2018年4月3日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
訪日外国人旅行者は、ここ数年で飛躍的に伸びています。二〇一二年から二〇一七年と、この五年間で三・四倍ということです。世界中がこのように伸びているのかというとそうではないようでして、外国人旅行者受入れ数の国際比較を見ますと、日本は二〇一三年で二十七位だったのが二〇一七年で十一位と伸びています。それでは、どのような国・地域から来られているのかというのを見ますと、中国、韓国、台湾、香港で約四分の三を占めているということです。また、ここ五年間の伸びに貢献しているのもこの四か国・地域ということになっています。
二〇二〇年に四千万人という目標を掲げていますけれども、そうしますと現状から更に一千万人多くの外国人旅行客に来ていただかなければいけないんですけれども、大臣に伺いたいと思います。それでは、どういった国・地域、またどのような客層を増やしたいとお考えになっていますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 二〇一七年の訪日外国人旅行者数は対前年比一九・三%増の二千八百六十九万人となり、アジア地域からの訪日外国人旅行者が大幅に増え、欧米豪地域からの訪日外国人旅行者も順調に増えてきております。二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人という意欲的な目標を達成するためには、今後も引き続き幅広い国や地域からの訪日外国人旅行者を確実に増加させていくことが重要と考えております。
このため、アジア地域からの個人旅行客やリピーター客の取り込みに加えまして、欧米豪地域ではグローバルキャンペーン等を通じた旅行先としての日本の認知度の更なる向上、誘客を図ってまいります。あわせて、富裕層の取り込みやゴールデンルート以外の地方誘客を促進するとともに、日本政府観光局のウエブサイト等の利用者の反応をデータとして蓄積、活用することで旅行者のニーズに応じたコンテンツの提供を行うことを可能といたしますデジタルマーケティングによりまして、新たな訪日需要の掘り起こしにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 アジア地域からも更に多くのお客様に来ていただきたいと思いますけれども、ただ、現状を見ていると、国・地域で偏りがやはりあるかなと思います。国際交流という視点、それから日本をよく知ってもらうという、いろいろな国・地域の皆さんによく知っていただくということを考えれば、やはり欧米豪、大臣がおっしゃったようなこの地域からもより多くのお客様に来ていただけるように施策を講じていただきたいと思っております。
それでは、次の質問でありますけれども、目標値の一つに訪日外国人旅行消費額の増加というのを掲げていまして、二〇二〇年には八兆円ということであります。現状、一人一回の旅行で大体十五万円消費ということになっていますけれども、それを二十万円に増やす、引き上げるということであります。
単純に考えますと、より長く滞在してもらって、泊まってもらって、そしてより高い宿泊とか飲食サービスを受けて、またより多く移動してもらうということなんですけれども、ただ、ただただお金を落としてくださいといってもそう簡単にはいかないというふうに思っております。平均単価一・三倍にするということは難しい、なかなか簡単なことではないというふうに思っております。
やはり新たな付加価値、お客様にとっての新たな付加価値とか、あるいは消費を増やす何か仕掛けがないと難しいというふうに思っておりますけれども、どのような取組を行っていますでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 先生御指摘のように、昨年、二千八百六十九万人の外国人旅行者が我が国で消費した額というのは約四・四兆円ということでありまして、過去最高であったわけでございますけれども、一人当たりの旅行消費額というのは約十五・四万円ということで横ばいに推移しております。この二〇二〇年旅行消費額八兆円の目標を達成するには、体験型観光の充実を図り各観光地での滞在の長期化を促すなど、様々な面で外国人旅行者の消費を促進していく必要がございます。
これまでも、酒蔵やアニメなど特定の観光資源に魅せられて各地を訪れるテーマ別観光を推進し、地域への来訪機会を広げるというようなこととか、それから、昨年十月から「楽しい国日本」の実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議を開催いたしまして、野外でのいろいろなアクティビティーでございますとか文化体験など、体験型コンテンツの充実に向けた課題と今後の方針を有識者と議論し、その内容を提言化する等、この体験型観光の充実を通じた旅行消費額の向上に向けた取組を行ってきたところでございます。
やはり、非常にいい文化財が地方にもあるわけでございますけれども、そこにちゃんとした解説が日本語でも外国語でも施されていないということで、そこでお客さんが滞在する時間が短くなってしまう、それからその価値を理解してもらえないというふうなこともあるわけでございます。
そういう意味で、文化財でございますとか国立公園の中のいろんな自然に関する多言語解説の充実ですとか、それから各地域における体験型観光の充実、これらを図っていくとともに、これらの魅力を海外に対して的確に発信することにより外国人旅行者の来訪を促進するとともに、できるだけ長く滞在してもらえるように取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 よろしくお願いします。
続いてなんですけれども、平成二十九年、訪日外国人消費動向調査というのを観光庁さんが行っていますけれども、ここで韓国、台湾、香港、中国という、今現在、訪日外国人旅行者の四分の三を占めるこの四か国・地域のリピーター客について分析を行っているのを見てみました。訪日回数が増えるとともに一人当たりの旅行支出が高くなるという傾向があって、そしてまた、地方を訪れる割合が高くなるという結果も示されていました。
リピーター客をいかに増やして、そしてまたリピートの回数をいかに増やすかが旅行消費額を増やす、また地方での宿泊を増やすことにつながるというふうに考えておりますけれども、リピーター増加の施策の一つとして、訪日外国人のお客様が帰国した後の継続的なコミュニケーションというのが重要だと思いますけれども、取組についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘のとおり、今観光ビジョンで掲げております大きな目標を達成するためには、この急増する外国人旅行者に一層満足いただき、リピーターとなっていただくことが重要というふうに考えております。昨年の実績ではリピーターは対前年比で二割以上増加しましたけれども、更に多くの外国人旅行者のリピーターを確保するため訪日旅行の質の向上を目指す必要があると考えております。そのため、これまで以上に受入れ体制の充実や観光資源の磨き上げ等、旅行者の満足度を高めるよう努力する必要があります。また、再度別の地域や季節に訪れていただけるよう、多様な魅力等を発信していくことも重要であります。
昨今、訪日外国人旅行者の多くが、旅行前、旅行中、旅行後を問わずインターネットを活用して情報収集を行っております。このため、今後はSNS上に旅行者から投稿された口コミ等を活用したプロモーションを行うなど、旅行後の情報提供にも注力し、旅行者との継続的なつながりを持ちたいと考えております。
今後とも、関係機関と連携しながら効果的な情報発信を行い、リピーター客、リピート回数を増やしていくよう取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 最初の訪問はゴールデンルートだったけれども、次はそれ以外の地域に行ってみようというふうに、更に日本のいろんな地域にお客様を迎えることができることを期待をしています。
また続けて質問させていただきますと、これも観光庁が実施した調査なんですが、訪日外国人旅行者を対象として多言語対応に関するアンケートを行っています。そこで、旅行中困ったこと何かありましたかということで聞きましたところ、最も多いのが施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れないことというふうになっていました。そして、じゃ、どういう場所で困ったんですかということを聞きますと、最も多く挙げられたのが、お手元にお配りしている資料のとおりですけれども、飲食店ということでした。ああ、なるほどなというふうに気付かされましたけれども、これに対する対策についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘のとおり、昨年度に観光庁が実施したアンケート調査におきまして、旅行中困ったことで最も多いのが施設等でのスタッフとのコミュニケーションが取れないこととなっておりまして、困った場所として最も多く挙げられたのが飲食店となりました。訪日外国人旅行者の旅行消費額の約二割が飲食費でありまして、飲食業界のより一層の努力が求められるところでございます。
多言語対応につきまして、飲食店において多言語メニューや写真、イラスト入りメニュー、指さし会話シート、それから注文用タブレット端末等の整備に取り組んでいるほか、自治体等でも飲食店でのメニューの翻訳の支援などに取り組んできていると承知しております。
また、国といたしましては、多言語対応について、短期間で即効性のある取組について積極的に支援を行ってきたところでありまして、例えば、各地域における多言語コールセンターの実証事業におきまして、飲食店を含む観光関連事業者が訪日客から複雑なリクエストを受けた際に電話での多言語通訳サービスを利用できる取組を支援してきたほか、総務省と連携し、一部の観光地におきまして、飲食店のほか公共交通機関、宿泊施設、観光案内所等でVoiceTra等の多言語音声翻訳システムの利活用実証を実施してまいりましたけれども、VoiceTraは利用実績が積み重なることで翻訳精度が更に向上することが期待されております。
このため、平成三十年度におきましては、更に多言語音声翻訳システムの利活用実証を全国の主要観光地に対象を広げ、飲食店、公共交通機関、宿泊施設、観光案内所等の訪日客を受け入れる施設におきましてVoiceTra等の更なる認知度向上、利用促進を図ってまいるほか、飲食店の利用環境の更なる改善につきましては今後も関係省庁と連携して取組を進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私の経験ですと、おいしいお食事をいただいて良いサービスを受けた、飲食店で受けたという経験というのはその国の好感度につながるかなというふうに思っておりますので、是非、飲食店でのストレスフリーな滞在ということ、更に取り組んでいただきたいと思います。
それで、今、VoiceTraという言葉が出ましたけれども、余り残念ながら知られていないかと思うんですが、観光庁の御担当の方に説明に来ていただいたときに、VoiceTraという、こういうものがありますというのを聞きまして、初めて私も知りました。
お手元の資料二ですけれども、多言語音声翻訳システムなんですけれども、これが国費を投入して国立研究開発法人によって開発が行われているところであります。ただ、こういった同類の翻訳ツールというのはグーグルとかヤフーとか民間でも既に行われているわけでありますけれども、なぜ国費を投入してこのような開発を行っているのか、そしてまた、これまで約百億円の国費を投入しているということでありますけれども、今後の汎用化、商業化について、そしてまた、百億円といったらば決して少額ではありません、もちろん、この国費を投入したことに対する投資効果をどのように捉えているのか、総務省さんにお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(今林顯一君) 日本語につきましては、日本人も随分長い間言葉の壁に悩まされてまいりましたし、今先生累次御指摘になりましたように、訪日外国人の方々にとっては大変大きな壁になっていると思います。
御紹介のありましたNICT、国立研究開発法人情報通信研究機構が多言語音声翻訳技術の研究開発を推進しております。大変これまでの周知が行き届いていないところは反省しなければなりませんが、そうした開発した技術を民間企業の方々に技術移転をしまして、民間の方で優れた製品、アプリを社会実装していただくということで言葉の壁を打破するということを目指しております。
このVoiceTraアプリというのが、既に研究開発の成果を広く国民に認知していただくそのきっかけにしていただくために無料公開しているアプリでございます。このベースとなる技術は、日本語を中心とした質の高い翻訳データの蓄積を基といたしまして、日本語を中心とした会話における翻訳の精度を高めることにより利活用の可能性を広げております。
IoT、ビッグデータ、AIというものを活用して、第四次産業革命あるいはソサエティー五・〇により生産性、社会生活の質の向上というものに取り組まなければならない、その基盤となるのがデータでございます。またさらに、我が国のおもてなしの心が感じられるような、個々のニーズに応じたきめ細かなサービスの提供というものにもこういったデータの活用が必要不可欠になります。
これが、例えば観光の現場で我が国の技術が利用されますと、データが我が国に処理され蓄積されるということになりますし、そのトレンドを把握するのにも大変役に立つデータでございます。しかし、海外の技術が利用されるとそういったデータがたまらないということになります。したがって、こういった機会損失を防ぎまして、データ活用によるソサエティー五・〇の実現、それから言葉の壁を越えて内外の交流、インバウンド、アウトバウンド双方の拡大を図るためにも、我が国において高精度な多言語音声翻訳技術を独自に確立することは極めて重要だというふうに考えております。
また、百億円の国費ということで御紹介いただきましたけれども、本計画における研究開発や利活用実証のための予算として、これまで平成二十七年度から三十年度予算まで計上させていただいております。それからまた、先般お認めをいただきました二十九年度の補正予算におきましても、多言語音声翻訳の精度向上に向けたAI用計算機の整備というもので五十億円を更に確保させていただいたところでございます。
こういった技術を社会で広範に活用していくためには産業界、大学を巻き込んだ産学官一体となった取組が必要でございますので、私どもは平成二十六年の十二月にそういった力を結集した協議会を設立しまして、そこを中心に既に活動を始めているところでございます。各種スマートフォンアプリ、小型の翻訳端末などの製品が既に多数実用化されておりまして、某社、例えば、何といいましょうか、マイクロホン型のものですとか、いろいろ出ております。こういった製品やサービスが数多く更に社会に出てくるということを期待しております。
昨年の訪日外国人の旅行者数が二千八百万人を超えた、訪日外国人旅行消費額も四兆円を超えたということで御紹介ありましたけれども、来年はラグビーワールドカップを控えておりますし、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるということで、多くの外国人が訪日することが予想されます。政府目標として掲げております二〇二〇年に訪日外国人旅行者数四千万人、訪日外国人の旅行消費額八兆円と、こういった目標の達成に向けましても、この多言語音声翻訳技術を活用して、きめ細かなおもてなしによる観光産業の更なる活性化、あるいは地方発のサービスの海外展開といったことに貢献していくことで大きな投資効果や経済波及効果を期待しているものでございます。
○行田邦子君 御丁寧な御答弁ありがとうございます。
私も使ってみました。結構、いや、結構というか、失礼ですね、とてもいいと思いました。ただ、旅行の一般的なものは物すごくいいんですけれども、旅行に関する言葉ですね。じゃ、飲食店で使えるかな、どうだろうと思って、からすみスパゲッティと入れたら駄目だったんですね。ですから、早速報告をさせていただきました。誤った翻訳ですと報告をさせていただきました。こうやってどんどん皆さんが使うことによってより精度がアップするのかなということで、百億円が無駄にならないようにしていただきたいと思います。
それでは、最後の質問になりました。
大臣に伺いたいと思います。外国人旅行者数は目覚ましく伸びているんですけれども、日本人の海外への旅行者というと、これ残念ながら、二〇一二年と今を比較すると減ってしまっているということであります。国際交流ということは、やっぱり相互に往来しなければいけないと思っております。やはり日本人、特に若い人たちにもっと海外に行ってもらえるように施策を講じるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 日本人の出国者数は、昨年一千七百八十九万人と、対前年比で四・五%の増加となりましたが、二〇〇〇年以降は、年によって増減があるものの、おおむね横ばいに推移をしているところであります。
観光先進国実現のためには、各国との双方向の人的交流を拡大、深化させることが重要であり、インバウンドのみならず、アウトバウンドの振興も必要と認識をしております。特に、次代を担う若者のアウトバウンド振興は、国際感覚の涵養や国際相互理解の増進など日本のグローバル化に資するものであり、かつ旅行産業も含めた観光産業を担う人材育成の観点からも非常に重要であります。
このため、若者のアウトバウンド活性化に向け検討することを目的といたしまして、民間有識者及び関係省庁等により構成された若者のアウトバウンド活性化に関する検討会を昨年設置をいたしまして検討を行っているところであります。単なる旅行の促進だけでなく、海外での学習、社会貢献の機会を拡大するという観点も含めまして、今後、若者のアウトバウンド活性化方策を取りまとめることとしており、これに基づいて必要な施策を講じてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 国から政府から海外に行けと言われたから行くというわけではないと思うんですけれども、是非そういった、日本人が海外に旅行する、しやすくなるような環境整備もお願いしたいと思います。
ありがとうございました。