平成27年9月10日 厚生労働委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
今日は、一般質疑ということで、三つのテーマで質問させていただきます。駆け足になりますけれども、よろしくお願いいたします。
まず最初に、アスベスト労災について伺いたいと思います。
大阪泉南アスベスト訴訟におきまして、平成二十六年十月九日に最高裁は、国に規制権限の不行使の違法があった、国家賠償法の適用上違法であるという判断を下しました。この最高裁判決を受けての厚生労働省での対応状況をまず厚生労働大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年の十月の九日の大阪泉南アスベスト訴訟最高裁の判決におきまして、今御指摘をいただいたような結果が出ました。極めて重く私ども受け止めて、真摯に対応してまいったところでございますが、第一陣の訴訟の原告の方々と昨年十二月の二十六日に和解が成立をいたしまして、二十七名の方々と訴訟を終結させたところでございます。
また、最高裁判決で国の責任が認められた原告の方々と同様の状況にあった石綿工場の元労働者の方々についても、最高裁の判決に照らして訴訟上の和解の道を探ることとしておりまして、本年七月以降、順次、三十名の方々と和解が成立をしたところでございます。
○行田邦子君 この後残されている、まだ和解が成立していない方もいらっしゃるかと思いますので、最高裁の判決をしっかりと受け止めて、速やかに対応していただきたいというふうに思っております。
そして、この石綿暴露作業に従事していた方の労災問題なんですけれども、御自身が、自分自身がかつて石綿暴露作業に従事していた、そうした現場で働いていたかどうかということの自覚が余りできていない方もいらっしゃるかと思いますし、また、自分が働いていた現場に石綿暴露作業があったのかどうかということも不明だという労働者の方もいらっしゃるかと思います。今現在はアスベストを使用したものの製造というのは禁止はされていますけれども、かつて昭和三十年代、四十年代というのは、例えば屋根に使われるスレートなどの建材とかあるいは天井にアスベストを吹き付けるなどといった、たくさんの建物においてアスベストは使われていたわけでありまして、また、こうした現場で働いている労働者の方も多くいらっしゃるわけであります。
そこで、政府参考人に伺いたいと思うんですけれども、こうした自分自身が石綿暴露作業に関わっていたかどうか自覚できていない労働者に対して、どのような注意喚起を行っていますでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 先生おっしゃいますように、石綿関係作業に就いていたかどうか御本人が自覚がないというために補償を受けられないというのは非常に問題であるというふうに理解しております。
そのために、労災認定が新たにあった事業場につきましては毎年公表しておりますが、その公表に併せまして、当該事業場に対しまして、そこで働いていた方々に自分の事業場で石綿暴露による労災認定があった、ついてはあなたもその可能性があるというようなことをしっかりと周知してくださいと、事業場にも協力を求めております。
そのほか、医療機関等におきまして石綿業務歴の確認を依頼するというようなこと等含めまして、いろいろの形で周知広報に努めているということでございます。
○行田邦子君 石綿暴露作業に関わっていた可能性のある労働者に対しての注意喚起だけではなくて、事業場そしてまた医療機関に対しての周知というのも、これからもしっかりと行っていただきたいと思います。
この石綿暴露作業に従事したことによる労災なんですけれども、こうしたケースの場合というのは、例えばけがなどの労災案件と比較して、業務上疾病と認められるための業務との因果関係を証明することに一般的には時間を要しています。平均五・一か月ということも聞いていますけれども、実際にはそれより長く掛かってしまっている場合というのも多く私自身聞いております。肺がんとか、また悪性腫瘍などの重い疾患の発病ともなり得るわけでありますので、適正かつ迅速な事実認定を行うべきだというふうに考えています。
そこで、厚生労働省では、お手元に資料をお配りしていますけれども、今から十年前、平成十七年の七月二十七日付けで都道府県労働局宛てに課長通知を出されています。これは「石綿による疾病に係る事務処理の迅速化等について」という通知なんですけれども、ここで事務処理の迅速化のために柔軟な対応をするような通知となっています。
どのように書かれているかといいますと、「石綿ばく露のおそれがないことが明白な場合を除き、被災者が石綿ばく露作業に当該期間従事していたと事実認定して差し支えないこと。」と、このように書かれているわけであります。今から十年前に出された通知なんですけれども。
ところが、いろいろと現場のこうしたアスベスト労災認定に関わっていらっしゃる方のお話を聞きますと、どうも労働基準監督署も人が足りないのか、理由は分かりませんけれども、このようにはなかなかなっていないという指摘がなされています。
そこで、政府参考人に伺いたいんですけれども、この十年前に出された通知を再度周知徹底すべきではないでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 石綿関連の疾患の認定に当たりましては、過去に遡ってということもありますので事実認定がやや難しいと、そういうこともありまして、今先生御指摘の平成十七年の通達におきまして、具体的に暴露があったかどうか、そこのところは、業務に就いていたということを前提に認定するようにということにしたということでございます。やはり重い障害を負われるということもありまして、迅速な認定というのは非常に重要だというふうに思っております。
既にこの通達に基づいてやっているとは思いますが、今日先生からも御指摘がありましたので、これをしっかりとこの方針にのっとって迅速な事務処理に努めるように、再度監督署の方に指導したいというふうに思っております。
○行田邦子君 是非お願いいたします。
かつて石綿を使った建物というのは多く建てられて、そして今も行われていますけれども、これから更に解体作業ということが増えてくるかと思います。そうしますと、これからも石綿暴露作業によっての労災というケースも、これは残念ながら可能性というのはありますので、しっかりと対応していただきたいというふうに思っております。
そこで、続いて伺いたいんですけれども、実際にアスベスト労災が認定されたと、そして、いよいよ労災の給付がなされるというときに何をしなければいけないかというと、これまで労災認定がなされるまでに掛かった医療費の自己負担分、三割などの自己負担分以外の保険適用分の、三割の自己負担であれば残りの七割分を一旦精算する、つまり労災認定された方がその七割分の保険適用分を納付しなければ労災の給付が受けられないという仕組みになっています。
ここで、私は幾つかのケースでいろんな問題をお聞きしていまして、最近のケースとしましては、ある方は労災認定されるまで抗がん剤などを使用して一年間ずっと治療を受けていた、掛かった費用が一千万を超えている、ようやく労災認定をされたけれども、労災給付を受けるためには七百万を一旦精算して納付しなければいけない、ところが、七百万の手持ちの現金がないという、こういった困ったケースというのが今年もありましたし、またこれまでも埼玉県内でも起きているということであります。
こうした場合に速やかに労災給付を受けられるようにするためには、どのような対応が可能なんでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 最終的には保険者間の調整ということで、労災保険で出ますので、二重にならないように健康保険の方はお返しいただくというのが基本だと。その原則の下に、まず返納していただいた上で払うという方針はあるわけでありますが、今先生御指摘のように、特にこういうアスベスト等のがん等であれば治療費が多額になります。そういった場合に、返さなければ労災給付をしないということでは、それは当事者が非常にお困りになると。それにつきましては、負担が大きい場合には、返納する前であっても労災保険の給付をするようにということでやっております。
今先生が御指摘になったようなケースにつきましては、例外扱いでしっかりと対応していくと。これにつきましても併せて周知をして、被災者の方が負担にならないような形でしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
○行田邦子君 昨日もレクを受けまして、いや、こうしたケースの場合は先行給付ということで、労災給付を受ける前に先行給付という制度があります、それは労働基準監督署でしっかりと説明をしているはずですということだったんですけれども、実際に労災申請の手続などをしている例えば建設職人の組合などの方の話を聞きますと、複数件、今言ったようなケースが生じている、非常に困っているということでありまして、私も、いや、先行給付という制度がありますよという話をしたんですが、私が聞いた中では実際誰も知らなかったということです。
この制度というのは随分昔からあるというふうに聞いていますけれども、これ是非しっかりと労働者の立場に立って、労働基準監督署ではこういった先行給付という制度があるということを助言をしていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞ周知徹底の方、よろしくお願いをいたします。
それでは次に、子供の自立援助について伺いたいと思います。
子供の貧困対策、これまでも私も何度かこの委員会で質問してきましたけれども、子供の貧困対策や、また子供の社会的養護につきまして、厚生労働省は、来年度の概算要求を見ますと、今年度以上に力を入れるという意欲的な姿勢を見せられています。このこと自体は私も応援をさせていただきたいと思っておりますし、またしっかり予算も獲得し、予算を得るだけではなくて実行していただきたいというふうに思っております。
子供の貧困対策、また社会的養護というと年少の児童のことをよく思い浮かべがちなんですけれども、もちろん年少の児童への支援も重要であります。けれども、私は、義務教育が修了した十五歳から成人になるまでの十九歳の、年長児童プラス十八歳、十九歳と言っていいんでしょうか、こうした子供たちへの自立援助というのもしっかりと行うべきであるというふうに考えております。
まず、厚生労働省の取組について伺いたいと思います。
○政府参考人(安藤よし子君) 委員御指摘のとおり、児童養護施設等の入所児童の退所後の自立支援策、これは大変重要な課題でございます。
そこで、厚生労働省では、施設を退所した中学校卒業以上の児童等がアパート等で共同生活をしながら日常生活の援助や生活指導、就業支援を受けることができる自立援助ホームの設置を進めているところでございます。
また、施設退所児童等の生活や就業に関する相談を受けたり、施設退所児童同士が相互に意見交換や情報交換を行える自助グループを支援する退所児童等アフターケア事業、これも進めているところでございます。
○行田邦子君 様々な取組行っているところでありますけれども、今御答弁の中にもありました自立援助ホームなんですけれども、この自立援助ホームについてちょっと伺いたいと思います。
私も、自分が住んでいるところの近所にも実は自立援助ホームがありまして、何度か伺って様子を見ております。自立援助ホームで支援に従事している方たちを拝見していますと、本当にいろんな御苦労があるんだなというふうに思っています。小さな年少の子供たちの支援とはまた違う、十五歳から十九歳の子供たちへの自立援助というのは本当にまた違う困難さがあるなということを実感をしております。
この自立援助ホームについて、厚生労働省としては今どのような支援、取組を行っていますでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 自立援助ホームに対しましては、適切な運営が確保されるように児童の自立生活援助に携わる職員の人件費や児童の生活費など、その運営に要する費用の二分の一を国が負担しているところでございます。
平成二十七年度予算におきましては、年長児童という点に着目した支援といたしまして、就職支度費につきまして、これまでは自立援助ホーム入居児童については支給対象外であったものを新たに支給対象といたしましたほか、自立援助ホームに心理担当職員を配置する事業を新しく設置いたしまして、就労自立により措置解除されたものの、その後の離職などによって課題を抱えている自立援助ホームを利用している児童を対象にして、心理面からの自立支援、これの充実がなされるように配慮したところでございます。
また、二十八年度の概算要求におきましては、自立援助ホームの設置の促進を図るために、既存の建物を活用して自立援助ホームを設置する場合の賃借料加算の単価の見直しなどを盛り込んでいるところでございます。
これらの取組を通じまして、引き続き自立援助ホームに対する支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 今、国、厚生労働省におきましては、児童養護施設などの施設から、より家庭的な養育環境、ファミリーホームとか里親といったことへのシフトということも考えているようでありますけれども、小さな子供たちに対するこうした社会的養護だけではなく、是非、義務教育を修了した後の十五歳から十九歳までのこうした子供たちの自立をいかに促していくのか、そしてまた、それらを支援する人たちへのサポートということも、これからもしっかりと行っていただきたいと思っております。
資料二に、お配りをしておりますけれども、自立援助ホームってどのぐらいあるのかなということなんですけれども、今、施設数は全国で百十八、在籍人員は四百四十と、必ずしも多いわけではありません。非常にこうした小さな規模ではありますけれども、この自立援助ホームの役割というものをしっかりと踏まえてお取組をお願いしたいというふうに思っております。
大臣に伺いたいと思います。
大臣は現在も、児童の養護と未来を考える議員連盟の、自民党の議員連盟の会長をされているというふうにお聞きしています。子供の自立援助といっても、机の上で考えるとおりに簡単にはなかなか進むわけではありません。そしてまた、一律にマニュアル対応をすればよいというものでもありません。子供たちのために手探り状態で御苦労されて、こうして支援に当たられている方がたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、こうしたたくさんいらっしゃる自立援助に従事されている方たちが希望が持てるような、そのような御答弁をいただきたいと思っているんですけれども、義務教育修了後の子供たちの自立援助の今後の在り方について、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、虐待を受ける子供たちが増えている中で、社会的養護が必要な子供たちに対して、我々としては社会的自立につなげるためのきめ細かな支援が必要で、それは低学年、小さいときから、小学校へ入って義務教育が終わる、その後についても重要だという先生の今御指摘でございますが、この担い手として自立援助ホームが重要な役割を担っていると我々ももちろん認識をしていますし、八月二十八日に取りまとめた児童虐待防止対策強化プロジェクトでも自立支援やフォローアップというのが強化ポイントの一つとされています。
今、厚労省の中でも、新たに次期通常国会の児童福祉法の改正を目指して議論が始まったところでございまして、九月七日に第一回目の新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会というのを立ち上げました。
ここに至る助走の間も幾つかのテーマを取り上げてまいりましたが、そのうちの一つが今先生御指摘の義務教育の後の自立をどうするのか、特に十八、十九、この辺が抜けてしまうことが多いし、仮に大学行っても戻るところがないというようなことでありまして、そこを今しっかりと見ていただいているのがこの自立援助をしていただいている皆さん方だというふうに思います。
我々、ですから、新たな子供家庭福祉の在り方についての検討を進めて、来年の通常国会に児童福祉法の改正を提案をしたいと考えておりますけれども、その際の一つの大きな柱がこの義務教育後の子供たちの自立でございますので、これはいろんなケースがありますし、都会と地方で全くまた違うのでございますので、そういうことも十分議論をして、そういうところで頑張って働いていらっしゃる皆さん方にも、言ってみれば先が見えるような法改正ができればなというふうに考えております。
○行田邦子君 この点につきましては、私もささやかながらではありますが後押しをさせていただきたいというふうに思っております。また、前向きな御答弁をありがとうございます。
それでは、次に、旧ソ連抑留中の戦没者について伺いたいと思います。
午前中も白委員から質問がなされたわけでありますけれども、DNA鑑定の件についてもいろいろと質問がなされましたけれども、私からは二点伺いたいと思っております。
モンゴル地域を含める旧ソ連の抑留死亡者の数は約五万四千四百人とされています。そのうち、遺骨が収容されたのは二万一千三百柱、そしていまだ遺骨が収容されていない数は三万三千百ということであります。私は、御遺族の方々の高齢化ということを考えますと、やはり死亡者の身元を特定をして、そしてまた、遺骨収容を加速化させるべきというふうに考えておりますけれども、厚生労働省の取組について伺いたいと思います。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
旧ソ連、モンゴル地域におきます抑留中死亡者につきましては、平成三年以降、ロシア連邦政府等から提供されました資料と日本側が保有する資料との照合調査を実施しまして、平成二十七年八月末現在で約三万九千名の方の特定をしたところでございます。
また、遺骨収容につきましては、数につきましては今、行田先生がおっしゃいましたけれども、同じく今年の八月末までに二百二十四か所の埋葬地の所在を確定し、うち二百四か所につきまして遺骨収容を実施したところでございます。
今後とも、ロシア連邦政府等から新たな資料の入手に努めまして、照合調査による身元の特定作業を進めますとともに、埋葬地を特定するなどしまして、遺骨収集を更に推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 旧ソ連については、この地域につきましては、ロシア政府からの名簿の提供というのもあるわけですので、是非、厚生労働省としても積極的に遺骨収集の加速化に取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして、最後の質問なんですけれども、遺骨収容についてもこれ加速化させていただきたいと思っているんですけれども、もう一つ私が訴えたいのは、旧ソ連地域においての小規模慰霊碑の建立についてであります。
今、旧ソ連地域におきまして二十六か所の小規模慰霊碑の建立の計画があります。平成十二年九月から建立がされていまして、お手元資料、配付資料三でございますけれども、これまでに十三か所既に建立をされています。この二十六か所の選定に当たりましては、既に遺骨が埋葬されている場所、また建物が建っていたりとかで遺骨の収集が困難だというような場所の中からこの二十六か所が選ばれているわけであります。
そして、今十三か所まで進んだわけでありますけれども、残すところあと十三か所、これがまだ建立されていないわけでありますけれども、この遺骨収容同様に、私はこの小規模慰霊碑についてもスピードアップさせるべきだというふうに考えております。大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたように、平成十二年度から十三か所につきましては小規模慰霊碑を造ってまいったところでございますけれども、これは、共和国とかロシア連邦の地方あるいは州であって、用地の無償提供及び慰霊碑の維持管理を相手方が将来的に保証してくださったところ、これが十三か所、今建立ができたというところでございまして、残る十三か所、今資料もお配りをいただきましたけれども、このことについては、とりわけ抑留経験者とかあるいは御遺族の皆さん方の高齢化が本当に進んでいるわけでございますので、これを踏まえて、対象となる未建立の地域についてできる限り早く建立できるように、先方の地方行政府としっかりと合意に向けた協議を詰めていかなければならないというふうに考えております。
○行田邦子君 ロシア側は地方政府が交渉相手ということでありますし、また、先方の無償による用地提供とそれから維持管理ということが前提となりますので、是非きめ細やかな対応をしていただきたいというふうに思いますし、また、既に建立されているものにつきましても、維持管理が本当にきちんとなされているのかどうかというチェックも、これは大変だとは思いますけれども、是非よろしくお願いしたいと思います。
質問を終わります。