2018年3月23日 国土交通委員会

○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は建設業における労働条件の改善、労働環境の改善について伺いたいと思います。
昨日は、トラック輸送業における時間外労働の上限規制についても触れさせていただきましたけれども、自動車の運転業務と並んで、これまでというか今現在ですね、労働基準法の時間外労働の適用除外となっていたのが建設業であります。ただ、政府が今進めようとしています働き方改革の一環といたしまして、建設業については、法施行五年後に時間外労働の規制の一般則を適用するということになっております。復旧復興の例外はありますけれども、このようなことになっています。これまで建設業におきましては、時間外労働の規制がなく回っていたということでありますので、業界においては、これ劇的な変化と言えるかと思います。また、現在の人手不足を乗り切りながら大改革が求められることになろうかと思っております。
大臣に伺いたいと思います。この改革が業界にどのような変化をもたらすとお考えなのか、そしてまた、改革実行に向けてどのように取り組んでいくのか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業におきましては、他の産業では当たり前となっております週休二日の確保が十分でないなど、就業者の長時間労働が生じておりまして、その是正が喫緊の課題であると認識をしております。また、建設業は受注産業でございますので、長時間労働の是正を図るためには、発注者側の理解と協力も不可欠であると考えております。このため、昨年六月には、政府といたしまして働き方改革に関する関係省庁連絡会議を設置をいたしまして、実効性ある方策の検討を行っているところであります。
その成果の一つといたしまして、昨年八月、公共、民間工事を問わず、建設工事に携わる全ての関係者が守るべきルールを定めました適正な工期設定等のためのガイドラインを策定をいたしまして、あらゆる機会を捉えて周知徹底に取り組んでおります。
また、こうした取組の流れを止めることなく更に前進をさせるため、今月の二十日には、国土交通省といたしまして、建設業働き方改革加速化プログラムを策定をいたしまして、長時間労働の是正、給与、社会保険、生産性向上の三つの分野で新たな施策を取りまとめております。具体的には、週休二日工事の適用拡大や労務費等の補正の導入、建設キャリアアップシステムへの加入の推進、社会保険の加入を徹底するための建設業許可制度の見直し、i―Constructionの推進等を通じた生産性の向上などに取り組むこととしております。
加えて、建設業界におきましても、法規制の適用に先んじて自主規制の試行を始めとする働き方改革四点セットを策定するなど、業界を挙げた取組も進みつつあります。このように、時間外労働規制の導入までの間も関係者一丸となった取組を強力に推進することを通じまして、他産業並みに休日が確保され、処遇が改善をされて、若者や女性の入職が進むような、より魅力ある業界に変えてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 今大臣の御答弁にあった幾つかの取組について伺っていきたいと思います。
やはり、しっかりと休日が取れるようになるということは、これは長期的に見て、若い方たちが入職をする環境整備になるかと思っております。週休二日の工事を拡大するということについて伺いたいと思います。
今民間企業、また官公庁におきましては週休二日ということが定着をしていますけれども、建設業ではまだまだというところです。四週当たりの休日は平均四・九日ということであります。そしてまた、約半分の建設工事において四週四休以下となっているということだそうです。また、国交省が発注する工事におきましても約半分が四週四休以下の現場となってしまっているという、こういう状況であります。
このままだと、本当に五年後に時間外労働規制の一般則を適用するとなると本当に大変なことになりますし、ただただ労働時間をこれで減らす、ただただ休日を確保するということだと、もう仕事が回っていかないということになりかねません。
そして、今国交省におきましては、現在、週休二日工事を拡大する取組、先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、行っているということですけれども、週休二日工事のこれまでの実績件数と平成三十年度の目標件数をお聞かせいただけますでしょうか。そしてまた、これは国だけじゃなくて地方自治体が発注する工事についても広げていくべきと考えますけれども、その取組についても併せてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(五道仁実君) お答えいたします。
建設業における働き方改革は、将来の担い手を確保する観点からも重要であり、週休二日の確保や長時間労働削減に向けた取組を進めていくことが必要であると考えております。
国土交通省では、直轄工事から率先して取り組むべく、受発注者が協力しながら週休二日に取り組む週休二日対象工事についても、今年度は一月時点で約二千五百件を対象工事として発注し、そのうち約七百五十件の工事で週休二日に取り組んでいただいているところでございます。
平成三十年度の発注に当たっては、先ほど大臣の答弁にございましたとおり、建設企業が週休二日に取り組む際に必要となる経費として、実態を踏まえ、労務費等の補正を新たに導入するとともに、平成二十九年度から導入している現場の安全管理等の間接経費を補正する係数の引上げなどを行うこととしております。国土交通省では、こうした週休二日に取り組むための環境整備を行い、週休二日対象工事を拡大してまいりたいと考えてございます。
また、地方公共団体に対しても、総務省等と連携し、適正な工期設定等のガイドラインを周知するとともに、週休二日工事の推進のための取組を要請してまいりました。今後とも、週休二日の取得に向けた取組が地方の発注者や建設企業に浸透するよう、全ての地方公共団体等が参画する地域発注者協議会等の場を活用し、積極的に地方に展開してまいります。
○行田邦子君 まずは自ら範を示すということで、国交省発注の工事についてはしっかりと週休二日でも回る現場というふうな仕組みをつくっていただきたいと思っていますし、これを更に地方自治体にも広げていただきたいと思います。
そして、建設労働者の労働条件の改善のためには、休日確保、そして長時間労働の是正ということだけではなくて、やはり賃金のアップが必要かと思っております。
平成三十年度三月から適用する公共工事設計労務単価は、今回も前年比でアップということで、二・八%前年比でアップということです。平成二十四年度から比べますと四三・三%も上がっているという状況、六年連続の増加となっているんですけれども、じゃ、これが技能労働者の実賃金にしっかりと反映できているかどうかということなんですけれども、どうも技能労働者の実賃金はこのようには上がっていないという声が現場から聞こえてまいります。
配付資料の一を御覧いただきたいんですけれども、昨年の秋に国交省が実施した調査におきましても、平成二十八年七月以降、賃金引上げを行った企業はどのぐらいあるのかという調査なんですけれども、元請から二次下請までは四割から五割、そして、三次下請企業になりますと三割から四割にとどまってしまっているということです。
建設技能労働者、とりわけ、次数の高いというんでしょうか、三次下請など次数の高い下請労働者の適正な賃金水準の確保について、国交省として一段進んだ取組が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。
建設業の将来の担い手の確保のためには、技能労働者の処遇改善を図ること、特に適切な賃金水準を確保することが重要でございます。
国土交通省といたしましても、公共工事設計労務単価の上昇が現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、建設業関係団体に対しまして、繰り返し適切な賃金水準の確保の要請をしてきております。こういった取組を通じまして、厚生労働省の調査によれば、建設業男性生産労働者の賃金はこの五年間で一三・六%上昇しており、製造業の男性生産労働者が五%の上昇でございますが、それと比較いたしましても高い伸び率となっております。
一方、御指摘のとおり、技能労働者の賃金が低い水準にとどまっているという声も踏まえまして、今年度、賃金の支払状況について実態把握のための調査を行いました。この調査結果によれば、高次の下請企業に雇用される技能労働者ほど賃金水準が低くなっております。また、高次の下請企業ほど雇用する技能労働者の賃金を引き上げたとの回答の割合が低くなっているといった傾向が明らかになっているものと認識しております。このような調査結果も踏まえまして、設計労務単価の上昇が現場の技能労働者の賃金の水準の上昇という好循環につながるよう、改めて今年の二月に適切な賃金水準の確保の通知を発出をいたしております。
また、建設業の担い手確保のためには働き方改革が喫緊の課題であることを踏まえ、三月の二十日に建設業働き方改革加速化プログラムを策定をしております。このプログラムにおきまして、企業に関しましては、労務単価の改定が下請企業まで行き渡るよう、関係団体に対する労務単価の活用、適切な賃金水準の確保の要請、技能者の就業履歴や保有資格を業界横断的に蓄積する建設キャリアアップシステムの加入の推進、技能、経歴にふさわしい処遇が実現するよう、建設キャリアアップシステムに蓄積される情報を活用した技能者の能力評価制度の策定といったことに取り組むこととしております。
引き続き、適切な賃金水準を確保し、現場の技能労働者の処遇改善につながるよう、取り組んでまいりたいと思います。
○行田邦子君 毎年、例年、業界団体への要請ということを行われていると思いますけれども、やはり更に一段進んだ取組が必要かと思ってお聞かせいただきました。
これまで、なかなかその元請、一次下請、二次下請、三次下請とその次数によってどのぐらい賃金が受け取れているのかといった調査というのはしっかりと行われてこなかったのではないかなと思っているんですけれども、昨年の秋にこうした調査を行って実態がある程度把握はできたわけですので、これを基にしっかりと取組を行っていただきたいと思います。
それでは、大臣に伺いたいと思います。
やはり、建設業の労働条件、また環境の改善ということでいいますと、社会保険にしっかりと加入するという取組、必要かと思っております。これまでも国土交通省におきましては、社会保険の未加入対策ということを強力に行ってきたことによりまして、雇用保険、厚生年金、それから健康保険への加入率が相当、かなり高くなっています。さきに触れた調査でも、適切な保険への加入率が九八・二%ということで相当高くなっておりますけれども、法定福利費として発注者からしっかりと受け取れていないという実態が指摘をされています。
この国交省の調査にも表れているわけでありますけれども、私はこの調査結果を見て、配付資料の二なんですけれども、ちょっとこれはすぐに改めるべきではないかと思う実態が分かりました。公共工事の発注、公共工事についてなんですけれども、法定福利費がどのぐらいきちんと受け取れているかという調査なんですけれども、市区町村が発注する公共工事におきまして、きちんと法定福利費が元請すら余り受け取れていないという状況ではないでしょうか。これは私はすぐに改めるべきだと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 社会保険への加入を進めるためには、必要な法定福利費が発注者から元請企業に、元請企業から下請企業に適切に支払われることが重要であります。
このため、国土交通省直轄工事におきましては、必要な法定福利費を予定価格へ反映させるほか、建設業団体に対しまして適切な法定福利費の確保を繰り返し要請するとともに、法定福利費を内訳明示した見積書の活用を促進してまいりました。
昨年七月には、法定福利費が契約段階でも確保されるよう、公共工事、民間工事、下請契約の標準約款を改正いたしまして、請負代金内訳書に法定福利費を明示させる取組も開始をしたところであります。
また、本年一月に取りまとめました法定福利費の支払状況に関する調査結果によれば、高次の下請企業ほど必要な法定福利費を受け取れた工事の割合が減少している、公共工事につきまして、国、都道府県、市町村別に法定福利費の受取状況を比較いたしますと、他の発注者と比べ、特に市区町村の発注工事において元請企業が法定福利費を全額受け取れた工事の割合が少ないといった傾向が明らかになっております。
さらに、入札契約適正化法に基づき平成二十九年度に実施した調査によれば、法定福利費を予定価格の積算に適切に計上していない市区町村もいまだ存在をしております。
国土交通省といたしましては、これらの調査結果を踏まえ、引き続き、市区町村を含む地方公共団体に対しまして、法定福利費の予定価格への反映や法定福利費を内訳明示した公共工事の標準約款の活用を要請するなど、必要な法定福利費が確保されるようしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○委員長(野田国義君) 時間でございます。
○行田邦子君 はい。
法定福利費の受取についてはまだまだ取り組むべきこと、たくさん課題があると思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
済みません、今日、厚生労働省審議官、お越しいただきましたけれども、また別の機会に伺わせていただきたいと思います。
ありがとうございます。