平成28年5月31日 国土交通委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
この度の都市再生特別措置法の改正法案は、都市の国際競争力、そして防災機能強化、そしてまた住宅団地の建て替えの推進が盛り込まれておりまして、私は賛成でございます。
その上で、まず国際競争力の強化について伺いたいと思っております。
都市の盛衰また繁栄というのは、ある意味、その国の状態、また国際社会の中での位置付けというものを映す鏡ではないかなと、このように考えております。こうした中で国際的な都市間競争は活発をしております。我が国の大都市におきましても国際競争力を高めていく必要があるかと思っております。
そこで、まず大臣に伺いたいと思っておりますけれども、本法案の提出に当たりまして、国内様々な都市がありますけれども、その中でもどの都市について国際競争力を一層高めようとしているのか。そしてまた、これは都市間競争でありますので、ただ漠然と強くなろうということではないかと思います。具体的に海外のどの都市との競争を念頭に置かれているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 都市再生特別措置法では、都市の国際競争力強化を図るため特に有効な地域といたしまして、特定都市再生緊急整備地域を全国十二地域で指定をしております。具体的には、日本の経済を牽引する東京都心・臨海地域やアジアのゲートウエー機能となる福岡都心地域等を指定をしてございます。
また、我が国の都市の国際競争力強化を図る上で念頭に置くべき都市といたしましては、都市機能の集積が高く、観光集客力の観点からも競争力の高いロンドン、ニューヨーク、パリなどの世界的な大都市や、また、急速に競争力を上げてきておりますシンガポール、香港などアジアの諸都市などが挙げられると考えております。
○行田邦子君 これは政府も参考にされていると聞いていますけれども、森記念財団都市戦略研究所が世界の都市総合力ランキングというのを出しています。二〇一四年のその調査結果発表ですと、東京は四位と。一位がロンドン、二位がニューヨーク、三位がパリということです。
こうした東京よりか高い位置にある、ランキングにある都市に更にそこを追い越していこうということ、それだけではなくて、やはりこの東アジアの地域におきまして、東京は今、東アジアではこのランキングですとナンバーワンですけれども、ただ、シンガポールやソウルが、シンガポールが五位、ソウルが六位ですけれども、こういった都市が近づいてきています。こうした東アジアの中でのライバル都市にも負けないように、追い付かれないように、しっかりと国土交通省としても施策を打っていただきたいと思っております。
さらに、大臣に伺いたいと思いますけれども、こうした東京などの大都市の国際競争力を高めるためには、ライバル都市と比較して強みと弱みがどこにあるのか、これを把握することが大切だと思っていますが、どのように捉えていらっしゃるのか。そしてまた、この法案におきましてどの分野が強化されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 各都市との比較には様々な指標を分析して行われておりまして、幾つかの調査がございますが、今委員が御指摘いただいた民間団体による世界の都市ランキングにおきましては、東京は、ロンドン、ニューヨーク、パリに次いで四位となっておりまして、五位から七位にはシンガポール、ソウル、香港などのアジアの諸都市が位置付けられております。東京は上位三都市と比較をいたしますと、GDPや公共交通の充実、正確さなどに強みがあり、ホテル総数などに弱みがあるとされております。また、アジアの諸都市と比較いたしますと、経済規模等に強みがございますが、国際コンベンション開催件数や外国人の教育環境などに弱みがあるとされております。
このため、今回の法改正におきましては、国際会議場施設や外国語対応の医療、子育て支援施設等の整備に対する金融支援措置を拡充することとしております。
二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会もございまして、民間投資が活発することが予想されるため、交通インフラの強化等の関連施策を総動員をいたしまして、都市の国際競争力強化を進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 この改正法案では国際会議場施設の整備を支援の対象とするということで、このことによって大都市の国際競争力が一層増していくことを期待したいと思っておりますが、一方で、先ほど申し上げました森記念財団のランキングによりますと、東京の弱みは交通利便性といったことも指摘をされているようでありますので、この点、国土交通大臣、所管だと思いますので、しっかりと都市の国際競争力を高めるための施策を引き続きお願いしたいと思っております。
次に、防災機能の強化について伺いたいと思います。
東日本大震災の際には、六本木ヒルズが独立した面的エネルギーシステムを維持して話題になりましたけれども、例えば大規模な地震に見舞われて、そして通常の電力系統がダウンをした場合においても継続して機能する都市エリアを整備するということは、これは海外企業が日本にオフィスを持つことのリスクを軽減させることにつながると思っていまして、ひいては国際競争力の強化につながると思っております。
そこで伺いたいと思うんですけれども、現在、首都圏にこのような面的エネルギーシステムが整備されたエリア、地区がどのぐらいあるのでしょうか。そしてまた、霞が関の官庁においても、面的エネルギーシステム、取り組まれていないと聞いていますけれども、私はこれは取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(栗田卓也君) 今御指摘のとおりの、自立分散型、震災時にも強い面的エネルギーシステムの導入、大変重要な課題と認識しております。若干順を異にいたしますが、霞が関についてのお尋ねでございます。
霞が関の中央省庁の各庁舎ですけれども、震災前、従前から、大規模地震発生時において、商用電力の配電がなくても三日間は電力使用が可能な非常用の発電施設を備えておりました。平成二十七年三月には首都直下の地震の緊急対策推進基本計画が定められております。これに従いまして、この三日というのを、一週間は継続して業務ができるというようなための燃料タンクの増設を行うというように定められておりまして、現在順次整備を進めてきております。若干、面的なエネルギーシステム、今回の法案に盛り込んでおりますものと手法は違いますが、霞が関、官衙地区の防災性の向上を逐次進めておるところでございます。
その他、一般の業務市街地についてのお尋ねがございました。六本木ヒルズあるいは新宿副都心など、これまで七地区におきまして、首都圏でございますが、大規模地震発生時の業務継続が可能な面的エネルギーシステムが構築されております。
まだまだ不十分と思っておりまして、今回の法案に盛り込んでおります措置を積極的に活用して、こういったシステムの普及、促進していきたいというように考えておるところでございます。
○行田邦子君 私は、霞が関においても面的エネルギーシステムの整備すべきではないかなと思っておりますので、そのことを指摘しまして、次の質問に移りたいと思います。
このようなオフィスビルとか商業施設が集積するエリアにおきましては、災害時にエネルギー供給システムを活用してビジネス活動を継続するだけではなくて、東日本大震災のときの六本木ヒルズのように、帰宅困難者が逃げ込んで一時的に避難する拠点として整備することが重要だと考えております。
この都市再生特別措置法が平成二十四年に改正されましたけれども、そのときに退避施設協定が制度化をされました。それが施行されて四年弱が経過しているわけでありますけれども、この退避施設協定が締結された実績についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(栗田卓也君) 今、既に委員から御指摘いただきましたとおり、平成二十四年の法改正によりまして都市再生安全確保計画制度あるいは退避施設協定の制度を設けさせていただきました。都市再生安全確保計画はこれまで十五地区で策定しておりますけれども、残念ながらこの退避施設協定の締結の実績はございません。これは、民間のビルのロビー等で帰宅困難者を受け入れることについて、ビルのオーナー側にとっては、やはり賃料収入の魅力に勝てないといったようなことがあろうかと思いますし、またテナント側にとっても、自分たちの営業スペースの周辺に多くの人が滞留するということについてやはり何がしかの抵抗感がある、こういったことを背景にしているというようなことと考えております。
ただ、いずれにしても、これ大変重要なことでありますので、この協定制度の活用、ひいては先ほど申し上げました計画制度の活用など、総合的に退避施設の確保が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 法が施行されてから四年弱が経過して、まだ協定が締結されていないというのを聞くと、非常にがっかりというか、大丈夫かなという気がするんですけれども、法の運用が何か見直す点があるのかどうか、そういったこともしっかりと検討していただきたいと思いますし、また、せっかく法で定めた協定制度ですので、私これは大切な制度だと思っておりますので、締結がなされるように国土交通省としても後押しをしていただきたいと思います。
次に、町中への都市機能の効率的な誘導について伺いたいと思います。
私が住む地域でも、今、再開発プロジェクトが進んでおりまして、様々な多くの地権者の間での合意形成をするというのは、これ、本当に大変な作業だなというふうに思っております。
そこで伺いたいんですけれども、この度の改正法案では、地権者から見れば、いわゆる再開発ビルの中に新たな所有権を得るというこれまでのオプションだけでなく、既存ストック活用エリアにも行けるという新たなオプションが加わることになるわけでありますけれども、そうしますと、かえって合意形成に向けた調整が難しくなるケースが増えるのではないかと危惧をしておりますけれども、こうした混乱が生じないような対策は考えているのでしょうか。
○政府参考人(栗田卓也君) 御指摘いただきましたとおり、今回の法改正の中で、市街地再開発事業につきまして、従前の原則は既存の建築物を全て除却、新しい建築物に従前の権利者は権利変換を受けるというようなこととは異なります法律上の制度として個別利用区制度というのを設けさせていただきたいと考えております。
この個別利用区制度を使えるということは法律上要件を明定させていただいておりまして、既に高度利用されている建築物あるいは歴史的な建築物などの有用な既存ストックに限って個別利用区に存置又は移転することが可能というふうに定めさせていただいております。したがいまして、この個別利用区制度の創設によりまして、言葉としてふさわしいかどうかはともかく、その制度が濫用的に用いられて再開発事業そのものの合意形成に支障を生じるというようなことはないと考えております。
再開発事業、そもそもの目的は、防災性の向上、都市環境の向上、こういった目的がございます。また、既存ストックの活用という今回の個別利用区制度の新しい制度の趣旨、こういったものをきっちりと関係者に周知徹底を図りながら、御指摘のような混乱が生じないように努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。
最後に、官民連携による町のにぎわい創出について伺いたいと思います。
空き地や空き家活用については、既にNPO法人とかまちづくり会社などが様々な取組を行っていると承知していますけれども、こうした現状の中で、なぜ低未利用土地利用促進協定制度を制度化する必要があるのでしょうか。そしてまた、この制度化によって、実際どの程度制度が活用されると考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(栗田卓也君) 確かに、現状におきましても、例えば空き地の所有者とNPO法人が協定を結び、あるいは何らかの契約を結んでその有効活用をしているという例がございます。今回創設する協定制度といいますものは、市町村が地権者とそれを有効活用する担い手の間の協定を認可するというようなことで、市町村がその関係に介在するということをポイントとしております。
したがいまして、市町村が、空き地等の所有者の土地利用に関する意向、あるいはまちづくり会社等が空き地等を活用しようとするニーズ、こういったことを把握してマッチングさせるというようなことで、より積極的に空き地等の活用に取り組んでいただけると思いますし、一旦貸したら返ってきにくいといったような所有者の御心配も市町村が介在することで低減されるというような効果があるというようなことを考えております。
この制度の活用の見込みでございますが、まだまだ地方公共団体にサンプル的にヒアリングをしただけの段階でございます。しかしながら、それだけでも既に十の地方団体、現場から、町の中心部の空き地などをまちづくり活動の拠点として活用したいということで、この協定の活用に関心があるというような声を頂戴しております。
ますますこの制度の周知徹底を図りまして、積極的な活用に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 終わります。