平成25年12月3日 経済産業委員会
○行田邦子君 みんなの党、行田邦子です。
前回の質疑におきまして、私は、官民ファンドと、そしてベンチャー投資の促進について主に質問をさせていただきました。補足説明をさせていただきたいと思います。
前回の質問で私は、官民ファンドについて、行政の関与によって公的資金を投入するわけでありますので、その運営というのはしっかりとした規律をもってなされるべきであるということ、そしてまた、行政が介入する投資案件というのはどうしても、特に長期にわたる投資案件であればあるほど責任の所在が曖昧になってしまいがちですので、官民ファンドという手法には過度に依存することへの懸念を表明させていただきました。
一方で、ベンチャー投資の促進策として、企業がベンチャーファンドに投資をする、その投資額の一部を損金算入できるという策が本法案に盛り込まれていますけれども、これについて私は優れた政策であると評価をさせていただきました。
なぜならば、税制の特例措置でありますので新たに国の予算を必要とはしません。そしてまた、税額控除ということではないので、厳密に言えば減税ではなくて損金算入と、税の繰延べであるということから評価をさせていただきました。
このように、国の予算規模を肥大化させることなく民間投資を促す環境整備というのは、私はもっと要件を緩和してもよいのではないかと考えたわけであります。官民ファンドを限定的にするということと、企業のベンチャーファンドへの投資の損金算入の対象を広げるということの双方を主張するというのは矛盾するものではないというふうに考えております。
質問に移りたいと思います。
まず、大臣に伺いたいと思います。産業の新陳代謝に関連しての質問であります。
本法案では、事業再編の促進ということと、それから百三十五条に雇用の安定の努力義務が、両方が盛り込まれていますけれども、事業の再編を促進するというと、どうしてもそのままの雇用を維持するということはなかなか難しくなると思います。
そこで、事業再編の促進と雇用の安定をどのように両立できるとお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 我々としては、事業の再編、そしてまた雇用の安定、拡大、これは両立できるものであるし、また、していかなければいけない、そんなふうに思っているところであります。
日本におきましては、今、過小投資、そしてまた過当競争、こういう問題を抱えておりまして、産業の新陳代謝を進めていかなきゃならない。この法案の中にもその仕組みを盛り込んでおります。これによって新しい事業、さらには新しい産業というものが生まれてくるわけであります。企業の中から新しい文化を持った事業等がカーブアウトされる、スピンオフする、こういったものが生まれてまいります。同時に、雇用にしても、一つの企業にとどまっているのではなくて、失業なき労働移動、こういった形で新しい分野、新しい事業に雇用の方が移動していくということが極めて重要だと考えております。
少子高齢化社会が進む、そして労働力人口が減る中で、優秀な日本の人材というのが一番活躍できる場所で活躍できるような環境をつくっていく、こういったことが極めて重要だと我々としては認識をいたしております。
○行田邦子君 ありがとうございます。
私も今の大臣の御答弁、全く同感であります。
そこで、今日は厚生労働省に来ていただいていますので伺いたいと思います。先ほども大臣から失業なき労働移動ということがおっしゃられましたけれども、それに関連して質問をいたします。
事業再編等によって離職を余儀なくされる労働者の失業予防、また再就職支援というのは、これは私は雇用主の責任として努めていかなければならないと、これが前提であると考えています。しかしながら、このことが事業再編の足かせとならないよう政府としてもやはり策を講じるべきと考えますけれども、具体的な策はどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(内田俊彦君) お答えいたします。
日本再興戦略におきましても、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換により失業なき労働移動の実現を図るとしているところでございまして、現在、労働移動支援助成金を拡充する等の施策を検討しているところでございます。
御承知のとおり、労働移動支援助成金は、事業規模の縮小等に伴いまして離職を余儀なくされる労働者等の円滑な再就職実現を図るために、その再就職支援を民間の職業紹介事業者に委託した事業主に対して委託費用の一部を助成するものでございますが、具体的には、現在、この労働移動支援助成金につきまして、対象を中小企業だけではなくて大企業に拡大し、また送り出し企業が民間人材ビジネスの訓練を活用した場合の助成措置を創設するほか、助成金の支給時期を支援委託時と再就職実現時の二段階にする、さらに受入れ企業の行う訓練への助成措置を創設する等の拡充を検討しているところでございます。
平成二十六年度概算要求におきまして三百一億円を計上しているところでございます。
○行田邦子君 労働移動支援助成金の拡充ということで、これは産業の新陳代謝を促していく、そしてそのための失業なき労働移動ということにうまく呼応した策ではないかなというふうに私は評価をしたいと思います。
そこで、この労働移動支援助成金について伺いたいんですが、この助成金はいわゆる非正規雇用者、有期直接雇用、またパートタイム労働、そして派遣労働者と、こういった非正規雇用者も対象となるのでしょうか。
○政府参考人(内田俊彦君) 先ほど申しました労働移動支援助成金は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者等に対してその再就職を実現するための支援、これを民間の職業紹介事業者に委託した事業主に対して助成するものでございますけれども、この助成金におきます対象の労働者は、事業主が作成する再就職援助計画等の対象になっている雇用保険被保険者ということになってございます。
パート、アルバイト、契約社員、派遣労働者といったいわゆる非正規の労働者につきましても、この要件を満たせば本助成金の支給対象になるものでございます。
○行田邦子君 雇用保険の対象者であれば対象となるということですけれども、有期直接雇用、またパートタイム労働の場合は、パートタイム労働、週二十時間以上の労働者の場合は恐らく適用されるんだろうと思っていますけれども、やはりどうしても、事業再編のような局面におきましては、教育機会が十分に与えられていない非正規雇用者から先に人員調整がされがちであります。雇用の流動化に対応してしっかりとした職業教育、職業訓練ということを充実をさせていく、セーフティーネットを敷くということは国としても整えるべき、重要であると思っておりますけれども、私は、それだけではなくて、今、雇用制度の転換が求められているというふうに考えています。
かつては、終身長期雇用、また年功序列といった日本型の、日本的な雇用慣行が、人口が増える、また高い経済成長という中ではうまく機能していたわけであります。けれども、様々な環境変化によりまして、このような日本的雇用慣行を維持するには正社員の数を減らさざるを得ない、そしてまた非正規雇用者が増えていくという二極構造になってしまっています。また、見方を変えますと、正社員は、日本的雇用慣行の下では、新卒で入社したまんまそこに居続けるという、その後、新たに自分の能力を発揮できるような職場が、可能性があったとしてもなかなか移りにくいというような、逆に働く人の選択肢が狭められてしまっているとも言えます。
先ほど大臣がおっしゃられたように、人材がより成長が見込める産業へと移動しやすくする、また働く人が自身の能力をより生かせる職場へと移動しやすくする、そのような日本的雇用慣行の見直しを今すべきと考えています。そのことが、労働者にとっても、また企業にとっても、そして産業競争力の強化という視点でも望ましいと思っています。そのためには、入社年次や年齢といった属人主義の評価から職種ごとの、職務内容を明確化して職務による評価、つまり職務主義の評価に転換していくべきと、そのことが正規、非正規雇用の問題の解消にもつながっていくと考えています。
このような議論が産業競争力会議でも行われていたのでありますけれども、残念ながら、全体としてのまだ雇用改革の姿というのが見えてきておりません。
政務官、ちょっと申し訳ないんですが、質問を飛ばさせていただきます。
最後の質問になります。産業の新陳代謝につながる事業の再編などの経営判断を促す方策として、コーポレートガバナンスの強化ということが言われています。
大臣に伺いたいと思います。社外取締役の導入ということが、様々な議論がなされて、法案も出されたようでありますけれども、産業の新陳代謝につながる事業の再編を促す方策としての社外取締役の導入ということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 適正な経営判断を行い、それによって産業の新陳代謝を進めるためには、コーポレートガバナンスの強化、極めて重要でありまして、社外取締役の導入を促すこと、これは有効であると、このように考えております。実際、六月に作りました日本再興戦略におきましても、独立性の高い社外取締役の導入を促進するための措置を講ずるなど、少なくとも一人以上の社外取締役の確保に向けた取組を強化する、そういった措置が盛り込まれたところであります。
これを受けまして、先月、十一月の二十九日に、社外取締役を導入しない企業に対して導入しない理由の開示を義務付けると、こういったことを内容とします会社法改正案を閣議決定し、今国会に提出をしたところであります。この改正案では、社外取締役を入れない企業は、なぜその企業にとって社外取締役を入れることが相当でないのか、毎年の株主総会で説明することとなっております。
この改正案が成立をいたしますと、各企業は、きちんとした理由がない限り社外取締役を導入することが期待をされるわけであります。そうなりますと、社外ならではの専門性であったりとか、社内のこれまでのしきたりとか古い考えにとらわれない社外取締役が経営に参加する、参画することによって、経営者の思い切った、そしてスピーディーな判断が促され、産業の新陳代謝、一層進むものと期待をいたしております。
○行田邦子君 法案が出されて、その中では、社外取締役を置かない場合は株主総会などで説明するというようなことになっているようでありますけれども、私は、それだけではなく更に踏み込んで、やはり上場企業等への社外取締役の設置の義務付けということも早期に検討すべきであると、そのことが、産業の新陳代謝につながる事業の再編を自ら企業が判断し、また実行できる体制、つまりコーポレートガバナンスの強化につながるというふうに考えております。
少し時間が余りましたが、終わらせていただきます。
 
 
○委員長(大久保勉君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
産業競争力強化法案の修正について行田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。行田邦子君。
○行田邦子君 ただいま議題となりました産業競争力強化法案に対する修正案につきまして、みんなの党を代表いたしまして、その主な内容を御説明申し上げます。
第一に、国は、規制の見直しを行うに当たっては、産業競争力の強化を阻害することのないよう配慮しなければならないことを追加することとしております。
第二に、新事業活動に関する規制の特例措置の整備等に関する規定を削除することとしております。
第三に、政府は、この法律の施行後三月以内に、株式会社に社外取締役の選任を義務付けることについて検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとすることとしております。
第四に、政府は、この法律の施行後一年以内に、株式会社の業務の適正を確保するための体制の強化に係る方策及び雇用に関する規制の緩和について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとしております。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(大久保勉君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○行田邦子君 私は、みんなの党を代表いたしまして、衆議院送付の産業競争力強化法案に反対の立場で討論をさせていただきます。
本法案は、アベノミクス三本目の矢、成長戦略を実行するために重要な法案と位置付けられています。みんなの党といたしましても、本法案の柱となっている規制改革と産業の新陳代謝は極めて重要であるとの認識を共有していますが、本法案は残念ながら施策の実効性が十分に担保されているとは言えません。
まず、規制改革の目玉として企業実証特例制度が盛り込まれていますが、規制改革を実現する枠組みとして機能するか疑問を感じます。一企業からの申請について、事業所管省が規制所管省と協議をすることによって規制特例が認められるとのことですが、事業所管省と規制所管省が同一の場合、例えば医療法人からの医療の規制特例、通信事業者からの通信の規制特例、飲食業からの食品衛生の規制特例、建設業からの建築基準の規制特例等々、正当の理由があるとのことから崩さずに来た規制を容易に解除するとは考えられません。
また、規制の特例措置を講じた後、適用状況を見て検討を加え、全国展開するとのことですが、どれぐらいの期間で規制撤廃がなされるのか曖昧であり、特定企業のみに優位な状況が続くことも考えられます。
このような規制改革の実効性に不明な点が多い本制度を採用せずとも、国家戦略特区を柔軟に運用することで先端的な取組に関する規制改革という目的を果たせると考えます。
次に、産業の新陳代謝についてです。
本法案には、企業がベンチャーファンドに投資した一部を損金算入できるという施策が盛り込まれていますが、対象となるベンチャーファンドが限定され過ぎており、所期の目的を達成するには十分ではありません。事業拡張期のベンチャー企業に投資するファンドに限定せず、また小規模ながらもイノベーションを起こすベンチャーを支援するファンド等が対象から漏れないよう、間口を広げるべきと考えます。
さらに、本法案には、政府は、事業再編の実施の円滑化のために必要があると認めるときは市場構造等の調査を行い、公表する規定が盛り込まれていますが、事業の再編はあくまでも企業の自主判断によって行われるべきであり、官が過度に介入することは慎むべきであります。
むしろ政府が行うべきことは、企業が事業の再編を自ら判断し実現することを困難としている要因を取り除くためのルール変更であります。すなわち、上場企業等への社外取締役義務付け等コーポレートガバナンスの強化であり、個々の働く人が能力を発揮し、その人材を産業競争力に生かす雇用制度の見直しでありますが、残念ながらこれらへの取組は十分ではありません。
以上の理由から、産業競争力強化法案には反対であることを申し上げて、私の討論とさせていただきます。