平成27年8月4日 厚生労働委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。
私は、今日は、前回に続きまして過半数代表について伺いたいというふうに思っております。この過半数代表ですけれども、これは労働者派遣法の根幹を成す派遣労働の期間制限に関わる重要な部分でありますので、引き続き今日も伺いたいというふうに思っております。
まず最初に、大臣に伺いたいと思います。
前回の七月三十日の津田弥太郎議員への答弁の確認なんですけれども、前回、七月三十日の津田弥太郎議員の質問ですが、事業所単位の期間制限についての質問のくだりのところで、臨時的、一時的という言葉が意味する、社会通念上最も長くてどのくらいの期間なのかという質問に対して、大臣は三年というふうに答えました。
一時的、臨時的な期間は三年という認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案におきましては、派遣先に対して、同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年までという事業所単位の期間制限を課すことといたしました。あわせて、三年を超えて受け入れようとする場合には、過半数労働組合からの意見聴取を義務付けて、その延長後の受入れは改めてまた三年間ということで期間制限を課すこととしたところでございまして、以上から、今回の改正案における臨時的、一時的という言葉の意味としては三年までを想定しているということでございます。
○行田邦子君 臨時的、一時的な期間というのは三年までという御答弁をはっきりといただきました。
そうしますと、派遣労働の期間上限というのは、これはあくまでも三年ということであって、そして三年を超える派遣労働の受入れをする場合は、これは例外的に認められる、あくまでも例外であるという認識になると思いますが、よろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案における内容は、派遣先は、事業所単位の期間制限である三年を超えて有期雇用の派遣で働く方を受け入れようとする場合には、常用代替防止の観点から過半数労働組合等から意見を聴取しなければならないこととしているわけでありますが、有期雇用の派遣の受入れは法律上三年までとした上で、一定の手続を経なければ延長ができないという手続面からすると、三年を超える派遣の受入れは、その意味では例外的と呼んで差し支えないというふうに考えております。
○行田邦子君 例外的ではなくて例外だというふうに思っておりますけれども。
そこで、例外として三年を超える派遣労働の受入れを認める、例外的に認められるための意見聴取のルールについて、前回に続いて伺いたいと思っております。
お手元にお配りをしている資料一は、これは現行法における過半数労働組合等への意見聴取に関する要領でありますけれども、ここにいろいろと書いてはありますけれども、ただ、これをよく見ますと、意見聴取の方法、どのようにしたらよいのかといったことが具体的には示されていないというふうに私は感じております。例えば、過半数組合等に書面により通知をすることと書いてあるわけでありますけれども、ただ、そこにはあくまでも役務の提供を受けようとする業務や期間を書くことと、そういった非常に具体性に欠ける要領になっているというふうに感じております。
現行法においては私はこれでもよいのかなとも思ってはいるわけでありますけれども、ただ、今回政府が示しているこの新しいルールというのは、これは、個別の派遣労働者を一年からそれを最長三年に延ばすというだけではなくて、事業所単位で、その事業所にいる全ての派遣労働者に対してそれを、受入れを三年を超えて延長してもよいかということを意見聴取をするわけでありますので、この意見聴取というのは非常に現行法以上に重要になってくる、意味を成すものだというふうに思っております。
ですので、政府が示している改正法の中におきましては、意見聴取のルールというのはもっと私、労使にとって分かりやすい明確なものかつ厳格なものにすべきだというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、意見聴取の手続についての御指摘、御疑問をいただいたわけでありますが、今回の改正法案では、事業所単位で三年という期間制限を設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということで、反対意見があったときには対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるとしているわけでありますけれども、この説明の中には延長の理由も当然含まれなければならないというふうに思っています。
それから、使用者側が開示をすべき情報の範囲の明確化など、手続において具体性に欠けているんじゃないかという御指摘をいただきましたが、これについては、まず開示すべき情報の範囲の明確化につきましては、意見聴取に際して参考となるデータの提供を指針に今後規定をすることとしておりまして、具体的には、事業所の派遣労働者の受入れの開始以来、これは延長した場合は延長したときからですが、の有期雇用派遣労働者の数、あるいは派遣先が無期雇用する労働者の数の推移などの提供を予定をしております。
それから、個々の事案ごとに派遣の受入れ事由を説明すること。それから、三年の例えば期間制限を超えて派遣労働を受け入れる場合の合理的な理由の説明につきまして、新たに法的に義務付ける対応方針等の説明の中に含まれるものでございます。
一方で、労働者側の意見表明の方法とか、それから賛成、反対の意見を述べる際の理由の説明につきましては、労働者側の意見表明の具体的な手続につきましては、労使自治の観点から、一義的には労使で話し合って決めていただくべきものだというふうに考えているわけであります。
いずれにしても、意見聴取という手続につきましては、基本は労使自治の観点から、現場の労使で実態に即した対応をしていただくことが重要だというふうに思っておりまして、法令においては実質的な労使間の話合いができるような最低限の仕組みを定めるということとして、より具体的なルールにつきましては各現場において決めていただくべきものではないかというふうに考えておるところでございます。
○行田邦子君 よく労使自治に委ねるという、労使間の自治というものは重要であるということを説明を受けるわけでありますけれども、私は、ここで行われる意見聴取というのは、これは期間制限という非常に労働者派遣の法律にとって重要な根幹を成すものであって、その規制を解除できるわけであります。本来は認められない期間延長ということを、意見聴取をすることによって認められるという非常に重要な部分でありますので、であるからこそ、労使にとって分かりやすい、明確な、そしてまた厳格なルールづくりをし直すべきだというふうに思っております。
そこで、今、現行法における要領や指針や、また規則というのを見ていますと、意見聴取の方法だけではなくて、過半数代表者の選出についても非常に明確ではないというふうに思っております。
そこで政府参考人に伺いたいと思いますけれども、過半数代表者、これは労働者の過半数を代表する者の選出なんですけれども、この過半数代表者の人数について、これは何人というふうに定められているんでしょうか、ルールとして設けられているんでしょうか。それからまた、過半数代表者を選出するその主体は誰なんでしょうか。また、使用者側の関与の制限はどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
過半数代表者の選出の在り方については、現行法令でも、あるいは、今回またこの過半代表者にも意見聴取の対象となっていただくという場面が出てくるということで、労働政策審議会の建議においても一定の考え方が示されております。その中では、過半代表者は管理監督者以外の者であり、投票、挙手などの民主的方法により選出された者であることが適当であるということとされておるということでございますので、選出の主体、あるいは使用者側の関与という意味で申せば、選出の主体ということは労働者であるということが必要でございますし、使用者が指名するというような関与は認められないということでございます。
一方で、人数という点については特段の定めということはございませんので、これらの手続にのっとりまして、当然一名以上の過半数代表者という方が選出されるということをお願いするということになります。
○行田邦子君 これは通告をしていないのでお答えできればなんですけれども、実際ですけれども、実態として過半数代表者は何名であることが多いんでしょうか。
○政府参考人(坂口卓君) 現状の過半代表者の数ということについては、私どもとしては把握はしておりません。
○行田邦子君 私が聞いているところによりますと、一名であるということが多いのではないかというふうに聞いております。ただ、定かではありません。
これ、たった一名の代表者がその事業所の全ての、あらゆる雇用形態で働いている方の代表になるということは非常に責任が重いと思います。この過半数代表者が何人であるべきかといったことのルールというのも私は設けるべきだというふうに考えておりますし、また、選出するときの主体、これは使用者側であってはならないと思いますけれども、そのときの使用者の関与についても、その制限についても、やはり私は指針などのルールでしっかりと定めるべきだと思っております。
といいますのは、この法律が仮に施行されたらば、施行後初めて起こる労働契約が、それが三年経過するまでの間に、三年を経過しようとするまでのときに、使用者側が三年を超えて期間を延長して引き続き派遣労働を使いたいというときに、こういった意見聴取をしなければいけなくなるわけです。こうした事情というのは、経営側の事情というのは、これは労働者側、特に労働組合がない場合というのは分からないと思いますので、いつ意見聴取をしなければいけなくなるのかというのは、これは恐らく使用者側から提起されるものだと思います。
そうなると、特に小さい事業所においては、使用者側から提起され、また、使用者側が早く過半数代表者を選びなさいよといったことになるかと思いますので、どうしてもきちんとしたルールを設けなければ、使用者側が主導的になって過半数代表者を選ぶことになってしまうと思いますので、是非厳格なルールを設けるべきであるということを提案をしておきたいと思っております。
それで、前回の質問のときにも申し上げましたけれども、じゃ、実際にこの過半数代表者、過半数労働組合がない事業所において過半数代表者がどのように選ばれているかなんですが、資料二をお付けいたしました。前回も申し上げましたけれども、このJILPTのアンケート調査によりますと、二八・二%が会社側が指名したというふうになっています。そして、一一・二%が社員会、懇親会などの代表者が自動的に過半数代表者になったと。
これはいずれにしてもルール違反だというふうに思っていますけれども、この結果を見て、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、一名以上の過半数代表者が選出されることが必要だといいながら、その選出の主体は労働者でなければならないはずですし、それから使用者が指名することは認められないというのが本来の姿でありますので、今改めてこのアンケートを見て、意見聴取を行う際の過半数代表者の選出に当たっては、投票、挙手などの民主的な方法でやることになっているわけでありますけれども、会社が指名したというのが二八・二、それから自動的に社員会、親睦会などの代表者がなってしまったのが、過半数代表者になったというのが一一・二%いるということでありまして、これはもう明らかに不適切な選出方法だというふうに私も思っているわけであります。
過半数代表者が適切に選出をされていない場合は、意見聴取を行っていないものと同視し得るような重大な手続違反について、十月一日より施行される労働契約申込みみなし制度の適用となるものだというふうに思うわけで、こうした旨を含めて正しく意見聴取手続が行われるよう周知に努めてまいらなきゃいけないと思っておりまして、指導徹底を図ってまいりたいと思っております。
先ほど先生が、この選び方あるいは基本的な選出の仕方ですけれども、そこについてやはり哲学をしっかりせよという話がありましたが、私も同感でありますので、何ができるのかを考えてみたいというふうに思います。
○行田邦子君 周知徹底ということももちろん大切ではありますけれども、その前に、是非厚生労働省にお願いしたいことは、この過半数代表者といった制度、これが実態としてどのようになっているのかお調べになることを御提案をしたいというふうに思っております。
先ほどの御答弁でも、過半数代表者の人数がどうなのかといったこと、厚生労働省としては把握をしていないということでありましたし、またそれから、実際に、じゃ、過半数労働組合等がない事業所の割合がどうなのかといった調査もしていないということであります。余りにも、過半数代表者の制度、これ重要性が増してきているわけでありますけれども、にもかかわらず、厚生労働省としては実態を把握できていないというのは、私は非常に問題があるというふうに思っております。是非実態調査を行っていただきたいというふうに思っております。
それで、今も申し上げましたけれども、また前回も質問させていただきましたけれども、政府参考人に伺いたいと思います。
過半数労働組合がない事業所の割合なんですけれども、前回私の質問に対しまして、調べていないということでありました。その代わりにいただいた答弁として、労働組合のある事業所が三六・九%ということでしたけれども、何かほかに過半数労働組合のない事業所の割合を推測できるようなすべはないのでしょうか。
○政府参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。
前回、委員御指摘のとおり、労働組合のある事業所の割合ということで、常用労働者が三十人以上の民営事業所を対象にいたしました平成二十六年の労使コミュニケーション調査の結果ということで、平成二十六年六月三十日現在で三六・九%ということで答弁をさせていただきました。
一方、労働組合を対象としている労働組合活動等に関する実態調査というのがございまして、この調査は、民営事業所における労働組合員数が三十人以上の労働組合を対象として調査を実施しておりまして、その調査対象の労働組合のうち組織率が五〇%以上というところの組合の割合が、平成二十五年六月三十日現在で八二・八%というふうになっております。
この二つの調査、それぞれ調査時点もそれから調査対象も異なりますし、また、組織率が五〇%以上というふうになっておりますので過半数ということにはなっていないんですけれども、それなので、委員御指摘の正確な推計というのは困難なんですけれども、お尋ねの割合に近い数字ということであれば、労働組合がある事業所の割合に組織率五〇%以上の組合の割合を乗ずるということで粗い試算をすると三〇・六%ということですので、約三〇%程度というふうに推計されるのかなというふうに考えております。
○行田邦子君 推計としては、約七割の事業所において過半数労働組合がないということであります。
法律上におきましても「過半数労働組合等」というふうになっているわけでありますけれども、その「等」の中に含まれるものが七割ということで、逆転してしまっているというわけであります。そうであるならばなおさらのこと、私は、過半数代表の制度の見直しということをしっかりとやるべきであるというふうに思っております。
それで、前回の質問のときに、私の最後の質問のときにお答えいただいたんですけれども、過半数代表者が適切でない方法で選ばれて、そして意見聴取をした場合なんですけれども、これは意見聴取は無効とみなされる可能性もあると、その場合は労働契約申込みみなし制度の適用もあり得るという答弁でありました。
私は、この答弁を聞きまして、厚生労働省の意気込みというか、しっかりやるぞという意気込みは感じるものではありますけれども、この労働契約申込みみなし制度というのは、これは、派遣先、企業側にとっては非常に重たいものだと思っております。人事計画だけではなくて、企業の経営にも重要な影響を与えるものだというふうに思っております。
こうした、派遣先にとっては非常に、あえて言うならば厳しい措置を強いる、一方で、今までの答弁を聞いていますと、過半数代表者制についての実態を把握していない、また、何か問題がある、また現状に即していないといったことを感じていながらも曖昧なルールしか示さない、また改善措置をとらないということはおかしいのではないかと思っております。
派遣先に厳しい措置を求めるのであれば、厚生労働省としては、まずこの過半数代表者というそのルールを厳格なものにすべきであるということを申し上げておきたいと思いますが、大臣、何か御所見ありますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、先ほど御指摘をいただきましたように、現状の把握が十分できていないじゃないかという御指摘はそのとおりだと思いますので、是非これは現状把握をする方向で検討をしたいというふうに思います。
なおかつ、先ほど来、労使自治という言葉も出ておりますけれども、やはり民主的に選ばれなければならないというこの制度でございますので、過半数組合、そしてまた代表者の選ばれ方についてのルールについても、それが実際に実行されるように私どもとしても指導をしていかなければならないなと。それについてどういうふうにしていくことが一番民主的な意見集約が、働く人たちのですね、できるのかということを考えていきたいというふうに思っております。
いずれにしても、意見聴取というプロセスを経ないといけないわけでありますので、先ほど申し上げたように、ルール違反については労働契約申込みみなし制度の適用もあり得べしということでもちろんございますが、しかし、そういうことは果たして働く側、そういう形で採用される方も本当にハッピーかどうかということも考えなければいけないことでもございますので、そういう意味で、今私どもが想定をしている仕組みが本来の機能を果たすように条件整備をしていかなければならないんではないかというふうに思っております。
○行田邦子君 しっかりやっていただかないと、この法が施行されたらば現場が本当に混乱するということを申し上げておきたいと思います。
この過半数代表なんですけれども、今審議をしています労働者派遣法以外に一体どういう法令におきまして登場してくるのかというものの一覧を付けさせていただきました。資料三なんですけれども、これは独法のJILPTが出典となっていますけれども、非常に多岐にわたっているということ、私、これを見て驚きました。
個別的労働関係法の労働時間とか休暇・休業とか賃金・退職手当、こうしたものだけではなく、厚生労働省が所管していない法律におきましても、例えば企業の組織再編とか、あるいは会社の倒産とか、確定給付金の企業年金、こうしたもの、それから、法令上には明示的には規定されていないものでも、例えば特許法とか、それからパートタイム労働法とか、実に様々な法令の中で過半数代表というものが登場してくるわけであります。
様々な法令の下、過半数代表の活用場面が増えて、私は、今後もその場面が増え、また役割の重要性が増してくるのではないかと思っています。また、それとともに、働き方が多様化して、そしてまた政府においても多様な働き方を推進するという立場を取られていますし、私自身もそれは賛成なんですけれども、労働者の画一性が低下する中におきまして、私は、是非この過半数代表者制度の再整備ということを、これは労働者派遣法という枠組みを超えて全体の労働法制の中で見直していただくことを御提案を申し上げまして、時間となりましたので、御答弁は結構です、御意見を申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
ありがとうございます。