平成26年年04月08日 法務委員会
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。  今日は、三人の参考人の方、お忙しい中お越しいただきまして、感謝を申し上げます。特に大久保参考人におかれましては、お子様を亡くされると、その事件を犯したのが少年であったという本当に痛ましいそのような経験をされて、その思いというのは本当に察するに余りあるものではないかというふうに思っております。  まず、大久保参考人と岡本参考人に伺いたいと思います。  今回の少年法の改正法案の中には、国選付添人制度とそれから検察官関与制度の対象事件の範囲を拡大するということが盛り込まれています。死刑、無期、長期三年を超える懲役、禁錮に当たる罪にそれぞれ拡大するということでありますけれども、このことについてどのようにお考えでしょうか。大久保参考人と岡本参考人にお願いいたします。
○参考人(大久保巌君) 私はやっぱり大賛成ですね。さっき言いました、事実認定が更生にもつながりますし、やっぱりそこが一番大事だと考えていますので、両方の、付添人と検察官ですね、それはもう大賛成です。  以上です。
○参考人(岡本潤子君) 先ほどの意見の中にも申させていただきましたけれども、付添人が心得違いの活動をされるとしたら、それは範囲が拡大されるのは障りになるだろうと思いますし、同様に、検察官も同じように心得違いをされて参加されるとしたら、それは問題だと思います。
○行田邦子君 ありがとうございます。  それでは、川出参考人に伺いたいと思います。  先ほどの御意見の中にありましたけれども、検察官の関与があることによって少年審判が刑事裁判化するのではないかといった意見も聞かれるところでありますけれども、それに対して、様々な文献や事例を見ると検察関与の弊害というのは生じていないのではないかといった御意見をされましたけれども、その件についてもう少し詳しく教えていただけたらと思うんですが。
○参考人(川出敏裕君) これは、検察官が関与して刑事裁判と同じように審判で法廷活動を行うということになると、何といいますか、本当に対立の場になって、その審判の雰囲気が害されるというような懸念があるということであったわけですが、これは法制審の中でも裁判所から出てこられた委員がおっしゃっていたんですが、現在の少年審判の実情というのを裁判官から聞いたところではということで、例えば検察官は少年審判に出てきた場合でもその特性については十分に配慮して関与されていると思われるとされています。それは、例えば質問の仕方でも口調がやはり非常に穏やかなものにしたりするとか、あるいは形式的な話ですけど、例えば着席したまま発問する形にして、刑事裁判のように問い詰めるというようなことではないということですとか、そういう配慮を検察官がしているということのようです。  もちろん事案によっては、さっきの話で、やっぱり審判そのものは厳しい雰囲気であるわけですから、厳しい問い詰めをするということもあるのかもしれませんけれども、それは少年審判というものは刑事裁判とは違うんだという前提で検察官は一般的には活動されているということのようですし、また、裁判所の方も、例えば検察官の方が関与されたから必ずじゃその検察官が質問して、それから付添人が反対尋問するように、そういう感じでやっているわけではなくて、やはり裁判所が主導となって尋問し、必要に応じて検察官にも質問してもらうという形の運営をされているということが言われておりますので、そうであるとすれば、刑事裁判化しているという懸念は必ずしも妥当しないのではないのかというふうに思います。
○行田邦子君 ありがとうございます。  次に、被害者による審判傍聴並びに意見陳述の制度について伺いたいと思います。  今このような制度が設けられているわけでありますけれども、この審判傍聴そして意見陳述の制度が少年審判に与える影響がどのようなものなのか、そして、現行制度を見直すべき点があれば、どういった点を見直すべきなのか、それぞれ三人の参考人に伺いたいと思います。
○参考人(大久保巌君) 被害者として意見陳述する場合に、やっぱり事実認定のところが、調書とかその辺がちょっと私らの場合ですけれども見れなかったので、そこが非常に残念であったということはありますね。でないと、やっぱり適切な意見が述べられなかったというところはありますので、そこはもうちょっと開いた、情報を開くというんですか、というところはしてほしいなというところはあります。  以上です。
○参考人(岡本潤子君) この被害者配慮制度は、まだ走り出してそう蓄積が長いわけではありません。ですので、まだ現状で運用の面で不足しているという御指摘はあるかとは思います。ただ、先ほど申し上げたように、与えられている権利を被害者の方が十分に活用できるように、もう時間との闘いで配慮をしているというつもりでございます。  ですから、現状の制度に何か不備がある、どういうところを直せばいいかということを考えるところまではまだ行っていない、現状の決められていることをどうやってうまく実現できるかということを精いっぱい工夫している段階にあると思っています。
○参考人(川出敏裕君) まず、審判傍聴ですけれども、これ始まってまだ間もないんですが、去年でしたかおととしでしたか、裁判官の方の訴訟研究の報告書が出ておりまして、その中で傍聴について分析がなされているわけですけれども、この傍聴制度を入れるときに、被害者の方が傍聴していると少年が萎縮してしまって十分に発言できなくなるのではないかというようなことが懸念されていたわけですが、その報告書の結果を見る限りは、必ずしもそういう状況は生じていないようです。  実際、本当にそういう状況が生じそうな場合については傍聴を認めないという制度になっていまして、現に何件かそういう例もあったようですから、そこは裁判所がその状況を見て適切に判断されておられるのではないかと思いますので、その意味では、制度そのものを変える必要というのは現時点ではないのでないかと思います。  それから、意見陳述につきましても、これも私が聞いたところでは、例えば被害者の方が審判廷で少年を前にして意見陳述をしたいという申出が、御希望があれば、そういう形をなるべく取るように裁判所の方で配慮しているということのようですので、これもその事案に応じて、その上で被害者の方の御意思を尊重するような形の運用がなされていると思いますので、この点も特に制度として変えるべき状況が生じているというふうには考えておりません。
○行田邦子君 ありがとうございます。  それでは、最後の質問になります。三人の参考人に伺いたいと思います。  少年の犯罪というのは、人員的には減ってきているというふうに承知していますけれども、一方で、再犯といいますか、再非行少年率というのは、率は増えてきているというような統計があります。そこで、三人の参考人に伺いたいと思いますが、少年の再犯防止についてなんですけれども、今回のこの少年法の改正法案が少年の再犯を防止するためにどのような効果がもたらされるとお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(川出敏裕君) 再非行少年率が上がっているというのはおっしゃるとおりで、ただ、これは再犯をする少年が増えているというのではなくて、初犯の少年が減っていて、それで再犯の少年の数はそれほど減らないので、再犯少年率が増えているということなんですが。そういう前提で、再犯を防止するためにどうしたらいいかということなんですけれども、少年審判において行われることというのが直接それに役立つかどうかということからいえば、例えば国選付添人が付いて、審判の中で、先ほど岡本さんから御紹介があったように、それにちゃんと適した活動というのをするようになれば、そこは再犯の防止ということにも役立っていくという意味での関係はあるのではないかと思います。  ただ、再犯の防止という点でいうと、少年審判そのものというよりは、恐らくその後の保護処分を言い渡された場合のその保護処分のやり方とか、あるいは社会に戻った後にまさにその社会がどうフォローするかと、そっちがむしろ重要なのではないかと思います。
○参考人(岡本潤子君) 今、川出さんがおっしゃったこととほとんど重なりますので、違う部分だけを申し上げるとすれば、人間の科学で考えますと、どの社会においても、ある一定数の人間はやはり犯罪を行っているわけです。そういう人を早期に峻別して手厚い処遇をするということでしか、そのことは防げないことだと思うんです。  そのことは、だけど同時になかなか実現しないことです。例えば、子供の初発非行というのは、万引きであったり自転車の占有離脱物横領であったり、そういう軽い事件で家庭裁判所へ係属します。私どもが面接をします。ああ、この子は将来危ないなということが分かっても、そこですぐに大きな重たい処分にするということはなかなか難しいです。手が遅れるんですね、後手に回ります。再犯少年の割合が増えているということを言われて、そのとおり数字では出ているんですけれども、やはり後手に回ってしまうという、そのことがあるなと思っています。  もう一つは、一たび家庭裁判所へ係属する、犯罪を犯した子に対するアフターケアというものが、その人を犯罪から遠ざける方向に向いていないということが言えると思います。それは処遇の中で努力できることもあれば、もう少し違う、社会に対する、国民に対する教育の活動によっても防げることかというふうに思います。
○参考人(大久保巌君) 再犯の防止なんですけれども、やっぱり今回の改正において、結局命の重さ、それを少しはちょっと認識してもらえるんじゃないかという期待はあります。ですから、結局それが再犯に直接つながるかどうかというのは難しいところですけど、一部抑止力にはなるんじゃないかという気はします。それと、検事さんとかが入っていただくことによって、初段階でですね、大事な事実認定を確実にすることによってやっぱり罪の認識、反省につながるんじゃないかとは思っています。  以上です。
○行田邦子君 終わります。