平成27年6月8日 行政監視委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、今日は行政の申請手続など、行政手続について伺いたいと思います。
行政の手続というと、私はその言葉を聞くだけで何かもう面倒くさいとか嫌だなという印象を抱いてしまうんですけれども、この行政手続の国民負担をいかに軽減するかということについてまず伺いたいと思います。
総務省の行政評価局では、平成二十四年から平成二十五年にかけて申請手続に係る国民負担の軽減等に関する実態調査というのを実施しています。そして、平成二十五年の十一月に調査結果を公表するとともに、負担軽減の勧告を各府省庁に対して行っています。
まず、総務省に伺いたいと思います。この勧告、どのような勧告を行ったのか。そしてまた、勧告から一年半経過していますけれども、改善措置の状況についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(新井豊君) 御指摘の調査は、国民や各種団体からの意見を踏まえまして、地域により異なる手続の統一や処理の迅速性や信頼性の確保、また申請者の手続負担の軽減が必要と考えられた十四法律六十四の手続につきまして、平成二十五年十一月一日に勧告を行ったものでございます。
具体的には、産業廃棄物管理票交付等状況報告で廃棄物の番号コードが自治体間で統一されていないこととか、労働保険の保険関係成立届でオンライン手続であるにもかかわらず処理に三、四日を要していること、また、帰化許可申請で既に行政が保有している外国人登録原票を添付書類として求めていたことなどを取り上げたところでございます。
勧告に対する改善措置状況につきましては、勧告から一年程度経過後の平成二十七年二月に取りまとめ、公表いたしました。これによれば、各府省におきまして、申請手続の負担軽減策の取組が着実に勧告に沿って進められているものと認識しております。
○行田邦子君 勧告内容を見ますと、例えば書面手続でいいますと、既に行政機関が保有している情報だから、それを改めてまた申請で添付を求めるのはやめなさいとか、あるいは申請書の部数を必要最小限としなさいといった、極めて当たり前のことばかりだというふうに私は思えるんです。
そして、勧告を受けた各省庁からは、いや、これは政策面でとか、また事業の運営面で必要なので、これを変えることはできませんといった反論もなければ、そしてまた物理的、技術的に不可能ですといった反論もなく、粛々と勧告に従って改善がされているということであります。
一見いいことだなと思う反面、私が疑問を感じていますのは、なぜこうした行政手続において国民負担を軽減しようということを、各府省庁において自ら気付いて自らやらないのかということであります。こうして行政評価局が勧告をする前に、しっかりと自らの府省庁で行政手続の簡素化、国民負担の軽減を行っていくような、そのような仕組みを設けることができないでしょうか。
○大臣政務官(武藤容治君) 先生にお答えをさせていただきます。
大変、先生の思いはよく分かるところであります。私ども、行政管理局の関係でも、行政に対する申請手続の負担軽減、これはまさに総務省としましても、行政改革、業務改革における重要な課題の一つとして我々も認識しておるところでありまして、昨年夏でありますけれども、これは平成二十六年七月ですか、総務大臣決定をさせていただきました。国の行政の業務改革に関する取組方針を策定をさせていただきましたけれども、まさにそれぞれ各省の、先生がおっしゃられるような業務に的を絞って、今回、申請負担の軽減の観点から、手続の廃止、簡素化、そして添付書類の削減、省略などを行うことを含めて、各般の業務改革を行うように各府省に要請したところであります。
また、このようないわゆるお役所仕事とか、我々もいろいろ地元から聞いておりますけれども、このような国民目線の業務改革について、昨年来、有識者の方々のお知恵もお借りをしながら、現場からの改革の在り方について検討を志向してきているところであります。
私としましても、本来、行政の現場から、外から言われる前に次々に改革の声が上がって、また良い取組が府省横断的に次々に横展開されていくような行政となるべきことを考えておりまして、先月になりますけれども、私から現場発信の改革の推進について官邸の政務官会議で各府省に協力をお願いしたところであります。
以上であります。
○行田邦子君 是非、引き続きお願いしたいと思います。
行政評価局の熱心なお取組を、私は敬意を表したいと思っていますけれども、是非、各府省庁においても、国民の負担を軽減するという意識を高めるような、そのような取組をお願いしたいと思います。
次に、大臣に伺いたいと思うんですけれども、私は、オンライン行政手続、電子政府を推進するということ、後押しをしたいという立場で今日は質問しようと思って準備をしていたんですが、そのやさきに、日本年金機構による年金情報の流出問題というのが起きました。私のところにも、私の年金大丈夫なのかといったお問合せも随分来ていますし、そして、年金行政の信頼を大きく損ねたというふうに思っています。
それだけではなくて、国の行政機関、また日本の公的機関の情報セキュリティーは一体本当に大丈夫なのかといった疑問の声も上がってしまっているような状況であります。こうした国民の不信感やまた不安を払拭しないままで、本当に行政手続のオンライン化あるいは電子化といったことを進めてしまって大丈夫なんでしょうか。
○国務大臣(山口俊一君) 先生御指摘のとおりなんだろうと思います。
電子政府、オンライン化というのは、やっぱりセキュリティーという前提があって、国民の皆さん方の御信頼をいただいて初めて動いていくものだろうと思っております。
政府の情報システムのセキュリティー対策、これにつきましては、内閣サイバーセキュリティセンター、これが定めました政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準、これに沿って、それぞれがいわゆるセキュリティーポリシーを定めて内規も作りやっていただくというふうなことになっておるわけでありますが、オンラインによる行政手続等によって個人情報を含む機微な情報をインターネットでやり取りをする場合は、さっきも申し上げましたように、サイバー攻撃のリスクがあるものというふうに考えておりまして、技術的な面のみならず、人的あるいは組織的な対策も含めてレベルの高いセキュリティー対策が必要であると考えておるわけでございまして、各府省の情報システムにおいて今回のような事態が発生することがないように、事件の検証結果も踏まえたセキュリティー対策を講じていきたい。
取りあえずサイバーセキュリティセンターの方で、今回の事例を受けまして、各府省には再度しっかり点検をするようにというふうなことのお話もさせていただいておるわけで、そういった上で、国民の皆さん方、あるいは行政手続等の利便性を向上していくという方針、これをIT戦略においても改めて明確にして、総務省等関係省庁とも協力しながら、電子行政の推進に努めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 年金情報の流出問題によって今大変な状況に置かれているという御認識の下、是非、政府を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思っています。
情報セキュリティーの問題については、またあしたも厚生労働委員会で集中審議がありますので質問させていただきますし、また別の機会にも質問させていただきたいと思いますけれども、両輪のもう一方の方の利便性の向上について幾つか伺いたいと思います。
個別の案件について伺いたいと思うんですけれども、まず、公認会計士試験の願書作成と送信のオンライン手続についてなんですけれども、これシステムができています。e―Gov上にも手続ページが存在しているんですけれども、年間一万五千八百四十五件という申請件数、それほど大きくはないんですけれども、オンライン化されているにもかかわらず、ずっとオンライン利用件数がゼロです。一件もないという状況です。一体どういうことなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
公認会計士試験の願書提出に係る現在のオンライン手続におきましては受験者が事前に有料で電子証明書を入手する必要があるなど負担が大きいことから、結果として受験者は郵送による願書提出を選択することとなっておりまして、オンライン利用実績がない状態となっております。
○行田邦子君 余りお答えになっていないような気もするんですけれども、それでは、今後どうされるんでしょうか。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。
現在のオンライン手続につきましては、平成二十五年十一月に、総務省からの勧告におきまして、オンライン手続の本人確認方法に係る負担軽減を図る観点から、受験者の電子署名を省略する措置を講ずるようにという勧告を受けております。
これを踏まえまして、金融庁におきましても、利用者利便を改善する旨の改善取組計画を平成二十六年十月に策定しております。その中では、公認会計士・監査審査会といたしまして、受験者の電子証明書の入手を不要とするなどの受験者の利便性向上に配慮した新システムに平成二十八年八月から移行することを目標といたしまして、現在、開発等に取り組んでいるところでございます。
○行田邦子君 私は、ちょっと今日総務省さんもいらしているところで申し訳ないんですけれども、オンラインの利用率を上げることの障壁となっているのが電子署名ではないかと思っていまして、それがあることが大きな理由でオンライン利用がゼロだったのかなとも思っております。
そこで、続けてe―Taxについて伺いたいんですけれども、e―Taxは、今個人認証の方式が電子署名となっているわけですけれども、利用率は五一・八%と結構上がってきています。これを更に上げるために、私は個人認証の方法に検討を加えるべきと考えていますけれども、つまり電子署名ではない選択肢も検討すべきと考えていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上羅豪君) お答え申し上げます。
e―Taxの利便性向上の一環といたしまして、平成二十七年度税制改正では、個人の納税者の方がe―Taxで所得税申告等の手続を行う場合、平成二十九年一月からは、現在の電子証明書による認証方式に加えまして、本人確認を行った上で通知するID、パスワードによる認証方式を導入することとされております。国税庁では、現在、その導入に向けて準備を進めているところでございます。
○行田邦子君 これ確認ですけれども、電子署名ではなくて、ID、パスワードのみということで、これでセキュリティーは大丈夫なんでしょうか。
○政府参考人(上羅豪君) 新たな認証方式におきます本人確認は、e―Taxの開始届の際に携帯電話等を使用して音声通信認証により応答を行うこと、また、そのほかの方法としまして税務署への来署時に職員が行うことなど、幾つかの方法を検討しているところでございます。
なお、新たな認証方式では、これらの本人確認を行った上で通知するID、パスワード方式により認証を行うこととしております。
○行田邦子君 私の理解では、今回のような情報漏えいにつながるようなことではないというふうに理解をしております。よろしいですよね、それで。
○政府参考人(上羅豪君) 御指摘の点も踏まえまして、しっかりと対応させていただきます。
○行田邦子君 あと、最後一問、厚生労働省に伺いたいと思います。
厚生労働省は非常にオンライン利用率が低い省でして、中でも年金受給権者現況届というのが、申請件数は全体で三千三百六十万件なんですけれども、利用率がゼロということです。これはどうしてなんでしょうか。
○政府参考人(樽見英樹君) 年金受給しておられる方の生存確認のための書類でございます現況届、現在は原則として住基ネットの死亡情報を受け取るということによって行っておりまして、住民票コードを把握していない受給者については現況届を出していただきますけれども、それ以外の方は現況届の提出が省略ということになっております。ですので、実際に現況届が提出が必要な方というのは受給者全体の〇・四%、約十四万人ということになっているところでございます。
現況届が必要な方のオンライン利用率ゼロ%ということなんですが、事務を行っております日本年金機構から郵送で現況届の用紙をお送りしまして、それに記載して返送していただくというだけで現況届が出せるという仕組みになっておる。
それからもう一つ、御高齢の方が多いのでございます。結局、オンライン申請をするための電子証明書の取得とか認証局への手数料負担とかカードリーダーとか、そういったところがちょっとなじみがないのかなと。
それからまた、障害年金受給者の方については、別途障害状態確認届がいずれにしても郵送で提出しなければならない場合があるといったようなことが理由ではないかと考えております。
○行田邦子君 御説明を伺っていて、だったらこのシステムを早く廃止した方がいいんじゃないかと、メンテナンスの費用も掛かるわけですから、ということを思いました。
今日、大臣もそれから政務官もいらっしゃっています。是非検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。