平成27年4月14日 厚生労働委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず今日は労働保険特別会計の雇用勘定の雇用保険料、そしてまた失業等給付金の積立金について伺いたいと思います。
まず、お手元にお配りをしております資料一を御覧いただきたいと思います。予算、決算ベースで過去五年間、平成二十一年度から二十五年度の失業等給付金の予算、決算の数字に多額の乖離が生じています。例えば、平成二十二年度なんですけれども、この差引き剰余を見ていただくとお分かりになるかと思いますが、予算と決算で約一兆円弱、九千四百四十七億円の乖離が生じています。そして、過去五年間で見ても、一番乖離が少ないのが平成二十一年度ですが、それでも二千四百七十億円という乖離です。この予算と決算の多額の乖離が生じる理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 失業等給付についてのお尋ねがございまして、それについては、雇用失業情勢が急速に悪化した場合にも対応できるように予算を編成をしておって、雇用失業情勢が予算編成時に見込んでいたときよりも改善をすれば予算額と決算額に乖離が生ずることとなるということになっているわけでございます。
景気や雇用失業情勢を予測することはなかなか難しいときがあって、雇用失業情勢が急激に悪化した際においても失業等給付を確実に支給できるようにということで、失業等給付の予算編成に当たっては一定額の予算を確保するということで、やや余裕を持って準備をさせていただいているという格好でございます。
○行田邦子君 安定的な運用のために予算は常に多めに組むという御答弁だったかと思いますけれども、それは一定程度理解はするんですけれども、それにしても九千四百四十七億円の乖離と、これかなりの開きだというふうに思っております。
そして、次に伺いたいんですけれども、それでは、平成二十六年度終わりましたけれども、平成二十六年度の決算見込みの数字、収入、支出、それから差引き剰余、そしてその結果の積立金残高はどのようになるのか、見込みを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
平成二十六年度の失業等給付の決算見込みにつきましては、本年九月頃に確定するということでございます。
失業等給付の中で、一般求職者給付に関しましては、平成二十六年四月から平成二十七年の二月までの月平均の受給者実人員が現在でも判明しておりまして、四十七・二万人になってございます。これは、前年同時期では五十三・五万人でございましたので、約一一・八%の減となってございます。受給者実人員が一一・八%減っておりますので、一般求職者給付についての支出額につきましては平成二十五年度よりも下回るだろうというふうに思っております。
ただ、昨年、雇用保険法の制度の拡充をいたしまして、育児休業給付なり、あるいは教育訓練給付、あるいは再就職手当の拡充等ございまして、こういった中で、今の段階で失業等給付全体につきましての決算額というのを明らかにするのはなかなか難しいという状況でございます。
○行田邦子君 今の御答弁ですと、平成二十六年度の失業等給付については二十五年度に比べて減っている、一一・八%減ということです。確かに、平成二十六年度からは育児休業給付の充実や教育訓練給付金の拡充などがなされたわけでありますけれども、これは既に予算に見込まれているわけでありますので、今の御答弁を聞きますと、恐らく平成二十六年度は積立金残高は予算ベースの五・九兆円を上回るんではないかというふうに私は思っております。そして、平成二十五年度の積立金残高は過去最高と言われていますけれども、それを更に上回るのではないかというふうに思っております。
そこで、大臣に伺いたいと思うんですけれども、平成二十五年度末で積立金残高は六兆六百二十一億円と過去最高となっていますが、この積立金残高の水準が過剰ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この点については何度か予算委員会等々でお答えを申し上げているところでございますけれども、先ほど、予算を作るときに少し、何というか、予想を大きく見て余裕を持って予算を立てておくというのと同じように、やはりこの積立金というのは不況期に備えて好況期に積み立てておくということがなければ、不況期に一気に減少するということが過去にもあって、四兆円あったものが五年で約四千億まで減少したということがあったのは先生も御存じだと思います。
将来の不況期に必要な積立金水準をどのように予測するのかというのはなかなか難しいところで、一時的に積立金があることだけでそれがちょっと過大ではないかという判断は、少し時間を掛けて評価をして、ダイナミックに変わる可能性を含めて、それでも過剰かどうかということを考えていくべきなのかなというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 確かに経済状況の急変というのは過去にもありました。そういった事態に備えてやはり一定程度の積立金の額、水準というのは必要だというふうに思っております。これは必要だというふうに思っておりますけれども、それにしても、今、弾力倍率四・一倍、平成二十五年度の決算で四・一倍ですから、恐らくこれを、更に積立金の水準は上がってくるだろうという予測ができる中で、やはり私はこれは積立金の水準ということを見直すべきではないかというふうに思っております。
そこで、厚生労働省におきましては、資料二を御覧いただきたいんですけれども、失業等給付費の今後五年間の収支見込みというものを立てています。
試算一と試算二がありますけれども、試算一については、失業等給付の受給者実人員が五十万人で推移する、つまり平成二十七年度実績見込みベースで推移するという試算です。それから、試算二の方は、平成二十一年から二十五年度実績平均ベース、つまり六十三万人で推移するケースという、この二つの試算を設けているんですけれども、試算一、試算二、それぞれ両方とも平成三十一年度見込みでも弾力倍率はまだ二倍を超える、つまり弾力条項を適用できる範囲というような試算になっています。そして、この前提というのは、雇用保険料率は今の弾力条項を適用した引下げ千分の十という前提になっています。
そこで、厚労省、政府参考人に伺いたいんですけれども、仮にこの雇用保険料の料率を千分の八に引き下げた場合、積立金残高への影響はどのような試算となりますでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
現在の雇用失業情勢が続きまして、失業等給付の基本手当の月当たりの受給者数、これが二十八年度から三十一年度を通じまして平成二十七年度の実績見込みベースと変わらないということだと仮定いたしますと、雇用保険料率を二十八年度から千分の十から千分の八に引き下げた場合に、積立金残高が千分の十のまま推移した場合と比べまして、平成三十一年度までの間に一兆三千六百億円減少する見込みでございます。
○行田邦子君 そうすると、弾力倍率はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(生田正之君) 五十万人の場合ですと、雇用状況がそんなに悪くないということもございますので、弾力倍率は変わらずに行けるんじゃないかというふうに推定されます。
ただ、六十三万人のケースですと、弾力二倍を切ってしまうということで、保険料率を上げないといけなくなるということかと思います。
○行田邦子君 大臣に伺いたいんですけれども、今の仮に千分の八に引き下げた場合の試算一、試算二で、どのように弾力倍率が変わるのか、この試算の数字というのを見ながら、保険料率の引下げということもあり得るのではないかという検討をしていただけたらと思っております。もちろん、千分の十より引き下げるということは今の法律ではできませんので法改正は必要ですけれども、御検討してもいいのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険料率については費用負担者である労使の合意というのが、この間も申し上げましたけれども、拠出者が合意をしないといけないので、雇用保険財政の中期的な安定的運営を確保するという観点から検討し、決めているわけでありますけれども、今年度の雇用保険料率の設定に際して今後五年間の積立金の推移を試算したところで、この失業等給付の受給者について、二十一年度から二十五年までの実績平均の水準で推移するケース、あるいは過去の最低水準を下回る程度の水準のケースのいずれにおいても、御指摘のように積立金などの額が失業等給付費の二倍を超えるものの、積立金残高は緩やかに減少していくということを今お配りをいただいているわけであります。
一方で、失業等給付の在り方については、平成二十五年の十二月の労政審の報告において、基本手当の水準に関しては受給者の就職状況の動向等を踏まえて引き続き検討するということにされておりまして、引き続き、この雇用保険部会で議論をいただくということになっています。
また、保険料率の在り方については、昨年の、先ほどお話が出ておりますような育児休業給付の引上げの見通しがはっきりしてこないとなかなかうまくいかないということで、これは多分、今年の秋頃に財政状況については大体見えてくるというふうに思っておりますので、それを見届けてからどうするかということを考えるのかなというふうに思っております。
○行田邦子君 私は、これだけ積立金の残高が積み上がっていると、国庫負担の在り方についての議論にも支障を来すというふうに、なかなか議論が進まないと思っていますし、そしてまた、これだけ残高が積み上がっていますと国庫に返納しろというような意見も出てきますので、そうしたことが起きないように、この積立金の残高の水準ということについてはしっかりと労政審の場などにも議論の俎上にのせていただけたらなというふうに思っております。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
先日、子供の貧困対策について伺わせていただきましたが、その中で所得再分配を強化すべきではないかと質問させていただきました。ちょっと時間が足らず中途半端な質問になってしまいましたので、改めて大臣に伺いたいというふうに思っております。
資料三を御覧いただきたいと思います。先日もお示ししたものと同じものでありますけれども、これはOECD対日審査報告書二〇一三年版なんですけれども、ここではこの資料三のAのグラフを見ていただきたいと思うんですけれども、日本の所得再分配効果、つまりジニ係数の低減とか所得格差の縮小は三十三か国中二十七位と低いレベルにあることを報告しています。
まず、この点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 前回、時間がなくてゆっくり議論ができなかったんですけれども。このお配りをいただいているOECDの対日審査の報告書で使われているジニ係数の変化については、これは生産年齢人口で見た場合ということで十八歳から六十五歳までの人口を対象としたジニ係数、この変化分を見ていて、再分配前の数値から再分配後の数値へどれだけ改善、変化をしているのかというのを見たものでございまして、日本はこの数値が小さいというのが今の御指摘だと思います。
これに対して、生産年齢人口ではなくて、全年齢を対象としたジニ係数を厚生労働省の所得再分配調査で見てみますと、再分配を考える前のジニ係数は高齢化や世帯の小規模化等を背景として拡大傾向にあります。平成二十三年の調査では〇・五五となっておりますけれども、これを今度、年金などの社会保障給付や税の効果、この再分配を加味して見た場合のジニ係数というのを見ますと〇・三八になっておりまして、この数値は、経年で見ても平成十一年で〇・三八で、二十三年でも大体〇・三八ということで、おおむね横ばいで推移をしているということでございまして、我が国の社会保障制度は高齢者への給付が手厚いということがまず第一にあって、その一方で現役世代の給付が少ないという指摘がかねてからございまして、生産年齢人口のみを対象として作成される御指摘の数値にはこういったことが反映をされているというふうに考えるべきだろうと思うんです。
したがって、単身高齢者とかあるいは母子家庭の増加といった状況にはしっかりと目配りをしなければいけない、子供の貧困と言われているわけでもございますし、そういうことで必要な対応を行っていくことが必要でありますけれども、例えば、私どもとしても、そういうことを意識しながら、平成二十七年度には、生活保護に至る前の段階の生活困窮者、この四月から法律も施行になりましたが、相談、就労支援などの包括的な支援とか、あるいは一人親家庭の親の学び直し、子供への学習支援などを特に力を入れようということでやっておる。あるいは、これは高齢者の方になりますけれども、介護保険における低所得者の保険料の軽減の強化などで再分配を補うという格好にしているということでございまして、今お配りをいただいたものは生産年齢人口における指標ということで、全体で見ると今のような景色が見えてくるのかなというふうに思います。
○行田邦子君 まさに大臣が御答弁されたように、このOECDの対日審査報告書の結果というのは、これは生産年齢人口ですので六十五歳超の方というのは入っていないんです。逆にこれ裏を返せば、日本の所得再分配というのは、いかに高年齢者には効いているけれども若年層に効かないということも言えるのかなと思っていまして、資料四を見ていただきたいと思うんですけれども、これは厚生労働省の所得再分配調査の結果より内閣府が作成したものでありますけれども、ここでも、やはり見てすぐに分かるとおり、若年層における再分配効果というのは非常に乏しくなっているわけであります。
そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、子供の貧困対策を考えるとき、子供のいる低所得者世帯のネット所得が増える所得再分配、例えば給付付き税額控除等を行わなければ状況は改善しないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、子供の貧困ということが最近よくクローズアップをされておりますけれども、子供のいる低所得世帯に対して、それぞれのニーズに応じて、子育て生活支援、それから就業支援、経済的な支援などを組み合わせてきめ細かな支援を行っていく必要があるというふうに認識をして、そういう手だてを予算などで打っているところでございます。
二十七年度の予算では、さっき申し上げたように、この生活困窮世帯や児童養護施設あるいは一人親家庭の子供などへの学習支援というのを特にバックアップしていかなきゃいけないということ、あるいは児童養護施設の職員の配置というのも、これは五・五対一を四対一にするというのをこの四月から実施をいたしました。
それから、一人親家庭の親に対する自立支援というか、高校卒業程度の認定試験の合格のための講座の費用を助成するというようなこともやってきているわけでありまして、また、先般、四月二日に総理が参加をして、あと有村少子化担当大臣とそれから下村文科大臣と私と参加をいたしましたけど、子供の未来応援国民運動というものの発起人の集会というのがありましたが、そこで総理から、経済的に厳しい一人親家庭や多子世帯の自立を応援するために、夏をめどにその方向性を取りまとめ、年末をめどに財源確保を含めた政策パッケージを策定するようにという指示を受けたところでございまして、厚労省としては、子育て、生活、就業、経済面など一人親家庭の自立に向けた支援の充実について幅広く意見を聞きながらやっていきたいというふうに思っているところでございますので、問題の所在は、今ございますように、お配りいただいたように、所得再分配が高齢者には有効に効いていても若い人たちには十分効いていないということを補うための政策を種々打っているところでございます。
○行田邦子君 私がお聞きしたいのは、今大臣がおっしゃったような様々な施策だけでは足りないのではないかと。ですから、給付付き税額控除等の税の所得再分配効果を強めなければいけないのではないかということなんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、年末までに手だてを考えろという総理の指示の中にいろんなものが当然入ってくるわけでございますが、明示的にこの給付付き税額控除についてどうかということであれば、それは私ども自民党の中でもこの可能性についてはかねてより議論はあるところでありますけれども、低所得者に絞った効果的な支援が可能になるということは我々としてもよく分かっているわけでありますけど、一方で、所得の把握とか資産の把握、それから執行面での課題というのが残っているので、どういうふうになるのかというのは今、消費税の逆進性への対応の中でも議論が行われているというふうに認識をしております。
○行田邦子君 特に、日本の所得再分配は年金などの社会保障での効果は認められても、税による所得再分配の効果というのは余り認められないというような調査結果も出ておりますので、是非、政府内におきましても、給付付き税額控除、もちろんそれをやるには様々な課題をクリアしなければいけないと思いますが、じゃ、どういった課題をクリアしなければいけないかという点も含めて議論し、また検討していただきたいと思っていますし、また私自身も今後様々な御提案もしていきたいというふうに思っております。
それでは、最後なんですけれども、資料六を御覧いただきたいと思うんですが、先ほど大臣がおっしゃった様々な施策の中に学習支援といったものがあります。もちろん私もこういったものは大切だと思っておりまして、実は、埼玉県におきまして非常に成果を上げているものがございます。生活保護世帯の子供への教育支援というものでありまして、きめ細やかな実施を行うことによりまして、埼玉県の生活保護世帯の子供の高校進学率が八六・九%だったものが四年間で九七・八%に上がるなど、実績を上げています。
ところが、この事業なんですけれども、今年四月から生活困窮者自立支援制度が始まったことによりまして、これ自体私はいいことだと思っているんですけれども、生活保護世帯だけではなく生活困窮者世帯に対象が広がりました。そしてさらに、今まで造成された基金から財源を捻出していたんですが、補助率が二分の一となってしまっただけではなくて、自治体の人口に応じた枠の上限が設けられてしまいました。非常に財源的には不安定であり、また率直なところ足りないというような声が上がっています。
補助率等を上げるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 学習支援事業の国庫補助率が十分の十から二分の一になったわけでございまして、自治体が継続的に事業を実施できるように法律に位置付けて恒久的な制度としたものであって、御指摘の補助率も含めて立法過程から国と自治体で真剣な議論を行った結果、こういうような形になったわけでございます。
自治体において着実に事業が実施できるように、平成二十七年度予算においては、生活困窮者自立支援関係予算の全体では国費四百億円で、子供の学習支援事業については十九億円を確保いたしております。
自治体に事業の実施意向を私どもの方で確認をいたしました。昨年度の百八十四自治体から今年度は三百二十四自治体がやるということを言っておりまして、自治体の数からいくとかなり増えているということでございまして、先ほどの補助率の問題で御心配いただいておりますが、我々の基本的な姿勢として、子供の学習支援をしようということについては変わりがないわけでございまして、今後とも自治体に対して事業の意義を丁寧に説明して積極的に事業を実施していただくようにというふうに思っております。三百二十四といってもまだまだでありますから、これを更に増やすということが大変大事だというふうに思っております。
○行田邦子君 生活支援や就労支援は三分の二とか四分の三という高い補助率ですので、是非補助率を上げることを検討していただきたいと思いますし、また、残りの部分についての、交付税措置される予定ではありますけれども、今日総務省さん来られていますけれども、是非、単位費用の算定に当たりましては十分なものとなるように算定していただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わります。