平成29年6月6日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
この民泊ですけれども、それぞれの立場から様々な意見もなされているわけでありますけれども、こうした意見を念頭に、国土交通省、観光庁、また関係省庁においてはどのような検討がなされたのか、この法案提出に至るまでどのような検討がなされたのか、そうした視点も踏まえて質問させていただきたいと思っております。
まず、ちょっと質問の順番を変えさせていただきたいので御了承いただきたいと思いますが、まず初めに大臣に伺わせていただきます。
現状の宿泊施設の稼働率を見ました。結構地域差があるということが分かります。観光庁からいただいた資料ですと、昨年の八月、平成二十八年八月の第二次速報値で宿泊施設タイプごとの都道府県別の稼働率を見ていますと、例えばビジネスホテルですと、京都府は八八・二%の稼働率であるのに対して、茨城県が六四・八%と一番低いと。シティーホテルはどうかというと、これまた京都府がナンバーワン、九二・七%で、一方、宮崎県が五七・〇%と。リゾートホテルでいうと、大阪府が九五・〇%で山形県が四二・五%と。こういった地域差があるということが見て取れます。宿泊施設の供給量の不足の地域というのは限られているのではないかという見方もなされるかと思います。
そこで大臣に伺いたいんですけれども、各々の地域事情を踏まえて、制度の導入については都道府県知事が決定するという仕組みにしてもよいのではないか、こういった考え方もあろうかと思いますけれども、その点について御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 最近では、訪日外国人観光客の急増に伴いまして、東京、大阪を中心とした都市部のホテルの稼働率が高い水準で推移をしております。一方で、地方部におきましても、そもそも宿泊施設が不足する地域や需要のピーク時に宿泊施設が不足する地域も見られます。また、訪日外国人観光旅客の間では、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズや、できるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズなど、多様な宿泊ニーズがございます。さらに、住宅の空きストックを有効活用して宿泊サービスを提供したいという供給側のニーズも存在をいたします。
このような背景の下、現状では、いわゆる民泊について旅館業法の規制が必ずしも遵守されないまま実態が先行しておりまして、安全衛生面のほか、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルなどが問題となっておりますが、こうした問題は全国どこでも発生し得るものでございますので、本法案では、民泊に関する一定のルールを全国一律で定め、全国的に健全な民泊の普及を図ることとしたものでございます。
なお、住宅宿泊事業は、例えば静ひつな環境が求められる場所においても実施され得るものであることから、住宅宿泊事業に起因する騒音が多く発生する場合などにあっては、生活環境の悪化を防止する必要がございます。このため、本法案におきましては、都道府県等は、生活環境の悪化を防止するため必要があるときに、合理的に必要と認められる限度において、条例で定めるところにより、区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができることとしておりまして、都道府県等が地域の実情に配慮できるとしているところでございます。
○行田邦子君 今大臣から後段御答弁がありました第十八条についてなんですけれども、地域の実情を反映する仕組みということの条文でありますが、条例によって住宅宿泊事業の実施を制限できることとなっております。
そこで長官に伺いたいんですけれども、この条文では、生活環境の悪化を防止するためということの必要があるときに、合理的に必要と認められる限度において、区域を定めてというふうになっておりますけれども、合理的に必要と認められる限度のこの解釈、それから、区域を定めてとなっていますけれども、どの程度の区域ならよいのか、その解釈について伺いたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) この法案の十八条における合理的に必要と認められる限度においてというのは、生活環境の悪化を防止する目的を達するための制限としてその必要性や制限の内容が合理的であると認められなければならず、必要以上に過度な制限となる場合や、目的と手段の因果関係が認められない場合などは、合理的に必要と認められる限度の制限とは考えられないというふうに解釈されます。
具体的には個々の事案ごとに判断されることになりますけれども、例えば避暑地における別荘地域での住宅宿泊事業について、静穏な環境の維持の目的で制限するにもかかわらず、別荘地に住民がほとんどいない冬期も含めて制限をするというような場合には、例えばこの合理的な限度の制限を超えているというふうに考えられます。
それから、区域でございますけれども、都道府県又は保健所設置市等の一定の地域を指すものでございまして、具体的には、例えば学校の半径百メートル以内でございますとか、あるいは何丁目に係る区域というような、そういう単位で区域を定めることを考えております。
○行田邦子君 これから政令で基準を定めていくと承知をしていますけれども、地域の実情を踏まえた条例制定が可能となるようにしていただきたいと思います。
それでは、続けて質問させていただきますけれども、この民泊制度の導入が今後の民泊の利用数にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。民泊は今よりも増加すると予測をしているのか、もしそうであればどの程度と見込まれているのか。また、多くの利用客は今現在外国人というふうに承知していますけれども、この民泊制度が導入された後にどのような客層が増えて、またどのような民泊形態の増加が予測できるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) 最近、いわゆる民泊の利用は外国人を中心に急速に拡大しております。平成二十八年における訪日外国人旅客数の伸びに比べまして、ホテルや旅館などの宿泊施設の宿泊者数の伸びが低い傾向となっていることからも、民泊を利用して滞在している訪日外国人が相当数存在しているというふうに推定されます。
一方で、厚生労働省の調査によりますと、調査対象施設数のうち、約五割は物件の特定ができず、約三割は旅館業法上無許可営業であったとされまして、一定のルールの下に健全な民泊を普及させることが急務となっております。
今般、本法案に基づく制度の導入によりまして、相当数の住宅宿泊事業の届出がなされるものと考えております。また、民泊につきましては、戸建て住宅を使用した家主居住型の民泊につきましては、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズ、それから、空き家を使用した家主不在型の民泊につきましては、できるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズ等が存在しておりまして、一定の規制の下で健全な民泊の普及を図るという今般の法案でございますけれども、現在の状況というものを踏まえますと、家主居住型、家主不在型、いずれの民泊につきましても今後増加していくのではないかというふうに考えております。
○行田邦子君 昨年の十月から十二月にかけて厚生労働省で調査を行ったと。これが政府としての大規模な初めての調査だったろうと思いますけれども、そこでも、先ほど御答弁があったように、五割は物件が特定できなかった、三割が無許可であるというような状況であります。何しろ、こうした民泊という新しい事業形態に着目した法規制が今までなされてきていなかったわけですので、なかなか実態が十分に把握は現状できていないというふうに思います。
ただ、本法案が施行されますと届出制になって、それが一定程度というか実態が把握できるということですけれども、そしてさらに、この附則の第四条には検討条項が設けられていまして、法施行後に施行の状況について検討を加えて、必要があると認めるときには、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると、このようになっています。ですので、制度導入後にどのような実態把握を行う予定なのか、そしてまた制度評価をどのように行う予定なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) 民泊を始めとするシェアリングエコノミーの分野は新しい産業でございまして、今後、状況が大きく変化していくと考えられます。また、安全面、衛生面や近隣トラブルへの対応、さらには訪日外国人旅行者の動向など短期間での状況変化が想定されます。
法案附則第四条には、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという規定が盛り込まれているところでございますが、家主居住型、家主不在型の形態別の課題や、取締りが十分にできていない闇民泊の件数等を含めまして、関係省庁や都道府県等、地方公共団体、警察等と連携をしながら実態把握に努め、制度の評価を行ってまいります。
○行田邦子君 それでは続けて質問させていただきますけれども、民泊の対象となるのは、戸建てだけではなくてマンションも含まれます。先ほどから質問がなされていますけれども、確認のため質問させていただきたいと思います。
そうしますと、マンションの管理規約におきまして、民泊を許容するのかしないのかということもこれは決めておかなければいけないというふうになります。そして、今、法が公布後速やかにマンションの標準管理規約の改正を行って、そして、許容する場合はどういう文章になるのか、許容しない場合はどうなのかといった例を示すということが先ほどの御答弁でありましたけれども、この標準管理規約の改正をどのようにマンション管理組合などに周知をしていかれるのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
マンションの標準管理規約を改正をいたしまして、許容する場合、それから禁止する場合のひな形をできるだけ早急にお示しをしたいというふうに考えております。法施行までの間のなるべく早い時期にこれをお示しすることを考えております。
具体的には、当然でございますけれども、この規約の改正内容を当省のホームページ等で広く周知をすること、あるいは全国の地方公共団体に通知を行いまして改正内容を周知すること、これは当然やってまいります。さらに、全国のマンションの約九割は管理会社、これは一般社団法人マンション管理業協会というところに加盟をしております管理会社に、全体のストックの九割以上、実は管理が委託をされております。この協会を通じまして、その管理会社や委託をしております管理組合への周知を徹底してまいりたいと思っております。
また、公益財団法人が各地で管理組合向けのセミナーを開催をいたします。そのセミナーの開催への協力をしてまいりたいと思っております。さらに、マンション居住者や管理組合の方々からの相談に対応する体制、これも電話相談の窓口として整備をしてまいります。さらに、NPOや社団法人がこうした管理組合に様々な助言活動を行っていただいているところがございますので、そうした活動に対しての助成も行うというような様々な手法を通じまして管理組合の改正を支援してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 マンション居住者、またオーナー間のトラブルを回避するためにしっかりと周知をしていただくことをお願いを申し上げて、今日の質問は終わります。ありがとうございました。