平成29年12月7日 国土交通委員会
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
先ほどから竹内委員また室井委員からも寄せられていましたけれども、私からも、まず初めに海上保安体制について伺いたいと思います。
先月二十八日に、漁船と思われる国籍不明の木造船が北海道松前町の南西沖にある松前小島という無人島に着岸していることが確認されました。そして、その後の海上保安庁の立入検査や、また乗組員への事情聴取によりまして、この船が北朝鮮籍であることが判明しました。
本件に対する海上保安庁の対応について、まずお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(中島敏君) お答え申し上げます。
本件は、十一月二十八日、北海道警察からの通報に基づきまして海上保安庁が巡視船、航空機を派遣して確認したところ、当該船舶を発見したものであります。
十一月二十九日以降、関係機関と合同で立入検査、事情聴取を行ったところ、本年九月に北朝鮮を出港したが、故障により漂流をした、松前小島には荒天避泊のために入港をした、北朝鮮への帰国を希望している旨述べておりまして、かじの一部に折損、それと船内に食料、飲料水、イカ等を認めております。
また、十二月三日及び四日に松前小島の状況を確認したところ、松前小島灯台の太陽電池パネル、これが取り外されているなどの状況が確認をされましたが、同灯台の機能に支障は生じておらず、付近航行船舶への影響も確認をされておりません。
現在、本件につきましては、警察と連携し、船員などから事情聴取をしているほか、松前小島の状況を確認するなど必要な調査を行っております。
○行田邦子君 先月は例年以上に北朝鮮の船の漂流、漂泊が増えているということでありました。しけが続いていて、また雪も降ったりと、今日も恐らく大変寒波が押し寄せているということでございますので、海上における任務に当たられている海上保安庁の職員は大変厳しい環境の中で任務に当たられていると思います。是非、海上の安全、そしてまた治安の確保のために、職員の皆さんがモチベーションを高く持って任務に遂行されるように統率をお願いしたいと思います。
それでは、大臣に伺いたいと思います。
海上保安体制としましては、近年、尖閣諸島周辺海域の警備体制の強化の必要に迫られています。そして、尖閣領海、第十一管区に重点配備をせざるを得ないという状況になっているかと思います。ただ、しかしながら、それによってその他の管区の基幹業務が手薄になってしまうということはあってはならないと思っておりますし、そしてまた、海洋調査とかあるいは監視体制も更に強化をする必要もあるというふうに思っております。
海上保安体制強化の重要性について、大臣の御認識と、そしてまた特に強化すべき点について御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 海上保安庁の体制強化につきましては、昨年の十二月、尖閣諸島周辺海域を始めといたします我が国周辺海域の厳しい状況を踏まえまして、関係閣僚会議におきまして海上保安体制強化に関する方針が決定をされ、この方針に基づき体制の整備に着手をしたところでございます。
一方で、日本海の広い海域では多数の北朝鮮漁船等を確認をしており、さらには、北朝鮮船籍の漁船の漂流、漂着、外国船による海洋調査活動の活発化など、尖閣のみならず、我が国周辺海域を取り巻く状況はますます厳しさを増しております。このため、三十年度の概算要求におきましても、特にこうした情勢に対応できるように、ヘリ搭載型巡視船を含む大型巡視船、新型のジェット機、大型測量船の増強等を盛り込んでいるところでございます。
今後とも、領土、領海の堅守、国民の安全、安心確保に万全を期すべく、着実に戦略的海上保安体制を構築してまいりたいと存じます。
○行田邦子君 平成二十九年度の海上保安庁の予算は前年度に比べて一・一倍になっている、一割以上増えているのではないかなと思いますけれども、これは画期的なことだと思います。ただ、それで足りているかというと、私はまだまだ足りていないと思いますので、是非また来年度の予算もしっかりと確保していただいて、そしてまた、ここのところ定員も純増していますけれども、定員も足りないという認識を私自身はしておりますので、大臣、頑張っていただきたいと思います。
それでは、無電柱化について伺いたいと思います。
昨年の、ちょうど一年前ですね、十二月に、議員立法として無電柱化推進法が全会一致で成立をいたしました。ちょうど一年たちましたので、その法の運用体制、そして推進体制がどのように進みつつあるのか、確認をしていきたいと思っております。
この無電柱化推進法にもうたわれていますけれども、無電柱化は、まず防災、それから交通安全、安全かつ円滑な交通の確保、それから良好な景観形成という観点から推進するというふうになっております。
無電柱化を進めるには、まず新たに電柱を設置しないということが一つ、それから既設の電柱を撤去するということ、この二つをやればなくなるということですけれども、ただ、既設の電柱を撤去するというのは、義務占用を許可してしまっているものに対して撤去をするというのはそれなりのハードルがあると思いますので、まずやるべきこととしては、新たに電柱を設置しないということをいかに徹底していくかということだと思っております。
それで、お配りしています配付資料の裏面ですけれども、道路法三十七条におきましては、道路管理者が区域を指定しまして電柱の新設禁止をできるというようなことになっております。じゃ、それがどれだけ進んでいるかということなんですけれども、全体で三万一千キロ、三・二万キロぐらいでしょうか、全道路が百二十万キロあるので、まだまだ指定が進んでいないということです。そしてまた、緊急輸送道路に限って言いますと、九万キロ全体でありますけれども、約三万キロは指定されていますけれども六万キロがまだ指定されていないという状況であります。
まず、優先順位としましては、私は緊急輸送道路に対して電柱を新たに設置しないということを徹底するべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 緊急輸送道路におけます電柱の占用制限措置は、電柱の倒壊によって救急救援活動等に支障を来すことを防ぐ観点から、防災上大変重要であると考えております。
このため、平成二十八年の四月には、直轄国道の緊急輸送道路約二万キロメートルにおいて電柱の新設を禁止する措置を講じたところでございます。一方、地方公共団体におきましては、地方公共団体自ら禁止措置を講じることとなりますが、現在までに埼玉県を始め十一都府県三市、約一万二千キロメートルにおいて同様の措置が講じられているところでございます。
国土交通省といたしましては、地方公共団体に対しまして、法の趣旨や運用方法等を定めた国の通知を送付するとともに、様々な機会を捉えて説明するなど、地方公共団体に対しまして禁止措置の導入を促しております。さらに、道路管理者や電線管理者等で構成をされます地方ブロック推進協議会等を通じまして地方公共団体へ禁止措置の普及を図るなど、今後とも国土交通省としてこの促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 ありがとうございます。それで是非よろしくお願いいたします。
そして、この道路法三十七条なんですけれども、どういうときに電柱の新設を禁止できるかなんですけど、一つは、先ほどからお話があります防災の目的ということです。もう一つは、安全、円滑な交通の確保ということを目的に電柱の新設を禁止できるということになっていますけれども、それでは伺いたいと思うんですが、安全、円滑な交通の確保のための電柱新設禁止の指定状況をお聞かせいただけますか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
道路法第三十七条におきましては、災害が発生した場合の被害の拡大を防止する、交通が著しくふくそうする道路若しくは幅員が著しく狭い道路について車両の能率的な運行を図るために、必要に応じて占用の禁止、又は制限の措置を講ずることができるとされております。
お尋ねのいわゆる安全、円滑な交通の確保を目的とした電柱の占用制限は、直轄国道におきましてはこれまで行われておりません。また、地方公共団体におきましても実施した例は承知をしておりません。
○行田邦子君 安全、円滑な交通の確保を目的とした電柱の新設の禁止は実績は今のところないと、ゼロということであります。これはどうしてなんでしょうか。
続けて伺いたいと思うんですけれども、その指定実績がない、これまでない理由と、そしてまた、国土交通省として、今後指定がしやすくするためにどのような対策を講じる予定があるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
安全、円滑な道路交通の確保が必要な道路、これは委員の資料の配付にありますように、やはりどうしても幅員の狭い道路というところがまず想定をされるわけでございます。幅員の狭い道路におきましては、トランスの設置場所の確保や、既存の地下占用物件がある場合にはその移設が困難なことなどから、占用制限を適用して地中化の工事を行うことが技術的に困難な状況にありました。そのため、幅員の狭い道路での地中化に関する技術開発を進めてきたところでございます。
具体的には、平成二十八年九月の電力ケーブルと通信ケーブルの離隔距離、どれだけ離せばいいかということなんですけれども、これの改定等を踏まえまして、側溝のようなコンパクトな空間にケーブルをまとめて収容する小型ボックス活用埋設方式を開発いたしまして、現在モデル工事を実施しているところでございます。さらに、省スペースとなるような直接埋設方式についても技術開発を進めております。
今後、幅員の狭い道路における電線類の地中化に向けて更なる技術開発を進めるとともに、それを踏まえまして、安全で円滑な交通の確保のための占用制限の導入についても検討を進めてまいります。
○行田邦子君 特に市町村道などはそうだと思うんですけれども、緊急輸送道路であったとしても、狭いので技術的にそもそも地中化は困難であるという問題があろうかと思います。是非、そうした技術的な問題をクリアするように国土交通省としても進めていただきたいと思います。
そして次に、無電柱化を進める観点の三つ目なんですけれども、良好な景観形成の観点から無電柱化を進めるとなっていますけど、これについて伺いたいと思います。
道路法の三十七条、これを条文を読んでみますと、先ほども申し上げているとおり、防災の目的とそれから安全、円滑な交通の確保の目的によって電柱の新設を禁止はできると、こういうふうに読めるんですけれども、ただ、この条文を読みますと、良好な景観形成を目的とした電柱の新設禁止というのは条文をどう読んでも読めないということになっております。このままですと、良好な景観形成を目的とした電柱の新設の禁止ということができなくなってしまうと思うんですね。
そこで伺いたいんですけれども、景観形成のために電柱の新設を禁止することを可能とする法改正を今検討されていますでしょうか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
電柱、電線は景観を阻害する大きな要因の一つでございまして、良好な景観の形成が必要な地域で無電柱化を進めることは極めて重要であると認識をしております。このため、重要伝統建造物群保存地区や、観光地等を始め良好な景観の形成が必要な道路につきましては、電線管理者、自治体、沿道住民等の関係者間での合意形成を図りながら、電線共同溝の整備や、建物が長期にわたって保存される特性を生かした軒下配線方式、裏配線方式などにより無電柱化を進めているところでございます。
一方、委員御指摘の道路法第三十七条につきましては、電気、通信等の公益的な事業に供されるいわゆる義務占用物件についても占用制限を課すものでございます。そのため、道路法第三十七条の制限につきましては、国民の生命、安全に直結する防災の観点や、安全、円滑な交通の確保の観点から、特に必要な道路に限って占用制限が認められているところでございます。まずは現行制度を十分活用し、防災の観点から占用制限を優先的に進めていくとしたところでございます。
国土交通省といたしましては、委員御指摘の無電柱化の目的の柱の一つであります良好な景観形成は重要な課題であると認識をしておりますので、良好な景観形成のための無電柱化の推進につきましては、関係者間の合意形成を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 良好な景観形成のための電柱の新設禁止というのが、これが道路法の趣旨にちょっとそぐわないということだろうと思いますけれども、それならば、また別の何か法制度で手当てをするということを検討していただきたいと思います。ただ、まずは防災目的の緊急輸送道路で電柱の新設を禁止するということを徹底していくことが優先順位としては高いのかなとは思っております。
次に、また続けて伺いたいと思うんですけれども、無電柱化が進まない、これ何が原因なんだろうかというと、最大の原因というのはコストが高いということが言われています。一キロメートル当たりの道路を無電柱化するのに五・三億円掛かるというふうに言われています。こんなに掛かるんだったらやめてしまおうという声も聞こえてきますけれども、そして今、低コストの手法として、ヨーロッパではもうこれ一般的にやられているのが直接埋設、直接埋めるということですけど、直接埋設というものがあります。
今、我が国におきましてもこのモデル施工が行われているということですけれども、このモデル施工の現状と、それから今後の直接埋設の汎用化への道筋について伺いたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。
無電柱化を進める上で、従来の電線共同溝方式の整備ではコストが高いことなどが課題となっております。昨年十二月に成立、施行された無電柱化の推進に関する法律第十三条におきましては、国、地方公共団体及び関係事業者は、電線を地下に埋設する簡便な方法等について調査研究の推進及びその成果の普及等の必要な措置を講ずることとされております。このため、国土交通省では、関係者と連携をいたしまして、低コスト手法の導入に向けて取り組んでいるところでございます。
具体的には、浅層埋設方式、浅く埋めるという意味でございますけれども、及び小型ボックス活用埋設方式について、関係する技術基準を改定し、それを反映させた低コスト手法導入の手引を平成二十九年三月に策定いたしまして普及促進を図っているところでございます。
また、委員御指摘の直接埋設方式、これにつきましては、これまで関係省庁の連携によりまして、直接埋設用のケーブル開発に向け、耐久性などの技術的な検証を行ってきたところでございまして、今年度は実際の道路において実証実験を行っているところでございます。既に京都市道において実験が始まっているところでございます。今後は直接埋設方式につきましても調査研究を進め、更なる低コスト化を図り、早期に汎用化できるよう努めてまいります。
○行田邦子君 無電柱化の推進には、とにかく低コスト、低コスト化を進めるということが大切だと思っておりますので、是非よろしくお願いします。
最後、大臣に伺いたいと思います。
そもそもなんですけれども、地域住民、また国民の中には、電柱があるのが当たり前という意識が根強くあるように感じております。これではなかなか無電柱化が進めにくいんですけれども、無電柱化に対する国民の意識改革について、大臣の御所見を最後伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 長年にわたりまして電柱、電線に囲まれて生活してきました我が国におきましては、電柱、電線があるのが当たり前と感じている国民も少なくないと思われます。
このため、昨年十二月に成立、施行された無電柱化の推進に関する法律第二条において、無電柱化の推進は、無電柱化の重要性に関する国民の理解と関心を深めつつ行われるものとすると基本理念が定められ、また、同第六条において、国民自らも理解と関心を深めるとともに、無電柱化に協力するよう努めなければならないとされております。これを受けまして、十一月十日が無電柱化の日とされまして、無電柱化の日シンポジウムの開催や、テレビ、ラジオを通じた政府広報等、様々な媒体を通じた広報により、理解、関心の増進に努めているところであります。
引き続き、十一月十日に限りませず、国民の無電柱化に対する様々な御意見、御期待の声をお聞きしながら、広報啓発活動など国民の理解と関心を深め、無電柱化の推進に努めてまいりたいと存じます。