平成27年4月7日 厚生労働委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
私は、まず初めに、子ども・子育て支援新制度における保育所等の地域区分について伺います。
子ども・子育て支援新制度、四月から始まりました。認定こども園、幼稚園、保育所の共通の施設型給付が行われることになっています。新制度の導入に伴いまして、保育所等施設の公定価格の体系が整備され、そしてその中で地域区分も改定となりました。
まず政府参考人に伺いたいと思います。
地域区分の概要と、それから地域区分を設ける理由についてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 子ども・子育て支援新制度におきましては、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付でございます施設型給付と、小規模保育などに対する地域型保育給付を新たに創設したところでございます。これらの給付の基礎となる公定価格につきましては、子ども・子育て支援法に基づき内閣総理大臣が定めることとされておりますが、これを定めるに当たりましては、家庭で必要な保育を受けることが困難であるか否かなどにより定められる認定区分や保育必要量などのほか、施設の所在する地域を勘案することとされております。このため地域区分を設定しているところでございますが、この地域区分は、教育、保育の提供地域ごとの人件費などの地域差を調整するために設けられているものでございます。
具体的には、人事院が設定します国家公務員の地域手当などに準拠をいたしまして〇%から二〇%の間で八区分設定しているところでございます。
○行田邦子君 そして、この度子ども・子育て支援新制度がスタートいたしまして、今回の地域区分の見直しが行われたわけですが、今回の地域区分の見直し内容を具体的にお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(安藤よし子君) 今回の地域区分の見直しに当たりましては、特に国の官署が所在しない地域の設定方法につきましては、子ども・子育て会議において議論が行われてきたことを踏まえた対応が必要であるということで、国家公務員の給与に準拠して設定をしている中で、ほかの制度の議論の状況も見まして、特に介護保険制度では、地域の民間賃金水準をより適切に反映させることなどを目的に、国家公務員の地域手当の支給対象地域に加えまして、別途総務省が指定する地方公務員の地域手当の支給対象地域を踏まえた見直しを行うということが予定されているということを勘案いたしました形で見直しを図ったところでございます。
具体的に申し上げますと、国家公務員の官署が所在しない地域の設定方法につきましては、地方公務員の地域手当の支給対象地域を考慮することといたしまして、それ以外の地域につきましては、仮単価における整理と同様に、支給地域に囲まれている地域及び複数の支給地域に隣接している地域について、支給対象地域の支給割合の区分のうち最も低い区分により設定するという形で見直しを図ったところでございます。
○行田邦子君 この度の地域区分の見直しによって、全体的には地域区分の対象となる地域が、市町村が増えているかと思います。それは良いことだとは思うんですけれども。
そこで大臣に伺いたいんですけれども、お手元にお配りをしております配付資料の一を御覧いただきたいと思うんですが、この度の地域区分の改定で私が住んでおります埼玉県の市町村がどのようになったのか、地図で色分けをさせていただきました。大臣、これを御覧になってどのようにお感じでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、局長からも説明申し上げましたけれども、公定価格における地域区分について、子ども・子育て会議で様々な議論の結果こういうことになったわけですが、今お配りのこの埼玉のを拝見をいたしますと、まず、色で分けていただいておりますけれども、かなり多様なランクに分かれているということ。それから、必ずしも隣で、ほとんど、恐らく歩いていったら隣に入ったことが分からない、でもこういうような形になっているということが多分起きているのではないかなというふうに思って、恐らく、これは介護でも保育でも、これまでもなぜ隣町よりもこちらの方が安いのか、高いのかということをよく私たちも言われていました。
そういうことも含めて、恐らくいろいろあるんではないかなということは感じるところでございます。
○行田邦子君 大臣は、恐らく埼玉の事情、お住まいになられたこともないのかと思いますし、御地元のようにはお詳しくないと思いますが、そういう方が見ても、かなり近隣の市町村同士で差が出ているというようなことはお分かりになるかと思います。
私のように、埼玉県、あちこち歩いている者から見ますと、また局長も埼玉県、労働局長でいらしたのでお詳しいかと思うんですけれども、何か違和感を感じる部分が多々あります。例えば、県南の方の和光市が一番一六%と高かったり、これ何でなのかなと。お隣の戸田市というのは地方交付税不交付団体で非常に住みやすい市とも言われていますけれども、この戸田市が六%と、隣り合わせになっていて非常に差があったりとか、またさらに、お隣の蕨市が、これがさいたま市と同じ一五ってなぜなのかなと。県北の方に目をやりますと、私の事務所もあります東松山市が一二%と、なぜかよく分からないんです。県北の雄と言われている県北の代表的な都市、新幹線も止まりますが、熊谷市が三%と、お隣の深谷、行田よりか低いと。なぜなのかなと首をかしげる部分も多々あるわけであります。
そこで、恐らくこれは埼玉県だけではなくて、全国各地からこのような意見というのは出ているんだろうというふうに私は思っております。また、実際に子ども・子育て会議におきましても様々な意見が出ております。
例えば、市町村からは地域手当の区分を使うことに異論も多いのではないかとか、地域手当の区分を使うにしても工夫が必要だと、隣接している二つの地域間の格差が大きい、妥当性がないことから見直されるべきであると。そしてまた、国家公務員の地域手当の区分とするのはやむを得ないとしても、改定ルールを検討していくことが重要だと、こういった意見が多々出ていたわけであります。
そこで大臣に伺いたいんですが、この地域区分、地域手当なんですけれども、国家公務員の地域手当に準拠すると。これよりか妥当な調査結果がないというのであれば、それはそれでもうやむを得ないとは思うんですけれども、ただ、それぞれの地域の物価水準や人件費を加味してより適切に公定価格に反映させようとするのであれば、国が示した費用、地域区分に対して、地域の実情をよく把握をしている都道府県知事が修正、調整をできるというような権限を制度に盛り込んではいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この公定価格の設定につきましては、いろんな議論がございましたけれども、国として統一的かつ客観的なルールの下で設定をすることが求められているだろうと思うんです。また、介護保険など他の社会保障分野の制度との整合性というのも、先ほど申し上げたとおり、介護もそれから保育もずっと言われ続けてきたことでもございますので、その整合性をどうするのかということも大事だというふうに思うんです。
今回の見直しでは、国の官署が所在しない地域については、先ほど来話が出ているように、地方公務員の地域手当の支給対象地域及び支給割合を参考にするといった地域の実情に対応した改善にも努めているところでありまして、個別の市町村からは様々な意見が出され得る問題であって、全国統一的なルール以外のルールを認めるということは、全国的に見ると公平性の観点から様々難しい問題が残るなというふうに思うところでございまして、いずれにしても、二十七年度における公定価格については子ども・子育て会議での取りまとめを踏まえて決定されたわけでございますけれども、この公定価格の地域区分については、今後も新制度の施行状況や関係者の御意見を十分に踏まえていかなければならないし、関係府省の間で検討を続けていかなければならないというふうに思っております。
○行田邦子君 一定のルールが必要だというのは分かるんですけれども、基準が必要だというのも分かるんですけれども、ただ、全国のそれぞれの市町村の民間の賃金水準というものを国の中央政府である厚生労働省の方で、またあるいは内閣府の方では細かく一々分からないわけであります。ですから、そこを補うために、地域の実情を理解をしている、またそれぞれの都道府県ではその県の市町村ごとの例えば様々な経済調査などもやっていますので、データもあります。それを基に都道府県知事が修正をできるというような権限を持たせるというのは、私は、これは地方分権という視点からも適切ではないかなというふうに思っておりますので、今年度は今年度でよいとしても、来年度以降の見直しということで検討していただきたいというふうに思っております。
それでは次に、子供の貧困対策について伺います。
日本においては、子供の相対的貧困率は一六・三%と、OECD二〇一四年データでは日本の子供の貧困率は三十四か国中二十五位というような状況になっています。大臣はこの状況についてどのようにお考えでしょうか。また、厚生労働省としての取組を簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) この相対的貧困率につきましては、予算委員会などでも総理からも繰り返し答弁を申し上げているところでございますけれども、まず、世帯ごとの可処分所得に基づいて算出されているために、これは何度も申し上げておりますけれども、資産の保有状況というのが反映をされていないということで、もう一つやはり大きいのは、特に貧困率という意味では、保育とかあるいは地域の子育て支援、学習支援などのいわゆる現物給付、これの充実が相対的貧困率の改善にはつながらないといった特徴がある指標であることに留意をすることが必要だろうというふうに思っておりまして、もちろん厳しい環境にある子供に対して個々の状況に応じたきめ細かな支援というものが必要であるわけでございますので、我々としては、一つの指標ではなく、これももちろん、その他の指標も加えて、貧困の世代間連鎖を断ち切る取組というのが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
そういうことで、先般、子供の貧困対策大綱というのがございますが、これに基づいて平成二十七年度の予算、これでの対応を少し御紹介いたしますと、生活保護世帯を含む生活困窮世帯や児童養護施設、一人親家庭の子供への学習支援、それから児童養護施設の職員配置の改善、これはこの間まで五・五対一だったのが四対一になりましたが、この体制整備、あるいは一人親の親の側の、言ってみれば自立へのバックアップということで、高等学校卒業程度認定試験の合格講座の受講費用の支援ということで、これはマックス六割まで支給をするということなどをやってきているわけでございまして、このような取組で、子供の将来がそのまま生まれた環境で決まってしまわないように、固定化しないようにしていくということが大事だということで、更なる努力を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
○行田邦子君 現物給付が加味されていないなどおっしゃいましたけれども、ただ、OECDの統一した基準にのっとっての比較の中で、非常に日本は相対的貧困率、子供の貧困率が高いということになっているわけですので、そこは大臣も素直にお認めいただいた方がいいかと私は思っております。
そして、こうした中で、先般、四月二日に、政府といたしましては、貧困家庭の子供を支援するための子供の未来応援国民運動を展開すると発表し、発起人集会を開催をされました。その概要についてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(中島誠君) お答え申し上げます。
昨年八月に閣議決定させていただきました子供の貧困対策に関する大綱では、国民の幅広い御理解と御協力の下に、子供の貧困対策を国民運動として展開するということが掲げられているところでございます。
これを受けまして、去る二日、木曜日でございますけれども、には、総理、そして塩崎厚生労働大臣を始めとする関係大臣、また各界からの発起人を一堂に会していただきまして、子供の未来応援国民運動発起人集会というものを開催し、その中で趣意書を採択していただいたところでございます。その趣意書の中で、今後展開していく事業の例としては、国民への広報啓発活動といったもの、また支援活動と支援ニーズのマッチングを行う事業、さらには民間資金を核とする基金の創設の検討といったものが示されておるところでございます。
○行田邦子君 この中に、民間資金を核とする基金の創設といったことも盛り込まれています。私は、こういった国民運動を展開するということ、結構なことだとは思っておりますし、しっかりとやっていただきたいとは思いますけれども、違和感を感じましたのは、政府が発起人の一人となりまして民間資金を核とする基金を創設をするということなんですが、寄附をする余裕のある企業や団体やまた個人から寄附を募るということ、まあそれはそれでやっていただけるのであればそれでいいとは思うんですけれども、それよりも、本当に子供の貧困の連鎖というのを防ぐという思いがあるのであれば、国としてまずやるべきことというのは、所得の再分配を強化することではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、子供の未来応援国民運動を始めたわけでございますけれども、ここで民間の皆さん方にも資金を募るということは実際やってはおりますけれども、その大前提は、やはり政府として施策の充実を図っていくということが大前提であって、実際、その発起人集会で総理から、厚生労働大臣を始めとする関係閣僚に対し充実施策の検討を指示し、夏をめどにその方向性を取りまとめ、年末をめどに財源確保を含めた政策パッケージを策定していきますということも宣言をしておりまして、まず政府が自らやるべきことはやると、それもこの年末の予算編成に具体的に財源も含めて提示をするということを申し上げているわけでございまして、今回の二日の発起人集会で特に子供の貧困という言葉も総理からも申し上げ、それから一人親家庭あるいは多子世帯の自立を応援をするということでございまして、今、所得再分配を強化することじゃないかというお考えをお示しをいただきました。
それも一つの考え方だとは思いますけれども、これについてはかなりいろいろな議論が予算委員会などでもこれまで重ねられてきておりまして、そこは更に先生方と議論を重ねて、これ今後の、政府としてもどういうふうに、今申し上げた夏に方向性を示し、年末に具体的なパッケージを示すという中で、これを決め込んでいかなければいけないというふうに思っておりますので、是非先生からのまた御議論もいただきたいというふうに思います。
○行田邦子君 私は所得の再分配を強化すべきと考えています。
資料二を御覧いただくとおり、日本はOECD三十三か国の中で所得の再分配の効果が二十七位と低レベルにあります。そして資料三に示すとおり、世帯員の年齢階級別の所得再分配の状況を見ますと、六十歳未満、ゼロ歳から五十九歳というのは、所得の再分配後、逆に、所得の再分配が逆効果にマイナスに働いてしまっている、これは厚生労働省の調査結果でございます。
こういった調査結果も出ているわけでありますので、現役世代また子供を持つ低所得者の家庭の所得再分配の強化をすべきだというふうに私は考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはジニ係数についてもいろいろ議論があって、再分配前でありますと、格差が拡大をしているということで言われておりましたが、社会保障や税の再分配を考える前は〇・五五、再分配後はしかし〇・三八となっておって、余り変わっていないというのが時系列的にも言えることだったと思っております。
今の数値について逆転というお話もございましたが、これについても同じように再分配をした結果としてどうなのかという所得の指数という意味では今御指摘のようなことがあるかも分かりませんが、やはり再分配をした後の格差がどうなのかというところが大変大事かなというふうに思っておりまして、今、再分配機能を強化するということでありますけれども、これについてはやはり引き続き議論をしていかなければならないと思っておる、意見にいろいろな多様性があるというふうに私どもは思っているところでございます。
○行田邦子君 所得の再分配効果、若年層また現役世代ではマイナスになってしまっているのは、これは結果として厚労省が出した調査結果に出ておりますので、お認めいただきたいと思っていますし、またこの問題につきましては引き続き議論させていただきたいと思っております。
終わります。