平成28年5月12日 国土交通委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
まず最初に、大臣に伺いたいと思います。
訪日旅行者が二〇一五年度ということで見ますと二千万人を突破したということです。そして、二〇二〇年に四千万人という新たな目標も設定をされました。ここのところ外国人旅行者が大変に増えているということでありますけれども、なぜ外国人旅行者が増えたかという、その最も私は影響を与えている要因というのは結局は円安であったということなのではないかなというふうに思っています。
ところが、年明けから円高傾向になっているという状況でありますけれども、まず大臣に伺いたいと思いますのは、訪日旅行者数へのここのところの円高傾向がどのような影響を与えていると分析しているのか、そしてまたさらには、円高であったりまた円安いかんにかかわらず、つまり円高であったとしても安定的に今後訪日旅行者を増やすための政策をどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) インバウンドにつきましては、近年の円安傾向により訪日旅行の割安感が高まり、外国人旅行者の好調につながっているという面はあると思っております。しかし、これは為替水準だけではなくて、ビザを緩和したこと、また免税制度を拡充したこと、出入国管理体制を充実したことなど、政府一丸となった総合的な取組が功を奏した結果であるというふうに考えております。
為替水準に左右されず安定的に訪日旅行者を増加させることは重要であると考えておりまして、先般策定をいたしました観光ビジョンにおきましては、観光資源の魅力を磨き上げていくこと、観光産業の国際競争力を向上していくこと、快適に観光ができる環境整備、こういった総合的な政策が盛り込まれているところでございます。
観光ビジョンに盛り込まれた施策を関係省庁と連携しつつ政府一丸となって着実に取り組みまして、為替水準に左右されず、安定的に訪日外国人旅行者を増やすよう努めてまいりたいと思っております。
○行田邦子君 為替水準に左右されずに日本に来てみたいと思っていただけるような、そのような外国人観光客を増やすような観光政策を、力強いものを打ち出していただきたいと思っております。
こうした中で、訪日クルーズ旅客数が五年間目標前倒しでもう達成してしまったということであります。これからも増えるという見込みでありますけれども、そんな中で外航クルーズ船による訪日外国人の受入れ環境の改善が急がれるという状況で、今回は無利子貸付制度の対象に旅客施設を追加するということにしていますけれども、二〇二〇年には訪日クルーズ旅客を五百万人とするという非常に高い目標を掲げているような中で、旅客施設の整備は非常に急務だと私は考えておりますけれども、無利子貸付けということだけで本当に呼び水になるのか、きちんと施設が整備されるのかということを疑問を感じております。
例えばなんですけれども、交付金や補助金交付の方がより施設整備促進の効果は期待できると考えていますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
訪日クルーズ旅客五百万人の実現に向けましてクルーズ船の受入れ環境を改善するという観点で、旅客施設につきましても、民間の知見とノウハウを活用し、質の高いサービスが旅客に提供されるよう取り組むことが重要であると考えてございます。
このため、今般の港湾法改正案におきましては、民間事業者による旅客施設等の整備に必要な資金を無利子で貸し付ける制度を設け、これを呼び水といたしまして民間事業者による旅客施設の整備を促進することといたしております。
○行田邦子君 無利子貸付けだけで本当に十分なのかといった趣旨の質問でありましたけれども、ただ、御答弁を伺っていまして、民間にやっていただく以上は、やはり公的な資金に依存していなければ事業は回らないということでは私は本末転倒だと思っておりますので、民間にお任せする以上は、しっかりと公的資金がなくても事業が採算ベースに合う、コマーシャルベースに乗るということが本来の姿だというふうに思っておりますので、何とかこれをきっかけに施設整備が進むことを期待したいと思っております。
次に、洋上風力発電について伺いたいと思っております。
洋上風力発電が再生可能エネルギーの中で最も伸び代があるのではないかと言われていますけれども、裏を返せば、今までなかなか本格的に取り組んでこなかったということであろうかと思っております。こうした中で、まずは港湾区域からということで今回の法改正案が提出されているわけでありますけれども、局長に伺いたいと思います。
港湾における洋上風力発電というのは、これは地域にある公共財を長期にわたって占用する事業であります。であるがゆえに、計画の実施に当たりましては、地域、そしてまた地域住民に対する社会的、また経済的な便益が配分されるといったことへの配慮が必要だと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
港湾への洋上風力発電の導入に当たりましては、地域及び地域住民に対する社会的、経済的便益の配分などに配慮することが重要であると考えております。このため、事業者選定の総合評価におきまして、例えば、非常時における港湾施設や周辺地域への電力供給に関する提案であるとか、あるいは風力発電施設を巡る観光クルージングコースの設定であるとか、こうした提案を評価することも可能であると考えております。
国土交通省といたしましては、地域や地域住民に対する社会的、経済的便益に関する事項についても評価対象として考慮できるよう運用指針を示すなど、港湾管理者に対して技術的な助言を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非、今御答弁されたように、地域に対しての社会的、経済的便益といったことも評価基準に加えていただきたいと思っております。地域の住民からすると、そこにある自分たちのというか、そこにある公共財を使わせるんだから、何かメリットが感じられるようなものでなければやはりよくないというふうに思っております。
次の質問なんですけれども、港湾における洋上風力発電というのは、これは風力発電施設の設備建設、そしてまた関連機器、いろんな部品があるというふうに聞いていますけれども、そして装置の製造と、それだけじゃなくて、送電線網の建設など、関連産業への波及効果が期待できるというふうに言われていますし、そしてまた、メンテナンスや運転でも人が必要だということで、雇用の創出にもつながるということが言われていますけれども、港湾における洋上風力発電の地域経済への効果についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
風力発電は、一万から二万点の部品による組立て産業でございまして、風車の機械系、電気系、素材系の部品産業、メンテナンスに加えまして、送電線や系統連系、運用設備の新増設工事あるいは土木建築工事など非常に裾野が広く、産業や雇用への波及効果が大きいと言われております。
国土交通省といたしましては、港湾における洋上風力発電施設の導入による地域への関連産業の立地促進や雇用創出が図られるよう、先進事例を全国の港湾管理者に情報提供することなどによりまして必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非お願いしたいと思います。
質問を続けますけれども、先ほどもちょっと質問が、重なるかと思いますけれども、聞かせていただきます。
これ、三十七条ですけれども、港湾管理者が公募占用指針において評価の基準を定めるときに学識経験者の意見を聴かなければならないと、このようになっています。学識経験者の意見を聴くというのは、これはまあ結構なことだと思いますけれども、それだけではなくて、今後はやはり、漁業従事者など他の海域利用者、そしてまた利害が関係する人たち、そしてまた地域の代表者などが参加する協議会を設置して、そこで情報共有をしたり、そしてまた利害調整をするという、こういった場が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。
港湾における洋上風力発電施設の導入に当たりましては、港湾区域を占用する事業者が地域の方々と協力的な関係を構築するということが大変重要であると認識しております。このため、平成二十四年に策定いたしました港湾における風力発電の導入のためのマニュアルにおきましては、関係機関や地元関係者等で構成される協議会を設置いたしまして、事業者の選定に係る審査支援を実施するような、こういった内容を示してございます。
国土交通省といたしましては、事業者の選定に地域の意見を反映する観点から、このマニュアルを踏まえました占用公募制度の運用指針を策定いたしまして、港湾管理者に対し必要な技術的助言を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 洋上風力発電につきましてはまずは港湾からということだと思いますけれども、そして現状はゼロに近い状況の洋上風力発電でありますので、二〇三〇年度における導入見込み量というのも洋上風力は八十二万キロワットという非常に保守的というか控えめな数字だと私も考えております。ゼロからスタートするんだから、まずは保守的な見込みということかもしれませんけれども、それにしてもこれでは余りにも少な過ぎるのではないかなと思っております。
そこでなんですけれども、やはり今後は、まずは港湾からということでありますけれども、港湾だけではなくて一般海域、沖合における洋上風力の発電ということも技術革新が急がれますし、またその実用化、そして利用といったことが急がれるというふうに私は思っております。
そこで、総合海洋政策本部に伺いたいと思うんですけれども、これから洋上風力発電の特に浮体式につきましては、実証事業が長崎県の五島で終わって、そして運転が開始され始めたと。福島はまだ実証実験中というような状況でありますけれども、今後、この実証事業で得られた知見を基に民間による事業化の促進といったものが進んでくると思います。その際なんですけれども、私は、やはり一般海域における洋上風力発電の管理であるとか利用であるとか、それから事業者の選定といったルールをしっかりと整備をすべきだと思っております。
昨日もいろいろとお話を伺っていましたところ、一般海域の都道府県管理者の境界というのがどうもこれ曖昧なんじゃないかと。例えば、一般海域においてどこからどこまで千葉県が管理するのか、茨城県なのか、あるいは福島県なのか、これがどうも曖昧であるのではないかなというふうに思っていますし、ここをどういうふうにしていくのか。それからまた、海域利用者との利害調整を誰がどのように主体となって行っていくのかと、こうしたやはりルール整備を急ぐべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤由起夫君) お答え申し上げます。
御指摘の一般海域におきまして洋上風力発電の利用を促進するためには、既存の海域利用者の事業の実態や環境との調和等に十分配慮いたしまして、様々な地域の特性を踏まえまして個別に丁寧な利用調整を行うことが重要であります。地方自治体の中には、一般海域の管理のための条例を制定して一般海域の利用調整を行っているところもあると承知しておりまして、これら各地での取組の実態、あるいは今後の港湾区域におけます先導的な取組の実例、あるいはノウハウの積み上げ等を踏まえまして、関係省庁と連携いたしまして、一般海域の利用に関する御指摘のルール作りについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○行田邦子君 是非急いでいただきたいと思います。
洋上風力発電は計画してから利用に至るまで非常に長い期間が掛かりますので、計画が具体化してから法制度の整備ということだと遅いと思いますので、是非関係省庁が連携を取って急いでいただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。