平成29年5月30日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず初めに、貸切りバス事業者から旅行業者への手数料について伺いたいと思います。
人の輸送の安全を確保するために、国土交通省では、貸切りバスの運賃、料金につきまして、公示料金の上限、下限の中に収めるようにということを定めています。この公示運賃なんですけれども、要素別に原価を検証しまして定められています。
この原価計算の中で、では、旅行業者への手数料はどのようになっているかといいますと、その他の経費の中に含まれているんですが、例えば関東運輸局ですと、その他の経費として一八・一%というふうに計算をしています。昨年の秋にも御指摘をさせていただきましたけれども、昨年の二月から三月に国土交通省が旅行業者などに対して実施したアンケート調査で手数料率について旅行業者に聞いているんですけれども、それに対して旅行業者の四分の一が未回答、答えないという結果でありました。
私、ランドオペレーターや、また旅行業者への手数料の実態把握に努めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国土交通省では、貸切りバス運賃、料金の下限割れを防止するために実態を的確に把握していくということは重要なことであると考えております。このため、これまでも国土交通省に設置をいたしました下限割れ運賃に関する通報窓口の活用、過大な手数料の第三者委員会における検証等の措置を講じてきております。
今後とも、下限割れ運賃での契約や過大な手数料等による実質的な下限割れ運賃の収受につきまして、違法事案の通報窓口や専門家から成る貸切りバス適正取引推進委員会への通報を基に、旅行業者及び今般の旅行業法の改正によりまして登録の対象となりましたランドオペレーターの的確な実態把握に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私もかつて手数料をいただく業種で働いておりまして、手数料というものの必要性もよく分かりますし、また逆に、手数料の、何というのか、複雑さというのも経験しているつもりでございます。過度な手数料になってしまいますと輸送の安全への影響が懸念されますので、しっかりと是非手数料の実態把握に努めていただきたいと思っております。
それでは、海上保安庁の業務、役割について伺いたいと思います。
海上保安庁は、海上における犯罪の取締りや、また領海警備ということにとどまらず、海洋調査、また環境保全といった多様な任務があります。また、最近におきましては、中国の漁船が接続水域内で操業したり、また、それだけではなくて、中国の公船が我が国の領海侵入を繰り返しているという状況の中で、大変に海上保安庁の役割というのがより一層重要となってきているかと思います。
そこで、まず大臣に伺いたいんですけれども、先般、五月二十日、二十一日と行われました、第三管区巡視船艇・航空機展示総合訓練が実施されたということですけれども、大臣も視閲をされたとお聞きしていますが、そのときの御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 最近の我が国周辺海域をめぐる状況は、尖閣諸島周辺海域における中国公船の大型化、武装化、増強が確認されているほか、外国海洋調査船の活動の活発化や外国漁船の違法操業、さらには核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動向など一層厳しさを増しております。こういった状況を踏まえ、昨年十二月の関係閣僚会議におきましては海上保安体制強化に関する方針が決定されるなど、海上保安庁の役割はますます重要となってきております。
こうした中、先日の第三管区の展示総合訓練は、海上保安庁の技術、技量を磨くとともに、国民の皆様にとって日頃直接目にする機会の少ない海上保安庁の業務への理解を深めていただく良い機会になったと思っております。
今後とも、国民の皆様の御期待に応えるために、海上保安体制の一層の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 大規模な総合訓練は五年ぶりというふうに伺っていますけれども、今回は特に、その技術、技能を高めるというだけではなくて、国民の皆さんにも海上保安庁の任務の重要性を知っていただくという大変良い機会だったのではないかなと思っております。
そこで、続けてまた大臣に伺いたいと思うんですけれども、海上保安庁は、これまでも南シナ海周辺国との国際連携の一環として様々な連携協力を海上保安庁は行っております。こうして日本が積極的に海上保安の分野におきまして連携協力を行うことのその目的、また、それが日本の国益にどのようにつながるのか、そしてまた、これまでの海上保安庁の活動内容についてもお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) グローバル化が一層加速する中で、自由な海、平和で安全な海を守るためには国際的な連携協力関係を深めることが不可欠でございます。また、近年、アジア諸国におきましては相次いで海上法執行機関が設立をされております。
このような中、海上保安庁におきましては、アジア諸国の要請に基づきまして、巡視船の供与や海上保安に係る研修及び巡視船、航空機を派遣した連携訓練を実施をしております。また、平成二十七年十月からは、海上保安政策に関する修士レベルの教育を行う海上保安政策課程を実施するなど、アジア諸国の海上保安能力の向上に努めております。
こういった取組を通じまして、アジア太平洋地域における海上の安全の確保に貢献をし、力ではなく法が支配する開かれた海洋の実現につながるものと考えているところでございます。
○行田邦子君 南シナ海周辺の国といいますと、海上保安機関の設立が日本と違いまして非常に新しい国が多いと理解をしております。フィリピンは一九九八年で、またベトナムは二〇一四年に海上保安機関が設立されたということであります。歴史と伝統とまた能力のある日本の海上保安庁がこうした南シナ海周辺の国々の海上保安能力の向上のためにできることというのはたくさんあるのではないかなと思っております。また、先ほど大臣がおっしゃられたように、法の支配によるこの南シナ海、そしてまた、ひいてはアジア太平洋の平安のために海上保安庁の活躍を期待したいと思っております。
それでは、外務省に伺いたいと思います。太平洋島嶼国との関係強化についてであります。
太平洋に散在する小さな島々から成る十四の独立国がございます。太平洋島嶼国でありますけれども、これまでのこの太平洋島嶼国との関係強化についての日本の取組、そしてまた、日本が太平洋島嶼国との関係を強化することの意義、また、太平洋の海洋環境保全や海上保安の維持における日本の役割の重要性に対する政府の考えについてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
太平洋島嶼国は、日本と太平洋によって結ばれ、歴史的なつながりも深く、国際場裏での協力や水産資源を含む各種天然資源の供給において重要なパートナーであります。また、これらの国々は広大な排他的経済水域を有し海上輸送の要となる地域であることから、太平洋島嶼国地域の安定と繁栄は日本のみならず国際社会全体にとっての利益と考えております。
こうした観点から、日本は、一九九七年以来、三年に一度太平洋・島サミットを開催してきております。最近におきましては、二〇一五年五月、福島県いわき市におきまして第七回太平洋・島サミットを開催いたしました。その際、安倍総理からは、三年間で五百五十億円以上の援助及び約四千人の人材育成、人的交流に関しての協力についての表明がございました。
本年一月には、岸田外務大臣が東京におきまして太平洋・島サミット第三回中間閣僚会合を主宰いたしました。その際、先ほど申し上げました協力に関する目標につきましては、来年五月に第八回太平洋・島サミットを開催する予定でございますが、その第八回島サミットまでに先ほどの目標を達成する見込みであることを説明したところでございます。また、一月の中間閣僚会合におきましては、海洋環境の保全、海洋安全保障を始めとする地域の諸課題に関する協力に関しても率直な議論を行いました。
政府といたしましては、特に地域の平和、安定、繁栄の基盤としての法とルールに基づく自由で開かれた海洋秩序の確保や海洋資源の持続可能な開発、海洋環境の保全等につきまして、太平洋の恩恵を享受する海洋国家として日本が果たすべき役割は重要と考えており、太平洋・島サミットプロセスなどを通じて積極的に貢献していきたいと考えております。
○行田邦子君 太平洋・島サミット、来年第八回目が行われるということでありますけれども、日本政府が単独主催する、単独主催で開催する首脳会議というのは太平洋・島サミットのみというふうに承知をしております。この太平洋・島サミット、この機会を更にしっかりと生かして、そして太平洋島嶼国との関係強化、努めていただきたいと思います。そのことがまた日本の国益に資するというふうに思っております。
そこで、更に伺いたいんですけれども、海上保安の分野においてなんですけれども、太平洋島嶼国へ支援を行うことは、私は、日本のプレゼンスを高め、そしてまた島嶼国との関係強化に有効と考えますが、外務省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げました、今年一月に岸田外務大臣が東京におきまして主宰いたしました太平洋・島サミット第三回中間閣僚会合におきましても、地域の平和、安定及び繁栄の基盤としてのルールに基づく自由で開かれた海洋秩序の確保の重要性に関し太平洋島嶼国との間で一致するとともに、この分野における協力を推進していこうという意図を確認したところでございます。
こうしたことを踏まえ、海洋安全保障分野における日本の貢献やプレゼンスを強化し太平洋島嶼国との関係強化を図ることは重要であり、来年五月に開催予定の第八回太平洋・島サミットも視野に、太平洋島嶼国への海洋安全保障分野における協力に関し、しっかりと検討を続けていきたいと考えております。
○行田邦子君 主に一九六〇年代後半ぐらいから独立が続いて、そのときは国際社会の中ではさほど地理上、地政学的にも注目されていなかった国々かと思いますけれども、それが近年といいますか二十一世紀というんでしょうか、になって、これまでの旧宗主国だけではなくて、またオーストラリア、ニュージーランドだけではなくていろいろな、中国も含めた様々な国々がこの太平洋島嶼国に関心を抱くようになってきて、そして非常にアメリカにとっても、また我が国にとっても重要な諸国であるということであります。
大臣に伺いたいんですけれども、私は、太平洋島嶼国との関係強化、更に日本は努めるべきだと思いますけれども、海上保安庁として、海上保安に関する例えば南シナ海周辺国に行っているような研修とか人員派遣、また共同の訓練とか、あるいは航空機や巡視船の供与など様々な貢献ができると考えますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 太平洋島嶼国との関係の強化は、航行の自由、法の支配といった基本ルールに基づき、開かれ、安定した海洋の維持発展を確保する上で重要であります。
このため、海上保安庁では、JICAの枠組みによりまして、パラオ等の太平洋島嶼国の海上保安機関等の職員をこれまでに約七十名日本に招聘をし、海上保安に係る研修を実施しているところでございます。また、平成二十七年四月には、天皇皇后両陛下のパラオ御訪問に合わせて巡視船を派遣をいたしまして、パラオの海上保安当局との合同訓練を実施したところでございます。
これらに加えまして、本年秋頃に海上保安庁に設置を予定をしております外国の海上保安機関に対する能力向上支援の専従部門を活用するなど、今後とも引き続き太平洋島嶼国との良好な信頼関係の構築に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 太平洋の平安のために海上保安庁ができることはたくさんあると思いますけれども、また、それやるには、そのためには更なる予算が必要かなということも申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。