平成27年9月1日 厚生労働委員会
【午前】
○行田邦子君 行田邦子です。
附則第九条の「なお従前の例による。」の解釈について、厚生労働省、それから法制局からも説明を受けました。先ほどの小池委員の質疑も聞きまして、私は、業務区分による期間制限違反へのみなし制度、これは何としても適用させないぞという並々ならぬ厚生労働省の執念を感じながら、本当は先週木曜日に質問するはずだった雇用安定措置について質問させていただきたいと思っております。
まず、八月二十日の私の質問に対しての部長の答弁について、ちょっともう一度確認をさせていただきたいというふうに思っております。
一年以上三年未満、同一の組織単位の業務に継続従事する見込みの労働者についてなんですけれども、これは、雇用安定措置は努めなければならないという努力義務になっています。じゃ、努力は何なのかというところをもう少し分かりやすく、特にコンプライアンス重視の派遣元、努力義務であってもしっかりと守りたいと思っている派遣元にも分かりやすく説明していただきたいと思うんですけれども、具体的に何をすれば努力したことになるのか。
例えばなんですけれども、前回の答弁を踏まえますと、具体的な取組の実施まではしなくていいということでした。それならば、例えばなんですが、派遣労働者に対して派遣元が直接雇用されるといいと思うんだけどねと言えば意思を示したので努力したことになるのか。また、別の派遣先情報を提供するだけで努力をしたことになるのか。また、安定した雇用の継続のために一緒に頑張ろうねと派遣元が派遣労働者に言えばそれで努力をしたことになるのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
今、行田委員の方から前回の件について御引用もしていただきましたけれども、前回も御答弁しましたように、この派遣法上の努力義務ということにつきましては、目標の実現に向けた姿勢を期するものだということで、いわゆる具体的な取組、アクションの実施というようなこととか、あるいは義務達成、目標達成ということがない限りは果たしていないというようなものではないということは前回御答弁を申し上げたとおりでございます。
それで、具体的にどのような行動が努力義務を果たすものになるかということでございますけれども、そういう各々の状況に照らして判断されるので、個々の事例で、言動だけで判断するというのはなかなか困難であろうかとは思うんですけれども、少なくともやはり雇用の継続に向けた努力の意思が全く読み取れないというようなものであれば、やはりそういった努力義務を果たしたということにはならないんだろうということで考えております。
具体的には、ですから、個々の当てはめということになりますけれども、例えば今御例示に挙げられた中での、例えば直接雇用されるといいと思うんだけどねというような、言わば第三者的にそういったことをつぶやき、話すという程度では、これは、やはり当事者としての、派遣元としての、努力義務主体としてのその姿勢ということが感ぜられないということだろうと思いますので、そういった点については、やはり努力義務を果たしたということには私どもとしてもならないだろうと思います。
ただ、いずれにしましても、従前も御答弁申し上げましたように、この雇用安定措置につきましては、一定の実効性の確保のために、いろいろ措置の対象あるいは区分ごとに事業報告を求めるということにしておりますので、努力義務の関係の部分についても、そこの措置のところがゼロということであれば、対象者がいるはずなのに何でここに本当に講じていないのというようなことは、そういった理由を聴取するというようなことも通じて、派遣元の履行ということはしっかり促してまいりたいと思います。
○行田邦子君 それにしても、努力義務であればなかなかこれ行政指導も難しいでしょうし、義務とそれから努力義務というのは雲泥の差があるということが今の御答弁でも分かりましたが、だからこそなんですけれども、義務逃れをしたいという意図があって三年未満の派遣契約にする、労働契約にするといったことなどは、しっかりとこれは行政の方でチェックをしていただきたいというふうに思っております。今部長もうなずいていらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。
そして、質問を続けたいと思うんですけれども、三年見込みについてなんですけれども、派遣元に対する雇用安定措置の義務はいつまで課されるのか。派遣契約終了までなのか、労働契約終了までなのか。私のこの質問の意図は、いつまでに雇用安定措置を完了させなければ義務の履行違反になるのか、その視点でお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
これは、従前の他の委員のところでも申し上げたとおりでございますけれども、雇用安定措置の義務というのは、今委員御指摘のどこまでにということで申せば、原則として派遣が開始されてから三年が経過するまでの間に履行しなければならないということで、求められるということでございます。
○行田邦子君 ちょっともう一回続けて質問させていただきたいと思うんですけれども、雇用の安定に特に資すると認められる教育訓練というのが第三十条の一の四で定められていますけれども、この雇用の安定に特に資すると認められる教育訓練というのは、訓練内容、どのようなものなのか、訓練内容、期間、費用負担、そしてまた、有給なのか無給なのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今委員御指摘の関係は改正法の三十条の一項の四号のところに規定する予定の雇用の安定に特に資すると認められる教育訓練ということかと思いますけれども、この教育訓練の内容でございますけれども、派遣労働者のキャリアアップに資する訓練を新たな就業機会を提供するまでの間、雇用を継続したまま行うということをその内容として予定をしております。ですから、一定の雇用安定措置として教育訓練ということを実施する場合には、その場合でも新たな就業の機会を得るまでの間、雇用を継続した形で実施していただくということを考えておるということでございます。
それから、費用負担の関係でございますけれども、費用負担そのものについては個別具体的に判断されるということかと思いますけれども、有給、無給ということにつきましては、有給で行っていただくということが必要と考えております。
○行田邦子君 そうしますと、この教育訓練については、新たな仕事が見付かるまで派遣元とそれから派遣労働者が労働契約を結び続けて、そして有給で教育訓練を受けさせなければいけない、そこまでやらないと義務の履行をしたことにならないということであります。
これは、派遣元にとっては結構な負担になると思います。次の仕事を見付けにくい労働者ほどやはり長く教育訓練をしっかりとやらなければいけませんので、しかも労働契約を結んで有給ということですから、これは負担がかなりあるかなと私は思うんですけれども。
そうしますと、ちょっと確認なんですけれども、教育訓練という選択肢を選んだ場合、派遣元の負担がかなり発生すると。そうすると、派遣元はどのように考えるかというと、じゃ、できるだけ早く費用を掛けずに直接雇用なり新しい仕事先を見付けてもらうという努力をする気持ちが働くのか。そういう政策誘導をしようとしているんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 私どもとしましては、雇用安定措置、三年に到達する見込みのある方についてはしっかり雇用を継続して、派遣労働者が失職しないようにということをしっかり義務を果たしていただくということがまず第一だと考えております。
その意味では、新たな派遣先の提供、あるいは直接雇用の依頼ということ、あるいは派遣会社、派遣元での無期雇用ということも選択肢には入っているわけでございますので、それは派遣労働者に就業を希望するかどうかというときに、派遣労働者のどういった希望かというようなこともできるだけ勘案してもらうことが望ましいとは考えますので、そういったことも含めて派遣会社の方で、今議員御指摘のように、派遣会社の教育訓練等々で負担になるということはあろうかと思いますけれども、今回いろんな派遣労働者の保護のために義務付けということをしておりますので、そこの部分についてはやはり派遣会社の方は負担ということは甘受してもらわなければいけないということで私どもとしては考えておるということでございます。
○行田邦子君 派遣元がしっかりと負担するというのは、これはもう当然だと思いますけれども、私は、この雇用安定措置ということを考えるときには、やはりまず直接雇用の申入れが優先的に行われるべきだというふうに考えております。
大臣に伺いたいと思います。
派遣先、派遣元共に、望む人にはしっかりと直接雇用をさせるんだという意識を持ってもらうために、私は労働契約の申込みの事実を書面に残すべきだというふうに思っています。申入れが受け入れられなかった場合でもというか、そのときこそ申込みの証拠というものを残しておいて、そして労働者にもしっかりと説明できるようにしておくべきだというふうに思っております。
事業報告に記載するということになっていますけれども、これでは個々の労働者、契約に対してどういう労働契約の申込みをしたのかといったことが分かりません。そしてまた、管理台帳に記録を残すというだけではなくて、確かに申入れをしたんだという証拠を残すべきだというふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この雇用安定措置の第一番目に派遣先への直接雇用の依頼というのがあるわけでありまして、これを講じてうまくいかない場合には二、三、四と、こういうふうに移っていくわけでありますが、今お尋ねの書面で残すということについてでございますけれども、この雇用安定措置につきましては、指導監督の際に履行状況を確認をするほか、今先生からの御指摘もございましたけれども、事業報告で毎年実施状況の報告を求めてまいるわけでありまして、これらを通じて履行確保が可能ではないかというふうに考えているところでございます。
このため、派遣元と派遣先という民間事業者間の連絡について、御指摘のようなこの書面を残すという形での義務を設けるというところまでは今のところ考えていないわけでありまして、今申し上げたような指導監督や事業報告でこの履行を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 直接雇用の申入れといったことをしっかりと履行が確保できるような手だてを考えていただきたいと思うんですが、ちょっと済みません、私の聞き違いだったら申し訳ないんですが、先ほどの大臣の御答弁で確認なんですけれども、まず、直接雇用の申入れをまず先にやって、その次に二番目、三番目、四場目の措置をとるというような御答弁だったと思うんですが、その点ちょっと確認させていただけたらと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたのは、この一番目の直接雇用の依頼を派遣先に行うということをやった場合でうまくいかなかった場合には二、三、四のいずれかを選んでやると、こういうことでございまして、順番があるわけではございません。
○行田邦子君 それでは、次の質問、大臣にまた伺いたいと思うんですけれども、私は、この雇用安定措置について、特に二番目、第三十条の一の二についてなんですけれども、非常に疑問を感じています。
派遣会社は雇用あるいは登録している労働者に対して新たな派遣先を提供するということなんですけれども、これでは私は雇用安定措置にはならないというふうに思っております。新たな派遣先を提供するというのは、これは派遣元の本来業務にすぎないというふうに思っています。また、三年という個人の期間制限を設けたことによって職を失った労働者に対してまた新たな派遣先を提供すれば、これは、派遣は臨時的、一時的な働き方だと大臣も再三答弁されていますが、この原則と矛盾しているというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 新たな派遣先の紹介というのは派遣元の、今、本来業務ではないかということを御指摘をいただいたわけでありますが、確かに本来業務でございますけれども、今回の改正によって雇用安定措置として新たに法的義務として位置付けられることで、許可取消しを含む指導監督を通じて履行を確保するということが可能になることから、大きな意味が、意義があるのではないかというふうに考えてございまして、雇用安定措置として派遣元から新たな派遣先の提供がなされる場合もこの四つの選択肢の中であり得るわけでありますけれども、個々の派遣就業は個人単位の期間制限の三年の期間内でございまして、派遣就業は臨時的、一時的なものに限るという原則と矛盾しないというふうに考えているところでございまして、また、派遣就業中については、今回の改正案によって義務付けられる計画的な教育訓練等を通じてキャリアアップを支援するということによって、希望をされる働き方の実現を支援をしていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○行田邦子君 そもそも私は、個人単位の期間制限というのは非常におかしいとそもそも思っているわけでありますけれども、ただ、私が大臣に質問しましたのは、派遣は臨時的、一時的な働き方だと、じゃ、その臨時的、一時的というのはどのぐらいの期間かといったときに、三年であると大臣も既に御答弁をされています。
一般的に、臨時的、一時的な働き方だといったらば、それは何回も何回も派遣労働を繰り返す、そして十年、二十年たつということではないというふうに誰もが理解すると思うんですけれども、ですから、派遣は臨時的、一時的な働き方だという説明と矛盾をするのではないかということを指摘をしたかったわけであります。
ちょっと次の質問に移らせていただきます。
雇用安定措置を違反した場合なんですけれども、派遣元への行政指導や処分は規定をされています。ただ、私が気になっていますのは、派遣元が雇用安定措置を違反した場合、によって派遣労働者が不利益を被った場合なんですが、どのような手段で救済が可能なのか、この点伺いたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
ちょっと、今委員がおっしゃっている不利益というものの内容もあろうかと思いますけれども、私どもとしますと、この雇用安定措置の義務を課しているということで一番大事なのは、やはり派遣労働者の方がその期間制限の三年に達したということをもってして派遣契約等が切れて失業してしまうということがないようにするというのが、これがやはり一番大事なんだろうと思います。
そういったことから、この雇用安定措置の義務の履行に対しては、私どもも、許可制に全てするということもありますので、そういったことを背景に派遣会社に対して指導監督をしっかりやるということでございますけれども、やはり派遣労働者の方が失業してしまってはいけない、雇用の安定が図られるということが一番大事でありますので、そういった意味では、そういったことも背景にしつつ、やはり粘り強くしっかり義務の履行を求めて雇用の確保を図るということが私どもとしては大事なんだろうと思っております。
さらにといえば、当然でありますけれども、それは派遣労働者の御希望も含めてでございますけれども、就労支援が必要ということになれば、これはハローワークの方できめ細かな対応ということを個々の事情に応じてしっかり対応はさせていただきたいと思っております。
○行田邦子君 労働局において指導監督をしっかりと行っていくということの御答弁でもありましたけれども、ただ、需給調整指導官の数、これ都道府県別の配置人数、以前、石橋委員が示されていましたけれども、これを見ても十分な数とは言えないというふうに思っております。
事業報告等のチェックが年二回あったり、あるいは定期的、臨時的に指導監督をするということになっていますけれども、ただ、派遣事業者が多い都市部ほど指導官一人当たりの事業所数というのは非常に多くなっていて、手が回らない状況ではないかなというふうに私は思っています。そうすると、雇用安定措置だけではないんですけれども、法違反をどうやって見付けるのかというと、これはやはり労働者からの相談があるときが、労働者の相談が来て気付くということが結局私は多いんだと思うんですね。
そこで、大臣に伺いたいと思うんですが、私は、派遣労働者自身も自分は雇用安定措置を受けることができるんだ、派遣元は自分に対して雇用安定措置を履行する義務があるんだということを知るべきだというふうに思っています。
そこで、同一組織単位での三年見込みの労働者との労働契約に雇用安定措置を履行する旨を明記することをさせるべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この雇用安定措置の履行の確保をしっかりと図っていくということが重要であるということはもう先生御指摘のとおりであって、私どももそのとおり考えているわけでありますし、全ての派遣元に対して、雇用安定措置の実施状況については、先ほども御指摘いただきましたけれども、毎年の事業報告で提出を求めて、言ってみれば天日にさらして、ちゃんとしたことをやっているかどうかを見ていただくということで、その結果に基づいて指導を行うということを予定をしているわけであります。
今、労働契約の中に明記するべきじゃないかという御提案をいただいたわけでありますが、この雇用安定措置に関する事項を労働契約の中に明記することを義務付けるということになりますと、これはやはりかなりいろいろ議論を重ねないと労使の間の合意というのが得にくいのではないかというふうに思われまして、事業主に対する新たな義務付けということであります。それはそれで考え方としてはあるわけでありますが、それについては労政審において議論を今日まではしていない事項でございますので、仮にそういうことの是非を問うということであれば、労使でしっかりと御議論を賜って、労働契約の中に入れるべきかどうかということを御検討をいただくということになろうかと思うわけであります。
先ほどの事業報告での報告につきましては、インターネットなどによってできる限り多くの人に見てもらうという中で、言ってみれば暗黙の圧力のような形でしっかりしたことをやっていただこうということで、この情報提供をすることが望ましい旨をインターネット等を通じて指針に規定をすることを予定をしておりまして、雇用安定措置にしっかりと取り組む派遣元が派遣元としても選ばれる、派遣会社として選ばれるように環境づくりをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 三年見込みの派遣労働者に対しては、雇用安定措置は、これは派遣元の義務と法律にしっかりと明記されているわけですので、法律で明記されていることを守るのは当然ですので、そのことを労働契約に明記するというのは、私、これは大いに、労使それぞれ意見があるでしょうからしっかり議論していただいて、そして検討していただきたいというふうに思っております。
次の質問ですけれども、じゃ、この雇用安定措置なんですけれども、個別労働関係紛争解決制度の対象となるのか、質問したいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
今委員が御指摘された個別労働紛争解決制度でございますけれども、この制度につきましては、民事上の個別の労働紛争ということを対象としたというものでございますので、個々の労働関係法令の違反ということがあった場合の対応ということになりますと、それぞれの法律に基づいて行政指導等を行う中で是正をし、それで紛争の解決を図るということが全体の枠組みの設定ということにしておりますので、そういった意味では、原則としては、まずはそういった部分については行政指導により対処ということになろうかと思います。
ですから、今委員の御指摘の雇用安定措置ということにつきましては、先ほども大臣も御答弁させていただいたように、しっかりこの義務の履行を図っていくということでございますので、私どもとしまして、この労働派遣法に基づいて事業主、派遣元事業主に課しておる義務でございますので、それ自体は個別労働関係紛争制度の対象外とはなりますけれども、当然、これに講じない派遣会社に対しては、しっかりこの派遣法に基づいての行政指導、義務履行の違反がないようにという取組をしっかりやっていきたいということと考えております。
○行田邦子君 個別労働紛争解決制度、平成十三年にできたのでしょうか、かなりあっせんの実績も上げているわけでありますけれども、この雇用安定措置については個別労働紛争解決システムの対象にならないということであります。
私は、やはり雇用安定措置について、派遣元への行政指導や処分というのはあるんですけれども、ただ、派遣労働者の利益の確保という、保護という視点では弱いなというふうに思っております。しっかりと派遣元がこの雇用安定措置、この法案の目玉というふうにも位置付けているわけでありますので、これを履行するような、そのような仕組みとしていただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
【午後】
○行田邦子君 よろしくお願いします。
午後は労働者派遣法とそれから衆法、職務に応じた待遇確保法案の両方の審議ということですので、私は午後は非正規労働者の均衡・均等待遇確保について伺いたいと思います。
非正規労働者の中には地方自治体で働く臨時・非常勤職員が大勢いらっしゃいます。その前に、失礼いたしました、一問伺いたいと思います。
地方公共団体における臨時・非常勤職員の質問の前になんですけれども、地方公共団体においても派遣労働者が働いていると承知をしています。一般職の地方公務員は労働基準法の労働者ではありますけれども、民間労働者は労働契約によって労働者となる一方で、地方公務員は行政行為である任命、任用によって特定の職に就くことになっています。ここが民間労働者と違う部分です。雇用と任用の違いがあるということであります。
そこで総務省に伺いたいと思うんですけれども、任用によって職に就いた職員が従事するのが公務ですけれども、その公務において民間人である派遣労働者が公務に当たることができるということについて、どのような整理をされていますでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
派遣労働者に対し、公務の一部の業務に従事してもらうことにつきましては、地方団体の業務の民間委託などと同様に、窓口業務等のうち、地方団体の職員が自ら責任を持って行うべき業務ではない、いわゆる事実上の行為又は補助的業務を地方団体の適切な管理の下、民間事業者に取り扱わせることが現行法上も可能であると認識しております。
地方団体におけます派遣労働者の活用につきましては、住民サービスの適切な提供を前提に、地域の実態を踏まえて、労働者に従事してもらう業務の性質、コストなど勘案して、それぞれの団体において適切に判断されるべきものでありまして、実際に地方団体におきましては、労働者派遣法に基づき、秘書、受付業務、調査業務などについて派遣労働者を活用している事例があると承知をしております。
以上でございます。
○行田邦子君 地方自治体において派遣労働者が働いているという、この数の実態は調べていないようでありますけれども、これは事実であります。
そして、それと同時に、先ほど来から偽装請負などの質問もありましたけれども、議論もありましたけれども、地方自治体においても請負といったことも最近増えているようであります。こうした地方自治体において偽装請負というようなことがあってはもちろんなりませんので、こういったこともしっかりチェックをしていただきたいということ、今日はそれを指摘だけにとどめておきます。
そこで、今派遣労働者について伺わせていただきましたけれども、地方公共団体には臨時・非常勤職員が働いています。お手元にお配りしています資料なんですけれども、平成二十四年四月一日現在で六十万人いるということです。四年前の平成二十年の調査では約五十万人でした。四年間で十万人も増えていて、地方公共団体で働く職員の三割を超す方が臨時・非常勤職員であるということです。
この臨時・非常勤職員の皆さんというのは、私は法のはざまに置かれてしまっているというふうに考えています。民間のパートタイム労働者は、パートタイム労働法で曲がりなりにも一応均等・均衡待遇ということが規定されていると。そしてまた、国家公務員の非常勤職員の場合は、これも曲がりなりには給与法で一応常勤の職員との給与の権衡を考慮という条文もあります。けれども、地方公共団体の臨時・非常勤職員にはこういったものが明文化されていないということです。
そこで、まず副大臣に伺いたいと思います。
地方公共団体の臨時・非常勤職員には、パートタイム労働法の八条、短時間労働者の待遇の原則、それから九条、差別的取扱いの禁止が適用されていませんけれども、適用されない理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) 御指摘のパートタイム労働法というのは、事業主がその雇用するパートタイム労働者について主体的に雇用管理の改善等を行うことによってパートタイム労働者の福祉の増進等を図ろうとするというものでございまして、今御指摘の地方公共団体の臨時・非常勤職員につきましては、これは勤務条件等が法令やまたは条例等で定められているという理由から、今おっしゃったパートタイム労働法第八条、九条というのは適用除外とさせていただいております。
○行田邦子君 公務の任用の世界である地方公共団体の臨時・非常勤職員については、これは地方公務員法で定めるという整理がされたんだというふうに理解をしております。
そこで、再び総務省に伺いたいと思いますけれども、それでは地方公務員法において、臨時・非常勤職員の均等・均衡待遇について、どのような規定がなされていますでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) 地方公務員法におきましては、一般職の職員については、常勤、非常勤にかかわらず法律の規定が適用となります。
臨時・非常勤職員の勤務条件等のうち、給与については、地方公務員法第二十四条第一項において「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」と規定されているところであります。また、教育訓練の実施につきましては、地方公務員法第三十九条において「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。」と規定をされております。さらに、福利厚生施設の利用につきましては、第四十一条において「職員の福祉及び利益の保護は、適切であり、且つ、公正でなければならない。」と規定をされているところでございます。
ただ一方、特別職の非常勤職員の勤務条件等につきましてはこれらの規定が直接適用されないことになっておりまして、私ども発出させていただきました平成二十六年七月の通知におきまして、一般職、特別職にかかわらず、制度の趣旨、勤務の内容に応じた任用・勤務条件を確保すべきであるとさせていただいておりまして、パートタイム労働法の趣旨に沿った助言を地方団体に対して行っているところでございます。
以上であります。
○行田邦子君 今お手元に地方公務員法の抜粋をお配りしていますけれども、今御答弁いただいたように、確かに地方公務員法では一般職の非常勤職員については適用されている、職員というところにこれは一般職の非常勤職員も含まれるんだよという御説明でありました。けれども、私、臨時・非常勤職員といういわゆる非正規公務員が六十万人、これだけ増えているわけでありますので、地方公務員法の中にも臨時・非常勤、つまり非正規公務員の均等・均衡待遇ということを明文化すべきであるということを申し上げておきたいというふうに思っております。
それで、先ほども少し答弁にありましたけれども、昨年の四月にこの参議院の厚生労働委員会でもパートタイム労働法の改正の議論がありました。そのときの附帯決議なんですけれども、第七ですけれども、「公務の臨時・非常勤職員の任用に当たっては、本法の趣旨を踏まえた対応がなされるよう、必要な助言や情報の提供等を行うこと。」、こういった附帯決議がなされています。
総務省に伺いたいと思います。
この附帯決議を踏まえて、総務省ではどのような取組を行っていますでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) お答え申し上げます。
委員御指摘のありましたパートタイム労働法改正時の附帯決議を受けまして、私ども総務省といたしましては、各地方団体が臨時・非常勤職員の任用等について、制度の趣旨、勤務の内容に応じた任用、勤務条件の確保に向け必要な対応を図っていただくように、昨年七月、地方団体に対し、留意事項などについて取りまとめた通知を発出させていただきました。
その中で、改正パートタイム労働法の趣旨を踏まえまして、一つには、臨時・非常勤職員の報酬等については、常勤職員の給与と同様に、職務給の原則を踏まえ、職務の内容と責任に応じて適切に決定すべきであること、二つには、各種休暇などの適切な整備や研修、厚生福利について、業務の内容や責任の程度に応じた適切な対応を図るべきことなど助言をさせていただいたところであります。
これらにつきましては、これまで発出して以来、各種の会議などを通じまして各地方団体の実情を私どもも伺いながら周知徹底を図っているところでございまして、それを踏まえて地方団体においても現在検討が進んでいるものだと思っております。
以上であります。
○行田邦子君 地方公共団体の臨時・非常勤職員に対しても、パートタイムで働く臨時・非常勤職員に対してはパートタイム労働法の、その法の趣旨を適用させるという通知、確かに、今手元にありますけれども、しっかりと書いてあります。これが昨年の七月四日に出されたものであります。
そこで伺いたいんですけれども、こうした通知、約一年前に出しましたけれども、その後、本当にしっかりと地方自治体においてこの通知を読んで、そしてまた対応してくれるのかどうかといったフォローアップが必要かと思いますが、今後どのようなフォローアップをしていかれますでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) 先ほども申し上げましたが、総務省におきまして昨年の七月に通知を発出をさせていただきました。この通知、委員には持ってまいりましたけれども、大変内容は多岐にわたっております。もう一つは、市町村を含めて地方団体の状況がまた区々であり様々である、こういう事情もございまして、まずは地方団体の理解を私ども深めていただきたいと思っておりまして、この通知の趣旨、気持ちを徹底をさせていただきたいということで、各種会議で今それをやってございます。このような取組の中で、各地方団体におきましては、それぞれの実情があります、その中で通知の私どもの趣旨を踏まえた対応について検討をしていただいていると承知をしております。
私ども総務省といたしましては、今後とも、会議など様々な場を通じ、また、あるいは個別に相談に応じる中で、地方団体から状況をお聞きするなど、制度の適切な運用が図られるよう、引き続き必要な助言などを重ねてまいりたいと考えております。
このように、今まさに行っております地方団体における検討が、各方面との様々な調整が必要となりますために、一定の期間を要するものと考えております。今後の取組状況を見極めますとともに、適切な時期に実態について調査を実施し、取組のフォローアップを行っていきたいと考えております。
以上であります。
○行田邦子君 私は、是非、周知徹底の期間というのも必要だし、地方公共団体において対応する期間というのも、準備期間も必要だというふうに思いますけれども、定期的に、先般行われた、平成二十四年に行われたような臨時・非常勤職員の実態調査というものを行っていただきたいというふうに思っております。今すぐということではありませんけれども、地方公共団体においての実施状況、また取組状況、様子を見ながら、二年後かまたあるいは二年半後ぐらいに是非再び調査を行っていただきたいと思っております。
そして、私は、国家公務員の非常勤職員の制度と比べて地方公務員の臨時・非常勤職員の制度というのは今非常に複雑になっていると思っています。特別職非常勤職員がいて、これは地方公務員法の対象外、そして一般職非常勤職員というのがいる、また今度臨時的任用職員というのがいて、非常に地方公共団体の首長さんもどれをどのように適用したらよいのかといったこと、多少混乱されていたり、また人によっては理解がなされていないということもありますので、ここはやはり一度整理をし直した方がいいということを申し述べさせていただきたいと思います。
そして、総務省に対して最後の質問ですけれども、任期の定めのない短時間勤務職員制度なんですけれども、これまでも検討されたことがあるかと思いますけれども、現在の検討状況をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) お答え申し上げます。
任期の定めのない短時間勤務職員制度につきましては、私ども様々な検討会を開いて検討を続けているところでございます。一つには、最も大きいのは長期的な人事管理についていろんな側面で困難が予想されるといった御指摘があるなど、検討すべき様々な課題があるというふうに私ども基本的に考えております。またもう一つ、民間を見てみますと、契約期間の定めのない、しかし短時間正社員制度という雇用形態は、現時点では必ずしも一般的とまでは言い難いというふうに私ども認識をしているところでございます。
このことから、基本的には任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営の原則は維持されるべきであると考えておりますが、今後、民間労働法制の議論の動向でありますとか、あるいは短時間正社員制度の普及の状況などを踏まえまして、様々な観点から幅広く議論をして検討していく必要があると考えているところでございます。
以上であります。
○行田邦子君 六年半前と今、状況は変わっているわけであります。前回、研究会の報告書が出された六年半前と条件は変わっているわけでありますので、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営というこの原則についてもやはり検討し直しということをするべきではないかと、大いに議論していただきたいというふうに思っております。
そこで、今日は職務に応じた待遇確保法案の質疑でもありますので、非正規労働者の中の地方自治体の臨時・非常勤職員について伺わせていただきましたけれども、そこで衆法の法案提出者に伺いたいと思います。
この議員立法、職務に応じた待遇確保法案においては、公務の臨時・非常勤職員は対象となるんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) ありがとうございます。
パートタイム労働法やあるいは労働契約法においては、これは公務員の適用除外規定が置かれており、個別の施策を実施するに当たっては違った手法が取られることは考えられますが、本法律案に関しては、公務員について特に適用除外規定は置いておりません。
○行田邦子君 今の法案提出者の答弁、総務省さんもいらっしゃるのでしっかり聞いていただいて、そしてまた厚生労働省についてもこの点しっかりと踏まえていただきたいと思います。
それで、次の質問なんですけれども、前回の八月十八日の質疑のときに、ちょっと私の質問が非常に分かりにくかったというか整理されていなかったので再び質問し直したいと思うんですが、法案提出者の立法の趣旨を確認したいと思っているんですけれども、第六条第二項関係なんですが、派遣労働者に関する法制上の措置のところなんですが、これを読ませていただいてなんですけれども、派遣労働の賃金というのは、これは外部の労働市場における職務に対する賃金水準、言ってみれば相場の影響を受けるというふうに理解をしています。言ってみれば、派遣労働については、ある種の職務給制というものになっているのではないかと私は思っているんですけれども、職務に対する外部労働市場の賃金相場よりも派遣先労働者の賃金との均等、均衡を優先させるという理解でよろしいんでしょうか。
例えばなんですけれども、同業の同じ職務であっても、A社とB社の正社員の賃金は異なるということは珍しくないというふうに思います。その場合、派遣労働者の賃金は、同じ職務であっても、賃金水準が異なるA社、B社それぞれの賃金水準に合わせるということなんでしょうか。
○衆議院議員(井坂信彦君) 同じ派遣元からA社、B社に行って、そのA社、B社のそれぞれの賃金水準に合わせて派遣労働者もきちんと均等、均衡の待遇を受けるようにという趣旨で今回法律を作っておりますので、同じ派遣元で同じ職務に行っているから同じ賃金というふうにはなっておりません。A社に行ったらA社の正社員と均等・均衡待遇の賃金、B社に行ったらB社の正社員の賃金と均等・均衡待遇と、こういう形で法律を作っております。
○行田邦子君 御答弁ありがとうございます。
ここは考え方として非常に重要な部分だと思います。派遣先の通常の労働者の賃金水準に合わせるということで御答弁をいただきました。
そしてさらに、法案提出者に立法の趣旨を伺いたい、御所見を伺いたいと思うんですけれども、同じく八月十八日の質疑におきまして、私は職務の指す範囲について質問させていただきました。そのときに、法案提出者は、「職務の判断に当たって、具体的な業務の内容だけでなく、責任の程度や業務内容や配置の変更の範囲などの要素が入ることを否定するものではありません。」と、このように答弁をいただきました。
業務内容と責任の程度というのは、私はこれは理解できるんですけれども、職務という範囲の中で理解できるんですけれども、配置の変更の範囲まで含まれるとすると、残業、転勤をいとわない社員が異動、転勤を繰り返すというローテーション人事の中で人材を育成していく、こうした日本型の人材活用システムにはまるかはまらないかで賃金に差が生じてしまうことになるんじゃないでしょうか。
つまり、私が申し上げたいのは、職務の範囲に配置の変更の範囲まで含まれるとすると、賃金決定システムが従来と変わらないのではないかということなんですが、御所見を伺いたいと思います。
○衆議院議員(井坂信彦君) 今委員がおっしゃった問題意識自体は私も持っておりますが、少なくとも、本法案の範囲においては、そういう人材育成、人材活用システムそのものを変えるという法律にはなっておりません。派遣先の会社が転勤の範囲が違うとかそういうことで待遇を変えている、そういう会社であれば、そのシステムに合わせて非正規、とりわけ派遣労働者の待遇もそこにそろえていくと、こういう法律になっております。
○行田邦子君 ただ、別の条文のところには、国がやるべきこととして、労働者の待遇に係る制度の共通化の推進と、そこには賃金の決定システムの共通化ということも含まれているわけですので、この法案全体としては、やはりいわゆる同一労働同一賃金を推し進めていくということは、日本型の人材活用システムの見直しであるとか賃金決定システムの見直しということに入っていかざるを得ないというふうに私は理解をしております。ありがとうございました。
それで、今、法案提出者から、立法の趣旨や、またどうしてこのような条文にしたのかといったことを御答弁をいただきました。この法案が成立したならば、それぞれの条文の趣旨、また言葉の指す範囲ということを規定していく作業、これは厚生労働省でやられるんだと思いますので、是非、今、井坂法案提出者に御答弁いただいた内容をしっかりと踏まえて法の運用をお願いしたいというふうに思っております。
それでは、時間が限られてきましたので、現行の労働者派遣法の三十条の二、均衡を配慮した待遇の確保について伺いたいというふうに思います。
この派遣労働者の均衡配慮なんですけれども、これについて、個別労働紛争解決システムの相談やあっせんというのは対象になるんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 今日も午前中も、雇用安定措置の関係で委員の方から個別労働紛争システムとの関係について御質問がございました。そのときも申し上げましたけれども、この個別労働紛争解決システムそのものについては、一定の法律があればそちらの行政指導というものでの対応ということになってくるということが原則ということになろうかと思います。
ただ、今回、今御指摘ありましたような三十条の二の関係でございますけれども、まずもっては、やはり、派遣で働く方が均衡待遇に係る派遣元の配慮義務違反があると考えられた場合には、これは都道府県労働局の方に御相談されたりとか申告をされるということがまずは第一ということになろうかと思います。その上で、この申告、相談を契機に都道府県労働局の方で派遣元に対して必要な指導監督を行い、一定の配慮義務違反ということになれば対応をしていく、履行を求めていくということになろうかと思います。
ただ、特にこういった三十条の二の関連そのものではありませんけれども、そういった行政指導を行っても、例えば行政指導の範囲を超えた民事上の争いですね、そういったことを契機にした慰謝料の請求とか、そういったランクと申しますか、そういった部分になってくるということになれば、これはそういった形での個別紛争ということが生じているというような場合については、個別労働紛争解決制度の対象ということでの対応ということも可能で、そういった申請についても対応してまいりたいということで考えます。
○行田邦子君 私は、この三十条の二については、精神的、心理的な苦痛などの労働紛争のあっせんだけじゃなくて、やはりしっかりと個別労働紛争解決システムの対象にするべきではないかなというふうに思っております。三十条の二、これなかなか使えない条文だと思っていまして、訴訟実績は確認できていないということですが、そしてまた、助言の数も取っていないので分からないということでしたが、改善命令の実績もなしということで、こういった条文、三十条の二があっても全く生かされないというふうに私は思っております。
そこで、もうそろそろ時間が来ましたので、今日は大臣に午後は一度も御答弁いただいていませんけれども、意見にとどめさせていただきますが、私は、この三十条の二、しっかり変えるべきだというふうに思っていまして、今回の労働者派遣法の改正が政府から出されたわけですけれども、この条文は変わらなかったということを非常に残念に思っているということを申し上げまして、今日の質問は終わらせていただきます。