平成28年11月24日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は建築物におけるアスベスト対策について伺いたいと思います。
アスベストを使った建材は、耐火性、耐熱性、防音性などに優れて、しかも軽くて安いということで、昭和三十一年頃から使われてきました。ただ、健康被害の懸念があるということで、昭和五十年には法令によって吹き付けの禁止がなされて、そして段階的に規制が強化をされて、平成十八年におきましては〇・一%以上アスベストを含む建材の輸入と製造とまた使用、これ禁止ということに至っております。ですから、今はアスベストは使われていないということでありますけれども、ただ、それ以前に建てられた建物についてはまずしっかりとアスベストがどのような状況でどの程度含まれているのかということを実態を調査する必要があるということで、平成十七年十二月から国土交通省におきましては民間建築物のアスベスト調査を推進をしています。
まず、局長に伺いたいと思います。その実態把握の進捗状況をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
吹き付けアスベスト等の使用状況調査は、昭和三十一年頃から平成元年までに施工された、平成元年にこの吹き付けアスベストについては事実上使用が中止をされております、この平成元年までに施工された民間の建築物のうち千平米以上の大規模な建築物を対象といたしまして、毎年、特定行政庁から報告を受けたものを取りまとめて公表いたしております。
二十八年の十月に公表いたしました直近の調査結果におきましては、調査対象約二十七万棟ございます。このうち、アスベストの調査を終了したということで報告がありました建築物は約二十四万棟、九〇%でございます。このうち、露出してアスベスト等が吹き付けられている建築物が約一万五千六百棟、率にいたしますと六・五%でございます。さらに、この露出しております建築物のうち、除去あるいは封じ込め等の対応が既に終了している、完了しております建築物が約一万一千五百棟、対応率は約七四%ということになっております。差引きをいたしますと、今後対策を取るべき建築物が約四千百棟残っているという状況でございます。
○行田邦子君 しばらく局長に質問させていただいて、大臣には最後に御所見伺いたいと思います。
という進捗状況でありますけれども、この調査の対象というのは、昭和三十一年から平成元年までに施工された民間建築物で延べ面積が一千平米以上ということになっております。私は、実態把握の優先度としては、まずは一千平米以上の民間建築物ということでよいかと思いますけれども、ただ、アスベストが含まれている可能性がある建物というのは一千平米未満のものにももちろんあります。
ですので、一千平米未満の民間建築物についても調査を推進すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
これまで、利用者が多い建築物について対策を優先すべきという考え方に基づきまして、国といたしましては、多数の者の利用が想定される一千平米以上の民間建築物を対象に調査を行ってきたところでございます。
一方、一千平米未満の小規模な建築物につきましては、対象の数が約百三十万棟と大変膨大でございますので、まずは地方公共団体が実態把握に取り組めるように環境整備を行うということが必要であると考えて、そのための取組を進めてまいっているところでございます。具体的には、これまでに、専門的な調査等の知識を有する調査者、具体的には建築物石綿含有建材調査者の制度でございますが、こういった調査者の育成や、地方公共団体が台帳等により基礎的な情報を整理するために必要なマニュアルの作成及びその普及を推進してきたところでございます。
しかしながら、現在はまだ地方公共団体ごとに実態把握の取組に差があるというのが現状でございます。したがいまして、今後は、例えば健康被害の影響が大きい未成年者が利用する施設や不特定の多数の方が利用する施設を優先的に調べていくといった、より効率的な実態把握の方法や、あるいは所有者に調査の必要性をより効果的に周知をする方法などについて、国として検討してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 今御答弁にありました調査者の育成なんですけれども、建築そしてまたアスベストの取扱いについての知識と経験を有している方が必要だと思っておりますけれども、なかなかこの育成が進んでいないようであります。建築物石綿含有建材調査者制度という非常に覚えにくい名前なんですけれども、県によっては二人しかいないというふうなところもまだまだ存在していて、山形県とか滋賀県、愛媛県、高知県、佐賀県、大分県などがそのような状況であるようであります。是非この推進、お取組をしていただきたいと思います。
そして、続けて質問させていただきますけれども、現在使われている建築物にアスベストが含まれていたということがまず分かって、そして、それを除去などをするといった改修工事を行うにはそれなりに費用が必要であります。そして、国としましては補助事業を用意しているわけでありますけれども、これが都道府県また市町村といった地方公共団体ではなかなか補助制度をつくってもらえていないようであります。
お手元にお配りをしているのが状況でありますけれども、四十七都道府県のうち十四県しか設置されていないと。政令市は全部設置されていますけれども、市区町村におきましては二割しかこの補助制度を設置してもらえていないということであります。
この補助制度につきまして、もっと地方公共団体に対して創設を促すべきではないでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
まず、初めにお話をいただきました調査者の制度でございますけれども、今年の十月時点で七百四十五名育成をされております。今年度の社会資本整備総合交付金の予算の使い方といたしまして、アスベスト調査あるいは除去等をこの交付金を使って実施をする場合には、この調査者自らが関与しなければならないといったような措置を講じることによりまして、その活動の一層の推進に努めているところでございます。今後ともそういう方針で進めてまいりたいと思います。
また、もう一つ御質問いただきました補助制度でございます。十七年に交付金の制度といたしまして補助制度を創設をいたしました。この民間建築物におきますアスベストの含有調査や除去等に要する費用に対します支援、これを活用していただくためには、委員御指摘のとおり、都道府県等において補助制度を創設していただく必要がございます。これまでも制度の周知徹底を図り、補助制度の創設をお願いしてまいりました。
一方で、必ずしも補助制度ではなくて融資の制度、これは事業者に自己資金の準備が当面なくても対応できるものですから、こうした融資の制度による支援を選択をするという地方公共団体もございます。
こうしたことから、私どもといたしましては、毎年度、補助制度に加えまして、融資等による支援制度も含めて都道府県等における支援制度の創設状況を調査をいたしております。この調査結果に基づきまして、具体の都道府県あるいは政令市名を明示した上でホームページで公表しているという取扱いを取っております。今ほど委員から配付をされました資料は、そのホームページの公表の資料の一部かというふうに存じております。こうした形によりまして、できるだけ民間建築物におけるアスベスト対策について幅広い理解と支援が広がるように努めております。
この結果、都道府県で申しますと、融資も含めた支援制度を創設しておりますのは四十三の都道府県でございます。政令市については、既に終了したところございますけれども、基本的に全ての政令市で創設済みでございます。都道府県で四県残っておりますが、これにつきましても、具体の案件の御相談があれば直ちに助成制度を創設する用意があるという状況であるというふうに伺っております。
また、政令市を除く市区町村につきましては、例えば都道府県の方で支援を行うんだというところもございますので、必ずしも全ての市区町村で制度が必要だという立て付けにはなっておりませんが、例えば、除去は県が行いますが調査は市が行うというような役割分担を進めておられるところも数多くございます。
このように、補助制度の整備という面におきましてはおおむね行き渡っている状況だというふうに考えておりますが、今後はさらに地方公共団体におきまして、先ほど御指摘がございました、より小規模な建築物についても調査等の支援の対象にするなど、建築物の調査や除却の対策がより一層推進されるように公共団体とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 融資制度もよいんですけれども、せっかく国としてこうした充実した補助制度を設けているわけです。アスベスト含有調査等につきましては、これ国庫負担十分の十と、全部国が負担しますよという制度を設けているにもかかわらずなかなか地方公共団体で補助制度を設けてくれないということは、もう私、これ残念だと思いますので、しっかりと理解を深めるように促していただきたいと思います。
それで、環境省に今日お越しいただいていますので、環境省にも伺いたいと思います。
今から六年前なんですけれども、このような報道がなされました。建物に使われていたコンクリートをリサイクルして砂利に使うという、再生砕石というそうなんですけれども、これにアスベスト建材が混入していたということで、民間の団体が調べた結果で明らかになったということであります。
なぜこのようなことが起きるかといいますと、アスベストが練り込まれている成形板などなんですけれども、これが解体工事の現場で適切に処理がされていなかったと。ばりっと割ってしまってアスベストが飛散するなど、そういったことが起きたことによってこういった問題が生じてしまったと考えられます。
現在、大気汚染防止法においては、飛散型の吹き付け材や保温材、耐火被覆材、断熱材は規制の対象となっているんですけれども、非飛散型、飛び散らない成形板、いわゆるレベル3については規制の対象とはなっていません。アスベストのより適切な除去と処理のために規制の対象とすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
アスベストを含んだ成形板などのいわゆるレベル3建材と呼んでおりますが、これは、アスベストを吹き付けた建築材料などと比べますとアスベストの飛散が少ないと考えられておりますので、現在、大気汚染防止法に基づく届出義務等の対象とはしておりません。
このレベル3建材につきましては、解体作業時には手作業による取り外しあるいは湿潤化などを行いまして、除去した建材を石綿含有産業廃棄物として分別処理することにより、アスベストの飛散を防止することが可能と考えられますので、環境省が示しております飛散防止対策マニュアルの中でこれを推奨をしているところでございます。ただし、このレベル3建材の解体作業時のアスベストの飛散状況につきましては、調査事例も限られておりますので、現在、情報収集を行うとともに実態調査を実施しております。
これらの調査結果などを踏まえまして、レベル3建材の届出などの規制の必要性について検討していきたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 是非よろしくお願いします。
最後に、大臣に伺いたいと思います。
アスベストは、存在自体が直ちに健康被害をもたらすわけではありませんけれども、飛散をしたり、また吸い込むことによって、特に建設現場の労働者の皆さんに健康被害をもたらす危険性があります。
大臣に最後伺いますが、建築物におけるアスベスト対策の重要性について、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど住宅局長が答弁申し上げましたが、一千平米以上で今後対策を取るべき建築物が約四千百棟残っている状況ですが、これらの建築物における対策が進まない要因としては、建築物所有者の理解が進まないことや除去等について一定の費用負担が生じることが考えられます。
建築物に使用されておりますアスベストは、飛散によって利用者の健康障害につながるおそれがあることから、適切な飛散防止措置を実施することが重要であると認識をしておりまして、個々の建築物の所有者において早急に除去等の対策が講じられる必要があると考えております。
このため、国土交通省としましては、地方公共団体に対し、所有者への指導を継続的に実施するよう要請するとともに、社会資本整備総合交付金等によりアスベストの調査及び除去等の対策に対し補助を行うなどの対策を講じてきたところでございます。
引き続き、地方公共団体と連携をいたしまして、建築物所有者による除去等の対策が適切に講じられるよう努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 終わります。