平成27年5月19日 厚生労働委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
医療保険制度を持続可能なものにするため、こうした目的で政府から法案が出されたわけでありますけれども、様々な内容が盛り込まれていますけれども、今日は、私は、まず国保について各論の、確認も含めて伺いたいと思います。その後、最後に大臣に、医療保険制度を持続可能なものとするためのやや全体的な質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず最初に、国保組合について伺いたいと思います。
局長に伺いたいと思うんですけれども、国保組合、これできたのが国民皆保険制度ができる前の戦前、昭和十三年ということです。このとき同時に任意加入の市町村国保もできているわけでありますけれども、なぜ特別組合としてこうして国保組合というものが特定業種従事者のみ除外されて設立が認められたんでしょうか。その経緯を教えていただけますでしょうか。そしてまた、こうして昭和十三年にできた国保組合でありますけれども、今も存続しているわけでありますが、国保組合というものを存続させる利点、メリットというものをお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 先生から御指摘いただきましたように、国保組合につきましては、昭和三十六年の国民皆保険より前に自主的に組織をしていただいておりました。その中に市町村の組合もございましたし、それから同種同業の国保組合というものもあったわけでございますけれども、そういう組合は皆保険の前から、言わば、国に言われたからということではなくて、自分たちから進んで同種同業の皆さんが集まってお金を出し合いまして、保険集団として自分たちの健康と医療を守るという取組をしてきていただいているところでございます。
具体的には、この国保組合につきましては、やはり大半の方はずっと、一生そこの組合に御参加いただいているという方が多いわけでございまして、保険料の収納率などもほぼ一〇〇%というところが実は多いわけでございます。また、自分たちの仲間の皆さんの健康や予防の増進、こういうことにも大変取り組んでいただいているところでございまして、こういう保険者としての機能を発揮した運営を今後ともしていただきたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 同業同種の方たちが国保組合をつくって、そして今に至っているわけでありますけれども、昭和十三年にできて、そして戦後、これは国民皆保険制度ができた後ではありますけれども、昭和四十五年には建設国保が設立されました。ここでぐっと組合数が増えて、昭和四十六年には百九十四の組合になりました。そして今では組合数は百六十四と、そして被保険者数は三百二万人という規模になっています。
一方で、各国保の財政力を見ますと非常にばらつきがありまして、平均所得でいいますと、医師国保、これが一番高いんですが、七百十六万円と、市町村民税の課税標準額でありますけれども、一番低いのは建設国保で七十九万円と、非常に財政力にばらつきがあります。こうした中で様々な議論がありまして、今回の改正案の中には、三二%であった定率補助を、これを一三%から三二%に見直すということになっています。
そして、厚生労働省からの説明ですと、百五十万円以上の組合に対しては所得水準に応じ段階的に定率補助を引き下げていき、二百四十万円以上の組合については一三%とする一方、建設国保など所得水準が百五十万円未満の組合には三二%という現行水準の定率補助を維持するという説明を受けているんですけれども、これは改正法案の国民健康保険法七十三条を見ますと、そういったことははっきり書いてありません。一三%から三二%の枠の中で組合の財政力を勘案して政令で定めるとしか明記をされていません。
そこで厚生労働大臣に伺いたいと思いますが、百五十万円未満の平均所得の国保組合について、少なくとも平成三十二年度まで三二%補助、つまり現行どおりの補助率を約束していただけるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 被保険者の平均所得が百五十万円未満の国保組合についてのお尋ねでございますけれども、法案成立後制定をいたします政令においては定率補助を三二%と定めることとしておりまして、現行の補助水準を引き下げる考えはございません。
○行田邦子君 法律にはそこまでは明記していませんけれども、平成三十二年度まではしっかりと現行水準を百五十万円未満の所得水準の国保組合には維持するということを御答弁をいただきました。
次に、調整補助金について伺いたいと思います。
普通調整補助金は、これは国保組合の財政力に応じた補助となっていまして、特別調整補助金の方は国保組合の保険者機能強化の取組等に応じた補助というふうになっているわけでありますけれども、これが制度が改正して定率補助が変わるなど、制度が改正されてもこれまでどおりの方針で額を算定するんでしょうか。
といいますのは、私が懸念しておりますのは、一三%に定率補助が段階的にでも引き下げられる国保組合が出てくると、そうすると、調整補助金がこうした定率補助が下げられてしまった国保組合に優先的に補填的に使われるんではないかという懸念であります。いかがでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) 国保組合に対する調整補助金を算定する過程におきまして定率補助を差し引くこととしているために、定率分の国庫補助率が引き下がる国保組合の中には、従来より調整補助金が増額となる組合が生じることは事実でございます。これは、ただ一律のルールに従って算定しただけのことでありまして、計算上そうなるといったことであって、委員が御指摘の優先的に補填するといったものではありません。
今回の見直しにおきましては、調整補助金の予算枠を現行の医療給付費等の一五%から一五・四%へと引き上げることとしておりますので、御懸念の所得水準の低い国保組合の補助が減少することはないと考えております。
○行田邦子君 所得水準の低い国保組合にとっては、三二%の定率補助だけではなくて、調整補助金によって何とか国保組合を運営しているという状況もしっかりと加味していただきたいというふうに思っております。
そして、今回の一三%に定率補助を引き下げられる国保組合なんですけれども、所得水準が高いとはいっても、大変にこれは厳しい財政状況に追い込まれるのではないかと思っております。
かつて事業仕分のときには、平均所得が高い国保組合には定率補助はゼロでもいいのではないかといった意見も出されたようでありますけれども、さすがにこれをやると赤字に転落してしまう組合が非常に増える、八割以上に増えるというような試算もあって、様々なシミュレーションの中で一三%ということに落ち着いたんだろうと推測しておりますけれども、それにしても非常に厳しい改正だというふうに理解をしております。
そこで政府の方針を伺いたいんですけれども、局長に伺いたいと思います。
これだけ厳しい定率補助の引下げというのを行うということは、これは国保組合を今後も存続させたいと本当に考えていらっしゃるのか、それとも市町村国保に移行してもらいたいのでしょうか。政府の方針を伺いたいと思います。
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のように、今回の改革で見直しの対象となる国保組合につきましては、その補助率がかなり下がるところもあるわけでございますけれども、保険料水準が急激に上昇することのないように、平成二十八年度から五年間掛けまして段階的に移行をしていただくというような激変緩和措置を講じてまいりたいと考えております。
私どもは、先ほど申しましたように、同種同業の保険集団といたしまして、自分たちでお金を出し合いまして加入者の皆様の健康の保持増進に御尽力をいただいておりますので、自主的な運営に基づく保険者の機能というものを大事にしてまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 国保組合というのは歴史もあって、そして今の御答弁でもありましたけれども、保険料の収納率がほぼ一〇〇%、九九・九%と非常に高いわけであります。これからも国保組合が保険者機能をしっかりと発揮をしていただけるように、今回のこの改正になりましたけれども、定率補助についてもどの国保組合にしっかりと定率補助を維持すべきなのか、そして本当に定率補助を下げてしまって大丈夫なのかといったことも見ていただきたいというふうに思っております。
それでは、市町村国保、国保の安定化について伺いたいと思っております。
市町村国保を、今回の改正案では、平成三十年度から都道府県が財政運営の責任主体となるということでありますけれども、これまでも市町村国保の財政基盤の強化といったことはいろいろな議論がなされてきたわけであります。
そして、その中で、平成十八年度には、一件当たり三十万円以上の医療費については、都道府県内全ての市町村が拠出をしたものを財源として費用負担を安定化するという保険財政共同安定化事業というものができました。そしてさらには、平成二十七年度、まさに今年度、四月からですけれども、この保険財政共同安定化事業が恒久化をされまして、そしてさらに、対象医療費を全ての医療費に拡大するという都道府県化を促進をさせたわけであります。
そこで局長に伺いたいんですけれども、この保険財政共同安定化事業を強化をさせて実質的な広域化にするという選択肢を選ばずに、なぜあえて今回は都道府県が財政運営の責任主体となるという、このようなスキームに変更しようとするんでしょうか。その理由をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、保険財政共同安定化事業を導入をいたしましたのは、特に小規模な市町村の医療費の急増による破綻を防ぎたいということでございます。特に三十万円以上というふうにしましたのは、入院の増加でございますとかあるいは透析の患者さんが急増するというふうなことに対して備えるということでございますが、この事業を導入をいたしまして、平成二十七年度からは全ての医療費に拡大をいたしました。
この共同事業の拡大と、都道府県が財政責任を持つということに対しての違いでございますけれども、一つは、財政上の手当て、つまり、必要な財源を確保して給付に必要な財源を調達をするという責任でございますけれども、これは、保険財政共同安定化事業ではやっぱり最終的には市町村に残ってしまっているわけでございます。今回は財政運営の責任を都道府県に移してまいりますので、予期せぬ給付の増ということが生じた場合も都道府県がその必要な費用というものを調達をする。そして、そのために今回の改革では、平成二十九年度から財政安定化基金というものを新たに創設をいたしまして、こうした場合の資金の調達ができるようにしていこうという点が非常に大きな違いでございます。
それからもう一つは、保険料の平準化という問題がございまして、共同安定化事業では納付の仕方についての、つまり納付金の設け方につきましてはいろいろな検討の余地がございますけれども、それぞれの市町村の保険料の決め方、標準的な保険料の決め方のような事柄につきましては、なかなか現在の共同事業では、これはそういうことを平準化していくということは難しい面がございますので、やはり今回のような制度の改正をしていただきまして、都道府県と市町村が国民健康保険の運営に一緒に取り組んでいただけるような枠組みが必要ではないかと考えているところでございます。
○行田邦子君 捉えようによっては、保険財政の責任を都道府県に押し付けたとはあえて言いませんけれども、そのような見方もできるのかなと思っています。そしてまた、後でまた伺いたいと思いますけれども、保険料の平準化なんですけれども、確かにこの保険財政共同安定化事業という事業だけではなかなかできないとは思いますが、一方で、今回の都道府県化で、じゃ、本当に保険料が平準化されるのかというと、私は疑問を感じております。ちょっとまたこの点は後で質問したいと思っております。
次に、保険者が誰なのか、こういった質問がよく来るという御答弁も先ほど大臣からありましたけれども、保険者が誰なのかについて改めて伺いたいと思うんですけれども、私が伺いたいのは、保険証の保険者名称がどうなるのかということです。例えば、私の場合はさいたま市の国保に加入していますので、私の保険証には保険者さいたま市と書いてあるんですね。それを見れば、私の保険の保険者はさいたま市なんだというふうに分かるんですが、これがどういう保険者名称になるんでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 保険者の問題は、都道府県が市町村とともにというのが法律の表現でございますので、そのとおりの意味なのでございますけれども、やはり都道府県というものが最初に出てまいりますし、表現も都道府県は市町村とともにでございますので、都道府県というところに大きな力点が置かれているというふうに私どもは考えております。
保険証につきましても、資格管理の事務は、実務上はこれは市町村でやっていただかないとできませんので、身近なところでということでお願いをするわけでございますけれども、資格管理の実務は市町村でお願いをしますが、保険証の名称については都道府県名を記入していただく。したがって、埼玉県という形で記入をしていただくということを、私どもではそういう方向で考えているところでございます。
○行田邦子君 そうしますと、被保険者からすると、同一県内にいる場合は同じ保険に加入しているという意識になるわけでありますよね。そうすると、これは副大臣に伺いたいと思うんですけれども、被保険者からすれば都道府県国保という意識になると思うんですね。埼玉県なら埼玉県国保に私は入っていますよという意識になるはずなんです。
ところが、例えば同じ県内で市町村、引っ越しをした場合ですけれども、県内で引っ越しをしたことによって、同じ県国保に入っているのに保険料が急に高くなったりとか、あるいは保険サービスが違ったりとか、今まで受けられていた保険サービスが受けられなかったりとか、あるいは事務手続が違うということが起きると思うんですが、被保険者にとってはこれはおかしいんじゃないかと感じるはずですが、この点どのように説明されますでしょうか。
○副大臣(山本香苗君) 今回の改革後におきましては、市町村が地域住民と身近な関係の中で、引き続き保険料の徴収や保健事業等、地域におけるきめ細かい事業に取り組んでいくこととさせていただいておりますけれども、都道府県は、市町村が担う事務の標準化等を進めるために、域内の統一的な国保の運営方針といったものを定めさせていただくこととなっております。
この国保の運営方針につきましては、例えば市町村における保険給付の適切な実施につきまして、そうしたことを定めることとしておりまして、このような取組を都道府県が市町村の意見を聞きながら定めて、市町村が統一的な運営方針に従って取組を進めることによりまして、市町村が担う事務の標準化等を進めてまいりたいと考えております。
また、今回の改革におきましては、各市町村が都道府県に納付する納付金につきましては、市町村ごとの保険者機能が積極的に発揮されるよう、市町村ごとの医療費水準を反映するとともに、市町村ごとの被保険者の負担能力の差を是正するという観点から、市町村ごとの所得水準も反映することとさせていただいております。
また同時に、今回の改革では、将来的な保険料負担の平準化を進めるという観点から、都道府県は各市町村が納付金を納めるために必要となる市町村ごとの標準保険料率を示すとともに、市町村は都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めることとしております。
回りくどい言い方になっておりますけれども、とにかく都道府県が市町村ごとの標準保険料率を示すことによりまして標準的な住民負担の見える化が図られて、将来的な保険料の負担の平準化に資するものと考えております。
○行田邦子君 平成三十年度からこの新しい制度になるということだとすると、すぐには保険料は平準化されませんし、その時点でやはり同一県内の異なる市町村ごとに保険料は異なっているはずです。今の御答弁でそういうことだと思いますし、また保健サービスも事務手続もしかりだと思います。
いざ都道府県化された、財政の責任主体が都道府県になった、名称が都道府県国保になった、そのときに、やはり相当被保険者の皆さん、国民の皆さんも混乱するのではないかなというふうに思っておりまして、そこをどのように説明するのかをお聞きしたいんです。
○政府参考人(唐澤剛君) 保険者として誰にいろいろなことを申し述べていけばよいのかというようなことが一番加入者の皆さんには関心事でございますのと、もう一つは、先生から御指摘いただきました保険料の水準でございます。
それで、保険料の水準につきましては、標準保険料率ということで県で示すわけですけれども、元々は納付金の設計によって決まってまいりますので、納付金につきましては医療費の水準と所得の水準で決まるという形にさせていただきたいと考えております。医療費の水準は年齢を補正後、したがって、高齢者が多くても若い人と同じ年齢構成だと、標準的な年齢構成だという前提で計算をして納付金を納めていただくという形で納付金を設計させていただきたいと思います。したがって、この納付金の金額だけ見ますと、例えばある県内で同じ所得の方がいれば、同じ保険料になるはずでございます。
ただし、違う要素になりますのは、医療費と所得水準が同じであれば同じなんですが、一つは収納率と、それから一番大きな要素は、一般会計からの繰入れというような形が保険料の水準に反映してまいりますので、そういうことをきちんと理解をしていただくということを、私どもも、分かりにくい面がございますので、実施までの間に丁寧に早めに始めていきたいというふうに考えております。
いずれにしても、新制度になりますと、県内の全ての市町村の保険料を確認することができます。所得水準とか医療費の水準とか、そういうものを確認することができますので、そういう意味での見える化ということが始まりまして、御議論をいただく契機になるのではないかと考えております。
○行田邦子君 保険者の名称が都道府県になるのであれば、こうした問合せというのは都道府県に来ると思うんですよね、一体どういうことなんですかと。そこで説明責任が負わされるのは都道府県ということですので、これは制度が始まる前にしっかりと早めに都道府県に対して理解を得ていただく、また説明をする必要が厚生労働省としてもあるというふうに思っております。
そしてさらに、ちょっとどういうことが起きるかなんですけれども、例えば高額療養費制度について伺いたいんですけれども、これがどうなるのかなんですね。
この高額療養費制度というのは、これは高額の療養の場合に自己負担が一定金額を超えると、超えた分だけ高額療養費ですよということで国が負担をしてくれるという国民皆保険制度として優れた制度だと思うんですけれども、この高額療養費制度は、一年間で三回以上受けた場合、だから四回目からは自己負担額が下がるという仕組みになっています。これ、結構下がる、半分ぐらいになる場合もあります。こういう仕組みなんですけれども、これが同一都道府県内の市町村に移転した場合に、これがリセットされてしまうのか、それとも移管できるのか、それはどうなんでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 高額療養費は我が国の皆保険を守る非常に大事な制度でございますが、御指摘のように、三回続けて、例えば三月入院して、四月目からは非常に自己負担の水準が半減近く下がるという仕組みでございます。
ただ、これは保険者単位で現在運営をしておりますので、保険者が変わりますとその回数の数え方がリセットされてしまうと。どうしても資格管理や給付の管理をしているところが保険者単位ということでございますので、そういう問題があるわけでございますが、今回は都道府県が全体の保険の中心的な役割になってまいりますので、この改革後は、高額療養費の多数回該当に係る該当回数というものを被保険者の方が同じ都道府県内に転居した場合には引き継ぐこととする、リセットされないで引き継ぐこととするということで被保険者の負担を軽減するというふうにしてまいりたいと考えております。
これは、今年の厚生労働省と地方三団体の協議会におきましてもこうした方向について確認がされているところでございます。
○行田邦子君 高額療養費制度以外にも、ほかにもこういった点はどうなるんだろうかといった疑問が都道府県または市町村にたくさんあろうかと思いますので、そこら辺は制度が実施される前に早め早めに明らかにしていただきたいというふうに思います。
今回、三千四百億円の公費拡充ということを大々的にうたっているわけでありますけれども、公費なわけであって、これ国費ではないんですよね。三千四百億円のうち、実は国費というのは二千三百五十億円で、残りの八百五十億円は都道府県、市町村の負担ということであります。なぜかというと、これは保険者支援制度一千七百億円も拡充すると。この支援制度は、元々は半分が自治体負担ですから、ですから一千七百億円のうち半分は実は都道府県と自治体が負担する、つまり自治体の負担がこのことによって八百五十億円増えてしまうということです。
そこで伺いたいんですけれども、こうした財政措置はされるんでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘のように、三千四百億円のうちの千七百億円は保険者支援制度でございます。これは二十七年度から既に始まっているわけでございますが、このうち国の負担の割合は二分の一で、残りが都道府県と市町村がそれぞれ四分の一ずつということで、国と地方が折半するという形で財源の手当てをしているわけでございます。
したがって、八百五十億円が自治体の負担と、都道府県の負担ということになるわけでございますが、この地方負担分につきましては、今年度、二十七年度の地方財政計画において所要額がきちんと歳出に計上されております。この点につきましては地方財政当局もきちんとしていただく方向で手当てをしていただいておりますので、この点については将来に向けてもきちんとした手当てがされる、地方財政措置が講じられるというふうに理解をしております。
○行田邦子君 三千四百億円の公費拡充ということで、一見すると、これは国が三千四百億円追加で出すんだというふうに思いますが、その八百五十億円は自治体だということ。そして、これは今日質問はしませんけれども、そのうちの一千七百億円は、これは元々、後期高齢者支援金を全面報酬割にすることによって協会けんぽに出していた二千四百億が浮くから、その分、一部、一千七百億円こっちに持ってくるというだけでありますので、実はそんなにこの制度改正によって国費の追加負担というのは増えていないと。けれども、一方で、健保組合の負担が一千五百億円も増えてしまうというようなことになっているということ、私はこれはいかがなものかなと、今日は質問はしませんけれども、申し上げておきたいと思っております。
こうして、自治体の負担というのは何も法定外の繰入れ分だけではありません。資料一を見ますといろいろとあります。現行制度でもいろいろと都道府県、市町村が負担をしています。
例えば財政安定化支援事業、これは地財措置ですけれども、市町村の一般会計から市町村国保に繰り入れる財政措置、これ一千億円です、平成二十七年度の予算案ベースで。それから高額医療費共同事業ですけれども、これは国も出しますけれども、半分が市町村国保から出して、残りは国とそして都道府県が四分の一ずつ負担するということになっています。また、下の方の保険料軽減制度ですけれども、低所得者の保険料軽減分を公費で支援するんですが、これは元々、都道府県と市町村で賄われています。
これだけざっと計算しても、法定外一般会計繰入れ以外にもざっと七千億円ぐらい現状の制度でも実は県、市町村が負担しているということなんですが、私は、三千四百億円の公費拡充だけではこれ賄い切れないというふうに思っていまして、更に今後自治体の負担増というのは増えるんではないかと思いますが、ここはどうされるんでしょうか。大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御指摘の国保の財政運営について、今回の改革におけます公費拡充のほかに、既に実施している高額医療費共同事業など、制度上、地方自治体にも御負担をいただいているというものがあるわけでございまして、これらに係る地方負担については、各措置の状況に応じて必要な地方財政措置が行われる、そういうものだということでございます。
今後も高齢化の進展に伴って医療費の伸びが見込まれるわけでありまして、国保の事業運営については不断の取組が必要であって、医療費の適正化等の取組については、今回も、予防あるいは重症化予防等々、健康づくりも含めて取組を推奨していく、バックアップしていくということをやるわけでありまして、こういった取組を更に進めていくなど、しっかりとした対応を取っていかなければならないというふうに思っております。
○行田邦子君 三千四百億円公費を拡充しますといっても、実際に国費からの追加というのは僅かであります。八百五十億円と僅かでありますし、一方で、今回は財政の責任を都道府県にお願いしますといって押し付けて、そして、これでもうだから大丈夫だということでは決してないというふうに私は思っております。
この国保なんですけれども、これまでも解決しなければいけないテーマとしてずっと言われてきましたのが、地域ごとに保険料格差が非常に大きいということです。一番大きいのは東京都内の千代田区と三宅村の二・九倍ということですけれども、これだけ同じ都道府県の中で保険料の格差がある、差があるということが、これが今の現状でありますけれども、これはやはり解決しなければいけないというふうに思っています。
実際に、社会保障制度改革国民会議の報告書でも、これは何とかしなければいけないテーマであるというふうに言われているわけでありますけれども、この流れを受けて、今回、国保が都道府県化するということでありますが、ただ、この法改正の内容を見ますと、本当にこれで保険料の平準化がなされるんだろうかと、私は難しいというふうに思っております。
都道府県がそれぞれの市町村の標準保険料率というのを決めていきます。そして、最終的に決めるのは市町村でありますけれども、その保険料を課す方式、所得割、均等割の二方式であったり、所得割、均等割、平等割の三方式であったり、それも同じ都道府県内で方式が異なることが想定されます。
こういう制度のままでは、保険料の平準化というのは私はできないと思いますけれども、この保険料の平準化、どのようにされるつもりでしょうか。大臣に伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険料の平準化についてのお尋ねでございますが、今回の改革では、都道府県は、各市町村が都道府県に納付する納付金について、市町村ごとの医療費水準とかあるいは所得水準とかをしっかり反映をして設定することとしているわけでありまして、同時に、今回の改革では、標準的な保険料負担の見える化というものを図るとともに、将来的な保険料負担の平準化を進める観点から、都道府県は各市町村が納付金を納付するため必要となる市町村ごとの標準保険料率を示すということがまずあるわけでありまして、そして、市町村は都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めるということになっています。
これらによって、被保険者が負担をいたします実際の保険料の水準については、今回の改革後、一定の時間を掛けながら保険料水準の平準化が進むものと考えているわけでございまして、市町村の皆さん方は、ちなみに、今回の改革に併せて都道府県内の保険料率を一本に設定することについては、市町村によって医療サービスの偏在があることなどから問題があるということで、全国町村会が反対の立場を取られているわけでございます。
おっしゃるように、この平準化が進むのには一定のやはり時間が掛かるというのは御指摘のとおりだと思います。
○行田邦子君 先ほど私の、保険財政共同安定化事業をなぜ維持しなかったのかという質問に対して、一つは、広域化して、それで財政の責任主体を明確にするべきだということと、あと保険料の平準化ということを局長が御答弁されましたけれども、私は、この制度ですと、保険料の平準化というのは将来的にも難しいというふうに思っていまして、そうしますと、じゃ、今回なぜ都道府県に財政の責任主体を預けたかというと、これは国保保険財政の責任を都道府県にもうお任せして何とかうまくやってもらおうという、責任を押し付けたようにどうも思えてならないわけであります。
もう一問、質問させていただきます。
今回、国保事業納付金制度ということになるわけでありますけれども、これを導入するためにはやはりシステムの構築が必要であります。これは、都道府県だけじゃなくて、データを都道府県に渡さなければいけない市町村の方も必要となります。相当な費用が掛かると思いますけれども、このシステム構築に掛かる費用は誰が負担するんでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) システム構築、非常に重要でございます。特に社会保障改革ではいつもシステム構築の費用が問題になりますけれども、今回の国保改革に伴いまして様々なシステムの開発や改修が必要となります。厚生労働省といたしましては、地方からの御要望も踏まえまして、国が主導して標準的なシステムを構築していきたいというふうに考えているところでございます。
もちろん、全額を国が出せるかどうかということにつきましては、いろいろ財政当局やあるいは地財措置との関係がございますけれども、この費用につきましては国がきちんと役割を果たしていくことが必要であると考えておりまして、全国で共通に使っていただけるような標準的なシステムを構築していきたいと考えているところでございます。今年度はまだ初年度でございますので、大きな金額を計上しておりませんけれども、二十七年度予算におきましても準備のための経費として一億八千万円の計上をしているところでございます。
さらに、具体的なシステムの内容というのはこれからになりますので、国の財政当局やあるいは自治体、これは国と地方の政務レベルでの協議の場がございますので、そうした場でもこのシステムの問題について十分御議論をいただいて、予算編成過程で検討してまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 是非お願いします。
最後に大臣に伺いたいと思います。
今回、国保の財政運営の責任主体を都道府県とする改正、そしてまた、今日は余り質問できませんでしたけれども、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入と、確かに大きな改正となっているのは事実でありますけれども、私は、これは大きな改正ではあるけれども、抜本的な改革ではなくて、あくまでも大掛かりな対症療法にすぎないというふうに思っております。
そこで大臣に伺いたいんですが、この度の制度改正で、国保、そして後期高齢者医療制度、つまりは、現行制度での国民皆保険制度をどのぐらいの期間もたせるつもりなんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改革において、国保の財政運営の責任主体を都道府県にするとともに、財政状況の厳しい国保への財政支援を行うこととしておりまして、国保の基盤強化を行って安定的な運営を図ってまいりたいと考えております。財政支援が十分じゃないじゃないかという先生からの御指摘もございましたけれども、私どもとしては、そのようなことで安定的な運営を図りたいというふうに思っております。
また、後期高齢者医療制度をより安定的に運営をしていくために、後期高齢者支援金について、負担能力に応じた負担として全面総報酬割を導入することとしたわけでございまして、このように、国保や後期高齢者医療制度を始めとする医療保険制度の安定化、負担の公平化、そしてまた医療費の適正化の推進など、給付と負担の均衡が取れた制度となるように改革に取り組んでいくことで将来にわたって国民皆保険を堅持してまいりたいと思いますし、持続可能にするためには、今申し上げたような点について改善をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○行田邦子君 何年もたせるつもりかとはっきりお答えいただけなかった、まあ、お答えしにくいとは思いますけれども、わけでありますけれども、私は、全ての団塊の世代が後期高齢者になる、つまり二〇二五年、十年後まで本当にこのままでもつんだろうかというふうに危惧をしておりまして、今から十年後にこのままの制度で一人当たり医療費が変わらないままだと、一体、特に後期高齢者の医療給付費を誰がどのように、国民が、そして国、自治体、そしてそれぞれの保険者がどれだけ負担しなければいけないのかというシミュレーションを是非作っていただいて、これがないということですので作っていただいて、国民にもお示しをして、そして国民的な議論をし、また国民にも理解をしていただくべきだというふうに思っております。
質問ではなくて、最後、意見表明とさせていただいて、時間が来ましたので、終わらせていただきます。