平成25年12月6日 経済産業委員会
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。
会期末になりまして、大久保前委員長が解任されるという残念な結果となりました。大久保前委員長は、これまでも当委員会の円滑な委員会運営に努めてこられたと承知をしておりますし、そしてまた、この度の国会運営につきまして、野党の立場として様々、私自身思うところはありますけれども、こうして北川新委員長の下、経済産業委員会、当委員会がこれまで以上に更に一層、経済産業の様々な諸問題について議論を深めて、また円滑な委員会運営がなされることを期待を申し上げまして、質問に移りたいと思います。
この法案でありますけれども、足掛け四年という年月でようやく審議に入ることができました。これまでの質問と若干重複するかもしれませんけれども、御了承いただきたいと思います。
まず初めに、この現行制度の前の審判制度について質問させていただきたいと思います。
平成十七年に改正がなされまして現行の審判制度は続いているわけでありますけれども、この平成十七年の改正以前の事前審判制度なんですが、これが事前審判制度は不服審査型に変わったわけでありますけれども、そのときに事前審判制度のどういった点が問題とされたのでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
委員御指摘のように、二〇〇五年、平成十七年の改正以前は、審判制度は事前審査型審判方式でございまして、その措置を命ずる前に審判制度があるという形でございました。この事前審査型審判方式につきましては、審判審決が出るまで排除措置命令を命じられないことから、早期に競争状態を回復できないこと、審判手続を経て課徴金の納付が命じられることから、課徴金の納付を先送りするために審判手続で争うという誘因が生じること、さらには、入札談合事案の場合におきましては、公正取引委員会の処分に伴って発注官庁による指名停止が行われることが多い状況におきまして、審判手続を経て処分がなされることになりますことから、指名停止を受ける時期をこういった形でコントロールするために審判手続において争うという、こういった誘因も生じるという問題が指摘されておりました。
こうした問題を踏まえまして、二〇〇五年、平成十七年の改正におきましては、不服審査型審判方式へ変更を行ったというふうに考えております。
○行田邦子君 事前審判制度から不服型の現行制度に変わって、そして、先ほどの御答弁で事前審判制度の問題点、主に二つ、二点御指摘がありましたけれども、一つは早期の競争状態の回復がなかなか難しかったということ、それからまた、談合案件などについては、意図的に引き延ばしのための審判が行われるといった問題点であったと思いますけれども、こうした点について、現行の審判制度で一定程度解消されたという認識でよろしいかどうか、その点。
そしてまた、もう一つ併せてお答えいただきたいんですけれども、本改正案によって処分前手続が充実されることとなります。例えば、証拠の閲覧ができたり、また自社証拠の謄写、コピーができたりと。それからまた、意見申述は現行制度では原則書面でありますけれども、それが口頭になって、また、質問もできるといった充実がなされるわけでありますけれども、このことによって、逆に処分の迅速性というのが保たれないのではないかといった懸念もありますが、その点、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 二〇〇五年、平成十七年の独占禁止法の改正におきましては、審判手続、審判制度を今申し上げましたように不服審査型に見直したものでございます。これによりまして、先ほど申しましたいろいろな問題点のうち、処分の早期化、審判制度を経ずに処分ができるということで処分の早期化が図られましたし、さらには、審判開始比率の減少、審判開始比率が旧制度におきましては約二〇%でございましたのが、これが一〇%ぐらいにまで減少しております。そういった審判開始比率の減少、こういうことが見られまして、当該法改正時に期待された一定の成果は上がったものと考えております。
それから、意見聴取手続の件でございますが、本改正法案におけます意見聴取手続は、今般の審判制度の廃止に伴いまして、従来は審決において示していた公正取引委員会による最終的な判断が排除措置命令等において示されること、及び適正な手続の確保の観点、こういったことから、処分前に相手方の事業者の主張を一層よく聴いた上で適切に排除措置命令、課徴金納付命令等を行うため、新たな処分前の手続として整備しようというものでございます。
一方、競争状態の早期回復という、こうした公益の観点からは、意見聴取手続を迅速に進めていく必要がございますため、実際の運用に当たっては、処分の迅速性の要求に十分配慮しつつ、意見聴取手続が適正に行われ、不要に長期化しないようには努めていく必要があると思っておりまして、そういった努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。
この独禁法は、平成二十一年にも改正がなされていますけれども、そのときには審判制度については改正がなされませんでした、見送られました。一方で、その平成二十一年の改正の際には、附則の二十条第一項、そしてまた、衆参での委員会で附帯決議といったものがなされました。この国会への意思を踏まえまして本法案の提出となったと承知をしておりますけれども、そのときにどのような点が問題とされたのでしょうか、どのような問題意識が指摘されたのでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
公正取引委員会では、従来から公平中立な事前審査型審判制度の運用に努めてきたところでございますが、平成十七年、二〇〇五年の独占禁止法改正で、独占禁止法の執行力が強化されました。各種の課徴金の増額だとか、それから課徴金減免制度の導入とかがございましたが、こういうことを背景に、同年の法改正によりまして、不服審査型審判方式へ移行した審判制度の公正さの外観に対する経済界等の批判が強まることになったものと考えております。
また、平成二十一年、二〇〇九年の独占禁止法改正法の附則第二十条第一項におきましては、審判手続に係る規定につきまして全面にわたって見直すものとされまして、さらに、この改正法の附帯決議におきまして、現行の審判制度を現状のまま存続することや、平成十七年改正以前の事前審判制度に戻すことのないよう、審判制度の抜本的な制度改正を行うこととされたことによりまして、制度変更の現実的な選択肢は限定されたところでございます。
こうした状況の下で公正取引委員会の審判制度が存置される限り、審判制度の公正さの外観に対する経済界等の不信感を払拭することは困難な状況であると考えられたため、審判制度廃止の判断に至ったものでございます。
○行田邦子君 今御説明いただきましたけれども、現行の審判制度というのは公正取引委員会が検察官と裁判官を兼ねる不公正であるといった指摘がなされていますけれども、一方で、この現行制度の良い点というのもあるかと思います。
その点、公正取引委員会としてはどのように認識されていますでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 公正取引委員会が検察官役と裁判官役を兼ねておりまして、公正さの外観を欠いているという批判は、平成十七年の独占禁止法改正により公正取引委員会が行った行政処分に不服のある場合に行う不服審査手続として導入された不服審査型審判方式、いわゆる事後審判方式についてなされているものでございます。
この事後審判方式は、平成十七年改正前の事前審査型の審判方式、いわゆる事前審判制度におきまして処分の遅延や制度の趣旨に伴わない審判の生じる誘因がありまして、審判件数の増加により違反行為に対する十分な抑止力の確保に支障を来すことが懸念されたことを踏まえて導入されたものでございます。これは先ほど御答弁させていただいたとおりでございます。
すなわち、現行事後審判制度は、公正取引委員会の調査の結果、独占禁止法違反行為があると認める場合、事前手続を経て審判を経ずに排除措置を命ずることから、早期に競争状態を回復することができます。さらに、入札談合事案の場合に、公正取引委員会の処分に伴って発注官庁による指名停止が行われることが多い状況におきましては、審判前に処分がなされることから、指名停止を受ける時期をコントロールするために審判を行うという誘因が生じない、こういうメリットがあると考えられるわけでございます。
実際、事後審判制度導入後には、早期に処分がなされるとともに、先ほど申しましたように、審判の件数が減少するなど一定の成果があったと評価されているところもございまして、そういう点が事後審判制度のメリットであったと考えておるところでございます。
○行田邦子君 これまで、二〇〇五年から、平成十七年から不服型の現行の審判制度を重ねていくことによりまして、公正取引委員会においては専門的知見が蓄積されているというふうに思います。
今回の法改正が成立すれば、現行の審判制度が廃止されて、そして東京地方裁判所に直接取消し訴訟を提起する方式になるわけでありますけれども、ここで私が確認させていただきたいのは、それでは、これまで公正取引委員会におきまして蓄積された専門的な様々な知見を東京地裁によってどのように蓄えていくのか、そしてまたどのような体制を整備していくのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
今回の改正法案が成立しました場合には、東京地方裁判所において、第一審の裁判管轄を東京地方裁判所に集中させて専門的知見の蓄積を図るというこの改正法の趣旨を踏まえまして、その施行までの間、これは裁判所を構成する単位でございます部のうちの特定の部に事件を集中的に割り当てるなどし、当該部のみが公正取引委員会の処分に対する抗告訴訟などを審理することを検討するなど、専門的な処理体制の確保に努めますとともに、独占禁止法事案の審理の在り方についても検討していくものと承知しております。
○行田邦子君 是非、公正でまた適切、そして迅速な手続が行われるように期待をしたいと思います。
そして、最後の質問になります。大臣にお伺いします。これまで経済団体などから指摘をされていることでありますけれども、行政調査の適正性の改善についてであります。
被調査者の防御権を確保するという観点から、立入検査やまた供述調査等の調査において弁護士の立会い権、そしてまた弁護士と依頼者間の秘匿特権についてなんですけれども、こうしたものを確保するべきであるといった指摘がなされていますけれども、今回の改正案にはそういった規定が盛り込まれませんでした。あくまでも検討規定ということでありますけれども、今後どのようにこの点について検討していくのか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、経済界また弁護士会等から、被調査者の防御権の確保、手続保障という点から立入検査等の要望が出ております。
今回の改正案では、附則において、附則十六条の規定で本法案の成立後検討を行うというふうにいたしております。もちろん、その被調査者の防御権の確保は非常に重要ですけれども、他の行政調査手続との関連ですとか、また我が国の司法制度全般の考え方等も関連する問題であり、また公正取引委員会の実態の調査権といいますか、真実を解明するという問題、能力についても関連がするかと思っております。この検討の場については、公正取引委員会の実態解明の機能の確保、被処分者の防御権の確保のバランスを勘案しながら十分に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 終わります。