平成26年3月27日 法務委員会
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  私は、まず初めに過去の裁判官の増員について伺いたいと思います。  平成十四年度から平成二十三年度の十年間の増員計画によって六百人の裁判官の増員が行われました。これは、適正、迅速な処理、また複雑かつ専門性の高い事件への対応ということでの増員計画だったと理解していますけれども、この六百人の増員による成果というものをどのように見ていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。○最高裁判所長官代理者(中村愼君) この計画的増員による成果というお尋ねでございます。  複雑困難な専門訴訟事件の審理期間につきまして、平成十二年と平成二十五年を比較いたしますと、医療関係訴訟でいいますと約一年間の短縮、また知財関係訴訟につきましては約半年の短縮という効果が出ているところでございます。また、未済事件のうち二年を超える事件の割合ということで申しますと、平成十二年では一二・四%でございましたけれども、平成二十五年では七・一%ということで、二年を超える未済事件についても減少するという効果が出ているものと考えております。
○行田邦子君 専門性の高い訴訟については審理期間が短縮されたという成果を今おっしゃられましたけれども、それでは、今後について伺いたいんですけれども、司法制度改革の中で弁護士の数が急増をしています。裁判官が十年間で六百人増えている平成十四年度から平成二十三年度、同じ年度を取ってみても、弁護士の数というのは平成十四年度で一万八千八百五十一人だったものが平成二十三年度では三万五百十八人と、これは急増と言ってよいかと思いますけれども、一方で、裁判官の増加というのは同じ十年間で六百人と、非常に緩やかであるということが言えると思います。  弁護士が増加すると、もちろん全ての弁護士が裁判に関わるということではないとは思いますけれども、これだけ弁護士が増加すると事件数というのも増えるのではないかなというふうに思うんですが、数字を見てみますと全体的にはさほど増えていないと。家庭裁判所における家事事件、それから成年後見関係は増えていますけれども、全体的に余り増えていないというような数字になっています。  そこで、弁護士の増加とそれから事件数の関係をどのように捉えて、そしてまた今後の裁判官の増員計画、人員計画というのをどのように計画を立てていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。  弁護士の数につきましては、委員御指摘のとおり、平成十二年から平成二十五年で約二倍ということになっております。他方、民事訴訟事件数ということでいいますと、それほど大きな差がないというのが実態でございます。ただ、弁護士数の増加につきましては、長期的に見ますと事件数の増加要因になるというふうに考えておりますし、また審理の在り方にも影響を及ぼしていくのではないかというふうに考えております。  裁判官の増員につきましては、実際に提起される事件動向を踏まえる必要がございますし、司法制度改革で目標としていました審理期間の短縮、複雑困難な事件に対応するための合議率の向上といった将来の事件動向を踏まえた種々の要素ということを総合的に考慮して、全体としてどの程度の人数の裁判官が必要かということを考えていかなければならないというふうに考えています。その観点で申し上げますと、弁護士の増加比率に応じて裁判官が増員すべきという関係にはないというふうに考えているところでございます。  また、裁判官への増員ということになりますと、裁判官の給源が限られているということ、その資質、能力が一定必要だということがありますので、やはり計画性を持った増員をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。  そういう観点から、なかなか現時点で明確な数字で増員目標ということを申し上げるのは困難なところではございますが、今後ともより一層適切かつ迅速な裁判の実現ということを図っていくために、事件動向を見守りつつ、計画性を持った人的体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 今後、将来的に事件がどのぐらい増えるのかという的確な見通しというのは非常に難しいとは思いますけれども、更なる適切、迅速な処理、また、これから更に複雑かつ専門性が高い事件も増えてくるということが予測されますので、それへの対応としての量の確保がどうあるべきか、そして、それだけでなく、質の確保ということも踏まえながら人員計画を考えていただきたいというふうに思います。  今回の増員につきましては、判事は三十二人増員ということでありますけれども、判事補は増員をしないということであります。これはどういうことなのかというのを伺いたいんですけれども、まず、なぜ判事補を増員しないのか、お答えいただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。  今回判事補の増員を行わなかったということにつきましては、採用数の現状や今後の採用数の見込み等考慮いたしまして、今回の増員につきましては、即戦力となる、すなわち事件を一人で全て処理できる判事を三十二名増員することが適切であるというふうに考えた結果でございます。
○行田邦子君 即戦力ということでの判事の増員と。判事補の増員は行わないということなんですけれども、これまでの判事、判事補の現在員、実際の数ですね、員数について見てみますと、平成十六年では判事補は八百四十人、平成二十五年度では八百四十八人と、ほとんど増えていない、判事補の数はほとんど増えていないという状況です。一方で、判事の方は、同じ平成十六年で千四百六十八人、それが平成二十五年度では千八百四十六人と、これはもう着実、確実に増えているわけでありますね。  今後も判事は増やすけれども判事補は増やさない、定員を増やさないということを続けていくと、恐らく裁判官の平均年齢というのはどんどん高くなっていって、少し頭でっかちというか、上の部分のボリュームが高くなっていくんではないかなというふうに思うんですけれども、これは一般的には組織としては、これをこのまま続けていくと、アンバランス、バランスを欠くのではないかなということも危惧していますし、また若手の裁判官を育てるという意味でも、やはりこの計画というのはなかなか難しいとは思うんですが、いつかは、判事補の増員ということも近い将来考えていくべきではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 判事補から判事ということになりますと、十年を経過して判事にふさわしい能力があるという者を判事に任命しているところでございまして、一方で定年退職する裁判官がおるわけですので、全体として頭でっかちとなるというよりは、むしろ平行移動していくという形で、必ずしも年齢が高くなっていくということではないというふうに思っております。  判事補の採用数につきましては、平成四年までの十年間でおおむね毎年七十名ということだったんですが、平成五年以降は毎年百名程度採用しているところでございます。  判事補の定員につきましても、平成五年には六百二十八人でありましたが、その後三百七十二人の増員をいただきまして千人ということで、毎年約百人前後の判事補を安定的に採用できるという状況になっているところでございます。  判事補の採用につきましては、その資格要件等がございますし、また弁護士の志望する人がいるということもありまして、なかなか採用数というのが、これまでの百人前後ということが安定的に続いてきているという状況にあろうかと思います。  そういう観点で申し上げますと、今後の増員という中で判事補ということも考える余地はあると思いますけれども、当面の観点でいいますと、やはり即戦力である判事ということを増員していきたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 今判事補の増員ということで質問させていただきましたが、昨年の十二月、年末に司法修習を終えた修習生のうち九十六人が今年一月の発令ということで判事補に採用されています。そのうちの三十八人が女性ということです。この率というのは、女性の占める割合が三九・五八%、約四〇%が女性だったということなんですけれども、これによって裁判官の女性の割合というのは過去最高になるというふうに聞いておりますけれども。  そこで伺いたいんですけれども、女性の採用についての考え方と、またその女性の割合が増えた要因というのは何なんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。  今年一月に六十六期修習生から裁判官に任官した女性の割合に関する数字は、委員が今おっしゃられたとおりでございます。  私どもといたしまして、新任判事補の採用に当たりまして男女別で何か基準を設けることはしておりませんが、裁判官としてふさわしい人につきましては、男女を問わずできる限り任官してもらいたいと考えているところでございます。  今年一月に女性の新任判事補が多かったことの原因ということのお尋ねでございますけれども、私どもの方で思いますのは、多くの女性修習生が実務修習等を通ずる中で、あるいは、先ほども御答弁させていただきましたが、法科大学院に派遣しております裁判官教員に触れる中で、裁判官の職務をやりがいのあるものとして希望してくれた結果ではないかと見ておるところでございます。
○行田邦子君 司法修習を終えた司法修習生のうち女性の占める割合よりか、この今回の判事補発令がなされた女性の割合というのは高いというふうに聞いておりますけれども、ただ、特に女性を増やそうという意図はない、意図的に何かやったわけではないということでありました。むしろ自然体で増えていったということは非常に好ましいことではないかなというふうに思っております。ただ、判事補に今年一月に発令がなされた方、約四割ですけれども、その方たちが継続的に裁判官として任務を遂行できるように、そういった環境整備というのも整えていただきたいなということをお願いを申し上げて、次の質問、最後の質問に移らせていただきます。  大臣に伺いたいと思います。これまで司法制度改革の中で様々なことが行われてきたわけでありますけれども、その中で法曹人口の拡大ということがなされてきたわけであります。司法制度改革の方針に基づいて、司法試験合格者数を年間三千人であるとか、法曹人口を五万人にするといった具体的数値の計画が出されていたわけでありますけれども、昨年の七月の関係閣僚会議の決定で、この三千人というのは現実的ではないということで事実上撤回をするというに至ったわけでありますけれども、そこで大臣に伺いたいんですが、適正な法曹人口というのをどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 行田委員がおっしゃいますように、司法改革の過程の中で三千人の合格者を目標とすべきであるという方向が出まして、これは、これから事件数、いろいろ専門性も高まっていくだろう、いろいろ事件数も増えていくだろう、そういう中で、日本は人口当たりの法曹比率も非常に低い、せめてフランス並みと、あの当時はそういう議論だったと思いますが、そういう目標を立てると毎年三千人ぐらい輩出して五万人というか、その辺りを目標とすべきであるということになったんだと、当時を振り返ってそのように理解しております。  しかし、その後、今委員が指摘もされましたように、なかなかその三千人、司法試験合格者がやってみると出ない、二千人をちょっと超えるぐらいでとどまっているというような、なかなか法律家として認定するだけの数の方がそこまで、三千人育たなかったという、ここはちょっとなかなか表現が難しいんですけれども、司法試験管理委員会はそのような御判断をされているんだろうと思います。  それから、加えまして、事件数も必ずしも伸びているわけではない。それから、研修所を出まして弁護士に、事務所に登録しようとしても、なかなかそこも難しくなっているとか、いろんなことが積もりまして、三千人を目指すのは現実的ではないということで、今おっしゃった閣僚会議でもそのようなことになっております。  したがいまして、どういう辺りが一番適切なのであるかということも整理をしていかなければならないわけですが、これは今、内閣官房法曹養成制度改革推進室で必要な調査を行って、その結果を二年以内に公表しようと。これは先ほどおっしゃった閣僚会議の決定に基づいてそういうふうになっております。今その作業を進めているところでございますので、私は推進会議の一員でもあるわけでございますが、その調査結果が出ることをまずは待とうと、このように考えております。
○行田邦子君 時間ですので、終わります。