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「学術の動向」8月号に論文が掲載されました

2017年08月31日

「学術の動向」8月号に私の論文が掲載されました。本論文は、昨年10月に開催された日本学術会議主催の公開シンポジウム「202030は可能か~『女性活躍推進法』の実効性を問う」にパネリストとして参加させて頂いた際の内容をまとめたフォローアップ的な論文です。以下全文です。

『学術の動向』8月号特集企画
202030は可能か -「女性活躍推進法」の実効性を問う

参議院議員 行田邦子

「政治分野における男女共同参画推進法」制定を目指して

はじめに
2003年、内閣に設置される男女共同参画推進本部は「2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるように期待する」と明記した「女性のチャレンジ支援策の推進について」を決定し、いわゆる「202030」目標を掲げた。次いで2010年12月に策定された第3次男女共同参画基本計画では、国家公務員、国の審議会といった政府が取り組むことが出来る分野のみならず、政治・経済分野にも対象を広げて具体的な数値目標を設定するに至った。
本稿では、「政治分野における202030」について、立法府においてどのような取り組みがなされているのか、我が国の現状や諸外国の取組み状況と併せて、筆者が事務局長を務める超党派「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」における活動を紹介することにより、立法府の現場からのご報告とさせて頂く。

Ⅰ.「政治分野における202030」と現状
1.政治分野における202030
政府は、2010年12月に策定した第3次男女共同参画基本計画において、政策・方針決定過程への女性の参画は極めて低調であり、特に、政治分野における女性の参画の拡大は重要であることから、目標数値をもって、政党等に積極的な取組みを促すなど働きかけを行う方針を明記した。具体的には、政府として達成を目指す目標として、衆議院議員、参議院議員の候補者に占める女性の割合を平成32年(2020)までに30%とする「政治分野における202030」を示したのである(1)。政党等の自主性・自律性が重んじられる分野において、政府が数値目標を示したことは画期的であったと言える。

2.国政選挙における女性候補者の割合
衆議院議員総選挙においては、中選挙区制に代わり小選挙区制・比例代表制が導入された平成8年(1996)の第41回総選挙以降、これまで一桁を超すことのなかった女性候補者の割合が二桁に転じ、平成21年(2009)の第45回総選挙における16.7%が戦後最高値、次いで直近に行われた平成26年12月の第47回総選挙の16.6%が2番目となっている(2)。(図1参照)
参議院議員通常選挙においては、昭和55年(1980)の第12回通常選挙で6.3%だった女性候補者の割合は、拘束名簿式比例代表制を導入した昭和58年(1983)の第13回通常選挙の12.8%以降順調に伸びを示し、平成13年(2001)の27.6%が戦後最高値、直近選挙である平成28年7月に行われた第24回通常選挙の24.7%が次いでいる(3)。(図2参照)
いずれにしても国政選挙における女性候補者の割合は、現状では衆参ともに30%の目標に達していない。2020年までに衆議院議員総選挙は少なくとも1回は行われ、参議院議員通常選挙は2019年の1回のみであるが、特に、前回16.6%が戦後2番目に高い割合である衆議院議員選挙においては、積極的な取組みを行わないままでの30%の目標達成は困難であると考えられる。

3.国政選挙における男女別当選率
「政治分野における202030」の目標設定は、議員に占める割合ではなく、あくまでも候補者に占める女性の割合である。戦後我が国の過去及び現在の選挙制度を踏まえれば、目標値を議員ではなく候補者に置くことは合理的と考えるが、候補者に占める女性の割合と議員に占める割合にはかい離があることに留意しなければならない。衆議院議員総選挙において、小選挙区制・比例代表制が始まった第41回から第47回までの男女別当選率平均値を見ると、男性39.6%に対し女性21.1%、参議院議員通常選挙において、非拘束名簿式比例代表制が導入された第19回から第24回までの同じく値は、男性32.7%、女性21.9%と、いずれも女性の当選率は男性を下回っている。
特に、衆議院小選挙区における女性の当選率は過去7回の平均値が10.5%と顕著に低くなっており(4)、このことは後述する通り、選挙制度と有権者が候補者(及び国会議員)に求める政治活動内容に起因することが推測される。

 

Ⅱ.諸外国との比較
1.諸外国議会の女性議員比率
上述の通り、国政選挙での女性の当選率は男性を下回っているため、我が国の国会における女性議員比率は候補者比率よりさらに低くなり、衆議院では9.3%、参議院では20.7%である(5)。この比率を諸外国と比較すると、衆議院は193か国中164位、参議院は77か国中41位、さらに、OECD加盟国35か国中、衆議院の女性議員比率は最下位である(2017年3月現在)(6)。

2.クオータ制の導入状況
諸外国では、女性議員を増やすための様々なポジティブ・アクションが取り入れられているが、その中でも高い効果が見込まれる手法とし注目されているのが、性別を基準に一定の人数や比率を割当てるクオータ制である。本稿では、クオータ制の、諸外国での導入状況と国会における女性議員比率(以下、女性議員比率)に着目してみた。
国会における女性議員比率上位19位21か国において、クオータ制は3位のキューバと10位のフィンランドを除いて全ての国で導入されており、極めて高い導入率となっている(7)。逆に、クオータ制を導入せずに高い女性議員比率を得ている2か国に関心を寄せてみると、キューバにおける議員選出は、共産党によって選ばれた候補者に対する信任投票であり、キューバ共産党は公式にはクオータを否定しているが、実際には候補者の男女比を大きく考慮していることが報告されている(8)。また、フィンランドは1906年、世界で最初に女性に選挙権と被選挙権を与えた国であり、女性運動の活動が活発であり女性の投票率が男性を上回るという、クオータ制を導入せずとも女性議員比率が高まる歴史的社会的背景があると考えられる(9)。
OECD加盟国35か国を見ると、29か国においてクオータ制が導入されており、特に、1995年から2017年の間に女性議員比率を15%以上伸ばした13か国全ての国においてクオータ制が導入されていることは注目に値する(10)。クオータ制の導入と女性議員比率増との相関が一定程度見てとれる。

3.クオータ制の形態
クオータ・プロジェクトの調査によると、クオータ制は111か国・地域で導入されているが、その形態は法制化の有無と規制の対象という2つの基準により分類することが出来、諸外国の実際の事例は3類型に大別される。
一つ目は、「法律型議席割当クオータ」である。特定の性別に対し、あらかじめ一定の議席割合を確保することを憲法や法律に定めるクオータ制で、国政選挙に導入している国は24か国・地域となっているが、その多くはアフリカ及びアジア諸国であり、代表例として、女性議員比率が世界1位のルワンダや急速に女性議員比率を伸ばしている台湾が挙げられる。
二つ目として、各政党が擁立する公認候補者の性別比率をあらかじめ定めることを法律で規定する「法律型候補者クオータ」が挙げられる。こちらは55か国で採用されており、代表的な国としてフランス、韓国などが挙げられる(11)。パリテ(男女同数制)の概念が普及するフランスは、1982年、1999年の憲法院による違憲判決を踏まえ、パリテ条項を加える憲法改正を経て、パリテ法が制定されるという紆余曲折を辿っていることが知られている(12)。
三つ目の類型は、候補者における性別比率について、法制化はされていないが、政党等の規約類において自発的に定められている「政党型クオータ」であり、導入している政党がある国は32か国とされている。代表例としては、緑の党による導入を皮切りに主要政党にも拡がったドイツ、労働党によって導入されたイギリスなどが挙げられる。なお、イギリスにおいてはクオータ制の手法である女性限定リストが性差別禁止法違反であるとの判決を受けて、政党の候補者選定に関する事項を除外する同法の改正を行っていることを附記しておきたい(13)。

 

Ⅲ.我が国の立法府での取組み
1.「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」の設立
我が国の女性議員比率は僅かずつではあるが伸びを見せているものの、諸外国と比して極めて低調であり、事態の改善に向けて立法府としての取組みが急務である、との共通認識のもと2015年2月26日、超党派の国会議員により「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」(以下、議員連盟)が設立された。議員連盟には2017年6月現在、60名の衆参国会議員が加入し、役員会には全ての政党・会派から少なくとも1人が参加し、議員連盟と政党・会派との調整役を担って頂いている。筆者は議員連盟の設立以来、事務局長を務めておりその活動を知る立場から、これまでの議員連盟での取組みについて、法案策定を中心に紹介させて頂くこととする。

2.議員連盟での法案策定
議員連盟では設立以来、研究者や企業経営者、諸外国の閣僚や議会代表者、国際的研究機関等からのヒアリングや意見交換を精力的に実施すると同時に、議員連盟内に設置されたワーキングチーム(以下、WT)において、議員立法の検討・策定作業を行ってきた。WTには9人の国会議員に加えて、上智大学法学部教授の三浦まり氏にも参加して頂き、政治学者のお立場から貴重なご助言を頂いた。
まずWTでは、立法を検討するに際して、次の3点について認識を共有することから始まった。①立法の目指すところは、法律で政党等にクオータ制などポジティブ・アクションを義務付けるものではなく、女性の候補者擁立など政党等による自発的な活動を促すための環境整備であること(法律型クオータではなく、政党による自主的取組みの推進)。②憲法との整合性に留意すること。具体的には、国政選挙における性差別の禁止(44条)、性別による差別の禁止の解釈の一つとして、男性候補者への立候補権侵害・逆差別、女性候補者・当選者のスティグマ(14条1項)、政党の自律権、結社の自由の侵害(21条1項)等、法的拘束力の度合いに注意すること。③全党・会派による超党派議員連盟の活動の具現化として、法案提出にあたっては全会一致による成立を目指し、全ての政党・会派の合意が得られる立法に努めること。
上記認識のもとWTでは、2本の法案策定作業を行った。一つは、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」(以下、政治分野における男女共同参画推進法案)である。男女共同参画社会基本法の下に位置する政治分野における個別推進法である。2015年8月に成立した「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)は、経済分野・職業生活における女性の活躍を推進する法律であるのに対し、同法案は女性活躍推進法の政治分野版と位置づけられるものである。もう一つは、女性候補者擁立及び立候補を後押しする一つの策として、衆議院の比例代表選挙名簿に新たな選択肢を加える「公職選挙法の一部を改正する法律案」である。具体的には、衆議院の比例代表選挙における、重複立候補者名簿の登載方法について、現行法では同一順位で惜敗率順に当選を決定する方法のみであるところ、改正法案では、政党のあらかじめの判断によって同一順位内で男女交互に当選決定できる方法を追加するものである(14)。2法案のうち、政治分野における男女共同参画推進法案については、本稿執筆中の現時点では、全党・会派の合意を得て国会に提出すべく調整が行われている。

3.「政治分野における男女共同参画推進法案」の概要
超党派の国会議員による「政治分野における男女共同参画推進法案」は、全党・会派の合意を得られることを念頭に策定されたものであり、様々な立場や意見の最大公約数を見出す作業であった。男女が共同して参画する民主政治の発展に寄与することを目的として謳い、その基本原則として、衆議院、参議院及び地方議会の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われることを明記し、実態調査や情報収集、啓発活動、環境整備、人材の育成など、国及び地方公共団体に責務を規定し、政党や政治団体には自主的取組みの努力義務を課している(15)。推進法としてもシンプルな構成の法案であり、詳細については今後の国会における議論に委ねることとするが、本稿では本法案の対象者について少し触れてみたい。
本法案は男女が共同して参画する民主政治の発展に寄与することを目的としており、法案の名称が示すとおり、政治分野において持てる力を十分に発揮してもらうよう男女共に応援する趣旨であることは明らかであるが、加えて、男女が政策の立案・決定への機会が確保される職として、公選による公職(選挙で選ばれる議員・首長)だけでなく、非公選のもと選任される内閣総理大臣その他の国務大臣から副知事、副市長村長など、政治分野における指導的地位にある者を広く対象としている。本法案の目的を踏まえた上での議員連盟の判断であると言える。また、公選による公職には、国会議員だけでなく地方議員も含まれている。女性議員ゼロの市区町村議会が全体の約2割を占めるなど(図3参照)、我が国の地方議会における女性議員比率に対する議員連盟の問題意識が表れたものである。

 

おわりに
超党派議員連盟で策定された「政治分野における男女共同参画推進法案」は、法律によって政党等にクオータ制などポジティブ・アクションを押し付けるものではなく、あくまでも政党等の自主的取組みを促すものである。仮に推進法が成立すれば、政党等が法の趣旨を踏まえた取組みを行うことが期待されるが、「政治分野における202030」の達成や、政治分野における女性の参画と活躍の推進は、社会全体で取り組まなければ実現しない。我が国において女性議員比率が低い原因としては、女性の資金面、体力面、人材面の不足が考えられる。資金面においては、女性の経済力向上はもとより、政党その他による経済支援制度の充実が考えられる。体力面においては、そもそも政治家や候補者が有権者に求められる活動内容について、社会慣習の問題として考える必要があり、このことは選挙制度とも関係する。また、人材面においては有力な人材源である地方議員や官僚に女性が少ないことも指摘されている(16)。
国権の最高機関である国会において、国民の多様な意思が的確に反映されるよう、立法府はもとより社会全体での取組みが求められる。

(1) 第3次男女共同参画基本計画 (2010年12月17日 閣議決定)
(2) 国立国会図書館 政治議会調査室・課作成資料 2015年3月30日
(3) 国立国会図書館 政治議会調査室・課作成資料 2016年10月
(4) 同資料をもとに算出
(5) 参議院HP 議会情報より
(6) IPU, “World Classification” Women in National Parliaments (IPU HP)
(7) 3か国が同一順位の19位のため21か国となる
国立国会図書館 政治議会調査室・課作成資料 2017年4月
(8)  菊池啓一「ラテンアメリカにおけるジェンダー・クオータと女性の政界進出」『ラテンアメリカレポート』2010,p.48 注(5)
(9) 三浦まり・衛藤幹子編著『ジェンダー・クオータ』明石書店,2010,pp.20-21
(10) 国立国会図書館 政治議会調査室・課作成資料 2017年4月
(11) 宮畑 建志「女性議員の増加を目的とした措置 -諸外国におけるクオータ制の事例―」『レファレンス平成27年11月号』国立国会図書館 調査及び立法考査局
(12) 糠塚康江「フランスにおけるパリテ:女性の政治参画推進の技法」『国際女性』No.27, 2013,pp.74-77
(13) 宮畑 建志「女性議員の増加を目的とした措置 -諸外国におけるクオータ制の事例―」『レファレンス平成27年11月号』国立国会図書館 調査及び立法考査局
(14)「公職選挙法の一部を改正する法律案」政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟作成 2016年6月
(15)「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟作成 2017年3月
(16) 吉野孝・今村浩「日本―ようやく始まった女性の政治進出―」吉野孝ほか編『誰が政治家になるのか―候補者選びの国際比較―』早稲田大学出版部, 2001, p.149

<その他参考文献>
・辻村みよ子『ポジティブ・アクション―「法による平等」の技法』岩波新書, 2011.9.11
・大山礼子「女性の力が政治を変える」政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟講演資料(2015年2月26日)

電通の過労死問題

2016年12月31日

 「電通、上司1人と法人を書類送検 新入社員過労自殺」。
 多くの企業が仕事納めとなる12月28日、飛び込んできたニュース。先月に家宅捜索を受けていたのでこのようなことも想像はしていたが、9年間勤めた会社だけにショックである。さらに、同日夜には、石井社長の引責辞任が発表された。 石井直社長は、1998年、私が契約社員として電通に採用された時の直属の上司だった方。当時、社員のほとんどが新卒採用だった電通において、中途採用者の私は、当時営業局次長兼部長だった石井氏の下で働くことによって「電通のDNA」を肌で感じ、広告代理店営業ひいてはサービス業の本質について「目からウロコ」のような気付を得ることが出来た。石井氏の下で働いた経験の多くが、現在の国会議員としての活動にも生きていると感じている。
 電通では、仕事に対するプライドと秀でた能力を持つ社員に囲まれる中、私はたいした仕事もできない営業だったにもかかわらず、契約社員として勤めてから2年3ヶ月後に正規社員として再雇用された。その際、石井氏にご尽力頂いたことは決して忘れることの出来ない恩である。
 電通では、過重労働が常態化していたのだろうか?確かに、私が電通で最初に担当させて頂いた仕事は過酷そのものだったし、周囲を見ても、突然、クライアントに対するプレゼンが必要になったり、競合プレゼンの準備ともなれば深夜労働は当たり前であった。
  一方で、私のクライアントの仕事をしてくれていたマーケティング部の優秀な女性は、2人の子供を育てながら実に効率よく仕事をし、基本的には残業ゼロであった。「クライアントファースト」がを守りつつも、ダラダラ残業をなくし、労働生産性をあげることは可能だったのではないか。
  けれども、クライアントや取引先のために、あるいは競合他社に勝つために、いつでも&いつまでも働くことを善しとする空気に支配されていて、彼女のような覚悟と割り切りのある社員の他はその空気を何となく読んでいたような気がする。私が在職していた頃から10年が経過しているが、当時と同じような社内風土のままであれば、やはり働き方について考え直す必要はあるかもしれない。
 電通には、有名な「鬼十則」がある。中興の祖と言われる4代目社長である吉田秀雄氏による行動規範である。私にとっては、「鬼十則」があることが電通で勤めてみたいと思った理由の一つであるが、今どきの勤め人(被雇用者)に鬼十則を行動規範として働けというのには無理がある。良くも悪くもそういう時代だ。けれども、国家国民、市民のために働く政治家や、経営者にとっては、鬼十則の精神はむしろ学ぶべきことが多いと思う。
 お世話になった会社で起きた事件について、あまり触れないようにしようと思っていたが、石井社長の辞任の報道に接し、今の思いを綴らせて頂いた。広告代理店は、電通に限らず人がすべて、人が資本である。広告代理店にとっては社員が自発的に仕事に取り組み、能力や意欲を活かすことによって会社の業績があがる。そして、社員にとって会社は自己実現の場でもある。このたびの事件を契機に電通は、社員というかえがえのない資本の、今の時代に即した活かし方について考え直されることと思う。
  情緒的な言い方になってしまうが、石井直社長の辞任には複雑な思いではあるが、新しい体制のもと電通が輝きを取り戻すことを期待する。

参院選を振り返って

2016年07月19日

7月10日に行われた参議院選挙では、私は積極的に特定の政党や候補者を応援はしませんでしたが、選挙結果については国民が示した民意として重く受け止めたいと思っています。今回の参院選においては、アベノミクスの是非が争点かのように据えられ、与党は前へ進めるのか、後退させるのか、といったエモーショナルで抽象的な訴えに終始し、野党第一党はアベノミクスを否定はするが対案を示さないため、国民の関心が低い論戦であったと感じています。日本の経済は国内の状況だけで決まるわけではなく世界情勢に大きく左右されるわけですので、アベノミクスの是非といった硬直的な議論だけでは、変化する現実に柔軟に対応仕切れないとはずです。国政選挙として、もっと、国の統治機構のあり方や、中長期的な未来図、混沌とした世界情勢の中での日本の役割など、大きな視点での論議があるべきだったと思います。特に、参院選こそ、参議院の役割や選挙制度について国民に問いかける好機であるにもかかわらず、各党とも触れていないことが残念でした。野党第一党がスローガンとして掲げた「ますは3分の2を取らせないこと」については、改憲勢力、非改憲勢力というレッテル貼りは一見わかりやすそうであっても、実は意味をなさないと思いました。改憲勢力と言われている政党(議員)であっても、改憲への関心分野は異なり、公明党は直近において具体案を示してすらいません。一方、非改憲勢力に分類される生活の党は改憲案を示していますし、民進党は護憲ではないはずです。私自身も参院選公示前後に、多くのメディアから「改憲勢力なのか」といった取材を受けましたが、改憲議論は国会内においても国民の間でもまだ行われていない現状において、そのような改憲勢力3分の2を数えることはナンセンスだと答えています。ちなみに、私個人の考えは改憲であり、参議院のあり方や国と地方の関係など、国の統治機構の分野において憲法を改正して変えるべき点があると考えていますが、改憲は、国民の半数以上が憲法改正の議論に前向きである、といったような機が熟していなければ行うべきでない、と考えています。国会だけでなく国民の熟議の時間が必要です。

8月に2期目の任期の折り返しを迎えます。この間様々な紆余曲折がありながらも、国会や地元埼玉県で安定した活動を続けることが出来たのは、一人ひとりのご支援があってこそと、実感しています。今後とも皆様のご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

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