平成28年11月10日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属クラブの行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今日の法案の審議は、鉄道・運輸機構改正法案ということで、リニアの整備促進のために財投を投入すると、そのための改正法案ということでありますが、私は賛成でございます。けれども、地域住民だけではなく、少なからずの国民の皆様が安全面に不安を覚えていたり、また環境面で疑問の声があったり、そしてまた事業赤字のツケを国民が負うことになるのではないかといった不安のお声もありますので、国土交通省におかれては、丁寧な説明をしていただくということと同時に、また、鉄道輸送の第一はスピードの追求よりも安全だと考えておりますので、安全の確保ということに努めていただきたいと思います。
質問に入ります。私は、鉄道インフラの輸出について伺いたいと思っております。
まず、大臣に伺わせていただきます。鉄道産業の世界市場規模というのは、これは二〇一九年までの間で年率二・七%程度成長すると見込まれています。約二十兆円規模の世界の鉄道市場ということであります。これ、ここに参入するということは、日本経済にとって私は大変大きなチャンスだと考えております。
鉄道インフラの輸出について、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) インフラの海外展開は、海外の旺盛な需要を取り込み我が国経済の活性を図るため、現在、政府を挙げて取り組んでいる課題でございます。鉄道インフラにつきましては、都市化への対応、経済成長、環境問題への対応等を目的といたしまして多くの国がその整備を検討しておりまして、安全、高頻度、大量輸送等の面で優れた我が国の鉄道インフラに対する国際的な期待は高いものがあると考えております。
このため、我が国鉄道インフラの海外展開を推進すべく私自身先頭に立ちまして、新幹線を始めとする我が国の鉄道の高い安全性と信頼性について説明するとともに、ファイナンスや人材育成、沿線開発に関する協力を提案をいたしまして低廉なライフサイクルコストといった我が国の強みをアピールするなど、積極的にトップセールスを行っているところでございます。
昨年十二月には、インドのムンバイ―アーメダバードを結ぶ高速鉄道路線につきまして、新幹線システムの導入が日印間で合意をされました。今年の八月には、タイのバンコク―チェンマイを結ぶ高速鉄道路線につきまして、新幹線システムにより整備することを前提に二国間の協力を具体化する旨の覚書を私とタイのアーコム運輸大臣との間で締結をいたしております。アメリカにおきましても、テキサス州のダラス―ヒューストンを結ぶ高速鉄道路線につきまして、我が国鉄道事業者が現地事業主体に技術支援を行うなど積極的な展開を図っているところでございます。
また、都市鉄道につきましても日本の車両や信号システム等が数多く導入されておりまして、本年八月にはこれらを導入したバンコクのパープルラインが開業いたしまして、私も開業式典に出席をいたしました。
この間、マレーシア、シンガポール等におきましても日本の新幹線システムや都市鉄道が導入されるよう、各国への訪問等を通じ、相手国の閣僚等に直接働きかけております。
今後とも、世界の膨大なインフラ需要を取り込むべく、各国のニーズを踏まえながら、我が国の強みを生かしまして、関係省庁、また海外交通・都市開発支援機構、JICA、JBICといった関係機関、鉄道事業者や車両メーカー等の関係企業と連携をいたしまして、鉄道インフラの海外展開に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 今御答弁にありました日本とインドの間での合意ですけれども、報道によりますと、明日詳細が確認されるということで聞いておりますけれども、総事業費が規模として一・八兆円ということであります。そして、今回、建設だけではなくて、日本が持つ運営ノウハウもパッケージで提供するということで聞いております。是非大臣、これからも先頭に立って鉄道技術、鉄道インフラの輸出に努めていただきたいと思います。
そこで、日本では一昨年の十二月にリニアは着工したわけで、まだまだこれからの話ではありますけれども、超電導リニアの技術の輸出についても伺いたいと思います。
この超電導リニアの技術を日本だけに閉じ込めておくというのは私はもったいないと思っております。世界で進行中のリニアプロジェクトの状況についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
超電導リニア技術は我が国が誇るべき革新的な技術であると考えておりまして、政府といたしましても海外に積極的に展開してまいりたいというふうに考えてございます。
その点、海外におきましては、アメリカに対しまして、これまで日米首脳会談の機会を捉えまして、累次にわたり総理から、米国東海岸、ワシントン―ボルチモア―ニューヨークへの導入を提案をしてまいりました。
また、昨年十一月には、米国フォックス運輸長官に超電導リニア技術の導入を直接大臣から働きかけますとともに、大臣とフォックス長官、山梨リニア実験線に試乗いたしまして、このようにあらゆる機会を通じて各国要人に積極的にリニアの技術をアピールいたしておるところでございます。
現在、米国東海岸への超電導リニア導入に関しましては、今年度から日米両国が協調する形で計画策定に向けた調査を実施いたしておるところでございます。
〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕
国土交通省といたしましては、引き続きJR東海とも連携をいたしながら、超電導リニア技術の海外展開を推進してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 日本の鉄道技術というのは、ニーズが途上国だけではなくてアメリカにもあるということでありますし、リニアとなりますと相当規模の大プロジェクトになるということであります。
トランプ政権に替わりましてもこの事業が停滞することがないように、是非大臣もカウンターパートである新たになられる運輸長官とのコミュニケーション、緊密な関係を維持していただきたいと思います。
続いて質問させていただきますけれども、高速鉄道、新幹線の輸出について再び質問させていただきます。
日本は世界で初めて新幹線を導入した国であります。五十年を超える実績が日本にはあって、世界に誇るものであると私は考えておりますが、ただ、ライバルの国もあります。フランス、ドイツなどヨーロッパでも実績があります。そしてまた、最近では中国も国外での受注に力を入れているという状況です。中国は類型的には日本の新幹線方式だと思いますけれども、ヨーロッパ型は日本とは方式が違う、様々な規格が根本的に異なるというふうに承知をしております。
そこで、国際競争で優位に日本の新幹線が立つためには、ISOやまたIECといった国際標準化への対応が、これが大きな課題となると思いますけれども、取組状況についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
新幹線始め我が国の鉄道インフラの海外展開を促進するために、日本の鉄道技術の国際標準化というものは極めて重要であるというふうに考えておりまして、この取組を積極的に展開することが重要であるというふうに考えております。御指摘のとおり、ヨーロッパでは国際市場での優位性確保のためヨーロッパ地域規格を国際標準とするよう積極的な提案がなされるなど、戦略的な動きを繰り広げております。
こうした動きに対しまして、我が国では、鉄道に関する国際規格に一元的に対応するため、鉄道事業者、メーカーなどの幅広い関係者の協力によりまして、平成二十二年に公益財団法人鉄道総合技術研究所に鉄道国際規格センターを設立いたしまして、日本の鉄道技術の国際標準化に向け、諸外国との情報交換及び国際標準化審議の場への専門家の派遣などに積極的に取り組んでいるところでございます。
この結果、御指摘がありましたISOでありますとかIECといった会議の場におきまして日本からの国際標準化提案をいたしまして、言わば攻めの対応といったようなものを強化しておりますとともに、日本固有の技術、規格が排除されるなどの不利益を生じないための言わば守りの対応につきましても、これら両面から標準化活動に取り組んでおります。こうした取組によりまして、ハイブリッド車両システムに関する日本の提案が国際標準化されるなど、一定の成果が上がってまいっているところでございます。
我が国といたしましては、先生御指摘のとおり、引き続きISO及びIECの国際会議における規格提案など、鉄道技術の国際標準化を推進してまいりたいというように考えております。
○行田邦子君 WTOでは、規格の違いが貿易への妨げになる場合には国際規格を使うように義務付けているということでありますので、国際標準を制する者は国際競争を制するということでありますので、この標準化ということ、新幹線においても極めて重要だと思っておりますので、これからもしっかりとお取組をお願いいたしたいと思います。
大臣に伺いたいと思います。年内の大筋合意を目指している日本とEU間での経済連携協定なんですけれども、ここで、報道によりますと、EU側は鉄道分野を含めて政府調達分野に強い関心を示しているということであります。鉄道分野を含めてということであります。WTOでは、運行の安全に関わる事業や調達については日本は内外無差別を留保していると。つまり、外資系であろうと国内の企業であろうと同じ対応をしますよということを約束をしていないということでありますけれども。
仮になんですけれども、この日EU・EPAの交渉の中で、仮になんですけれども、この内外無差別を留保しないと約束をするということになる可能性も私はあるのかなというふうに勝手に思っているわけでありますけれども、そうした場合においてでも、一方的にEUが日本の市場に参入するということだけではなく、むしろ逆にこの機会に日本側もEUの方に参入をしていくと、積極的に参入をしていくという、双方が開放すべきであるという、そのための日本も努力をすべきであると考えていますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) WTOの政府調達協定におきましては、政府関係機関として、鉄道分野ではJR北海道、JR四国、JR貨物、東京メトロ等が調達する際は国際入札によらなくてはならないとされております。しかしながら、御指摘のとおり、日本は、鉄道車両等運転上の安全に関する物品等を調達する場合は国際入札によらなくてもよいとされておりまして、一方で、EUは、鉄道に関する物品等を調達する場合は日本企業を含めなくてもよいとされているところでございます。
日EU・EPAについては現在交渉中でございまして、その具体的な議論についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、本年七月十五日の日EU首脳会談では、本年のできる限り早期の大筋合意に向け最大限努力することが確認されております。
〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕
国土交通省といたしましても、鉄道分野を含めまして、日EU相互の貿易を活性化すべく、政府一体となって引き続きしっかりと交渉に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 双方に市場を開くということの前提は、もちろん言うまでもなく、日本の新幹線が国際的な競争力をしっかりと確保しているということが、これが前提であります。
最後に、ホームドアについて質問させていただきたいと思っております。
ホームドアにこの度の補正予算で財政投融資が使えるといったことが盛り込まれています。これでホームドアの設置が進むのかなと期待をしていますけれども、ホームドアの問題というのは、コスト面だけじゃなくて技術面の問題もあります。その技術面の問題についてどのような解消策が今進んでいるか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答えいたします。
ホームドアの設置推進につきましては、先生御指摘のとおり、技術的な側面、すなわち車両の扉位置が異なるということが整備推進における一つの課題となっております。
このような課題に対応いたしますため、戸袋が移動することで異なる扉位置の車両に対応する戸袋移動式でありますとか、ドア部分を昇降するバーやロープとすることにより開口部を広くいたしまして異なる扉位置の車両に対応する昇降バー式、昇降ロープ式、またホームドアの開閉位置を任意に変えることにより異なる扉位置の車両に対応するマルチドア対応ホームドアなどの技術開発が民間を中心に進められております。こうした結果、JR西日本の高槻駅などを始め昇降ロープ式ホーム柵が既に実用化されるなど、一定の成果も出てまいっております。
国土交通省といたしましても、こういった技術開発への助成措置を講じておりますが、鉄道事業者に対して最新の研究成果などの技術情報の提供を始め、新しいタイプのホームドアの普及促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 終わります。