平成29年6月5日 決算委員会
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今国会では、森友学園、そして南スーダンPKO部隊の日報問題、また内閣法制局による集団的自衛権の想定問答の開示の問題、そして加計学園問題と、実に様々な行政執行にまつわる問題が議論をされています。そして、これら全てに共通するのは公文書の管理の問題であると考えています。先ほどから公文書管理の質問が続いていますけれども、私も、私自身の視点から公文書の管理の問題について質問させていただきます。
我が国におきまして遅まきながら公文書管理法が施行されたのは、平成二十三年四月のことです。この第一条では、公文書は民主主義の根幹を支える国民の知的資源であり、主権者である国民が主体的に利用し得るものであるとうたわれています。公文書管理がいかに適切になされるか、これは民主主義のバロメーターであるとも言えます。
そこで、まず総理に伺いたいと思います。
総理は、公文書管理の重要性についてどのような御認識をされていますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公文書管理については、過去から、そして現在、さらには未来へと、国の歴史や文化を引き継いでいく貴重なインフラであり、行政の適正かつ効率的な運営を実現するとともに、現在と将来の国民への説明責任を全うするために極めて重要な制度であると認識しております。
○行田邦子君 その総理の御認識どおりに公文書の管理がなされているのか、南スーダンPKO部隊の日報問題について伺いたいと思います。
昨年の七月の部隊の日報について情報公開請求がなされました。昨年の十月のことです。そして、それに対して防衛省は、日報は廃棄をしたので不開示という決定をしました。ところが、その後にもう一回調べてみたらば、何と、統合幕僚監部において日報データが保存されていた、しかも、五年分のPKOの日報が全て保存されていたということであります。
稲田大臣に伺いたいと思います。
この南スーダンPKO部隊の日報の文書管理の取扱いについてどのように決めたのか、そして誰がどのような手続で決めたのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘のように、南スーダンのこの施設部隊の作っている日報については、昨年の十二月、破棄をしているというものを私の指示で再捜索をして、全て二月に情報公開をいたしました。
どのようにその保存期間を決めていたかということでございますが、この日報は、中央即応集団司令官が南スーダンの派遣施設隊に対して日々の活動状況を報告をさせるために作成を命じたものであって、それぞれの組織の文書管理者、すなわち、南スーダンの施設隊長、そして中央即応集団司令部の防衛部長によって、陸上自衛隊の文書管理規則に言う随時発生し、短期に目的を終えるものとして保存期間が一年未満と整理をされていたところでございます。
○行田邦子君 文書を作成したその一次管理者というのは南スーダン派遣施設隊長であって、その施設隊長の取決めとしては、一年未満というよりもむしろ用済み廃棄ということであったかと思います。
そして、更に伺いたいんですけれども、この文書管理者である南スーダン派遣施設隊長が用済み廃棄と決めた、この文書は用済み廃棄であると決めたことを中央即応集団司令部に対して、文書を受け取る側に対してどのように伝えたんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 先ほど申しましたように、随時発生し、短期に目的を終えるものとして保存期間一年未満、そして用済み後廃棄というふうに決めましたのは、南スーダンの施設隊長、さらにはその報告先であるところの中央即応集団司令部防衛部長、双方において取決めをしていたということでございます。
○行田邦子君 ですから、この日報については、それぞれの部署においてそれぞれの判断でこの文書はどれだけの保存期間にするということを決めていたと、つまり、防衛省の中でこの日報の扱いがばらばらになっていたということであります。
私もこの日報を見させていただきました。その上での私の印象なんですけれども、ここに書かれている情報というのは非常に取扱いを注意すべきものであるというふうに考えております。例えば、現地の部隊が国連やまたその他の機関から入手した情報もここに盛り込まれていて、そして、もしこの日報の取扱いを間違えると、そうした情報入手先との信頼関係も損ねかねないというものだと思いますし、また、日々現地において厳しい環境の中で活動している自衛隊員のその活動にも影響を与えかねないと、今帰国されていますけれども、そのような文書の類いであるというふうに認識をしております。
ですから、私は大臣に伺いたいんですけれども、そもそも、この南スーダンPKOの日報の文書の取扱いについては、事前に組織の中でどのようにするのか統一した決まりを設けて、そしてそれを徹底されるべきではなかったでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 今おっしゃったような取扱いに注意すべき部分、この点については、情報公開する場合にはしっかりと検討してまいります。
一方でまた、第一次資料であるので、それを一年未満、用済み後廃棄とするのはいかがなものかという議論も国会の中でございました。特に、第十一次要員、これは新しい任務も付与をいたしておりますので、この第十一次要員の日報については、その活動成果について評価が定まるまでは日報を破棄せず、保存しておくように私から指示をしたところでございます。
委員御指摘のように、公文書管理の在り方については、法の趣旨を踏まえ、不断の改善の努力を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 第十一次要員については、駆け付け警護という新たな任務が付与されて、国民の間でも非常に関心が高い、そしてまた、総理の言葉を借りますと歴史的意義を持つものであったという、その部隊の活動についての日報については、どのように保存をすべきなのかということは組織としてしっかりと決めておくべきだったということを指摘をさせていただきたいと思います。
それで、森友学園への国有地売却の文書について伺いたいと思います。
森友学園についてはもうさんざんこの国会で議論がなされていますけれども、その文書についてなんですが、売買契約書、それから売払い決議書は財務省の規則にのっとって三十年は保存するということとされています。一方で、森友学園などの相手方との協議や、また面談の記録については事案終了後廃棄とされているので捨てた、残していないということでありますけれども、それでは伺いたいんですけれども、これらの文書を事案終了後廃棄と決めたのは誰なんでしょうか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
公文書管理法に基づきまして、財務省の行政文書管理規則で我々文書管理をしてございますが、文書管理者は、保存期間基準の作成や行政文書の管理に関する職員の指導を行うこととされておりまして、こうした制度の下、文書管理者は、所掌する事務及び事業の性質、内容等に応じて保存期間基準を定めることとされておりまして、個別の面会記録につきましては、組織で共有した後に最終的には決裁文書の形で組織としての意思決定として集約されていくことから、保存期間を一年未満とし、保存期間満了時期につきましては、時期を明確化する観点から、事案の終了後とする取扱いをしているところでございます。
○行田邦子君 済みません、もう一度確認ですけれども、これらの文書については、事案終了後廃棄と決めたのは誰なんですか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
文書管理規則上、文書管理者がそういう保存期間基準を定めることとされておりまして、それに基づきまして、各職員はそれぞれの文書期間の保存期間を定めているということでございます。
○行田邦子君 ですから、個々の文書については、文書を作成した本人あるいはその当該部署において、これは事案終了後は捨てるあるいは用済み廃棄、また個人のメモだから廃棄、そしてまた軽微なものだから廃棄、組織で用いない文書だから廃棄ということを文書を作成した当事者が決めるということになっています。これでは私は主権者たる国民が主体的に利用し得る公文書管理制度になっていないのではないかと、このように考えております。
もちろんなんですけれども、国の行政機関においては日々様々な文書が、膨大な文書が作られている。ですから、要らないものは捨てる、要らないものは廃棄というのは、これは合理的な判断だと思っていますけれども、私が危惧しておりますのは、こうして官僚の皆さんが実務家の視点としてこれは要らない、取るに足らない文書であるといって捨てたその文書の中に、実は国民にとっては、あるいは将来の国民にとっては歴史的価値のある文書も紛れ込んでいるのではないかということ、そしてまた、こうして日々行政が事務を執行するその内容や政策判断を国民が評価をするためのその判断材料も紛れ込んでいるのではないかという危惧であります。
そして、公文書管理について、私はこういった視点が欠かせないというふうに思っておりますけれども、ただ、やはり官僚の皆さんというのは、日々たくさんの任務を抱えていて、そしてまた、それを迅速に、的確に、そして間違いなく行っていかなければいけないという日々の中で、自分が作った文書が、もうこれは事務的には要らないけれども、けれども後々の国民のために取っておこうかというような、このような判断というのはなかなかしないんじゃないかというふうに思っております。
だからこそ、公文書の管理については、特に一年未満の文書は、どれが一年未満の保存でよいのかというルールについては、しっかりとそれはルールで厳しく縛っていく必要があるというふうに思っています。そしてさらには、それぞれの部署において公文書の保存期間を決めるに当たっては、当事者だけで決めるのではなくて、公文書の専門家の判断を仰いだり、また指導を受けたり、あるいは審査制度を設けるということも私は検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本幸三君) 行政文書の保存期間につきましては、公文書管理法施行令において、歴史資料として重要な公文書等については一年以上の保存期間を設定することとされており、内閣総理大臣決定による行政文書の管理に関するガイドラインにおいて、その判断の考え方や指針を示しております。
このガイドラインについて、各行政機関の職員が歴史資料としての重要性をより判断しやすくなるよう今年度中に改正することとしておりまして、保存期間設定の考え方等について各府省庁に周知徹底を行うなど、制度所管官庁としてしっかり対応してまいりたいと思います。
また、公文書管理法施行五年後見直しの中で、各府省庁における公文書管理業務を支援するため、国立公文書館の専門職員による実践的なサポートについても検討しているところであります。
現在と将来の国民への説明責任を全うするという法の目的を踏まえ、今後とも、各行政機関における公文書管理の質を高めるための不断の取組を進めてまいりたいと思います。
○行田邦子君 今、法施行後の五年後の見直しを行っていますので、是非そういった視点を盛り込んでいただきたいと思います。
そして、今は現用文書について伺いましたけれども、歴史文書についても一点指摘をしたいと思っております。
外交史料館が保管する文書の開示についてなんですけれども、公文書管理法施行後、むしろ黒塗りが増えたんではないかという指摘がなされています。(資料提示)この黒塗りになっている部分なんですけれども、企業名でありますけれども、この企業、実は既に存在しない企業であります。
私は、現用文書であれば、個人、法人の情報というのをこれを黒塗りにするというのは、それは理解ができます。けれども、これは歴史文書です。外交史料館というのは、国民の皆さんに広く外交文書を知ってもらおう、見てもらおうという趣旨のものでありますけれども、その歴史文書においては、黒塗りというのは最小限にすべきではないでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 外交記録というのは国民共有の知的資源であり、民主主義の下においては、これはいずれ公開されるべきものであると認識をしています。
そういった観点から、外務省においても昭和五十一年から自主的に公開を開始し、文書公開を行ってきたわけですが、現在、公文書管理法の下で外交史料館の所蔵文書に利用請求がなされ、個人、法人情報が含まれる際には、時の経過を考慮してもなお個人、法人の権利利益を害するおそれがある場合に限り非公開としています。その際には、非公開箇所が必要最低限になるよう努力をする、これは当然のことだと思います。
そして、委員の方から、もう既に存在しない法人についても黒塗りにするのは行き過ぎではないかという御指摘がありました。
既に存在しない法人といえども、この権利義務関係というのは継承されている経緯があります。そういったところまでしっかり確認をする必要があるという認識は持っています。逆に、過去において、そうした権利義務関係が確認された、必要な確認が取れた場合には企業名を公開したという事例もあると承知をしています。
いずれにしましても、文書ごとに検討を行って、非公開箇所が必要最低限になるよう、これは適切に判断をしていかなければならない、このように考えます。
○行田邦子君 研究者の指摘ですので謙虚に受け止めていただきたいと思います。
最後、時間ですので質問はしませんけれども、総理に申し上げたいと思います。
岩盤規制にドリルで穴を空ける、これは結構なことだと思いますけれども、それと同じエネルギーを公文書管理改革にも注いでいただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。