平成28年3月31日 国土交通委員会
○行田邦子君 無所属の行田邦子です。よろしくお願いいたします。
踏切といいますと、ちょっと私事ではありますけれども、私の青春時代は踏切に悩まされたと、踏切との闘いであったというようなことを覚えております。私が住んでおりましたところというのは、利用する駅に行くまでに必ず、どう迂回しても必ず踏切を通らなければ駅にたどり着けないと、しかも、第一京浜国道と環状八号線という環状道路とそれから鉄道が入り組んでいるというような地域でありました。それが子供の頃だったんですけれども、もしかしたら私が生きている間に立体交差にならないかもと思っていたんですが、平成二十四年にこの鉄道は完全な高架化して、二十八か所の踏切がなくなったということでありました。本当に格段に交通の利便性が高まったということを実感をしております。
今日のこの踏切道改良促進法の改正案、私は賛成でございますけれども、これを機にさらに、踏切事故がなくなる、そしてまた踏切がなくなるということの一助になっていただければということを期待を申し上げまして、質問に入らせていただきます。
まず、大臣に伺いたいと思うんですが、お手元にお配りしております資料一も御覧いただきながらなんですけれども、日本は、減ったとはいっても、まだ全国で三万四千の踏切があります。そして、東京二十三区と海外の主要都市を比べますと非常に踏切が多いと。パリの九十倍、ニューヨークの十三倍ということであります。
なぜ日本は、また東京二十三区は踏切がこんなに多いのか、その理由についてお聞かせいただきたいのと、そして、これだけ踏切が多いということがいかがなものかと思うんですが、都市交通の安全性、利便性の視点から御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国におきましては、明治期以降、近代国家としての交通の基盤を速やかに整えるべく道路や鉄道のインフラ整備に取り組んでまいりました。これらの整備の過程で、ヨーロッパとは異なり、鉄道網の整備が道路の整備に先行したということ、また、東京外縁部におきましては、敷設済みの鉄道沿線において急速な市街地化が進んだこと等から、立体化がなされぬまま平面構造の踏切が増えたという経緯があると認識をしております。
このため、東京二十三区内は先進諸国と比較しても踏切が大変多く、昭和三十年代以降、踏切対策を進めてまいりましたが、遮断機の設置等の対策が中心であったこともありまして、依然として多くの踏切が残されている状況にございます。こうした踏切は、踏切事故の多発に見られるとおり、都市交通の安全性を損なっているとともに、開かずの踏切など、交通の流れを阻害することで多くの方々の時間的損失をもたらすなど、都市の利便性を損なっているものと認識しておりまして、その対策が急務であると認識をしております。
○行田邦子君 明治になって鉄道が整備されまして、そして戦後になって新たにどんどんと道路が拡幅されたり、また新しくできたりという中で、人の移動や輸送も増えていくという急速な都市化が進むわけでありますけれども、ここで私が政府参考人に、局長に伺いたいんですけれども、都市化が進む中で、もっと早期に立体化を促すという方針を打ち出して対応していくべきではなかったのかと今更ながら思うわけでありますけれども、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
全体の都市化の状況、あるいはまた鉄道、道路の整備の状況、今大臣から御説明をさせていただいたとおりではございますが、その以前からもやはり立体化を推進する動きというのはあったようでございます。ただ、やはり厳しい財政状況の下、立体交差でお金を使うよりは先に線を延ばすということにやはり腐心をしてきたということの結果の表れかなというふうに思っているところでございます。
特に、踏切の事故は昭和二十年代後半からやはり急増してきておりまして、その当時からやはり渋滞あるいは事故の解消といったものが急務であるということで、昭和三十六年に踏切道の改良促進法が制定されたということでございます。ただ、その中でも大多数が保安設備のないいわゆる第四種踏切、遮断機もなければ警報機もないというような踏切がたくさんあったということで、その設置あるいは設備の高度化を中心に行ってきたということが現状として言われているところでございます。
立体交差につきましても、今も現状におきましても、財政状況が非常に厳しい中で道路管理者あるいは鉄道事業者のそれぞれの努力が行われてきているところでございますが、なかなか負担が大きいということもあって十分な手当てあるいは実施が行われてきていないという実態にございます。
以上でございます。
○行田邦子君 都市化が進んでまた人の輸送量が増えたり移動が増えると、より一層立体交差化というのはお金も掛かるし、また時間も掛かると、地権者との合意も必要になるという、都市化が進めば進むほど難しくなるわけでありますので、これをもっと早期に立体化ということでしっかりと取り組んでおくべきではなかったのかなというふうに思っております。
また、道路法三十一条におきましては、道路の新設のときには原則鉄道と交差する場合には立体化ということも明記されているわけでありますので、その例外ばかりを増やしていくというのも政策上いかがなものであったのかなということを考えております。
次の質問に移りたいと思いますけれども、改良すべき踏切道ということで大臣が指定するということ、これまでも昭和三十六年以降行われてきたわけでありますけれども、五年ごとに指定をするということで行われてきて、で、今般の改正でもあるわけでありますけれども、平成二十三年から二十七年のこの五年間の以前、つまり平成二十三年度以前に改良すべき踏切道として指定されたにもかかわらず、未着工が三百二十四か所あります。このうち立体交差化のような大掛かりなものは、これはもう年月を要するというのは、これは理解できるんですけれども、一方で、保安設備をしなさいと指定されておきながらまだ未着工のものが三十九か所あります。これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のとおり、平成二十三年度以前に保安設備を設置する予定として指定された踏切道のうち未着工のものが三十九か所ございます。
その主な理由でございますけれども、基本的にはこれ事情、環境の変化ということでございまして、例えば第一種化を予定していた踏切につきましては、その後の道路交通量や列車通過本数の減少に伴って整備の優先順位が低くなったといったこと、あるいは警報時間制御装置の設置が必要とされた踏切、これは通過速度が異なる列車がある場合にそれぞれの速度に応じて適切なタイミングで踏切を鳴動させる装置のことでございますけれども、これについては、その後、列車種類が同一化したとか、あるいは道路交通量が減ったということでその設置の必要性が乏しくなったと、こういった事情でございます。
○行田邦子君 であるならば、今後指定の見直しといったことも状況の変化に応じて行っていくべきではないかなというふうに思っておりますし、またそれほど困難ではない、時間を要しない、また費用を要しない保安設備についてはしっかりと進めるように適切な指導をお願いしたいと思います。
鉄道など、また道路などの輸送について、まず第一に考えるべきことというのは、これは安全の確保だと考えておりますけれども、他方でですけれども、やはり鉄道の輸送というのは利便性の供与といった役割も担っていると考えております。そういう視点で質問したいと思うんですけれども、平成二十六年度の踏切事故が二百四十八件発生しているということであります。
そこで、これによる電車の運休、そして遅延が起きています。資料二を見ていただきたいと思うんですけれども、平成二十六年度で踏切障害事故による運休、遅延が、運休本数が三千七百十八本、遅延本数が四千二百九十二本、最大遅延時間計二万一千六十八分ということで、結構な時間が失われているということであります。
先ほどからの審議の中でもありましたけれども、指標としまして、踏切遮断による損失時間というのはこれは試算をされていますし、そしてまた、平成三十二年度までの目標ということも掲げられているわけでありますけれども、踏切事故による電車の運休また遅延による損失時間というものをどのように試算をされていますでしょうか。
○政府参考人(藤田耕三君) 踏切事故が発生したことに伴う損失時間というものは、結論的に申し上げますと、算出はしておりません。
これは列車の遅延あるいは回復、あるいは乗客の行動、なかなか複雑なものがございまして、技術的に難しいという面もございますけれども、基本的には、踏切事故ということに関してはその件数そのものを減らすということを指標にしてまいりたいというふうに考えておると、こういった事情でございます。
ただ、御指摘のとおり、鉄道にとりまして定時性、信頼性、これ大変大事なことでございますので、踏切事故に限らずいろいろな要因でこれ発生いたします。そういったトータルの観点から、こういった遅延対策というものに取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 先ほどからの議論の中でも立体交差化が望ましいけれども、それなりにお金が掛かると。掛かる費用に対しての効果がどうなのかといった御答弁もございましたけれども、費用対効果ということを見るときに、輸送については安全性の確保というのが第一ではありますけれども、一方で、利便性ということの視点で、どれだけ電車が運休したり遅延をすると失う時間があるのか、経済ロスがあるのかといったことを是非試算をしていただきたいと思います。そうすれば、いかに踏切を除去しなければいけないのかという結論にたどり着くというふうに思っております。
最後の質問なんですけれども、大臣に伺いたいと思います。
電車の運休、遅延というのは踏切事故以外にも起きております。どのぐらい起きているのかということをお手元の資料を眺めながらと思うんですけれども、まず平成二十六年度の輸送障害は五千二百九十一件でした。輸送障害というのは、電車の運休そしてまた三十分以上の遅延なんですけれども、結構起きています。また、それ以外にも人身事故は四百四十九件起きていますので、それによる遅延、運休も起きているかと思います。
そして、ちょっとこれは私がいつも利用している宇都宮線・高崎線なんですけれども、一か月でどのぐらい三十分を超える遅延があったのかなというのを見てみますと、午前七時から十一時の間で、三十日で六回、三十分を超える遅延が起きていると。結構起きているわけであります。
というような状況で、これを見ますと、私は電車の運休、遅延が人々の生活や仕事に与える影響、そしてまた経済ロスというのは大きなものがあるというふうに推察をしております。輸送において何よりも優先されることというのは、それは安全の確保でありますけれども、他方、鉄道輸送というのは利便性の供与という役割も担っている点を踏まえまして、電車遅延についての実態把握や、また国土交通省としてのお取組についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道輸送の信頼性を向上させるためには、定時性の確保が重要であります。
近年、東京圏の都市鉄道におきましては、混雑による乗降時間が増えることに伴う慢性的な遅延や、異常気象、機器故障等に伴う長時間かつ広範囲にわたる遅延が発生をしておりまして、対策の必要性が増しております。
現在、交通政策審議会におきまして、東京圏における今後の都市鉄道の在り方について議論をされておりますが、遅延対策は重要なテーマの一つとされております。具体的には、遅延の現状と改善の状況を指標等により見える化し、それを踏まえて各鉄道事業者が対策を強化する、降雪時等において利用者の行動判断に資するよう情報提供を拡充するなどの方向で議論が行われていると聞いております。
国土交通省といたしましては、鉄道事業者と連携し、安全運行を大前提としつつ、利用者からの信頼が厚く、いつでも安心して利用できる都市鉄道を実現すべく、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○行田邦子君 終わります。