまして、早めの依頼でありますとかピーク時期の回避の呼びかけを行っておりますほか、地方運輸局におきましても引っ越し時期の分散化を促すなど、利用者への周知を行っております。
また、引っ越し事業者に対しましても、引っ越し繁忙期においては通常期と比べまして多くの車両が必要となることが想定されますので、計画的な車両の確保でありますとか、極力引っ越し時期の分散化を図るための利用者への丁寧な情報提供に努めていただくことが重要である旨呼びかけているところでございます。
国交省といたしましては、こういった引っ越しが円滑に進みますよう、引き続き取組を行ってまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 安定した輸送、また輸送の円滑化については、やはり利用者の理解というのもより一層必要になってくるというふうに思っております。
では、大臣に伺いたいと思います。
三月二十二日の質問のときにも少し申し上げましたけれども、この輸送業の、トラック運送業の生産性向上にとっては非常に着荷主の理解も必要であるということを申し上げたと思います。この宅配便においては、これBツーCですので、着荷主というのはこれは消費者であります。今、宅配便などの小口多頻度化になっておりまして、トラック運転手の人手不足にこのことが拍車を掛けています。生産性向上を阻害しているというふうに見ることもできます。
そんな中で、国土交通省が行った調査、一月にまとめられた調査では、宅配便の再配達率が大手三社で一五・五%という結果でした。再配達率を下げるには着荷主である消費者の協力が必要と考えますけれども、どのような対策が可能でしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 通信販売の増加に伴う宅配便の需要増に対応していく上で、再配達に伴い発生する労働力や環境の面での社会的コストの増加が大きな課題でございます。
このため、現在一五・五%となっております宅配便の再配達率を、当面二〇二〇年度までに一三%程度に改善することを政府の物流政策上の目標としております。宅配便サービスを持続的に利用可能なものとし、その生産性を向上させるためには、民間事業者と連携いたしまして宅配ボックスの設置促進など受取方法の多様化、利便性の向上策に加えまして、委員御指摘のとおり、消費者の受取への積極的参加を推進する必要がございます。
現在、環境省、経済産業省と連携をいたしまして、宅配便の再配達削減について消費者の理解と協力を促すため、クールチョイス、できるだけ一回で受け取りませんかキャンペーン、みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクトと名付けた国民運動を推進をしているところでございます。これは、統一ロゴマークを旗印に数多くの民間企業、団体の協力を得まして、宅配便をできるだけ一回で受け取ることを広く国民一人一人に訴求するとともに、関係会社が行っております取組を国民に対して継続的に発信をしていくものであります。
国土交通省といたしましては、引き続き、この宅配便の再配達削減を含めまして、物流における生産性革命と働き方改革を政府一体となって推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 できるだけ一回で受け取りませんかキャンペーンですね、済みません、ちょっと初めて知りました。まだ、私だけが知らないのかもしれませんけれども、周知不足なのかなというふうに率直なところ思っております。
物が届くというのが当たり前だというふうに思っている消費者が多いと思いますし、また送料無料というのも当たり前だというような認識の消費者も多いと思いますけれども、物を運ぶということがいかに大変であるかということ、そして物が逆に運ばれないということはいかに問題かということをやはり消費者にもしっかりと認識をしてもらうような取組が必要だと思っております。
続けて質問させていただきます。
トラック輸送業においては官民挙げて今生産性の向上に取り組んでいるというところでありますけれども、労働環境の改善や円滑で安定した輸送の確保のためには荷主の協力が不可欠であります。
昨年七月一日から新たな荷主勧告制度を運用していますけれども、制度を改正した趣旨と、それから協力要請、警告、荷主勧告の件数の変化についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
トラック運送業におきましては、荷主や配送先の都合によりまして荷待ち時間が発生するなどといった業務の特性や取引慣行の問題があることなど、個々の事業者の努力だけでは解決できない課題もあることから、荷主も一体となった取組を進めることが重要であるというふうに考えております。
貨物自動車運送事業法に基づく荷主勧告制度は、トラック事業者の法令違反行為について処分を行う場合におきまして、その法令違反行為が荷主の指示によることが明らかであるなど荷主の行為に起因するものと認められるときに、国土交通大臣が当該荷主に対しまして、トラック事業者の法令違反の再発防止のための措置をとるべきことを勧告するものでございまして、加えて、勧告を行った場合には荷主名を公表することとされております。
また、荷主の関与が主体的とまで言えず荷主勧告に至らない場合におきましても、トラック事業者におきまして、過積載運行でありますとか、荷主の荷さばき場で荷待ち時間が恒常的に発生し、それにより過労運転防止の違反が発生しているなどのように、荷主の関与の蓋然性が高い法令違反行為が認められ、かつ荷主が特定できた場合には、荷主に対する協力要請、さらに、トラック事業者の法令違反行為に荷主の一定の関与があった場合には、荷主に対する警告といった通達に基づく措置を講じることによりまして、荷主に対する働きかけを行うことといたしております。
しかしながら、これまで荷主勧告の実績がなかったこと等を踏まえまして、荷主勧告を行うための荷主の関与の判断基準を明確化するとともに、行政処分の有無に関わらず、早期に荷主に対して協力要請を行うなどの見直しを行いまして、昨年七月一日から新たな運用を開始いたしました。
運用見直し後、荷主勧告につきましてはまだ実施の実績はございませんが、警告につきましては、平成九年四月の運用開始以来、昨年六月まで通算二件にとどまっていたところ、運用見直し以降九か月間で新たに五件発出をいたしました。これらにつきましては、同一の荷主に対して更に同様の事案の再発が認められました場合には直ちに勧告を行うことといたしております。また、協力要請につきましては、過去三年間平均で年間約五十件程度でございましたが、運用見直し以降九か月間で既に百四十件発出をいたしたところでございます。
今後、働き方改革のために講じてまいります諸施策に加えまして、本制度を適切に運用することで、労働環境の改善でありますとか安定的な輸送の確保に向けて必要な荷主の協力の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 最高速度違反とか過積載運行、あるいは過労運転防止違反など、法令違反を犯しているのはトラック事業者あるいはドライバーであったとしても、そこに荷主の関与があるということが明らかであればこういった荷主勧告制度ができるということ、また整理をし直したということでありますけれども、荷主勧告そのものはまだゼロ件ということでありますが、こういった制度を新たにすることによって荷主の協力を得るためのインセンティブの一方で、ペナルティーということも整備をされたというふうに理解をしております。
大臣、済みません、ちょっともう一問と思ったんですけれども、次回必ず聞かせていただきますので、ありがとうございました。