平成29年6月8日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。
民泊は既に既成事実化しているという中でのこの民泊新法というのは、言ってみれば後追いの法律であり、また後追いの制度導入ということと理解をしております。
既に様々な問題点も顕在化をしていて、そして懸念の声も上がっていて、一方で、例えば遊休資産の活用とか日本経済への刺激になるということで推進をするという声も一方であると。こうした様々なというか両方の声がある中で、規制をしながら振興をするという大変に難しい命題の中での立法ではなかったのかなというふうに思っております。
こうした中で、今日も、様々なお声をどのように立法過程において踏まえながらこの制度をつくっていったのか、こういった視点で幾つか伺っていきたいと思っております。
まず、先ほども室井委員から少し出ましたけれども、イベント民泊なんですけれども、イベント民泊については、昨年の四月に観光庁と厚生労働省が共同でガイドラインを改めて示しているところでありますけれども、こうした声もあります。宿泊施設が一時的にイベントなどで供給が不足するということへの対応であれば、こういった民泊制度を導入するということではなくて、イベント民泊を、期間やまたあるいは対象を広げたりとか、それから条件を緩和したりということで十分なのではないかと、こんな意見もあるかと思いますけれども、にもかかわらずといいますか、本法案のような制度導入をした理由をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) イベント民泊につきましては、先ほどの御質問にもお答え申し上げましたように、年一回、二、三日程度のイベント開催時の一時的な宿泊施設の不足に対応するために、一定の条件の下に、旅館業法に基づく営業許可を受けずに宿泊サービスを提供することを可能とするものでございます。
一方で、特に訪日外国人旅行者の宿泊ニーズというのは多様化をしておりまして、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズや、できるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズが一年を通じて存在するようになってきているわけでございます。
こうしたことから、イベント開催に伴う一時的な宿泊施設の不足に対応するイベント民泊ではなく、新たに住宅宿泊事業の制度を創設することとし、本法案を提出させていただいたところでございます。
○行田邦子君 これから首都圏ではオリンピック・パラリンピック迎えますけれども、そうしたイベント民泊はこのような需要にも更に応えていくものであるのかなとも思っていますし、また、それとは別に今回の新しい民泊制度を導入するということで理解をいたしました。
次に、ちょっと順番を変えて伺いたいんですけれども、先ほど辰巳委員からも質問があったその関連というふうに理解していただければと思うんですけれども、本法案では、インターネットでの民泊の仲介を行う日本に事務所がない外国住宅宿泊仲介業者に対しても登録を義務付けるということになっております。今まで法の網は掛かっていなかったのを、あえて外国の事業者に対しても規制をするということでありますけれども。
また、国内の宿泊施設や旅行について、インターネットで仲介する国内に事務所を置くオンライン旅行業者については、旅行業法の登録が今現在も義務付けられていますけれども、日本に事務所のないオンライン旅行業者については、現状では旅行業法の法規制の対象となっていません。その理由、そしてまた、今後法規制の対象とする予定があるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 本法案におきましては、住宅宿泊事業者に対して、登録を受けた住宅宿泊仲介業者への委託義務を課しているところでございます。このため、無登録又は登録を取り消された外国の住宅宿泊仲介業者は物件の提供を受けられず、市場から淘汰されることによりまして外国仲介業者に対する規制の実効性を担保することといたしているところでございます。
一方、オンライン旅行業者、いわゆるOTAにつきましては、契約に関するトラブルを防止するため、オンライン旅行取引の表示等に関するガイドラインというものにおきまして、OTA等に関する代表者氏名等の基本情報や旅行業登録の有無、問合せ先に関する事項、契約条件に関する事項を表示するよう要請をいたしております。
ただ、日本に拠点のない海外OTAに対しましては、一般的に法律の適用範囲がその国の主権の及ぶ範囲に限られており、実効的な手段をもって適用するというのは困難であるということで適用対象外ということになっているわけでありますけれど、消費者保護の観点から、海外OTAについてどのような対応が可能かということは、これいろいろ難しい問題があると思われますけれども、海外の動向等も研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 日本に事務所のない海外のオンライン旅行業者についても、どのような規制を加える必要があるのか、あるのであればどのようなことができるのか、検討していただきたいと思っております。
そして、次にですけど、ちょっと今の二つの質問はどちらかというと民泊に対する懸念の視点からの質問だったんですけれども、逆に民泊を推進したいというような視点からの質問をさせていただきたいと思います。
これは第七条なんですけど、新妻委員から第七条の質問がありましたが、そこで更にということで質問させていただきます。
第七条は、外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保ということでありますけれども、用いる外国語については宿泊者の実態に合わせてということで理解をいたしました。
この条文を見ていますと、どういった形で快適性及び利便性を確保するのかというところなんですが、「届出住宅の設備の使用方法に関する外国語を用いた案内」と、これは理解が私もできるんです。ただ、「移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供その他の」となっているんですが、移動のための交通手段に関する情報というと、ここまで民泊のサービス事業者に対して義務付けるというのは、ちょっと私は過度な負担になってしまうのではないかなと。民泊の自由度や幅を狭めることになるのではないかと思いますけれども、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 第七条の御質問でございますけれども、この条文に規定する外国語を用いた案内や情報提供というのは、宿泊者の実態に応じてどういう外国語を用いるのかということが判断されるわけでありますけど、移動のための交通手段に関する外国語を用いた情報提供というのは、近隣の駅やバス停までの道順等を英語等によって表示することなどを想定をいたしておりまして、住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者にとって過度な負担とはならないようなものというふうに認識はしております。
必要に応じて表示のひな形を示す等、住宅宿泊業者又は住宅宿泊管理業者の適切な義務の履行を支援してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 近隣の駅までの移動のための交通手段を外国語で情報提供するということが過度に感じるかどうかというのはその事業者によるかとは思うんですけれども、ただ、義務付けで法律にも明示していますので、ここまで義務付けるというのはちょっとどうなのかなというのは個人的な印象としてありました。
次に伺いたいと思いますけれども、この新しい制度では家主同居型と家主不在型と二つの類型に分けていますけれども、家主同居型に関係して伺いたいと思います。
まず伺いたいのは、日本における有料ホームステイの状況、例えば宿泊日数とか利用者がどのくらいいるのか、その状況をひとつお聞かせいただきたいと思います。
また、確認ですけれども、今の現行法制では、旅館業法の簡易宿所営業の許可を取得をしてサービスを提供しているというふうに思いますけれども、この法案が成立をすれば、有料ホームステイサービスについても民泊の届出によって提供できるようになるのでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 御指摘の有料ホームステイにつきましては、様々な形態があり得るものと承知しておりますけれども、宿泊料を受けて本法案に基づく住宅に人を宿泊させる行為というのが社会性を持って反復継続的に行われている場合におきましては、人を宿泊させる日数が百八十日を超えないものに限り、住宅宿泊事業の届出によって可能となるというふうに考えております。
○行田邦子君 この制度、民泊制度ができたことによって、家主同居型、有料でのホームステイの裾野が広がっていくのかなという期待もしたいと思っております。
続けての確認の質問ですけれども、ホームステイというと語学留学とか体験留学などがイメージされますけれども、外国からの留学生の受入れについては、留学支援事業を行う財団法人などの法人などが仲介するケースが多いと思われます。ホストファミリーが民泊として留学生を受け入れる場合、これもあり得るかと思うんですけれども、今後、その場合、住宅宿泊事業者の届出をホストファミリーが行うことになると思いますが、ホストファミリーと留学生を仲介する留学支援事業を行う法人等は、この場合は住宅宿泊仲介業者の登録を行う必要はあるんでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 現状において、そのホストファミリーが宿泊料を受けて留学生を宿泊させる行為、これが報酬性及び事業性を持って旅行業法上の宿泊サービスに該当するという可能性があります。それで、留学支援事業を行う法人等が報酬を得て当該ホストファミリーと留学生を仲介する場合は、旅行業法の登録を行う必要があるというふうに考えられます。
一方、この法案四十六条一項に基づきまして、報酬を得て住宅宿泊事業者と宿泊者との間の宿泊契約の締結の仲介を行う事業を営もうとする者は、住宅宿泊仲介業の登録を行う必要があるところでございます。
そういう意味で、ホストファミリーがこの法案の対象とする住宅宿泊事業として届出住宅に留学生を宿泊させることとして、この留学支援事業を行う法人等が報酬を得てこのホストファミリーと留学生との宿泊契約の締結の仲介を行う事業を営もうとする場合には、例えば既に旅行業法の登録を受けていないというふうな場合には、住宅宿泊仲介業者の登録を行う必要があろうかと考えております。
○行田邦子君 ホームステイを受け入れるホストファミリーが有料か無料かというのは、その国でそれぞれ違うと思うんですけれども、日本ではどちらかというと無料の方が多いのかもしれないんですけれども、国によっては有料での受入れというのもかなり根付いているかと思います。これから留学生を日本が更に受け入れるに当たって、有料ホームステイを民泊でという可能性も大いに私はあり得ると思いますので、質問させていただきました。
最後、一言、大臣に御決意を伺いたいと思います。
平成二十八年の外国人延べ宿泊者数は前年比八・〇%増と、調査開始以来最高となりました。また、三大都市圏以外の地方部でも一三・二%と、大きく伸びているということです。このことへの御所見と、また、二〇二〇年に訪日外国人旅行客四千万人という意欲的な目標達成への御決意を最後一言お願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 委員が御紹介いただいた平成二十八年の外国延べ宿泊者数の推移でありますが、これは訪日外国人旅行者が地方部まで旅行エリアを広げ始めている証拠と考えておりまして、引き続き地方部への誘客に取り組んでいきたいと考えております。
また、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年までに四千万人にするという目標は非常に意欲的な目標でございますけれども、観光ビジョン及びそれを踏まえた新たな観光立国推進基本計画に盛り込まれた総合的な施策を国を挙げて着実に実施をすれば達成できる目標であると考えております。
国土交通省といたしましては、世界が訪れたくなる日本を目指しまして、観光ビジョン及びそれを踏まえた新たな観光立国推進基本計画に基づきまして、関係省庁と連携しつつ、政府一丸となりまして訪日外国人旅行者の増加や地方誘客に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 終わります。