「同一労働同一賃金実現法案」要綱を作成しました。
私が所属する参議院厚生労働委員会では、連日、労働者派遣法改正案の審議が行われていますが、これに合わせて、議員立法「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案」の審議も行っています。この法案は、維新の党案に自民・公明が修正して衆議院で可決された法案で、「通称:同一労働同一賃金推進法案」と呼ばれています。
内容は、正規・非正規といった雇用形態の違いによることなく、職務に応じた均等・均衡待遇を推進するために、基本理念を定め、国・事業主・労働者の責務を明確にした推進法の体裁を取っています。国が行うこととして、調査研究、労働者の待遇に係る制度の共通化の推進、雇用環境の整備、職業生活設計についての教育の推進などが挙げられています。
この法案について私自身は、非正規雇用者の待遇改善については一歩前進と肯定的に捉えていますが、一方で、「同一労働同一賃金推進法案」と呼ばれることに違和感を覚えています。この法案は、非正規・正規間の均等・均衡待遇を推進することが趣旨であり、正規雇用者間も含む、同一労働同一賃金とはなっておらず、これによって同一労働同一賃金が推進されるとまでは言えないレベルのものと考えるからです。
そこで、本来の同一労働同一賃金を一歩でも確実に前進させるために、「同一労働同一賃金実現法案」の要綱を作成してみました。内容は、労働者の職務に係る賃金は、雇用形態の違いによるものではなく職務内容に応じたものとし、その適正化は雇用形態にかかわらず労働者が能力を有効に発揮できることを旨とし、労使合意に基づいて実施される、という基本理念のもと、政府は、職務内容に応じた労働者の職務に係る賃金の算定に関する指針を閣議決定し、また公表し、事業主は指針に従い労働者の賃金体系整備に努めるといったものです。指針案の作成においては、関係大臣、労使及び公益代表者によって構成される合議制の機関を内閣府に設置することとしています。
職務給の算定や職務評価について、国が指針を示すことにより、雇用形態の違いによらない同一労働同一賃金の実現に近づくのではないかと考えました。賃金の決定は経営事項であり、また労使の合意によって決められるものであるから、国が介入すべきではない、との意見もあるかと思いますが、労使だけに任せていては同一労働同一賃金は一向に進展せず、雇用形態による賃金格差は広がり、また、残業・転勤をいとわない正社員という働き方偏重の考え方は変わりません。女性の活躍のためにも、働き方改革だけでなく、賃金決定の評価基準も変えるべきと考えています。
本法案を今国会に提出することは出来ませんでしたが、より良いものへとブラッシュアップしていきたいと考えていますので、皆様のご意見を頂ければ幸いです。
法案要綱はこちら → 労働者の職務に係る賃金の職務内容に応じた適正化の推進に関する法律案要綱
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